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2-4後初エッチ


御剣はいよいよ泉の奥に侵入を試みた。
「くっ…」
途端に冥の柳眉が苦痛にひそめられる。
初めて道を拓かれるそこは、一本の指ですら痛みを伴うようだ。
「痛いのか?」
「へ、いき…だから、続けて…つぅっ!」
強がりを口にしても、目には涙が浮かび内部は侵入を拒むかのようにきつく絞めあげてくる。
入り口をほぐそうにも微かに指を動かすだけで堪えきれない声が咽から漏れてくるのだ。
これ以上は無理だ。御剣はそう悟って指を引き抜いた。

「…っ…どうして、止めるの?」
「我慢するな。君に痛みを与えたくない」
「これくらい平気よ!撃たれた痛みに比べたら…」

つい先日血に染めぬかれたばかりの肩は今や白い包帯に守られている。
御剣は布ごしにそっと傷口に口付けた。

「君にこれ以上痛みを与えたくないんだ」

何より大切な人だから。
そこまでは声には出せず、言葉にする代わりに優しく抱き締めた。

勿論御剣にも男としての欲はあるし、明日には離れ離れになってしまう恋人と一つになれない事は辛い。
しかし、二人はつい先程想いを確かめ合ったばかりなのだ。
焦る事はない。
そう自分の胸で結論づけ、白い額にキスを落とした。

「でも…レイジ、そ、そんなじゃない」
ベッドに並んで座ると、冥の視線は未だに膨らみを見せる御剣の下着に向けられていた。
「ム…これはだな、自然に治まる」
「そういうものなの…?」
「そういうものだ」
但し、裸で身を寄せ合っている間は無理だろうが。
冥が眠ってからバスルームで自己処理でもすればいい。
御剣は単純にそう思っていた。

「で、でも……つ、辛くないの?」
冥が顔を赤くしながら御剣の上に乗るように腕を回すと、柔らかな足が股間に擦れた。
そんな僅かな刺激にもぶるりと身が震える。
「ム、ゥ…安心したまえ。その程度の分別はある」
だからあまり揺さぶらないで欲しかった。
「レイジは、…私が痛くなければ、続けたいんじゃないの?」
「だから…」
鼻先に指を突きつけられ制止される。
「質問に答えなさい。痛みがなければしたいの?それとも、痛みがなくてもしたくないの?」
この尋問からは逃れられそうになかった。観念して溜め息をつき、正直に告白する。
「それは勿論、したい。しかしメイの体が最優せ…」
御剣が言い終わる前に冥は先程脱ぎ捨てたバスローブを拾って身に纏い、ベッドから降りた。
ハンドバッグから何かを取りだしたが、照明を落とした室内ではそれが何かは判別出来ない。
水をコップにつぐ冥に尋ねた。
「メイ、何を…?」
冥は白い錠剤らしきものを見せてくる。
「それは?」
「……鎮痛剤。傷が痛み出したらって処方されたものよ」
コクンと飲み干して、しなだれかかる。
「私だって、レイジに我慢させたくないんだから…」
どうやら、続きを望んでいるのは御剣一人ではないらしい。
頬を染める少女のいじらしさに、一段と下半身に熱が篭った。

再び冥は産まれたままの姿となり、御剣の愛撫を恥じらいと共に受け入れた。
二本の指が蜜壺に入り込んでも違和感を感じるのみで痛みの片鱗も見せなかった。
「辛くはないか?」
「平気…何だか、変な感じがするけど、大丈夫よ」
先程よりはややほぐれたようにも思える。
御剣ははやる気持ちを押さえて己自身を当てがった。

膨張しきったモノは狭い入り口をなかなか通らず、上滑りしているようだった。
もっと力を込めても大丈夫、そう伝えようと冥が口を開いた瞬間。
「グッ…」
下腹辺りに暖かいものが降り注ぎ、生臭いニオイが鼻についた。
「──レイジ?」
「す、すまない、失態を…」
まさか、もう?
冥の性知識は通り一辺の教育の他は、殆んどが性犯罪の公判資料だった。
細かい知識はなかったが、挿入前に射精など聞いた事もない。
肩で息をする御剣を前に何か自分が悪かったのかと考えを巡らせても、未経験の身では何一つわからなかった。
「大丈夫、なの?」
「ああ…その、すまない」
気遣うと、御剣は視線を合わせずシーツで冥の体を清めた。
「冥の中が…あまりに、その…素晴らしくて…」
「そ、そうなの?ありがとう…」
誉められているのだろうが、何と答えたらいいのか。

「こんなによいものとは…知らなかったものだから」
「───え?」
まさか、まさか。
「レイジ、もしかして……?」
「お、おかしいだろうか。この年で……未経験というのは」
逞しい体つきの成人男性が産まれたままの姿で恥じらっている。
余りに意外な発言に冥は驚きを隠せなかった。
「おかしくはない…と思う、けど…」
「すまない、君が嫌がるかと思って…」
「嫌っていうか、リードしてくれるし、てっきり…」
経験があるとばっかり。
チラリと上げた顔は耳まで真っ赤だった。
「こういうものは男がリードするものだろう。だから…」
巨体を縮こませてモジモジとシーツの端をいじっている。
冥はシーツを御剣の手から奪い捨て、うつ向く顔を覗き込んだ。
「……じゃあ、今日がレイジの初めてで、レイジの初めての相手は私って事?」
「う…そ、そういう事だ」
まだ視線を外そうとする御剣に、ちょんとキスを贈る。
「嬉しい」
「ほ、本当か?気持悪くはないのか?」
「そんな訳ないじゃない。レイジの初めてになれるなんて…」
「メイ…」
裸のままで抱き合うと、また御剣自身が元気になっていく。
「その…今度こそ、君の初めてを私にくれないか」
「…いいわ。レイジの初めて、もらってあげる」
夜明けまで、いや、フライトまではまだ充分時間はあった。
明日には離れてしまう恋人同士が初めて愛し合うには足りないかも知れなかったが。
最終更新:2010年02月09日 20:44