上級クラス
この秘密を最初に知ったのは、百年前にアベンデゴーの眼に挑んだ組織の創立メンバーの一人であった。何世代にもわたってこのように嵐を引き起こす方法は失われていたが、現在の組織はその秘密を復活させ、今ではその伝承は広く遠くにまで及んでいる――嵐の灯し手に参加する人々の多くは、実際のストーム・キンドラーとして力を得ようとしている。
この
上級クラス のレベルを上げることに成功したものの中には自分こそは嵐の灯し手という組織の真の中枢であると傲慢に宣言する者もいる一方で、ほとんどの者は自分たちを嵐の精神を体現しているとみなしているが、2つの嵐が同じものではないように、組織のメンバー2人が同じ見解や力を持つ必要はないことは理解している。彼らのより開放的なやり方と多様な組織と協力する意欲は、彼らの中にいる伝統主義者たちを苛立たせ、心配させている。そして、強力で声高な少数派が組織全体に分裂をもたらすという恐れはますます強まっている。
必要条件
ストーム・キンドラーになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
クラス技能
レベル毎の技能ランク :4+【知力】修正値。
ヒット・ダイス :d8。
クラスの能力
レベル
基本攻撃 ボーナス
頑健 セーヴ
反応 セーヴ
意志 セーヴ
特殊
1日の呪文数
1
+0
+1
+0
+1
海洋の魂
―
2
+1
+1
+1
+1
嵐化 (20フィート、小型)、海視
呪文発動クラスに+1レベル
3
+2
+2
+1
+2
凪のオーラ (5フィート)
呪文発動クラスに+1レベル
4
+3
+2
+1
+2
嵐化 (30フィート、中型)、砕波
呪文発動クラスに+1レベル
5
+3
+3
+2
+3
青天の霹靂 、凪のオーラ (10フィート)
―
6
+4
+3
+2
+3
嵐化 (40フィート、大型)、天候の憤怒 3d6
呪文発動クラスに+1レベル
7
+5
+4
+2
+4
嵐の目 、凪のオーラ (15フィート)
呪文発動クラスに+1レベル
8
+6
+4
+3
+4
嵐化 (50フィート、超大型)、天候の憤怒 4d6、フィクル・ウィンズ
呪文発動クラスに+1レベル
9
+6
+5
+3
+5
凪のオーラ (20フィート)、反響する雷鳴
―
10
+7
+5
+3
+5
嵐化 (60フィート、超大型)、嵐体得 、天候の憤怒 5d6
呪文発動クラスに+1レベル
ストーム・キンドラー上級クラスのクラスの特徴は以下の通り。
海洋の魂(超常)/Oceanic Spirit :ストーム・キンドラーは
〈飛行〉 と
〈水泳〉 判定にクラス・レベルに等しいボーナスを得、自然の天候に対して精神集中判定を試みる必要はない。ストーム・キンドラーは[音波]と[雷撃]に対する抵抗5を得る。5レベルの時点で、[音波]と[雷撃]に対する抵抗は10に増加する。9レベルの時点で、これらの抵抗は20に増加する。
海視(超常)/Seasight :2レベルの時点で、ストーム・キンドラーは、霧、煙、その他視界を遮る蒸気を、存在しないかのように見通すことができる。この能力は水中でも機能し、ストーム・キンドラーは厚い沈泥やその他の水生の沈殿物を見通せるようになる。
嵐化(超常)/Storm Shape :2レベルの時点で、ストーム・キンドラーは嵐の憤怒の物理的に体現するようになる。標準アクションとして、1日に自身のストーム・キンドラー・レベル毎に1分の間、ストーム・キンドラーは自分を
竜巻変化 として竜巻へと変えることができる(Pathfinder RPG Bestiary 306ページのモンスターの共通ルールに従う)。この持続時間は連続している必要はないが、1分単位で消費しなければならない。ストーム・キンドラーがこの能力を使用する時に水中にいる場合、代わりに同じサイズの渦に変化する(これは
竜巻変化 能力と同様に機能するが、水中でのみ形成でき、水を離れることはできない)。ストーム・キンドラーは渦の形態でいる間、水中で呼吸できる。ストーム・キンドラーが飛行移動速度または水泳移動速度を持たない場合、嵐化を使用している間、基本地上移動速度に等しい、新しい姿に対応する移動速度を得る。飛行移動速度の機動性は標準である。
即行アクションとして、ストーム・キンドラーは
