技能の詳細

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技能の詳細 - (2009/09/30 (水) 23:07:53) の編集履歴(バックアップ)


技能の詳細
 このセクションは、個々の技能の一般的な使い方や典型的な修正値について説明する。GMの裁量において、キャラクターは、時にはここに書いてある以外の目的に技能を使うこともできる。全技能の概要については、表『技能の概要』を参照すること。

表:技能の概要
技能 Bbn Brd Clr Drd Ftr Mnk Pal Rgr Rog Sor Wiz 未修得 対応能力値
〈軽業〉 Acrobatics C C C C 【敏】*
〈鑑定〉 Appraise C C C C C 【知】
〈はったり〉 Bluff C C C 【魅】
〈登攀〉 Climb C C C C C C C 【筋】*
〈製作〉 Craft C C C C C C C C C C C 【知】
〈交渉〉 Diplomacy C C C C 【魅】
〈装置無力化〉 Disable Device C 不可 【敏】*
〈変装〉 Disguise C C 【魅】
〈脱出術〉 Escape Artist C C C 【敏】*
〈飛行〉 Fly C C C 【敏】*
〈動物使い〉 Handle Animal C C C C C 不可 【魅】
〈治療〉 Heal C C C C 【判】
〈威圧〉 Intimidate C C C C C C C 【魅】
〈知識:秘術〉 Knowledge(arcana) C C C C 不可 【知】
〈知識:ダンジョン探検〉 Knowledge(dungeoneering) C C C C C 不可 【知】
〈知識:工学〉 Knowledge(engineering) C C C 不可 【知】
〈知識:地理〉 Knowledge(geography) C C C C 不可 【知】
〈知識:歴史〉 Knowledge(history) C C C C 不可 【知】
〈知識:地域〉 Knowledge(local) C C C 不可 【知】
〈知識:自然〉 Knowledge(nature) C C C C C 不可 【知】
〈知識:貴族〉 Knowledge(nobility) C C C C 不可 【知】
〈知識:次元界〉 Knowledge(planes) C C C 不可 【知】
〈知識:宗教〉 Knowledge(religion) C C C C C 不可 【知】
〈言語学〉 Linguistics C C C C 不可 【知】
〈知覚〉 Perception C C C C C C 【判】
〈芸能〉 Perform C C C 【魅】
〈職能〉 Profession C C C C C C C C C C 不可 【判】
〈騎乗〉 Ride C C C C C C 【敏】*
〈真意看破〉 Sense Motive C C C C C 【判】
〈手先の早業〉 Sleight of Hand C C 不可 【敏】*
〈呪文学〉 Spellcraft C C C C C C C 不可 【知】
〈隠密〉 Stealth C C C C 【敏】*
〈生存〉 Survival C C C C 【判】
〈水泳〉 Swim C C C C C C 【筋】*
〈魔法装置使用〉 Use Magic Device C C C 不可 【魅】
C=クラス技能;* =防具による判定ペナルティが適用される。

技能の説明は、次のような指針に従って記載されている。
 技能名:技能名の行には、(技能名以外にも)以下のような情報が含まれている。)
 対応能力値:その技能判定に修正値が適用される能力値の略称。
 修得時のみ:技能名の行に“修得時のみ”とあれば、その技能を使うには最低1ランクの技能がなければならない。この注記がない場合、その技能は“未修得”(0ランク)で使用できる。修得時と未修得時の使用に特別な違いがある場合は“未修得”の項(下記参照)で説明する。
 防具による判定ペナルティ:技能名の行にこの注記がある場合、この技能の判定には、防具による判定ペナルティが入る(“装備”を参照)。この記載がない場合、防具による判定ペナルティが適用されることはない。
 詳細:技能名に続く行からは、その技能を使用するとはどういうことなのかが大まかに説明されている。
 判定:技能判定に成功すればキャラクター(技能の説明では“君”と表記)に何ができるか。判定の難易度(DC)。
 アクション:その技能を使用するのが、どんな種類のアクションか。あるいは、1回の判定にどれだけ時間がかかるか。
 再挑戦:技能を成功させるために続けて何度も試みる場合に適用される条件。1つの作業は1回しか試みられない、失敗によって何らかの不利な状況が生起する(〈登攀〉判定など)、“出目20”を選択できないなど。この項目がないなら、その技能は時間をさらに消費する以外、特に罰則なしで再挑戦できる。
 特殊:技能に適用される追加事項。使用によって起きる特殊な効果、種族やクラスや特技によって得られる利益など。
 制限:特定の技能は、特定のクラスのキャラクターにしか完全には使えない。この項目は、その技能にそんな制限があるかどうかを示すものである。
 未修得:この項目は、技能ランクが1未満のキャラクターの場合、その技能で何ができるかを示すものである。この項目がない場合は、もし未修得での使用が可能なら、未修得のキャラクターでも普通にその技能を使える。また、もし技能名の行に“修得時のみ”とあれば、未修得のキャラクターはその技能判定を一切行えない。

