ミツメイ(22×15)
ロリ冥で本番は抵抗があったので、15歳設定で書いてみた。
下の二点が平気な方だけどうぞ。
その年の12月27日、御剣怜侍は天野河コンツェルンのパーティのため、アメリカにいた。
滅多にこういう場に出ない狩魔豪だが、このパーティだけは毎年恒例だった。
丈一郎への義理だけでなく、政界、財界との顔繋ぎも時には必要なのだろう。
御剣は初めて出席したが、検事に取り入ろうとする人間の多さに、純粋に驚かされた。
(愚かな。いくら検事に尻尾を振ったところで、起訴されたが最後、有罪あるのみだ)
そんな考えを顔に出すほど子供でもない。
適当に要人と挨拶を交わしたところで御剣は人の輪から外れた。
用は済んだ、あとは好きにしろと先生には言われている。もう帰っても構わないだろうか。
そんな事を考えていると、
「レイジ!」
「うわっ」
後ろからぐいっと腕を引っ張られた。
アメリカの知人にそんなイタズラっ子は一人しか思いつかない。
「グラスを持っているのに危ないだろう。まったく君は……」
振り向く角度は斜め45度、そうするとちょうどイタズラっ子の顔が見える。……筈だったのに。
目に入ったのは肩口で揃えられた髪と、白い首と、鎖骨に浮かぶシンプルだが品のいいネックレス。
(いささか計算が狂ったな)
表情には出さないものの、御剣は少なからず動揺していた。
咄嗟に目を逸らし、そろそろと視線を上にやって、ようやくその顔を捉える。
「……メイ」
「なによ、私の顔を忘れたとでもいうのかしら?」
「まさか。ただ随分と、その。……背が伸びたので驚いたのだ」
「レイジ、それが久しぶりに会う姉弟子への挨拶なの?相変わらず礼儀がなっていないわね」
溜息をつかれた。何やら「妹」弟子の機嫌を損ねてしまったようだが、よくわからない。
「法廷デビュー以来負けなしと聞く、おめでとう――と言っても君は満足すまい?」
「当然ね。勝つべくして勝っているのだから」
胸を張って冥は答えたが、その後もごもごと何かを呟いた。
だからそうじゃなくて、と聞こえた気がする。では何を言えというのだろうか。
沈黙の間に御剣は冥の様子を見た。淡いグリーンの柔らそうなドレス姿。
胸元の開いた大人向けのデザインは少々目のやり場に困る。
妙齢の――それこそ微妙なお年頃の少女が、十分それを着こなしているだけに、尚更。
(なんなのだ、この居心地の悪さは……っ)
冥はまだあどけなさが残るものの、検事として働く「自立した女性」でもある。
顔つきとアンバランスな大人っぽさが綯い交ぜになって、不思議な輝きを発していた。
そんな御剣の頭のどこかで警鐘が鳴る。彼女は妹弟子なのだ、と。
ちらりと扉に視線を向け、御剣は口を開いた。
「その、私はもう失礼しようと思うのだが、君はどうする?」
「私も帰ろうと思っていたのよ。だからあなたに声をかけたの」
どうせ同じ家に帰るのだから。そう言って冥は扉に向かって歩き出した。
その後を追い、御剣は小さく溜息をついた。
アメリカ同様、この狩魔邸も久しぶりだった。
冥が淹れてくれた紅茶にブランデーを垂らしながら、御剣は室内を眺める。
写真がたくさん飾ってある。そのうちの何枚かは御剣も見たことがあった。
冥の姉が定期的に手紙と家族写真を、父である狩魔豪の元へ送ってくるのだ。
だから日本とアメリカに離れていても、いつも御剣は冥を「見」て、知っていた。
髪型を変えたり、ピアスを開けたりと、年頃の少女らしくお洒落を楽しむ姿。
それから、少しずつ大人びてくる顔つきも。
だが写真は写真。現実の半分も写し撮っていないことに、実際に会って気付いた。
想像以上に背が伸びていたこと、ややハスキーになった声、そして女性らしい柔らかさを帯びた身体。
そこまで考えて御剣は首を振った。
(――何を考えているのだ、私は)
