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新人検事エッジワースは初法廷が流れた日も様々な書類と格闘して終業を迎えてから師匠宅に赴いた。
メイドに先に帰したフランジスカの居場所を聞くと、広々とした食堂に案内された。
「あらマイルズ」
夕食はとうに終わった時刻、フランジスカはティータイム中らしい。
「よくそんなにケーキが食べられるな」
食卓にはチョコレートや生クリームやフルーツをふんだんに使ったホールケーキがいくつも並んでいた。
見ているだけで胸焼けがしてきそうだ。
「別にいいでしょ。急にケーキが食べたくなったから買いに行かせたの」
真っ赤な苺にフォークを立ててフランジスカはむくれている。
その表情に昼間の怯えがないのを読み取って、エッジワースは内心安堵した。
「では、これは必要なかったか」
「…!何でそれを!?」
鞄から取り出したのはスイスロール。
裁判所の自販機で販売しているもので、昼間フランジスカはそれをじっと見つめていた。
「土産にと思ったのだが、その分ではもう食べきれまい。好きに処分してくれ」
そう言って食堂のドアを開けた時。
「Hold it!!」
裁判独特の、待ったという声に引き留められる。
「確かに貴方の言う通り食べきれないわ…‘2つ’は」
「つまり、二切れ一組のスイスロールの内一切れなら食べきれると?」
「そうよ、そしてこの場にいる人間は二人…貴方も食べれば無駄にはならないでしょう」
ちりりん、とメイドを呼ぶ鈴を鳴らすフランジスカ。
「仕方ないから私がお茶をいれてあげるわ。
感謝することね、マイルズ・エッジワース!」
やれやれ。仕方ないか。
素直じゃないお嬢様の気まぐれに付き合う為に、エッジワースは大人しく席に着くことにした
最終更新:2010年03月17日 15:50