竜巻変化 の形状の高さを最小10フィートから最大20フィートに変更できる。4レベル以降2レベル毎に、
竜巻変化 の最大高さは10フィートずつ増加し、10レベルの時点で最大の60フィートとなる。
ストーム・キンドラーは
竜巻変化 に巻き込まれた小型かそれより小さなクリーチャーにダメージを与えて閉じ込める。各クリーチャーは反応セーヴ(DC=10+ストーム・キンドラー・レベル+【筋力】修正値)を行い、失敗した各クリーチャーはストーム・キンドラーの素手打撃によるダメージに等しい致傷ダメージを受け、2回目の反応セーヴに失敗すると空中に持ち上げられる。4レベル以降2レベル毎に、ストーム・キンドラーが影響を及ぼすことができるクリーチャーのサイズは1段階大きくなり、8レベルの時点で最大の超大型となる。
凪のオーラ(超常)/Aura of Calm :3レベルの時点で、ストーム・キンドラーから5フィート以内にいる味方(自身を含む)は、風力効果を考慮する目的において1段階大きいサイズとして扱われ(これは
《嵐にも負けず》 からのボーナスと累積する)、[風]または[水]の補足説明を持つ呪文と効果に抵抗するための全てのセーヴィング・スローに+2の技量ボーナスを得る。5レベル以降2レベル毎に、ストーム・キンドラーの凪のオーラは5フィートずつ広がる(9レベルの時点で最大の20フィート)。7レベルの時点で、ストーム・キンドラーのオーラ内の味方は、風力効果を考慮する目的において2段階大きいサイズとして扱われ、セーヴィング・スローへのボーナスは2倍の+4となる。
砕波(超常)/Wave Breaker :4レベルの時点で、ストーム・キンドラーは基本地上移動速度の2倍に等しい水泳移動速度を得る。ストーム・キンドラーは、1日にストーム・キンドラー・レベル毎に1時間、水中で呼吸をすることができる。この持続時間は連続している必要はないが、1時間単位で費やさなければならない。
青天の霹靂(超常)/Thunderstruck :5レベルの時点で、ストーム・キンドラーは
聴覚喪失状態 に対する完全耐性を得る。
天候の憤怒(超常)/Weather's Fury :6レベルの時点で、ストーム・キンドラーは
嵐化 で追加ダメージを与えることができる。ストーム・キンドラーは素手打撃のダメージに加えて、3d6ポイントの[雷撃]ダメージ(
竜巻変化 の間)、または[氷雪]ダメージ(渦の姿の間)を与える。このダメージは8レベルの時点で4d6ポイント、10レベルの時点で5d6ポイントに増加する。
嵐の目(超常)/Eye of the Storm :7レベルの時点で、ストーム・キンドラーは魔法のものでない風と波によるダメージと有害な効果に対する完全耐性を得る。加えて、ストーム・キンドラーは[風]または[水]の補足説明を持つ呪文または効果に対するセーヴィング・スローとACに+4の洞察ボーナスを得る。
フィクル・ウィンズ(擬呪)/Fickle Winds :8レベルの時点で、即行アクションとして、ストーム・キンドラーは1日にレベル毎に1ラウンドの間、
フィクル・ウィンズ APG 呪文と同様に自分を守るよう風に呼びかけることができるようになる。これらのラウンド数は連続している必要はない。
反響する雷鳴(超常)/Echoing Thunder :9レベルの時点で、ストーム・キンドラーが
海洋の魂 能力で[音波]あるいは[雷撃]ダメージに抵抗する時、割り込みアクションを使用して30フィート以内の別のクリーチャーにダメージを反射させることができる。クリーチャーは反応セーヴ(DC=10+ストーム・キンドラーのクラス・レベル+【判断力】修正値)を行わねばならず、失敗するとストーム・キンドラーが抵抗した量に等しい[音波]あるいは[雷撃]ダメージを受ける。
嵐体得(超常)/Storm Mastery :10レベルの時点で、ストーム・キンドラーは嵐の絶え間ない憤怒と一体化し、
嵐化 能力を回数無制限で使用できるようになる。加えて、ストーム・キンドラーは基本地上移動速度の2倍に等しい飛行速度、
(水棲) の副種別、および
水陸両生 の特殊能力を得る。ストーム・キンドラーは水中での戦闘で攻撃やダメージ・ロールに通常のペナルティを受けることはない。
アーキタイプ