「レイジ」
キッチンから冥が姿を現す。まだドレス姿のままだ。
真昼のように明るいパーティ会場では、胸元が見えすぎて目のやり場に困った。
ここは家の中で普通の照明だ。先ほどより気にしなくていい。
それなのに何故、今度はその肌の白さに目を逸らしたくなるのだろう。先ほどから、冥を正視できない。
(今夜の私はどうかしているに違いない。先ほどからオカシイ)
内心で頭を抱えながらも、平静を装って、なんだろうかと御剣は応える。
「今日はパパは帰ってこないわ」
「帰ってこない?」
つまりは今晩二人きりということか。
思わず咽そうになった。
「このパーティの後はいつもそうよ。丈一郎さんと飲み明かしているのかしら」
「ふむ……それは知らなかったな。飲み明かすとは先生らしくないが、他に思い当たることもない」
お義理での出席なのに、そんなに長居もしないだろう。
友人と飲み明かしているという推測に達するのは自然なことだった。
「だからね、レイジ」
「うム」
何気なく相槌を打つと、冥がじっとこちらを見た。
――パチン、と電気が消えた。
突然の暗闇に驚いて立ち上がった御剣の胸に、温かいものがぶつかる。
「抱いて」
聞こえた言葉は鮮明で聞き違えようがない。
飛び込んできたのは冥だった。いや、そんなことはわざわざ考えずともわかっている。
この事態に頭がついて来なかった。
「メ、メイ、君は何を……」
引き剥がそうとするが、ぎゅううと渾身の力でしがみ付いて来る。
「こんなこと、二度も言わせるつもりなの?」
顔を埋めているせいか声がくぐもっている。それとも、涙声なのか。
「いや、そうではなくて…、だが、その」
「レイジが、好き」
「メイ――」
涙声だった。思わず肩を掴んでいた手が止まる。そして、気付いてしまった。
華奢な肩が震えている。彼女は勇気を振り絞っているのだろう。
「子供扱いしないで。ちゃんと、私を見て」
呆然とする御剣の頬に両手で触れて、冥は背伸びをした。
恐らく、彼女はキスをしようとした。
けれど冥の身長では僅かに足りず、御剣の下唇を掠めただけに終わる。
「――ッ」
その瞬間、勝手に身体が動いた。
覆い被さるように身を屈め、離れてゆく唇を追いかける。
気付けば妹弟子、に。まだまだ子供だと思っていた相手に夢中で口付けていた。
――子供扱いしないで。
そうするより他にないではないか。兄弟子としての理性を保つためには。
――ちゃんと、私を見て。
自覚したくなかったのだ。あの警鐘は、もはや手遅れなどと。
冥から向けられる想いと、逃げ腰な自分との差異が後ろめたい。
相手も望んでいるとはいえ、先へ進んでもいいのだろうか。
冥が欲しいと。自分が欲情している事を棚に上げて、選択を委ねる狡さが言葉となって落ちる。
「……君はまだ15歳、未成年だ」
「異議あり、よ。レイジ」
暗がりの中でも冥が笑うのが分かった。
「早いところでは、15歳で結婚できる州だってあるわ」
ベッドがいいという冥を2階へ運び、そのまま性急に抱き合った。
最初は触れるだけのキスを繰り返す。
やがて少し強く唇を吸うと、くぐもった吐息が零れた。
「ふ…く」
開いた唇から侵入して舌を絡める。驚いたように冥が身じろいだが、構わず続けた。
どうしていいかわからないのか、上着の裾を握り締めて、されるがままになっている様子が可愛らしい。
(――タキシードが皺になってしまうな。メイのドレスも同じことだが)
冷静なつもりでも、どうでもいいことが頭をよぎっていく。
生来の不器用さ、加えて酒が入った中ではいつも以上に動きが鈍い。
それとも、緊張で手が震えてしまうのだろうか。
片手でドレスを脱がそうとするのだが、のたのたと手探りでは一番上のホックが上手く外せない。
結果としてただ背中をくすぐっているだけで。時折身を震わせながら「不器用ね」と真っ赤な顔で冥が詰る。
