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出産直前エロ


「もう三日も予定日を越えてしまったな。まだ産まれそうにないのか?」
「今日診察に行ってきたけど異常なしですって。
予定日はあくまで目安だし、初産は遅れることが多いものよ」
「…ならよいのだが、早く顔を見たいものだな」

大きくなった冥の腹を後から撫でると、胎動も感じられる。
御剣はもうすぐ新たな家族を迎える幸福感に包まれながらも、ちょっとした欲求
不満にもかられていた。

冥が妊娠初期に入院した時とその直後を除いて妊娠中も夫婦生活はそれなりに続
けていたが、
早産防止の為に膣内射精は禁じられ、冥のオーガズムも自粛していた。
それでもコンドームを付けて行為に及んだり、達するまでいかなくとも冥を快感
に導いていたのだが、
約一ヶ月程前から「破水の危険性がある」と挿入まで禁じられていたのだ。
冥から御剣への愛撫や挿入を含まない性的な触れ合いはあったが、
一つに繋がりたい、思うままに乱れさせたいという願望は抑制せざるを得ない。
自然と、行為に及ぶ回数は減少していったのだ。

「あんまり遅いとよくないから、たくさん歩いて陣痛を促すといいそうよ」
「その体で徒歩で外出するのか…」

冥曰く体重管理も完璧だそうだが、それでも臨月の腹は大きく、重い。
仰向けやうつ伏せで寝ることもままならず、横向きになったり、時にはリクライ
ニングソファで眠ることもあるのだ。
自宅内の移動も億劫そうに見えるのに、自分の目の届かない時に徒歩で外出など
御剣には心配で堪らなかった。

「外出する時は必ず誰かを呼ぶのだぞ」
「仕方ないわね、わかったわ。……あ、あともう一つ言われたんだけど……」

言いよどんで肩越しに振り返った冥の顔は心なしか赤らんでいる。

「“お迎え棒”するといいんですって」
「………何だ、それは」

お迎えとは赤ん坊を迎えるという事だろう。しかし棒とは何だ。

「何か必要なものがあるなら買うといい」
「買う訳じゃないわよ……だからね…その…」

寝返りを打つのも大変なのに御剣の方に向き直る。
一息つくと、真っ直ぐに御剣の目を見て冒頭弁論をするかのように口を開いた。
「精子に含まれる成分が子宮を収縮させる効果があるから、物理的な刺激と併せ
て陣痛を促すのよ」



…つまり、あれか。棒とは、男性器のことか?
なんなのだその表現は。身も蓋もない。
いやそういう問題ではない。
詰まる所“お迎え棒”なる単語が意味するのは…

「そ、その、大丈夫なのか?」
「赤ちゃんは充分育ってるし、今すぐ産まれても大丈夫だから…」
「いや、君の体も、その…痛みを感じるとか、感覚が違うのではないのか?」
「………試してみないとわからないけど…」

ぎゅう、と冥が御剣の首に抱きついた。

「レイジは、嫌なの?」

嫌なものか。
言葉にする間も惜しくて冥の唇にむしゃぶりついた。

本能のままに冥を抱きたかったがそうもいかない。
相手は臨月の妊婦なのだ。
無理のない体勢をとるにも手助けが必要だった。

「…んぅ、あ……す、吸っちゃ……」

ベッドヘッドに冥をもたれさせ、片側の乳房を口と掌で、もう一方は指先で丹念
に愛撫する。
思うままに柔らかな肉を揉む感触が口腔内にも伝わってくる。
と同時に少量の乳がにじんできた。
変わった味だ。ほんのりと甘く、微かに塩味もある。
遠い昔に味わっていた筈なのに、懐かしいどころか新鮮な思いがする。
母体の神秘にも心打たれるが、今は冥には母であるより女でいて欲しい。
唾液を絡めて舌先で突き、唇で擦っては大きく口に含んだ。

「やぁ、…レイジ……」
視線を上に向けると熱をもった瞳があった。
そこに浮かぶ催促の色を見て取った御剣は一層体を寄せた瞬間

ぼこっ

顎下からの衝撃に一瞬怯んだ。
「あ、…また蹴ってる…」

ぼこぼこっ

冥の腹が内部の動きに合わせているのだろう、ぐねぐねと動く。
まるで、赤ん坊が不服を申し立てているようではないか。
目が合って二人同時に吹き出してしまった。

「フッ…冥、産まれるのはきっと男の子だ。
彼は今、君の乳房の所有権を主張しているに違いない」
「そうかしら?もしかしたらヤキモチ焼きの娘が『パパ、私の事も可愛がって』
って言ってるのかもよ?」

胎動も治まったようだ。
子供の頭を撫でるつもりで(実際にはこちらは足側らしいが)ぽんぽんと腹部の
上辺りを撫でる。

「異議があるなら後日聞こう。
面と向かって私に言うがいい」

だから、早く出てくるのだ―――こう幾度となく邪魔されてはかなわない。

仕切りなおしに体勢を替え、手をついて膝を立てた四つんばいの体勢の冥の後ろ
側に回る。
以前ならば断固拒否されたろう姿だが、無理のない体勢は限られていた為に羞恥
に耐える冥が一層いとおしかった。
眼前に広がる蜜を湛えた花園を一舐めすると冥が震えた。

「んっ…あ、はぁ!」

愛液はとめどなく溢れ、嬌声と共に白い双丘が揺れ妖しく男を誘う。
指で慣らすのももどかしく、立ち上がった自身を沈めていく。
久々に味わう生の感触に脳が蕩けてしまいそうだ。

「ああ、レイジ…レイジの、感触、久しぶり…」
「…メイ……行くぞ」

腰を掴んで激しく注挿を繰り返す。
思いのままに突き上げると感じたままに嬌声があがり、一層の情欲を掻き立てる

「あ、あ、レイ、すごい、ああっ!」

情熱のままに獣の如く腰を打ちつけ成さぬ子種をばら撒いた。

行為を終えた御剣は、冥を背中から抱いて余韻に浸っていた。
いつもとは違った感触がしたが妊婦とはそういうものなのだろう。
違和感を感じつつ自身を引き抜いた。

腹を押さえる冥の為に後始末をしようとティッシュを取る。
ぐったりした冥の足元に回ると、異変に気が付いた。
シーツの濡れ方が尋常じゃない。
失禁した訳でもない。これはまさか…


「レイジ…お腹が張るの……」
破水だ!
「医者だ!いや、救急車!」
「待った…救急車はお産では呼ばないの。
とりあえず病院に電話…携帯取って」
あわあわしながら冥の携帯を渡す。
お迎え棒の威力、恐るべし。


車で駆けつけた病院で、冥は機械につながれベッドに固定された。
「妻の具合は」
「ああ、大丈夫ですよ。産まれるのは早くても明日の昼くらいじゃないですかね

昼だと?まだ夜中だというのに!
「いや、お父さんも頑張りましたね。次はお母さんの頑張る番ですから」
「!!!!!は、はぁ…恐縮です」
顔を真っ赤にしながら、思ったことはただ一つ。
お迎え棒、恐るべし。
最終更新:2010年02月02日 02:56