出典 Adventurer's Guide 182ページ
嵐の夢想者は、神秘的な先達と交信することで、嵐の灯し手に仕えている。彼らは組織の霊的な助言者としての役割を果たしており、トランス状態の間に得られる伝承や知恵を高く評価されている。このようなトランス状態のときには、嵐の夢想者1人で寺院を簡単に守り抜くことができる――少なくとも、適切な脅威となるような防衛手段を提供できる。
嵐の夢想者になったミーディアムは通常通り霊を選択するが、結びついた霊は最初の嵐の灯し手――伝統を確立したが自身の傲慢さに屈し、アベンデゴーの眼によって飲み込まれた無謀な探検家――の超常的な残骸である。
しかし、嵐の夢想者の中には、自分の個性や価値観を維持できなくなり、予測不可能な自然の力に変わってしまう者もいる。嵐の夢想者はこの状態を「嵐呪/stormcursed」と呼び、失った兄弟姉妹を哀れみと恐怖を織り交ぜて見ている。嵐呪は嵐の灯し手との関係を維持できず、多くの場合、嵐の灯し手からの離脱は暴力的で破壊的なものとなる。彼らは嵐の灯し手から
ゴズレー の異端者と見なされることはないが、味方として求められもしない。彼らは通常、危険で予測不可能な嵐のエージェントとして扱われ、嵐呪となった嵐の夢想者が選んだ人里離れた場所で比較的平和に暮らすことが許されている。この症状の正確な原因は、ほぼ無作為に嵐の夢想者たちを苦しめるようであるがため、彼ら自身の間でもよく議論される。嵐の夢想者がアベンデゴーの眼の「眠れる心」に近づきすぎたという説もあれば、ミーディアムの魂が引き抜かれて、嵐の夢想者がトランス状態で話す半狂乱の断片の一部と入れ替わっただけだという説もある。真実が何であれ、それが完全に理解されることはないだろう。
ゴズレーの領域(超常)/Gozreh's Domain :すべての嵐の夢想者は非常に信仰深く、ゴズレーによって与えられた風、植物、天候、動物、水のいずれかの領域から1つを選択する。嵐の夢想者は選択した領域から1レベルで得られる能力を得るが、以降のレベルで2つ目の能力を得ることはない。付与された能力の効果を決定する際、嵐の夢想者の有効クレリック・レベルは嵐の夢想者レベルに等しい。この領域の1~6レベルのボーナス呪文が嵐の夢想者の呪文リストに追加される。嵐の夢想者の信仰に関わらず、これらの呪文はミーディアムの念術呪文として発動される。
この能力は霊の活性と置き換える。
嵐のトランス(超常)/Storm Trance :3レベルの時点で、嵐の夢想者は瞑想的なトランスに入ることができる。その間、嵐の夢想者はその心をアベンデゴーの眼と融合させ、精神的に大嵐と一体になる。トランスに入るのは機会攻撃を誘発しない全ラウンド・アクションである。一度嵐のトランスに入ると、嵐の夢想者は1日に嵐の夢想者のクラス・レベル+【魅力】修正値毎に1分の間、フリー・アクションとしてトランスを維持できる。この持続時間は連続している必要はないが、1分単位で費やさなければならない。嵐のトランスに入っている間、嵐の夢想者は[氷雪]と[雷撃]に対するエネルギーに対する抵抗5を得、風力を1段階弱いものとして扱い、風力の効果、[風]または[雷撃]の補足説明を持つ呪文、[雷撃]ダメージを与える効果に対するすべてのセーヴィング・スローに【魅力】修正値に等しいボーナスを得る。
この能力は霊障との交信と置き換える。
夢の嵐(擬呪)/Dream Storm :5レベルの時点で、嵐の夢想者の思考は魔法の天候の効果を顕在化させることができるようになる。
嵐のトランス に入っている間、擬似呪文能力として
コール・ライトニング 、
スリート・ストーム 、
ウィンド・ウォール を発動することができる(術者レベル=キャラクター・レベル)。これらの擬似呪文能力から1つを発動するたび、
嵐のトランス の残りの持続時間を1分だけ減少させる。1日の間に使用できる
嵐のトランス が1分未満の場合、これらの擬似呪文能力は使用できない。
この能力は土地との交信と置き換える。
嵐を観る者(超常)/Storm Seer :7レベルの時点で、嵐の夢想者は天候との超常的なつながりを得、周囲をより明確に感じることができるようになる。
嵐のトランス に入っている間、嵐の夢想者は
