数ある恐ろしい者達の中でも、
ダーク・エルフは何より地上地下問わず生きているものへの虐待を好むクリーチャーである。知性ある種族は一様に善であったり一様に悪であったりはしないものではあるが、
ドラウの社会は残忍さで体系づけられ、暴力が称賛され、悪意と混沌による種族の地位向上を望まないものを根絶する。その教義は
ドラウの生活の全てに広がっている――
ドラウの人生は、裏切り、暗殺、計算尽くの陰謀、根拠なき破壊活動によって終止符を打たれるものだ。このような信念を持つ文明は、そのほとんどが自分達が採用した混沌によってすぐに廃れてしまう。しかしダーク・エルフは常に巻き起こる謀略や背信によって文化と階層社会の均衡を保つことでその社会を持続させている。
ダーク・エルフの姿形は、地上に住む同族に似ている。しなやかで優雅、華奢ではっきりととがった耳を持つ。しかし、何百年も前に分化したことで、この2つの種族は互いに全く異なる部分を持つ。ダーク・エルフの肌は冷たい濃い藍色(闇夜のように光沢がないか、火山ガラスのように輝いているかのいずれか)か、もしくは深い紫色(日暮れの空のようにわずかに赤みがかっている)のいずれかだ。
ドラウの目は瞳のない乳白色で、明かりがほとんどない、もしくは全くない状況に適応している。ダーク・エルフの髪は、通常白くきめ細やかだ。
地上に住むエルフのほとんどは、
ドラウが異なる種族だと考えている――“本当の”エルフが避け、捨ててきたもの全てを備えている種族だと。しかし現実は厳しい。ダーク・エルフは地上のエルフが堕落したときに姿を変えたものを起源とする。
ドラウは、どんなクリーチャーも悪に染まることの証左である。
ドラウの始祖は地上世界の地下にある洞窟の闇の中に潜んだ。地上のエルフ達が故郷から逃れた大災厄の後、多くのものは地下道に避難所を作った。
オーク、
ドゥエルガル、それらより不浄なクリーチャーとさえ、始祖達はこの光のない世界で生き残るために戦い、この環境により適応したクリーチャーに幾度となく敗北した。敗北と絶望のため、彼らはより深くへと逃げていった。
ついには、世界の奥深くへの逃避行で、エルフ達は抑えの利かない混沌と悪意の神秘的な源に近づいた。その力でエルフの身体と精神は歪められ、道徳心と魂を代償に、彼らは大いなる力を手に入れた。頭上の祖先の地から逃げたように、その最初の地で彼らをエルフにした存在から彼らは逃げ出した。この大いなる力に抵抗するのではなく、エルフ達はそれをその身に抱いたのである。この迷える部族達は、世界最初の
ドラウとなった。
それから数百年の内に、ダーク・エルフは闇を故郷に数を増やした。超常的な力を宿し、毒を完璧に使いこなし、闇を見通す能力を得、魔法攻撃に抵抗できるようになった。そのうち彼らは自分達が他のどの生命よりも優れていると考えるようになり、彼らは地下世界の征服行に着手するようになった。目的をより早く達成できるよう、さらなる力と助力を探し求めた。神官は奈落界
アビスに傾倒し、仲間と共に無数の
デーモン・ロードを信仰し――そして、
デーモンはドラウの忠義を喜んで受け取った。
デーモン・ロードの寵愛は、
ドラウ社会の中で権力を勝ち取る重要な要素となった。
千年が過ぎ、
ドラウは誰もが認める、光のない世界の支配者となった。彼らが広がるにつれ、気まぐれな貴族によって支配される広大な地下都市群が作られていった。しかしその内に、
デーモンの影響と
ドラウの根幹にある狂気のために、
ドラウ達は終わりなき陰謀に力を傾け、解決の手段とするようになった。奈落界アビスの王は、その臣下の気まぐれな破壊行為を尊ぶ。例えそれが他の種族に向けたものであれ、内紛であれ構いはしない。このような社会が愚かな者達で構成されていればあっという間に駄目になってしまっただろう。しかし
ドラウの文明は耐え続けた。その理由の一部には、厳格な法の厳守としきたりがある。それには、冷酷な野心や何より勝手な裏切りを押さえる働きがあった。
ダーク・エルフの社会を今日の姿にねじ曲げた奈落界
アビスとの契約のために、
ドラウの子のおおよそ20人に1人は、他の者達よりも圧倒的に優れた魔法の力を持って生まれる。この“