※以下、スキルリストはABC順で、この文のあとに続けて入力する方向で。


〈軽業〉(【敏】;防具による判定ペナルティ) Acrobatics


 君は狭かったり危険な表面を横切る際にバランスを保つことができる。君はまた、跳び込み、宙返りし、跳躍し、転がることで攻撃を避けたり障害物を越えることができる。

 判定:君は〈軽業〉判定を用いて、狭い表面やでこぼこした地面を倒れずに移動することができる。判定に成功することにより、君は通常の半分の移動速度で移動することができる――判定は1ラウンドに1回のみでよい。基本難易度を決定するには以下の表を用いること。それから、以下に注記された〈軽業〉技能の修正値で修正を行うこと。このようにして〈軽業〉を使っている間は、君は立ちすくみ状態とみなされ、ACへの【敏捷力】ボーナス(もしあれば)を失う。〈軽業〉中にダメージを受けた場合、落下したり倒れたりするのを避けるために、君は同じ難易度に対して即座にもう一度〈軽業〉判定を行わねばならない。

表面の広さ 基本〈軽業〉難易度
幅3フィートよりも広い 0 *
幅1~3フィート 5 *
幅7~11インチ 10
幅2~6インチ 15
幅2インチよりも狭い 20
 * 表面による修正値(以下参照)によって難易度が10以上にならない限り、こうした表面を横切って移動するためには〈軽業〉判定は必要ない。

 加えて、〈軽業〉を使うことによって敵の機会攻撃を誘発せずに機会攻撃範囲内のマス目を通って移動することができる。このようにして移動する際、君は半分の移動速度で移動する。君は、判定の難易度を10増やすことにより、通常の移動速度で移動することができる。中または重荷重になるものを運搬していたり、中または重装鎧を着用することによって移動速度が減少している場合、敵をすり抜けて移動するために〈軽業〉を使うことはできない。何らかの能力によってこうした条件下でも通常の移動速度で移動できるなら、敵をすり抜けて移動するために〈軽業〉を使うことができる。君は伏せ状態であってもこのやり方で〈軽業〉を使うことができるが、そうするには5フィート移動するのに1回の全ラウンド・アクションが必要となり、難易度は5増加する。

状況 基本〈軽業〉難易度 *
機会攻撃範囲をすり抜ける 敵の戦技防御値
敵のマスを通過する 5+敵の戦技防御値
 * この難易度は、移動による機会攻撃を避けるために用いられる。この難易度は1ラウンドに避ける敵1体につき2ずつ増加する。

