手錠拘束ミツメイ
「メイ、一つ頼みがあるのだが…」
いつもと違う展開に冥は不思議に思った。
こんな事は初めてだ。
「何?」
「先日矢張が新しい彼女の載った雑誌を送りつけてきたのだが…」
マットレスの下から雑誌を取り出す。
どこに隠して…と言いかけて絶句した。
「これがその彼女らしい」
見開きのグラビアに映った女は目線代わりのアイマスクにギャグをつけた顔。
ボンテージは隠すべき場所を露にし、荒縄で手足を縛られて開かれた股間に深々と黒い何かが埋められていた。
「なっ…何よこれ!汚らわしい!」
雑誌を部屋の隅に放る。顔が熱い。
「ム…これは撮影用だったらしいのだが、それ以来夢中になって病み付きに」
「そんないやらしい女の話なんてしないで!」
「では君の話をしよう」
御剣が覆い被さる。
冥はいつになく恐怖を感じた。
「私達もたまにはこうした刺激を求めてもよいと思うのだ」
「バ、バ、バ、バカ!」
「君も写真を見ただけで興奮し」
「してないわよ!やだ、こんなの完璧じゃない!」
こんなに御剣が怖いと思ったのは初めてで、冥は涙目になるのを押さえられなかった。
パジャマの前ボタンを外し、胸元に紅い跡を残される。
「君は完璧だ。いつも、どんな時も」
優しく響く、いつもの声。
「ホントに…?」
「ああ。だから」
両手を捻られカシャンという金属音が二度した。
冥はあっという間もなく手錠で両手を拘束される。
二つ目の手錠はバンザイの形でヘッドボードの装飾の突起と繋ぐ為のものだ。
「こうしても完璧だ」
「嫌!放して!」
「往生際が悪いぞ」
脱ぐ事の出来ない上着を腕にからめたまま、乳房に舌を這わせる。
行為に馴れた体は先端を尖らせた。
いつものように充血したそこを指先でもてあそぶ。
「感じているではないか」
抵抗しようとしても、手首は痛いし足は男の体重に敵わない。
指先が、舌が、冥を嬲る。
「強姦で、訴えてやる…!」
口での抵抗が精一杯だった。
だがそれにも何時ものイヤミな笑みで対抗された。
愛撫の手は止まない。
「日本において、同棲する恋人同士に強姦が適用されると思うか?」
つつ、と指が腹を伝いズボンをずらしてショーツの上から陰部をなぞる。
「あっ…DVよ…こんなのっ」
「暴力も威すような言動もない。それに」
「はんっ」
布地の下に滑り込んだ指が中をすくって冥の眼前にやられる。
「これは、合意の証ではないかね?」
愛液を乗せた指。
恥じらいから顔を反らした。
「せ、生理的反応よ!合意は行為の前に」
「我々は常の生活サイクルから合意を確認しあっている」
首筋に唾液を塗り付けられ、背中をぞわりとしたものが走った。
ショーツのクロッチ部分をずらされ、茂みに守られた秘所を暴かれた。
そのまま体をずらしてペッティングに及ばれる。
「ひゃぁ、ダメえレイ…もう、あはぁん!」
執拗な責めに乱され頭が働かない。
自由になった足から下履き全てを取り払われ御剣がパジャマを脱ぐ間に蹴るという選択肢も浮かばなかった。
充血した肉芽に亀頭を擦りつけられ冥の腰が跳ねる。
「メイ、言ってごらん。何時ものように…」
「やっやあっ!だめ、言えない…っ!」
腰を抱えられたまま男根は粘液を産み出す場所を上滑りするばかり。
何度も強要され何度も口にした言葉。
手の自由を奪われただけなのに。
「挿れてほしくはないのか?」
入り口に当てがい体液を拡げてぐるりと辺りをかきまわした。
内部のうずきが羞恥を凌駕する。
「欲しい…!い、れてっああ!」
じらされた時間と正比例して侵入の快感が常よりも増している。
御剣もそれに気付いているのだろう、口を楽しげに歪ませた。
「拘束されて、拒否しながらもセックスをして感じているのだな」
「いっ、わない…でぇ」
「そんな君を愛してる」
どうして。
口下手で、愛の言葉なんて滅多にくれないのに。
「ああっ…んっそこ、イィやあ!」
腰が揺れて男の動きを一層感じてしまう。
「ああ、イっちゃ、ぅああん!!」
背徳感に裏打ちされた快感の中同時に昇りつめた。
かしゃん…
解放された両手首をさすると少し赤くなっている。
「たまにはこういう趣向もよいな」
御剣はご満悦だ。
「次回は、拘束したままで君に口でして貰えたらさぞ」
「いいわよ。何なら今からする?」
「本当か!?」
意外な言葉に俄然御剣のボルテージが上がった。
「その代りちょっと私のお願い聞いてくれる?」
「勿論だとも!!」
浮かれた妄想に脳が占領された男には、うつむいた彼女の表情は目に入らない。
「ちょっと目を瞑って、手を下ろしてて」
「こうか?」
「そのまま待ってて…ね!」
かしゃん
「何!?」
「ついでに目隠しもしてあげるわよ」
この段になって漸く女の怒りの籠った声に気付いた。
「メイ、何を考えて」
「貴方が仕掛けた事よ、ちゃんと口でしてあげるわ…」
視界を遮られた状態で、先端が暖かいものに包まれた。
「ぐぅ…ぬ、ォオ」
愛撫は亀頭のみ。興奮しても射精には繋がらない刺激だ。
「もっと、下までくわえてくれ…頼む、舐めてもいい」
「ダメよ、レイジの指図は受けないわ。そうよ」
肩を押されてヘッドボードに頭を打ち付けた。
覆いがなければ目玉が飛び出ていただろう。
「男性は前律腺を刺激されるとオーガズムを感じるそうじゃない」
菊座に指の感触。
戦慄を覚えたが、むやみに抵抗しては冥をしたたかに蹴ってしまう。
「や め た ま え!!」
「問答無用!」
衣を引き裂く男の悲鳴が木霊した。
最終更新:2010年02月02日 02:15