ドラウの貴族”は、通常ダーク・エルフ社会の最高の地位へと出世する。その理由ははっきりしないが、
ドラウの貴族はほとんど例外なく女性である。この力の偏りのために、
ドラウの文化では強く暴力的な女家長制度が今も根強く存在する。
どんな
ドラウの街や地下の村、大都市であれ、支配階層は女性だけで構成される。大きな街では、
ドラウの慈母が家族と権力の結び付きの中心となり、大家族を率いる。慈母は
クレリックや
ウィザードであることが多く、助言者の腹心であることもある。訓練を受けた
ドラウの戦士は家毎に、慈母毎に組織化される。大家族の風下で苦役を味わう
ドラウは、従者の働きや熱意を報告して忠誠心を伝える。ご機嫌を取り、大家族の選りすぐれた一員に仕えることによる特権を得ようとしてのことだ。貴族家以外では、
ドラウは商人、貿易業者、情報ブローカーとして活動する。影響力のある家との有益な関係を維持し、他人との確執に巻き込まれないようにするため、貴族でないものの人生は繊細な調整が必要なものだ。
ドラウ社会の最下層は、奴隷で構成される。
ドラウは他の地下種族を何とか捕らえ、あるいは戦利品として収集する。
ドラウは奴隷を鉱夫や地下建造物の建築、ダーク・エルフが食べる大きな茸床での作業に当たらせる。
ドラウが与えた仕事のために死亡するため、そのほとんどの人生は短く、危険だ。呪文の使い手や言語学者、賢者といった特別な訓練を受けた奴隷は、ときに貴族でない
ドラウの家に仕える。そこで彼らは
ドラウの従者としてより家を素晴らしいものにするための役割を担う。単純作業に比べればずっとましな作業ではあるが、
ドラウの地位への欲望は苛烈で、“ありふれた”種族を使うどんな家でも下級の者だと目をつけられて突然追い出されることになる。
ドラウの完全なデータは
Bestiary の該当する項目に掲載されている。
何百年もの間調査し、
デーモンの影響を受け、奇妙な材質に晒されることで、
ドラウは多くの発明を生み出した。
ドラウのアルケミストは以下の
発見を使用することができる。
爆弾の効果を変更する
発見とダガー(
†)が記載されたものは同時に効果を及ぼさない。これらの
発見は、個々の爆弾に1つだけ適用することができる。
虚無爆弾†(超常)/Void Bomb:奇妙なキノコの胞子と余剰次元空間の銀を組み合わせることで、爆発の範囲の内側を握りつぶす、重力の爆発を引き起こす爆弾を作り出すドラウのアルケミストもいる。虚無爆弾は1d4ポイントの殴打ダメージを与える。1レベルを超える2アルケミスト・レベル毎に、この爆弾は追加で(1d6ではなく)1d4ポイントの殴打ダメージを与える。この爆弾が命中したクリーチャーは、爆弾のDCに対して反応セーヴを行わなければならない。失敗すると、目標は
伏せ状態となり、1ラウンドの間立ち上がることができない。セーヴに成功しても、1ラウンドの間目標の全ての移動速度は5フィートとなる。爆弾の目標から5フィート以内にいるクリーチャーはダメージを受けないが、爆弾のDCに対する反応セーヴに成功しなければ、1ラウンドの間全ての移動速度が5フィートに減少する。この発見を修得するには、アルケミストは最低でも6レベルでなければならない。
黒星爆弾†(超常)/Blackstar Bomb:この爆弾は
虚無爆弾のように破裂し、重力を引き起こして近くのクリーチャーを遠ざける。目標は
虚無爆弾が命中したかのようにダメージを受ける。目標から5フィート以内にいる他のクリーチャーは突き飛ばしを受ける。この突き飛ばしに際し、アルケミストは戦技ボーナスの代わりにアルケミスト・クラス・レベルを用い、【筋力】修正値や【敏捷力】修正値の代わりに【知力】修正値を加える。黒星爆弾で移動させられたクリーチャーは目標のマスから離れる方向に5フィート押しやられる。黒星爆弾を作成するには、アルケミストは
虚無爆弾の発見を修得していなければならない。
生来の魔力の一部を用いて、君はその身体を闇で覆って攻撃を避ける。
前提条件:
《迎え討ち》、
ダークネスの種族
擬似呪文能力。