非視覚的感知 10フィートを得、挟撃されることがなくなる。天候が大荒れ(訳注:stormy。嵐もしくは激しい嵐のことか?)である場合、この感覚は
擬似視覚 30フィートに変化する。
この能力は縁者との交信と置き換える。
出典 Adventurer's Guide 183ページ 、
Inner Sea Magic 41ページ
嵐の灯し手の庇護のもとで訓練を受ける
ドルイド の多くは、その種族が伝統的に敬意を表してきたものとは異なる自然の領域に焦点を当てている。いわゆる暴風ドルイドと呼ばれる彼らは自然の中で嵐の猛威だけを擬人化し、植物や動物の生命の崇拝をある程度避けた。それに応じて彼らの力の性質は変化している。しかし、彼らは自然の秩序における植物や動物の居場所を理解している。単にそのような存在を――更にはすべての生命体を――世界を襲う嵐の中にある真の力に従属するものと見なしているだけだ。
属性 :暴風ドルイドが保持する信念は、ほとんどのドルイドが保持する信念よりも本質的に混沌としている。そのため、暴風ドルイドは混沌にして中立でなければならない。
これはドルイドの属性を変更する。
防具及び武器への習熟 :暴風ドルイドは通常のドルイドの防具及び武器への習熟に加えて、トライデントに習熟する。
これはドルイドの防具及び武器への習熟を変更する。
任意領域発動/Spontaneous Domain Casting :暴風ドルイドは、保存されている呪文のエネルギーを、事前に準備していない領域呪文へと放出することができる。暴風ドルイドは準備済み呪文を「失う」ことで、同じレベル以下の任意の領域呪文を発動できる。
これはドルイドのサモン 呪文を任意発動する通常の能力と置き換える。
自然との絆(変則)/Nature Bond :その信念の結果として、暴風ドルイドは動物や植物の精神とほとんど関わりを持たない。暴風ドルイドは動物の相棒を選択できず、代わりに自然との絆を得たときに以下の領域または副領域を選択しなければならない。嵐APG 、風、雲APG 、湿地UM 、疾風APG 、水界UM 、天候。
これは自然との絆を変更する。
濡れ地の感知(変則)/Sodden Shore Sense :暴風ドルイドは沿岸または湿地における
〈知識:自然〉 と
〈生存〉 判定に+4のボーナスを得る。
この能力は自然感覚と置き換える。
雷撃に対する抵抗(変則)/Electrical Resistance :3レベルの時点で暴風ドルイドは[雷撃]に対する抵抗5を得る。標準アクションとして、暴風ドルイドはこの抵抗を別のクリーチャーに1時間の間移すことができる。持続時間が経過すると、抵抗は自身へと戻る。
この能力は跡無き足取りと置き換える。
嵐の目(変則)/Eyes of the Storm :4レベルの時点で、暴風ドルイドは魔法の霧、雨、風、または同様の悪天候を10フィート見通せるようになり、そのような状況が与える視認困難を無視する。この距離は4レベル以降4レベル毎に5フィートずつ増加する。
この能力は自然の誘惑への抵抗力と置き換える。
稲妻曲げ(超常)/Bend Bolt :9レベルの時点で、暴風ドルイドは近くの[雷撃]攻撃を向け直すことができる。割り込みアクションとして、ドルイドは[雷撃]攻撃の目標あるいは範囲を任意の方向に5フィートずらすことができる。その[雷撃]攻撃が範囲に影響を与える場合、ドルイドは影響を受けないマス1つと影響を受ける隣接するマス1つを選択する。隣接するマスが既にその範囲内にあったとしても、そのマスに追加の効果はない。その[雷撃]攻撃が目標1体に影響を与える場合、ドルイドは隣接する目標1体を選択する。例えば暴風ドルイドがウィザードの
ライトニング・ボルト の直線上にいる場合、例え呪文が連続している直線を形作らなくなる場合でも、呪文が自分のマスを飛ばし、代わりに隣接するマス1つに影響を与えるようにすることができる。別のドルイドが
コール・ライトニング で攻撃される場合、隣接するクリーチャーがいるなら、招来された稲妻を隣接するマスに移動させ、そのマスのクリーチャーに影響を与えることができる。
暴風ドルイドは物体やクリーチャーとの物理的な接触(例えば、
ショッキング・グラスプ や