 最後に、君は跳躍したり落下した時に軟着陸するために〈軽業〉技能を使うことができる。跳躍を行う際の基本難易度は、(幅跳びの場合)飛び越える距離か(高跳びの場合)跳びつこうとする高さの4倍に等しい。君が少なくとも10フィートの助走距離を取れない場合、難易度は2倍になる。君が跳躍する表面に関係する修正値だけが〈軽業〉判定に適用される。4以下の差で判定に失敗したなら、跳躍には失敗するものの、難易度20の反応セーヴに成功すれば向こう側の縁に手をかけることができる。5以上の差で失敗したなら、君は跳躍に失敗し、そして落下する(高跳びの場合は伏せ状態となる)。30フィートより高い基本地上移動速度を持つクリーチャーは、移動速度が30より10フィート高いごとに〈軽業〉判定に+4の種族ボーナスを得る。30フィートより低い基本地上移動速度を持つクリーチャーは、移動速度が30より10フィート低いごとに〈軽業〉判定に-4の種族ボーナスを得る。1ラウンドの最大移動距離を超えて跳躍を行うことはできない。走り幅跳びの場合、〈軽業〉判定の結果は跳躍で移動した距離(判定が失敗した場合、君が着地し伏せ状態になる場所までの距離)を表す。立ち幅跳びの場合、着地点を決めるために、この結果を半分にすること。

幅跳び 〈軽業〉難易度
5フィート 5
10フィート 10
15フィート 15
20フィート 20
20フィート以上 5フィートごとに+5

高跳び 〈軽業〉難易度
1フィート 4
2フィート 8
3フィート 12
4フィート 16
4フィート以上 4フィートごとに+4
※訳者注:PRDの表がおかしかったので、ルールブックの表から訳しました。

 一定の距離を意図的に飛び降りる場合、結果として跳躍に失敗したとしても、難易度15の〈軽業〉技能判定に成功することで落下の最初の10フィートを無視することができる。しかし、君が落下からダメージを受けるかどうかに関わらず、移動の終了時点では伏せ状態になる。より詳しくは落下のルールを参照すること。

 〈軽業〉判定に関しては、君の成功の可能性はいくつもの状況に左右される。目標となる難易度に対する以下の修正値は、〈軽業〉技能判定すべてに適用される。修正値は互いに累積するが、ある状況には最も厳しい修正値だけが適用される。

〈軽業〉修正値 難易度修正
少し障害物がある(砂利、砂地) +2
大いに障害物がある(洞窟、瓦礫) +5
少しすべりやすい(濡れている) +2
大いにすべりやすい(凍っている) +5
緩やかな傾斜(<45°) +2
かなりの傾斜(>45°) +5
少し足場が悪い(荒れた水面のボート) +2
中程度に足場が悪い(大荒れの水面のボート) +5
大いに足場が悪い(地震) +10
狭かったりでこぼこした表面を通常の移動速度で移動している +5 *
 * これは跳躍の判定には適用されない。

 アクション:なし。〈軽業〉判定は他のアクションの一部として行われる。さもなければ状況への対応として行われる。

 特殊:〈軽業〉が3ランク以上あるなら、防御的戦闘で通常ならACに+2のところ+3の回避ボーナスを得る。また、防御専念で通常ならACに+4のところ+6の回避ボーナスを得る。

 《軽業師》特技があるなら、〈軽業〉判定にボーナスを得る(特技を参照)。



〈鑑定〉(【知】) Appraise


 君は物品の貨幣価値を評価することができる。

 判定:難易度20の〈鑑定〉判定によって一般的な物品の価値を見積もる。5以上の差で成功した場合、君はまたそのアイテムが魔法の特性を持っているかどうかを見分けることができる。もっとも、成功しても魔法のアイテムの能力に関する知識がもたらされることはない。4以内の差で失敗すれば、君はその物品の価値を実際価値の20%以内で見積もる。5以上の差で失敗すれば、価格は実に不正確なものとなり、GMの裁量の適用を受ける。希少な、あるいは特殊なアイテムについて判定する場合、難易度が5以上増える可能性がある。

 君はまた、宝物の山の中から最も価値のあるアイテムを見定めるためにこの判定を使うことができる。この判定の難易度は通常20であるが、特に大きな宝の山の場合30まで増加しうる。

 アクション:1つのアイテムを〈鑑定〉するには1回の標準アクションが必要である。宝物の山の中から最も価値のある物品を見定めるには1回の全ラウンド・アクションが必要である。