利益:割り込みアクションとして、君は自分の周りに移動する闇の霞を作り出し、攻撃1回に対して視認困難を得ることができる。この霞は攻撃が解決された後に霧散する。君はこの能力を1日に1回使用できるが、君の
ダークネス種族
擬似呪文能力の術者レベルが5、10、15、20に達した時点で、追加で1回ずつ1日の使用回数が増える。
君は生来の魔力を用いて敵に狙いをつけ、弱点を見抜く。
前提条件:
《近距離射撃》、
ダンシング・ライツの種族
擬似呪文能力。
利益:君は
ダンシング・ライツ種族
擬似呪文能力を使用して、突き刺すような光を放つ珠を1つ作り出すことができる。この光は、光の場所から5フィート以内にいる目標に対して行う全ての遠隔攻撃に+2の洞察ボーナスを与える。君は移動アクションにより、この呪文の距離内にある任意の場所にこの光を移動させることができる。それ以外の点については、この効果は
ダンシング・ライツとして機能する。君はこの能力を1日に1回使用できるが、君の
ダンシング・ライツ種族
擬似呪文能力の術者レベルが5、10、15、20に達した時点で、追加で1回ずつ1日の使用回数が増える。
目標が善の
来訪者もしくは善の神格に使える信仰呪文の使い手の場合、
《エネルギー放出の一撃》を使用して与えるエネルギー放出のダメージ・ダイスを決定する際、君のレベルは2レベル高いものとして扱う。
市価 40GP;重量 1/2ポンド
この錬金術で作られた液体は粘ついているが透明で、空気にさらすと強い薬品臭を放つ。
蟲はこの臭いに引き寄せられ、塗られたものを獲物と見なす。スパイダー、インセクト、同種の
蟲は、蜘蛛寄せ液を塗られたクリーチャーに対する
〈知覚〉判定と攻撃ロールに+5のボーナスを得る。これらのクリーチャーが
鋭敏嗅覚を持つならば、通常の5倍の距離にいれば塗られたクリーチャーに気付くことができる。この識別はフリー・アクションであり、25フィート以内にいれば場所を特定することができる。
ドラウは時々蜘蛛寄せ液を毒として塗布したり、飛散武器として敵に使用する。これにより
蟲をその目標に向かわせることができ、その隙に
ドラウは逃げたり、態勢を整えたり、より優位な位置に移動することができるのだ。蜘蛛寄せ液をぬぐい去るには全ラウンド・アクションが必要で、1ガロンの水か液体を取り除くのに適した他の材質が必要となる。そうしなければ、この効果は1時間持続する。
市価 25GP;重量 ―
ドラウは自らの光への脆弱性に甘んじることなく、光とそれを武器として使うものに警戒する。そして彼らは自分達を光から守る数多くの手段を見つけてきた――魔法と、それ以外の方法で。光払いの油は刺激性で、地下のキノコから取られる油のような錬金術試薬に地下深くでは一般的な鉱物の粉末を混ぜたものだ。
この黒くタールのようなものを正確に混ぜ合わせると、光を急襲する。このアイテムを使用するには、クリーチャーの目の周りに(全ラウンド・アクションで)塗布しなければならない。そうすると、強い光に晒されても
目が眩んだ状態にならなくなり、[光]の補足説明をもつ呪文や効果に対するセーヴィング・スローに+1の錬金術ボーナスを得る。この油は
鋭敏嗅覚特殊能力においては強い臭いがするものとして扱われる。そのため、
鋭敏嗅覚を持つクリーチャーは、5フィートではなく10フィート以内にいれば使用者を見つけることができる。
使用すると、この油は1時間の間効果を持続させる。この油を取り除くには全ラウンド・アクションが必要で、1ガロンの水か液体を取り除くのに適した他の材質が必要となる。そうしなければ、視覚に対する利益は取り除かれても、持続時間が過ぎるまで臭いは残ったままである。
イクストラクターズ・グラヴズ
この黒い革製の指なし手袋には、ジャイアント・スパイダーの蜘蛛糸をよって作られた糸が編み込まれている。これにより、使用者は敵の武器の特殊能力を盗み、その能力を代わりに使用者の素手打撃に移すことができる。
1日1回、使用者は敵の魔法の武器に対して行った武器落とし戦技に成功することで、この手袋を起動することができる。武器落としをする代わりに、使用者はその武器の特殊能力(
ベインや