ショック 武器など)によって自分に与えられた[雷撃]ダメージを向け直すことはできない。この能力は1日に【判断力】ボーナスに等しい回数だけ使用できる。
この能力は毒への耐性と置き換える。
特技
魔法のアイテム
アミュレット・オヴ・ザ・ストーム
赤みを帯びた珊瑚の一片から彫られたこの小さな首飾りは、葉の後ろを中心に渦巻く、反時計回りの渦巻きに形作られている。この首飾りの様式と製作は、元々の嵐の灯し手の功績によるものであり、
ガルーンド 大陸の外ではめったに見ることはない。
着用すると、首飾りは[氷雪]と[雷撃]に対する抵抗10を与える。着用者がゴズレーを崇拝している場合、これらのエネルギーに対する抵抗は両方とも10に増加する。着用者は自分の前で発動された[風]、[水]、[雷撃]の補足説明を持つ呪文を、
〈呪文学〉 判定に成功したかのように自動的に識別する。
1日1回割り込みアクションとして、
アミュレット・オヴ・ザ・ストーム の着用者は、[風]、[水]、[雷撃]の補足説明の持つ呪文を、着用者が
ディスペル・マジック を発動したかのように呪文相殺しようと試みることができる。この呪文相殺の試みが成功すると、魔法のエネルギーが雷撃の矢の形で術者へと向き直り、呪文の元の術者に対して相殺した呪文の呪文レベル毎に1d6ポイントの[雷撃]ダメージを与える。DC18の反応セーヴに成功すると、このダメージは半減される。
作成要項
ゴズ・マスク
アベンデゴーの眼が始まって間もない頃、嵐の灯し手は嵐に襲われることが多い沼地での案内を支援するために魔法の仮面を作成した。今日でもこれらの特徴的な仮面の多くが現存しており、今は人型生物の首長や、コボト/Kobotoのウィッチ・ドクターが着用している。マスクはしばしば汚され、元の外見は怪物やデーモンの顔のようにねじれている。新しい所有者は、この仮面をゴズ・マスク と呼んでいる。
ゴズ・マスク を使用すると、着用者は霧、煙、その他不明瞭な蒸気が存在しないかのように見通すことができる。この能力は水中でも機能し、厚い沈泥や水棲の沈殿物を見通すことができる。さらに、着用者は風力効果に抵抗する目的においてサイズ段階が1段階大きいものとして扱われ、風力効果に対する全てのセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。ゴズ・マスク を使用すると、着用者は1日に60分間、水中で呼吸できる――この持続時間は連続している必要はないが、10分単位で消費しなければならない。
作成要項
ジャー・オヴ・ライトニング
この透明なガラス瓶には、石製の蓋が蝶番をつけた金属製の蝶番で革製の密封リングに対してしっかりと固定されている。パチパチと音を立てる電気の大理石の球が瓶の中で飛び交っている。ジャー・オヴ・ライトニング は、2つの方法のいずれか――投擲するか、蓋を開くか――で1回だけ起動できる。いずれの場合でも、一度起動すると、ジャー・オヴ・ライトニング は消え去ってしまう。
投擲されると、ジャー・オヴ・ライトニング は飛散武器として機能する。直接命中した相手には5d6ポイントの[雷撃]ダメージを与え、隣接する目標に飛散ダメージとして1d6ポイントの[雷撃]ダメージを与える。
ジャー・オヴ・ライトニング を開けると、閉じ込めていた稲妻の球体が浮き上がって中から出てきて、解放された空間に浮かぶ。稲妻が浮かんでいるマスにクリーチャーや金属の物体が入ると球体が爆発する。解放後の最初のラウンドで爆発した場合、稲妻の球体は爆発させたクリーチャーあるいは金属の物体に2d6ポイントの[雷撃]ダメージを与える。このダメージは解放後、1ラウンド経過する毎に2d6ずつ増加し、5ラウンド目で最大の10d6ポイントの[雷撃]ダメージとなる。隣接するマスのクリーチャーは半減ダメージを受ける。雷撃の球体が5ラウンド目の終了時までに爆発していない場合、害を及ぼすことなく消えてしまう。この方法でダメージを受けたクリーチャーはダメージを半減させるためにDC15の反応セーヴを試みることができる。球体が浮遊しているマスの中やマスを通るように矢を発射することは、球体を爆発させるために十分な行為である。
作成要項
ストーム・キンドラーズ・ロッド
