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 私とメイは恋人同士になったが、お互いの仕事ですれ違う生活が続き、恋人らしいことはなにもせず、いつもと変わらぬ生活を送っていた。
 それからしばらく。
 偶然私のアメリカ出張が、メイの家に近いところであった。そのことを伝えたら、うちに泊まればいいと、メイは言った。
 それがどういう意味か、彼女はわかっているのだろうか?
 空港から直接仕事場に行き、終わらせてメイにメールをする。
 自分は家にいるから好きなときに来ればいいという、彼女らしい簡素な返事が妙におかしくて、彼女の家に向かうタクシーの中でニヤニヤしてしまったかもしれない。
 チャイムを押してしばらく待つと、メイが扉を開いた。
 空気が流れて、美味しそうな匂いがあたりに漂う。不覚にも腹がなった。メイがふきだし、子供のように笑う。
 他人がいる場では見ることができない、私の好きな顔だ。
「そういえば食事をするのを忘れていた」
「そうだと思っていたわ」
 姉弟子は弟弟子のことをなんでも知っているようだ。
 食卓にはビーフシチューとパンとサラダが並んでいる。
「メイが作ったのか」
「あら、あなたも私が料理のできない冷徹女だと思っているの?」
 誰かにそう評されたのだろう、とげのある言葉をすぐに否定した。
 彼女の母親も姉もとても料理の上手な人だったし、人一倍負けず嫌いの彼女が脱落することもないだろうから。
 料理に舌鼓をうちながら、他愛もない近況を話す。
 お互い扱っている事件のことは、もちろん話すわけにはいかないので、自然と日本にいる共通の友人の話題になる。
 綾里姉妹や美雲くんの話になると、メイは優しげに目を細める。
 その表情も、私は好きだった。
 食事が終わり、食器を片付けるのを手伝おうとしたら、割られたら困るからという理由で断られた。
 代わりにシャワーをすすめられて、言われたとおりにする。
 彼女らしい、綺麗なバスルーム。花の香りがするシャンプーやボディソープに少々抵抗を覚えたが、使わないわけにはいかない。
 バスルームから出ると、メイはリビングでテレビを見ていた。すでにパジャマに着替えていて、聞けば私が来る前にシャワーは済ませていたのだという。
 テレビに流れていたのはニュースで、今は全米各地の大きな事件を淡々と流している。事故、傷害、交通情報――アナウンサーは綺麗な発音で、内容はききとりやすかった。
 隣に座るとメイがよりかかってくる。いい匂いがした。
「メイ」
 肩に手を回し、反対の手であごを持ち上げてくちづける。
 唇が触れたとたんメイの体が震えたが、抵抗はされなかった。
 私を泊めるということがどういうことか、わかっていたらしい。少し安心した。
 そう思いながらゆっくり、徐々に深くしていくと、自然と押し倒す形になる。
 彼女の表情を伺うと、頬をわずかに上気させて、少し困った顔をしていた。
 その表情がいとおしくて、再びくちづける。
 服越しに体にふれると、緊張しているのか、力が入っていて固まっていた。
 暖めるように触れていくと、少しずつ力が抜けていく。
 驚かせないように服の中に手を入れたつもりだったが、メイの体がびくりと反応して、わずかに浮いた。そして少しあわてたように私の胸板を押す。
「どうした?」
「あの、私…どうしていいのかわからなくて」
 そむけた顔は真っ赤で、声は消え入りそうで。
 安心させたくて、頬に、額に、まぶたにキスを落とす。
 そのまま抱きかかえて、ベッドに連れて行き、横たわらせた。
 そして彼女のパジャマのボタンをはずして、はだけさせる。
 紅色の下着が、白い肌に映えてまぶしい。
 何か問いたげな、そして恥ずかしげな彼女の唇をふさぐ。
 首と、肩と腕をそっと指でなぞり、最後に手をつなぐ。
 メイは握り返してきた。
「どう感じたのか、教えてくれればいい」
「……?」
「くすぐったいとか、ゾクゾクするとか」
 そういってつないでいない手でメイの体に触れた。
 丹念に触れていくと、メイが教えたとおりに感想を口にする。
 ゾクゾクする、といわれた部分を重点的に触れると、だんだんと嬌声が漏れ出す。
 そろそろ頃合だろうか。
 上の下着をはずすと、白い乳房がこぼれだす。
 先端はすでにとがっており、彼女が『感じて』いたことがよくわかった。
 二、三度やわらかさを確かめるためにもんで、そして先端にそっと触れる。
「あぁっ!」
 メイの腰が浮く。
 人差し指で何度もこすると、たまらない声でメイが啼いた。
「気持ちいいのか?」
「わか…わからな……あ…んっ!」
 我慢できなくなり、舐めあげるとメイの声が高くなる。
 この声を聞きたかった。
 しばらく胸の感触を楽しんだ後に解放すると、すっかり惚けた顔をしたメイがいる。
 息が荒く、目じりには涙が浮いている。