 再挑戦:あるアイテムを重ねて〈鑑定〉しようと試みても同じ結果がもたらされる。

 特殊:レイヴン(大烏)を使い魔に持っている呪文の使い手は〈鑑定〉判定に+3のボーナスを得る。



〈はったり〉(【魅】) Bluff


 君は嘘をつくやり方を知っている。

 判定:〈はったり〉は相手の〈真意看破〉技能との対抗判定である。他人を騙すのに〈はったり〉を使い判定に成功した場合、君は自分の言うことを相手に真実だと思わせることができる。〈はったり〉判定は、嘘のもっともらしさによって修正を受ける。嘘をつこうと試みるクリーチャーの判定には以下の修正が適用される。嘘があまりに荒唐無稽であれば、(GMの裁量により)誰もそれを真に受けないことに注意すること。

状況 〈はったり〉修正値
対象が君を信じたがっている +5
その嘘は信じられるものである +0
その嘘はまゆつばものである -5
その嘘にはかなりの無理がある -10
その嘘はおよそあり得ない -20
目標が酔っているか理解力が落ちている +5
君が説得力のある証拠を持っている +10

 フェイント:君は戦闘中に〈はったり〉を使い、君の次の攻撃に対して、相手がアーマー・クラスに【敏捷力】ボーナスを加えることができないようにすることができる。この判定の難易度は(10+相手の基本攻撃ボーナス+相手の【判断力】修正値)である。相手が〈真意看破〉を修得している場合、(10+相手の〈真意看破〉ボーナス)の方が高いならば難易度はその値を用いる。戦闘におけるフェイントに関する内容については、『戦闘』を参照のこと。

 ひそかなメッセージ:〈はったり〉を使い、実際のメッセージを覆い隠すためにほのめかしを用いることで、他人に真の意味を理解されることなく特定のキャラクターにひそかなメッセージを送ることができる。この判定の難易度は、単純なメッセージなら15、複雑なメッセージであれば20である。成功した場合、理解できる言語で伝えているならば、目標は君の言いたいことを自動的に理解する。5以上の差で失敗した場合、間違った情報を伝えてしまう。他のクリーチャーは、君の〈はったり〉に対する〈真意看破〉の対抗判定に成功すれば、メッセージの内容を理解する。

 アクション:他人を欺く試みには最低でも1ラウンドかかる。嘘がこみいったものである場合、もっと時間がかかることもある(事例ごとにGMが判断する)。

 戦闘におけるフェイントは1回の標準アクションである。

 ひそかにメッセージを送るために〈はったり〉を用いると、そうせずに伝わるよりも2倍の時間がかかる。

 再挑戦:他人を欺くのに失敗し、同じ人物をもう一度欺こうとする試みは-10のペナルティを受ける。GMの判断によっては、試みること自体が不可能となる可能性もある。

 誰かにフェイントをかけることは、失敗した場合でも自由に再挑戦できる。ひそかなメッセージも、一度失敗した場合でも再度伝えることはできる。

 特殊:ヴァイパー(蛇)を使い魔に持っている呪文の使い手は〈はったり〉判定に+3のボーナスを得る。

 《偽装の名人》特技があるなら、〈はったり〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。



〈登攀〉(【筋】;防具による判定ペナルティ) Climb


 君は、滑らかな市壁やごつごつした崖といった垂直の表面を登る技術を持っている。

 判定:〈登攀〉判定に成功すれば、坂や壁、その他の急斜面を(それどころか手がかりさえがあれば天井すら)通常の移動速度の1/4で登ったり、降りたり、横切ったりすることができる。傾斜角60°未満のすべての傾斜は“坂”と見なされ、60°以上の険しい傾斜はすべて“壁”と見なされる。