フレイミングなど)を1d4ラウンドの間抑止し、使用者自身の素手打撃にその能力を付与することができる(武器の強化ボーナスには効果がない)。素手打撃に適用されない武器特殊能力(
リターニングや
ヴォーパルなど)は、抑止されるが使用者の素手打撃には適用されない。
使用者の素手打撃が既に魔法の武器特殊能力を有している場合(
アミュレット・オヴ・マイティ・フィスツなど)、強化ボーナスと使用者の素手打撃に付与された特殊能力ボーナスは、合計で+10を超えてはならない。攻撃が+10以下になるまで、盗んだ特殊能力から無作為に選んで解除すること(通常の持続時間の間、敵の武器から盗んだ能力は抑止されたままである)。
ケイヴァーズ・ボルト
(
Caver's Bolt/洞窟探検家の矢)
市価 6,000GP;
装備部位 なし;
術者レベル 5;
重量 1/2ポンド;
オーラ 中程度・力術
ドラウの貴族のように浮かぶことのできない一般的な
ドラウは、地上世界へ登ったり地下深くにもぐったりする際、魔法のボルトを使って移動速度を保つ。
ケイヴァーズ・ボルトは重く、鉄の帯が付いたクロスボウ・ボルトに見える。その矢じりは鋼鉄製で、後ろには突起物と鉤が付いている。このアイテムはいかなる小型もしくは中型用のクロスボウでも使えるように姿を変える。また、魔法でないグラップリング・アローUEとして使用することができる。使用者がこのボルトをクロスボウに装填し、武器の有効距離内にある固い面を選んで合言葉を唱えることで、このボルトは放たれ、その面に突き刺さる。放たれた矢はぼんやりとした紫色の鎖でクロスボウとつながっている。このクロスボウを掴んだものは合言葉を口にすることで、1ラウンドに30フィートの速度で鎖を引き寄せることができ、これにより使用者は突き刺さったボルトに向けて移動する。この力場の鎖は500ポンドまでの重さを支えることができる(硬度10、10HP、破壊DC28)。鎖が完全に引き寄せられると、このボルトは再び使用することができる。力場の鎖が契られたり破壊されたりすると、ケイヴァーズ・ボルトは24時間の間その機能を失う。
ドラウの斥候 Drow Scouts
斥候は賢く要領が良い。しかし使い捨てにされうると感じる前に、高位の
ドラウに自分の価値を認めてもらわなければならない。
防御
AC 16、接触13、立ちすくみ13(+3【敏】、+3鎧)
HP 16(2d8+4)
頑健 +1、
反応 +6、
意志 +1;心術に対して+2
防御能力 身かわし;
完全耐性 睡眠;
呪文抵抗 8
弱点 光による盲目化
攻撃
移動速度 30フィート
近接 ショート・ソード=+2(1d6+1/19~20)
遠隔 高品質のショートボウ=+6(1d6/×3、加えて“毒”)
特殊攻撃 急所攻撃+1d6
擬似呪文能力 (術者レベル2;精神集中+2)
一般データ
防御
攻撃
移動速度 30フィート
近接 高品質のショート・ソード=+10/+5(1d6+2/19~20)
遠隔 +1コンポジット・ショートボウ=+11/+6(1d6+3/×3、加えて“毒”)
特殊攻撃 急所攻撃+4d6、
死をもたらす間合い(+20フィート)
擬似呪文能力 (術者レベル8;精神集中+8)
戦術
戦闘中 ドラウの熟練斥候は急所攻撃や毒、魔法の矢による遠隔攻撃で、敵を――特に癒やし手を――無力化しようとする。
一般データ
ドラウの貴族家付き戦士 Drow House Soldiers
貴族家付き戦士は素晴らしい訓練を受けており、
ドラウの街や小隊を守る通常の戦士よりもよい武装を身につけている。
防御
AC 17、接触13、立ちすくみ14(+3【敏】、+4鎧)
HP 24(3d10+3)
頑健 +3、
反応 +4、
意志 +2([恐怖]に対して+1);心術に対して+2
防御能力 武勇+1;
完全耐性 睡眠;
呪文抵抗 9
弱点 光による盲目化
攻撃
移動速度 30フィート
近接 高品質のロングソード=+7(1d8+2/19~20、加えて“毒”)
遠隔 リピーティング・ヘヴィ・クロスボウ=+7(1d10/19~20、加えて“毒”)
擬似呪文能力 (術者レベル3;精神集中+3)
戦術
戦闘中 貴族家付き戦士は錬金術武器と毒を呪文の使い手に使用する。