 どうしようもなくいとしい。
「今のが気持ちいい、だ」
 教えてキスをすると、メイがおずおずと舌を絡めてきた。
 彼女の足を開かせて、体を割り込ませる。
 太ももから腰へなであげて、肝心の部分へ手を下ろすと、下着越しでもわかるくらいたっぷりとぬれていた。
「んんっ」
 触れた瞬間、メイが顔をそらそうとしたが、逃がさなかった。
 やわらかくて熱いところをすりあげる。
 足が閉じようとしたが、私の体があって無理だった。
 下着をずらして直接触れる。
 せめて唇は解放してやろうと顔を離すと、メイはとたんに顔をそむけた。
「あっ…ああっ、レイジ、そこは…っ!」
「気持ちいい?」
 とがり始めた部分をやさしくはじくと、こぷりと愛液があふれた。
 私の指には充分からみついていて、まず一本、彼女の中に入れる。
「んっ!」
 むろん初めての彼女を乱暴に扱うつもりはない。
 充分にほぐしながら、奥へと入れていく。
 中はたっぷりと愛液に満ちていて、指をわずかに動かすだけであふれていった。
 まぎれもない女の匂い。
 中に入れたい気持ちを押さえつけて、体を下にずらした。
「レイジ…?」
 疑問に思ったのかメイが体を起こそうとしたが、それより前に舌に愛液を絡めさせた。
「ひゃぁ…あっ!」
 なんて甘い声なんだろう。
 とがった実を吸うと、メイの腰がびくびくと震えた。
 中は徐々にほぐれてきて、指を飲み込むようになる。
 指を増やして愛液をかき出すと、みだらな水音が嬌声とともに耳を刺激する。
 入れたい。早く入れたい。
 メイをほぐしてからと我慢しつつ、愛液をすすった。
 指を引き出そうとすると、中にとどまるよう懇願するかのように、きゅうきゅうと絞まった。
 胸の先端をいじるとさらに強く絞まる。
「んっ、気持ち、いい……」
 哀願するかのような彼女の顔に、自制ができなくなる。
 ズボンを下着ごと脱ぎ去って、彼女の中心に当てる。
 軽くこすると、簡単に愛液でぬれた。
「やっ、何…? あつい…あんっ」
 ぐっと当てて離す、というのを繰り返すと、メイがもどかしげに腰をよじる。
「イヤか?」
 メイは首を振って、手を首に絡めてくる。
「お願い……」
 先端を入れると、メイは顔をしかめた。
 圧迫感が強くなる。
「力を抜いてくれ」
 ささやくとわずかに力が緩まったが、抵抗感は残る。
 仕方あるまい。
 メイは痛いとも嫌だとも言わなかった。
 ただ必死に首にしがみつき、体を震わせている。
 いったんの侵入をとめて、彼女が感じていた場所に触れて、くちづけをする。
 しばらくそうしていると、抵抗感が弱まり、力を入れなくても、ゆっくりとではあるがメイが私を受け入れていった。
 繋がっているのを確かめたくて、体を離すと、半分ほど埋まっていた。
 しかし全部は入っていない。
 入れやすくするため、メイの片足を持ち上げる。
 メイの眉がひそまったが、何をされるのか理解したのか、そのままぎゅっと目を閉じた。
 二、三度出し入れをすると、血の混じった愛液が零れ落ちた。
 力を入れると、ぷつり何かがはじけたような感触がしたあと、メイは最奥まで私を導いた。
「ん…くっ…!」
 苦しそうにするメイだが、それでも私を受け入れてくれることが嬉しくて、くちづけを繰り返す。
 メイの中は、とにかく気持ちがよかった。
 腰に快楽の戦慄が走る。
 先端に欲が溜まる。
 動きたいが、大丈夫だろうか。
 メイが私にしがみつく。
「動いて…」
 その彼女のささやきに、私の中にわずかに残っていた理性は消え去った。
 自分がイクためだけに抜き差しを繰りかえす。
 メイの締め付けは心地よくて、出し入れするたびに、快楽の痺れが体中を駆け巡った。
 彼女のやわらかい胸を掴み、唇をむさぼる。
 メイは健気にもそれに応えて、私を拒否する言葉は絶対に言わなかった。
 たまらなくいとおしい。
 そう思った瞬間、欲望が駆け上がってきた。
 最奥に突き刺して、すべてを注ぎ込む。
 終わった証に、ゆっくりと口付けた。
 涙を指をぬぐうと、メイがうっすらと目をあけた。
「気持ちよかった…?」
 消え入りそうな声で、恥ずかしげに問うメイに、ああと答えて抱きしめた。
 息を整えてからシャワーを浴びて、二人でベッドの中でまどろむ。
 なんともいえない、ふわふわとした気分で、それはメイもそうなのだろう、はにかんで私を見る。
 明日はお互い休みだ。明後日には私は帰ってしまう。
「明日は二人でゆっくり過ごそう」
 耳元でささやくと、くすぐったそうにメイは身をよじる。
 抱きしめると、くすくすと笑いながら、腕の中におさまった。
「行きたいところがあるの」
 どこへ行くのか具体的な場所は言わなかったが、私はわかったとうなずいてキスをした。
 メイはバカと小さく呟いて、そしてそのまま目を閉じる。
 今日は二人とも、いい夢が見られるだろう。
最終更新:2014年02月09日 00:48