 〈登攀〉判定に4以下の差で失敗すると移動できなかったことになり、5以上の差で失敗すれば、すでに登っただけの高さから落ちることになる。

 判定の難易度は登攀の条件による。次の表を参照して、作業の内容からしかるべき難易度を導き出すこと。

〈登攀〉難易度 表面または活動の例
0 普通に歩いて登るには急すぎる傾斜。足を踏ん張る壁と、結び目のあるロープの組み合わせ。
5 足を踏ん張る壁とロープ。結び目のあるロープ。ロープ・トリック呪文のかかったロープ。
10 取りついたり上に立ったりできる出っぱりのある表面。たとえば、非常にでこぼこした壁や船の索具など。
15 (自然のものであれ、人工のものであれ)適度な手がかり足がかりのある表面。たとえば、非常にでこぼこした自然石の表面や木、結び目のないロープなど。
20 わずかな手がかり足がかりとなる凹凸のある表面。たとえば、ダンジョンの典型的な壁。
25 ざらざらとした表面。たとえば、自然石の表面やレンガ造りの壁。
30 手がかりはあるが、足をかけるところのないオーバーハングや天井。
完全に滑らかで平らな垂直面(あるいは天井)を登ることはできない。

〈登攀〉難易度修正値 * 表面または活動の例
-10 煙突や岩の縦の裂け目、あるいはその他の、向き合った2つの面に足を踏ん張ることのできる場所を登る。
-5 直角に交わる2つの面に足を踏ん張ることのできるコーナー部を登る。
+5 表面がすべりやすい。
 * これらの修正値は累積する。当てはまるものをすべて加算すること。

 登攀時には両手が自由でなければならない。ただし片方の手で壁にしがみつき、もう一方の手を使って動作要素のある呪文を発動したり、その他片手でできる作業をすることは可能である。登攀中は攻撃をよけるために動くことはできないので、ACへの【敏捷力】ボーナスを(もしあれば)失う。登攀中に盾を使うことはできない。登攀中にダメージを受けた場合、坂や壁の難易度に対して〈登攀〉判定を行なうこと。失敗すれば、君はその時点での高さから落ち、落ちた距離に対応するダメージを被る。

 登攀速度の上昇:通常より速く登攀しようと試みることもできる。〈登攀〉判定に-5のペナルティを受けて判定に成功すれば、移動速度の1/4ではなく、半分で移動できる。

 自分で手がかりや足がかりを作る:壁にピトン(くさび)を打ち込んで、手がかりや足がかりを作ることもできる。そうするにはピトン1本あたり1分かかり、5フィート(約150cm)ごとに1本のピトンが必要である。ピトンの打ち込まれた壁の難易度は、手がかりや足がかりのあるすべての表面と同様、15である。これと同様、ハンドアックスやそれに類する道具を持った登り手は、氷壁に手がかりを刻むことができる。

 落下中にしがみついたり踏みとどまったりする:落下中に“壁”にしがみつくのはほとんど不可能である。それでもなお、この難しい行為を試みるならば、そうするためには〈登攀〉判定を行なうこと(難易度は壁の難易度+20)。“坂”で落下中に踏みとどまるのはそれよりかなり容易である(難易度=坂の難易度+10)。

 落下するキャラクターをつかまえる:君の上や隣で登攀中だったキャラクターが落下し、かつ君の手が届く範囲にいるなら、君は相手をつかまえようとすることができる。そうするためには、落下するキャラクターに対して近接接触攻撃に成功する必要がある。このとき、落下するキャラクターはACへの【敏捷力】ボーナスを使わないことにしてもよい。接触攻撃に成功したなら、君は即座に〈登攀〉判定を行なうこと(難易度=表面の難易度+10)。成功すれば、君は落下するキャラクターをつかまえることができた。ただし、相手の装備込みの総重量が君の重荷重の上限を越えていてはならない。もし越えていれば、君たちは自動的に落下する。4以下の差で失敗すれば、君は落下するキャラクターをつかまえることはできないが、自分自身は落ちずにすむ。5以上の差で失敗すれば、君は相手をつかまえることができず、自分も落ちる。

 アクション:登攀は移動の一部である。そのため、普通は移動アクションの一部として処理され、1回の移動アクションの中で他の種類の移動と組み合わせて使うこともできる。登攀を含む移動アクション1回ごとに、別々の〈登攀〉判定が必要となる。“落下中にしがみついたり踏みとどまったりする”ことや、“落下するキャラクターをつかまえる”ことはアクションを要しない。

 特殊:ロープを使えば、技能を使わず単に力だけでキャラクターを上に引き上げたり下に下ろしたりできる。あるキャラクターがどれだけの重さを引き上げることができるかは、最大荷重の2倍の数値を使うこと。