初期の嵐の灯し手によって作成されたアイテムの中にはこの強力なロッドが存在してた。ストーム・キンドラーズ・ロッド はほとんど回収されておらず、今日の嵐の灯し手はこの強力な魔法のロッドの多くが永遠に失われたのではないかと疑っている。それは、嵐の灯し手以外が用いると壊れやすいからである。現世代の嵐の灯し手は先人がこの強力な下級アーティファクトをどのように作成したのかを知ることができずにおり、既存のストーム・キンドラーズ・ロッド の発見が社会にとってますます重要なものとなっている。
ストーム・キンドラーズ・ロッド は
+4ショッキング・バースト ・スペル・ストアリング ・クラブ として機能するが、この
スペル・ストアリング 能力はドルイド呪文しか収納できない。片手で持っている間、ロッドは使用者に[氷雪]と[雷撃]に対する完全耐性を与える。ロッドの他の能力は以下の通りである。
雷鳴発生/Invoke Lightning :1日3回、即行アクションとして、使用者は空から稲妻の一撃を呼び出すことができる。与えられるダメージの半分が[雷撃]、もう半分が信仰の力によるものであることを除いて、この効果はフレイム・ストライク として機能する。
ライトニング・エレメンタル招来/Summon Lightning Elemental :1日1回標準アクションとして、使用者は1体のエルダー・ライトニング・エレメンタル、1d3体のグレーター・ライトニング・エレメンタル、1d4+1体の超大型のライトニング・エレメンタルを招来できる。全ラウンド・アクションではなく標準アクションを必要とすることを除いて、 この効果はサモン・モンスターVIII として機能する。
嵐の開放/Unleash Storm :1日1回使用者は、破壊的な嵐を呼び起こすことができる。2ラウンド目に嵐は[強酸]ダメージではなく[氷雪]ダメージを与える氷点下の雨を生み出すことを除いて、この効果はストーム・オヴ・ヴェンジャンス として機能する。
破壊方法
ストーム・キンドラーズ・ロッド は嵐の灯し手の一派でなく、関与もしていない者によって少なくとも24時間運ばれた後、一般的な
+4ショッキング・バースト ・スペル・ストアリング ・クラブ によって簡単に破壊することができる。
呪文
ストーム・サイト
Storm Sight /嵐視覚
出典 Adventurer's Guide 184ページ
系統: 占術(念視);
呪文レベル: ウィザード/ソーサラー2、ウィッチ2、クレリック2、シャーマン2、ドルイド2
発動時間: 1ラウンド
構成要素: 音声、動作、焦点(嵐。自然のものでも魔法のものでもよい)
距離: 自身
目標: 術者
持続時間: 1分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー: 意志・無効(無害);
呪文抵抗: 可(無害)
術者は魔法の嵐や自然発生する嵐に足を踏み入れ、風と雨の力と直接交信する。この呪文により嵐の力が術者を満たし、間合い内にある他のものの知識と映像を与えてくれる。術者が嵐の中にいる限り、1分間精神集中することで、術者から400フィート以内で、【知力】が3以上の他のクリーチャーが嵐に巻き込まれているかを判断できる。呪文の性質上、呪文を発動するときに激しい風や嵐に対する精神集中判定を試みる必要はないが、呪文の発動を妨害する可能性のあるその他の要素に対しては通常通り判定が必要である。呪文が有効である間、術者が呪文を発動したり精神集中したりする際、風や嵐の結果として精神集中判定を試みる必要はない。
術者が1分間精神集中し、この呪文でクリーチャーを感知したなら、精神集中を継続して詳細を知ることができる。さらに1ラウンド精神集中を行った後、呪文は風と雨を介して術者の400フィート以内にいる、【知力】が3以上でサイズが小型かそれより大きい、生きているクリーチャーの存在を明らかにする。精神集中を2ラウンド継続した後、術者は現在の場所から感知された生きているクリーチャーまでのおおよその距離がわかる。精神集中を3ラウンド行った後、術者は雨と風を通して、生きているクリーチャーそれぞれのおおよその方向がわかる。このように3ラウンドの間精神集中を行うと、呪文の持続時間中、術者は次に行うイニシアチブ判定に術者レベルの半分に等しいボーナスを得る。
最終更新:2023年01月16日 00:07