一般データ
防御
AC 21、接触14、立ちすくみ17(+4【敏】、+7鎧)
HP 55(7d10+12)
頑健 +5、
反応 +6、
意志 +3([恐怖]に対して+2);心術に対して+2
防御能力 武勇+2;
完全耐性 睡眠;
呪文抵抗 13
弱点 光による盲目化
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1ロングソード=+12/+7(1d8+6/19~20、加えて“毒”)
遠隔 高品質のリピーティング・ヘヴィ・クロスボウ=+12/+7(1d10/19~20、加えて“毒”)
特殊攻撃 武器修練(大剣+1)
擬似呪文能力 (術者レベル7;精神集中+7)
一般データ
ドラウの神官 Drow Priest
ドラウの神官は禁じられた魔法の
デーモン・ロードから与えられる多くの祝福を享受する。
防御
AC 24、接触13、立ちすくみ23(+2盾、+2反発、+1【敏】、+9鎧)
HP 31(5d8+5)
頑健 +5、
反応 +2、
意志 +8;心術に対して+2
完全耐性 睡眠;
呪文抵抗 16
弱点 光による盲目化
攻撃
移動速度 20フィート
近接 高品質のフレイル=+4(1d8)
特殊攻撃 従者の見えざる手(7回/日)、負のエネルギー放出7回/日(DC14、3d6)
擬似呪文能力 (術者レベル5)
準備済みのクレリック呪文 (術者レベル5;精神集中+9)
戦術
戦闘前 神官は自分に
シールド・オヴ・フェイスを発動する。神官は自分の部下を戦わせることを好み、自分と近づいてくる敵の間に部下を立たせようとする。
戦闘中 神官は敵の集団に負のエネルギー放出を使用する。仲間が不運な目標を囲めるよう、最も危険な敵に1体に効果を及ぼす呪文(通常
ホールド・パースンを最初に用いる)を使用する。
基本データ シールド・オヴ・フェイスがない場合、このドラウのデータは以下の通り。
AC 22、接触11、立ちすくみ21。
一般データ
教会の中位に至るために、人を操り暗殺を駆使してきた
ドラウの神官は、高い地位を目指し続けるために、自らの権力を使ってライバルを排除する。
ドラウの教団は
ドラウ社会の他の一面と同様に残酷である。その神官は敵を陥れる自らの計略立案の能力を、自らの
デーモンの守護者の不浄なる恩寵の徴と見做している。
ドラウのデーモンじみた覇者 Drow Demonic Champion
強力な貴族のほとんどが将軍や護衛として選んだ
デーモンじみた覇者は、粗暴と狂気と殺戮衝動を体現した存在である。それらの思想は、
ドラウ種族に染み込み、社会で価値があるとされるものだ。
防御
AC 25、接触11、立ちすくみ24(+4盾、+1【敏】、+10鎧)
HP 79(10d10+20)
頑健 +11、
反応 +7、
意志 +9;心術に対して+2
完全耐性 睡眠、病気;
呪文抵抗 16
弱点 光による盲目化
攻撃
移動速度 20フィート
近接 +1シミター=+16/+11(1d6+5/15~20)
遠隔 ヘヴィ・クロスボウ=+12(1d10/19~20)
特殊攻撃 善を討つ一撃4回/日(+3攻撃およびAC、+10ダメージ)、
負のエネルギー放出(DC18、5d6)
擬似呪文能力 (術者レベル10;精神集中+3)
アンティパラディンの擬似呪文能力 (術者レベル10;精神集中+13)
準備済みのアンティパラディン呪文 (術者レベル7;精神集中+10)
戦術
一般データ
デーモンじみた覇者は奈落界アビスの力による試練を受け、より強力になった存在だ。その魂は何百年もの邪悪な行いにより傷つけられ、取り返しも付かないほど邪悪な存在だ――それを誇りにしている者もいる。
デーモンじみた覇者は自分で獲得した略奪品のお陰で
ドラウ社会にいる多くのクリーチャーが快適に過ごすことを喜ぶが、血の渇きが戦いに戻る動機となる。
ドラウの毒使い Drow Poisoner
防御
AC 23、接触16、立ちすくみ18(+1外皮、+1反発、+5【敏】、+6鎧)
HP 81(12d8+24)
頑健 +10、
反応 +14、
意志 +5;心術に対して+2