 登攀移動速度のあるクリーチャーは、あらゆる〈登攀〉判定に+8の種族ボーナスを得る。こうしたクリーチャーも、難易度1以上の壁や坂に登る場合、〈登攀〉判定は必要だが、常に“出目10”を選択できる。どんなに急いでいても脅威が迫っていても、である。

 登攀移動速度のあるキャラクターが“登攀速度の上昇”(上記参照)を試みる場合、1回の〈登攀〉判定を-5のペナルティを付けて行なうこと。成功すれば登攀移動速度の2倍か地上移動速度か、どちらか低い方の速度で移動できる。こうしたクリーチャーは登攀中に攻撃されてもACへの【敏捷力】ボーナスを失わず、敵はそのクリーチャーを攻撃する際に特別なボーナスを得ることがない。しかし、こうしたクリーチャーも登攀中に“疾走”アクションをとることはできない。

 《運動能力》特技があるなら、〈登攀〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。




〈製作〉(【知】) Craft


 君は防具や武器といった、特定のアイテム類を製作することに長けている。〈知識〉や〈職能〉や〈芸能〉と同様、〈製作〉も実際にはいくつもの別々の技能である。君は複数の〈製作〉技能に別個にランクを割り振って取ることができる。一般的な〈製作〉技能には、錬金術、防具、かご、本、弓、能書法、大工、織物、衣類、ガラス、装身具、錠前、絵描き、陶芸、彫刻、船、靴、石工、罠、武器といったものがある。

 〈製作〉技能はもっぱら何かを作り出すためのものである。そうでない場合、その技能は〈製作〉ではなく〈職能〉に含まれる公算が高い。

 判定:君はその手仕事を生業として、仕事に打ち込んだ1週間につき、判定結果の約半分に等しい枚数の金貨を稼ぎ、それなりの生活を送ることができる。君は商売道具の使い方、製作に必要な日々の作業のやり方、未熟な助手の監督のやり方、よくある問題の取り扱い方を知っている(未熟練労働者や徒弟は、1日あたり平均で銀貨1枚を稼ぐ)。

 しかし、〈製作〉技能の基本的な機能は、君が適切な種類のアイテムを作ることができるようになることにある。難易度は作り出すアイテムの難しさによる。難易度、君の判定結果、そしてアイテムの価格によって、そのアイテムを作るのにどのくらい時間がかかるのかが決まる。同様に、アイテムの最終価値によって原材料費も決まる。

 ファブリケイトの呪文を使って、〈製作〉判定を実際に行なうことなく〈製作〉判定と同様の結果を達成することのできる場合もある。高度な職人芸が必要な作品を作るためにこの呪文を使う場合は、やはり適切な〈製作〉技能の判定を行なわなければならない。

 アイアンウッドの呪文の使用と組み合わせて木工関連の〈製作〉判定を行なえば、鉄の強さを持つ木製のアイテムを作ることができる。

 マイナー・クリエイションの呪文を使って複雑なアイテムを作成するためには、適切な〈製作〉判定に成功しなければならない。

 どんな製作でも、成功率を最大にするには職人道具が必要である。間に合わせの道具で代用する場合、判定に-2の状況ペナルティが課される。逆に、高品質の職人道具を使えば、+2の状況ボーナスが得られる。

 アイテムを作るためにどのくらいの時間や金額がかかるか決定するには、以下の手順に従うこと。

 1. アイテムの価格を銀貨で求める(1gp=10sp)。

 2.難易度を本項の『表:〈製作〉技能』の中から求める

 3.アイテムの価格の1/3を原材料費として支払う。

 4.1週間の仕事を表す技能判定を行なう。判定に成功したら、判定の結果と難易度を掛ける。結果×難易度がアイテム価格を銀貨に換算した数値に達したなら、アイテムは完成したことになる。この結果×難易度がアイテム価格をアイテム価格を銀貨に換算した数値の2倍か3倍に達した場合、1/2や1/3の時間で仕事を終えたことになる。要するに価格のn倍であれば、1/nの時間で終わるのである。結果×難易度がアイテム価格を銀貨に換算した数値に満たなかった場合、その数値は1週間で進展した作業量を示している。この結果を記録し、次の週の判定を行なうこと。以後、合計がアイテム価格を銀貨に換算した数値に達するまで、1週間ごとに作業を進めていくように。