悔しいので指ですっと背筋をなぞってみると、更に反応が大きくなった。
「ちょっ、と。ねえ、くすぐったい……っ」
「すまない、少し待ってくれ」
鎖骨に唇を落として両手を後ろに回す。どうにか外せた頃には、冥は肩で息をしていた。
緊張しているせいもあるだろうが、どうやらかなり敏感らしい。
服を脱いでいる間にネックレスは冥が自分で外した。ちぎられたら困ると言って。
下着姿になった肢体をゆっくりと倒すと、目が合った。しばし見つめあう。
「――君はまだ、子供だと思っていた」
正直なところ、子供であって欲しかった。
ずっと目を逸らしていたのに、ここでこんな風に理性を砕かれるなんて思わなかった。
「知ってるわ。どうせ私なんて眼中になかったのよ」
「それは……違う。君がずっと特別だった」
「本当に?だったらいいわ。許してあげる。あなたに今から、何をされても」
「……誘い文句もオトナだな、メイ」
誘い文句というより、いじらしさが先に来て胸が痛いくらいだ。
もう一度口付け、続きを始めることにした。
露わになった胸の膨らみを手と舌で少しずつ刺激していく。
先ほどのドレス姿からわかってはいたが、形のいい膨らみは子供扱いなどできない。
「……っ」
冥が息を呑んだ。敏感なようだが、快感ではないだろう。まだ。
刺激に反応するように立ち上がってきた乳首を、焦らすように指の腹でなぞった。
「レ…ジ、くすぐったい」
冥のセリフにも今度は謝らなかった。
代わりにその手を自分の背中に回させる。
「爪を立てても、噛み付いても構わないから。その、ガマンしないでくれ」
不器用な自分のことだ、まして初めての冥への負担はどれだけのものか。
労わりになっているのかどうかわからないが、愛撫に再び没頭する。
感覚の質が代わってきたのだろう。全身への刺激に、少しずつ声が上がり始めた。
ぞくぞくする、と自己申告があった場所を集中的に責めると、背中に爪が立てられる。
やがて潤み始めた秘所に、まだ早いと思いながら張り詰めた己を宛がった。そろそろ限界だ。
いいのだろうか、とはもう聞かない。
彼女はもう決めている。何をされても許すと。ならば自分もそれに応えねばなるまい。
ゆっくりと先端を埋めると、冥の身体がこわばった。
「――、痛っ……」
シーツの上に落ちていた手が咄嗟に御剣の腕を力いっぱい掴む。それだけ辛いのだろう。
気を逸らせるために口付けたり、乳首を甘噛みしてみるが、あまり効果はないらしい。
早く終わらせる方がいいだろうと判断し、「すまない」と短く謝って腰を進めた。
「いい、から、続けて……」
狭いところを押し広げていく。当然だが中はかなりキツい。
冥のこわばりが少し解けるまで待つつもりで動きを止めた。
目に溜まった涙を拭ってやると、固く瞑っていた目を開いてこちらを見た。
動きを止めた御剣をどう思ったのか、潤んだ瞳で訴えてくる。
「レイジ……やめないで」
「嫌だと言われても、やめるものか。私も、君が欲しい――、っ」
最初は小さく、少しずつ動きを大きくすると、その動きに合せて冥が鳴く。
「んん…っく……ああっ……」
冥の吐息しか聞こえない中で、どんどん頭が真っ白になってゆく。
腕や背中が引っかかれる痛みなどもう感じなかった。
腕の中では疲れ果てた冥が眠っている。
寝顔を見ていると、こういうことになった後ろめたさと、それ以上の喜びがじわりと浮かんでくる。
(労わったつもりだが、身体は大丈夫だろうか)
(15歳で結婚できるとは、一体どの州のことだ)
とりとめのないことが浮かぶ。
(先生にはいつ打ち明けたものだろうか)
睡魔に引き込まれる前、最後に考えたことは妙に現実的だった。
日付は変わり、DL6号事件から13年回目の12月28日が訪れていた。
最終更新:2010年02月02日 06:25