 判定に4以下の差で失敗した場合、その週はまったく進展しなかったということになる。5以上の差で失敗した場合、原材料の半分が台無しになってしまい、元々の原材料費の半分を再び支払わなければならない。

 1日単位での進展:週単位ではなく、1日単位で判定を行なうこともできるが、その場合、作業の進展(結果×難易度)は1週間の日数によって分割する必要がある。

 高品質のアイテムの作成:君は高品質のアイテムを作ることもできる。高品質のアイテムには武器もあれば、鎧、盾、道具もある――どれもみな、できばえが優れているため使用にボーナスが付くアイテムである。高品質のアイテムを作る際には、通常のアイテムに加えて、“高品質であるということ”そのものを、まるで別個のアイテムであるかのように作成することになる。“高品質であるということ”は、それ自体に価格(武器なら300gp、鎧や盾なら150gp。高品質の道具の価格については『装備』を参照)と〈製作〉難易度(20)がある。基本となるアイテム自体と“高品質であるということ”の両方が完成すれば、高品質のアイテムのできあがりである。“高品質であるということ”を作る際に支払うコストは、上記に示した“高品質であるということ”の価格の1/3である。

 アイテムの修理:君はアイテムを一から作る場合と同じ難易度でそのアイテムを修理できる。アイテムを修理するための費用はそのアイテムの価格の1/5である。

表:〈製作〉技能
アイテム 〈製作〉技能 製作難易度
錬金術 15
発煙棒、火おこし棒、錬金術師の火 錬金術 20
足留め袋、耐毒剤、陽光棒、雷石 錬金術 25
鎧、盾 10+ACボーナス
ロングボウ、ショートボウ、アロー 12
コンポジット・ロングボウ、コンポジット・ショートボウ 15
【筋力】等級の高いコンポジット・ロングボウやコンポジット・ショートボウ 15+(2×【筋力】等級)
機械的な罠 さまざま *
クロスボウ、ボルト 武器 15
単純近接武器、単純投擲武器 武器 12
軍用近接武器、単純投擲武器 武器 15
特殊近接武器、特殊投擲武器 武器 18
非常に単純なアイテム(木のさじなど) さまざま 5
標準的なアイテム(鉄製の鍋など) さまざま 10
質のよいアイテム(鐘など) さまざま 15
複雑または高級なアイテム(錠前など) さまざま 20
 * 罠の製作に関するルールは別にある(罠を参照)。

 アクション:この技能の使用自体が何らかのアクションだということはない。〈製作〉判定は日や週の単位で行なわれる(上記参照)。

 再挑戦:可能だが、5以上の差で失敗するたびに、原材料の半分が台無しになってしまい、元々の原材料費の半分を再び支払わなければならない。

 特殊:アイテムを製作する際、製作者は表にある難易度を自ら進んで+10しても構わない。そうすれば、より速やかにアイテムを完成させられる(作業の進展を計算する際、より高い難易度を〈製作〉判定結果に掛け合わせることになるので)。難易度を上昇させるかどうかは、その週なり日なりの判定を行なう前に決定せねばならない。

 〈製作:錬金術〉でアイテムを作るには、錬金術用具を持っていなければならない。都市で作業を行なう場合、アイテムを作るための材料費の一部として必要なものを買うことができるが、所によっては錬金術用具を手に入れるのが困難だったり不可能だったりすることもある。錬金術実験用具を購入し維持しているなら(その作業のための完璧な道具を持っているという有利な条件を満たすので)、〈製作:錬金術〉判定に+2の状況ボーナスが得られるが、この技能で作るアイテムの価格は変わらない。

 ノームは自分が選んだ〈製作〉または〈職能〉判定に+2ボーナスを得る。




〈交渉〉(【魅】) Diplomacy


 この技能を使えば、君は自分の話に賛成するように他人を説得したり、意見の食い違いを解決したり、人々の間に埋もれている価値ある情報や噂を集めたりすることができる。この技能はまた、事態にふさわしい適切な礼儀作法や態度を使うことによって、対立を処理するためにも使われる。

 判定:判定に成功すればNPCの最初の態度を変えることができる。この判定の難易度はクリーチャーの君に対する最初の態度によって変化し、それはその者の【魅力】修正値によって修正される。君が成功した場合、そのキャラクターの君に対する態度は1段階改善される。判定結果が難易度を5上回るごとに、そのキャラクターの君に対する態度はさらにもう1段階追加で改善される。クリーチャーの態度はこのやり方では2段階以上変わることはない。もっとも、状況によってはGMはこのルールを無視することができる。4以下の差で判定に失敗した場合、そのキャラクターの君に対する態度は変化しない。5以上の差で失敗した場合、そのキャラクターの君に対する態度は1段階悪化する。

 君は君を理解しなかったり【知力】3以下のクリーチャーに対して〈交渉〉を使用することができない。ふつう、戦闘中やすぐにも君や味方に害を与えるつもりのクリーチャーに対しては、〈交渉〉はあまり役に立たない。〈交渉〉による態度の変化は通常1d4時間持続するが、状況によってはそれよりも長かったり短くなったりする可能性がある(GMの裁量による)。

最初の態度 〈交渉〉難易度
敵対的 25+クリーチャーの【魅力】修正値
非友好的 20+クリーチャーの【魅力】修正値
中立的 15+クリーチャーの【魅力】修正値
友好的 10+クリーチャーの【魅力】修正値
協力的 0+クリーチャーの【魅力】修正値

 クリーチャーの君に対する態度が少なくとも中立的であれば、君はそのクリーチャーに要請を行なうことができる。これは1回の追加の〈交渉〉判定であり、難易度を決定するのにそのクリーチャーの現在の態度を使用し、以下の修正値のうち1つを加える。そのクリーチャーの態度が協力的になっていれば、要請が本性に反していたり深刻な危険を招かない限り、そのクリーチャーは判定なしでたいていの要請に従う。GM裁量によるが、その要請がクリーチャーの価値観や本性に反するなら、要請によっては自動的に失敗することもある。

要請内容 〈交渉〉難易度修正値
簡単な助言や指示を与える -5
詳しい助言を与える +0
簡単な援助を与える +0
ささいな秘密を明かす +5
長々と、あるいはめんどうな援助を与える +5
危険な援助を与える +10
重要な秘密を明かす +10以上
処罰されかねないような援助を与える +15以上
追加の要請 要求1つにつき+5

 情報収集:君はまた〈交渉〉を特定の話題や個人についての情報を集めるために使うことができる。これをするためには、君は地元の居酒屋や市場、集会所で人々に聞き回り、少なくとも1d4時間を過ごさなくてはならない。この判定の難易度は求めている情報のあいまいさによるが、通常広く知られた事実や噂の場合で10となる。あいまいであったり、秘密の知識の場合、難易度は20かそれ以上に増加する可能性がある。話題によっては、普通の人々が単に知らないだろうとGMが判断する可能性もある。

 アクション:クリーチャーの態度に影響を与えるために〈交渉〉を使うには1分の間の継続して話をする必要がある。クリーチャーに要請を行なうには、要請の複雑さにもよるが、1ラウンド以上話をする必要がある。情報を集めるために〈交渉〉を使うには、噂や情報提供者を捜すのに1d4時間を必要とする。

 再挑戦:〈交渉〉を使ってあるクリーチャーの態度に影響を与えることは、24時間の間に1回以上行なうことはできない。要請が拒絶された場合、その結果がさらなる判定で変化することはない。もっとも、別の要請であれば成功する可能性はある。情報収集のための〈交渉〉判定は再挑戦できる。

 特殊:《説得力》特技があるなら、〈交渉〉判定にボーナスを得る(『特技』を参照)。



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