完全耐性 睡眠、毒;
呪文抵抗 18
弱点 光による盲目化
攻撃
移動速度 30フィート
近接 高品質のレイピア=+10/+5(1d6/18~20、加えて“毒”)
遠隔 高品質のハンド・クロスボウ=+15(1d4/19~20、加えて“毒”)または
爆弾=+14/+9(6d6+5[火炎])
特殊攻撃 爆弾19回/日(6d6+5[火炎]および“
着火”、DC21、半径10フィート)
擬似呪文能力 (術者レベル12;精神集中+12)
準備しているアルケミストのエキス (術者レベル12)
戦術
一般データ
ドラウの慈母 Drow Matron
異常な力を持って生まれた慈母は、無数のライバルの中で生き残り、家長であり続けた。
防御
AC 24、接触14、立ちすくみ21(+1回避、+4反発、+2【敏】、+8鎧)
HP 101(15d8+30)
頑健 +10、
反応 +7、
意志 +18;心術に対して+2
完全耐性 睡眠;
呪文抵抗 26
弱点 光による盲目化
攻撃
移動速度 20フィート
近接 +1ヘヴィ・メイス=+12/+7/+2(1d8+1)
特殊攻撃 悪の大鎌(7ラウンド、2回/日)、従者の見えざる手(10回/日)、
デーモンのエネルギー放出7回/日(DC19、8d6、加えて
不調状態または特殊)
擬似呪文能力 (術者レベル15;精神集中+17)
10回/日―悪の手(7ラウンド)
2回/日―解呪の手
準備済みのクレリック呪文 (術者レベル15;精神集中+22)
一般データ
アブラカーン・ヴァイパー Abrakarn Viper
この強大な三つ首の機械仕掛けの蛇は、真鍮と奇妙な鈍い合金で作られている。
XP 25,600
混沌にして悪/超大型サイズの
人造(
悪、
混沌)
イニシアチブ +3;
感覚 暗視120フィート、
夜目;
〈知覚〉+4
防御
AC 30、接触11、立ちすくみ27(+19外皮、-2サイズ、+3【敏】)
HP 139(18d10+40)
頑健 +6、
反応 +9、
意志 +10
DR 10/―;
完全耐性 人造の種別特性;
抵抗 [強酸]10、[雷撃]10、[火炎]10、[氷雪]10;
呪文抵抗 24
攻撃
移動速度 40フィート
近接 噛みつき(×3)=+25(2d8+9、加えて“毒”)
接敵面 15フィート;
間合い 15フィート
特殊攻撃 混乱化クリティカル、毒
一般データ
【筋】28、
【敏】17、
【耐】―、
【知】―、
【判】19、
【魅】1
基本攻撃 +18;
CMB +29;
CMD 42(足払いされない)
その他の特殊能力 護衛、
シールド・アザー、主人発見、デーモンの魂
生態
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体または2体
宝物 なし
特殊能力
混乱化クリティカル(擬呪)/Confusing Critical アブラカーン・ヴァイパーが
噛みつき攻撃を用いて敵にクリティカル・ヒットを確定させたなら、敵はDC23の意志セーヴを試みなければならない。失敗すると、1ラウンドの間
混乱状態となる(
レッサー・コンフュージョンと同様)。セーヴDCは【魅力】に基づいており、+9の種族ボーナスが含まれている。
デーモンの魂(変則)/Demon-Souled デーモンの魂が縛り付けられているこの蛇は自律行動をしているため、このクリーチャーは(
悪)と(
混沌)の副種別を持つ。
主人発見(超常)/Find Master アブラカーン・ヴァイパーと髪飾りが同じ次元界にある限り、アブラカーン・ヴァイパーは正確に髪飾りの着用者(もし身につけられていない場合、髪飾りそのもの)を見つけることができる。
護衛(変則)/Guard 命じられている限り、アブラカーン・ヴァイパーは髪飾りの着用者を守る。使用者がアブラカーン・ヴァイパーの近接攻撃範囲にいる限り、髪飾りの着用者に対する全ての攻撃は-2のペナルティを受ける。
毒(変則)/Poison アブラカーン・ヴァイパーの
噛みつきはその肉体に隠された容器から毒を注ぎ込む。作成者はこの容器を手動で満たさなければならない。容器には
噛みつき攻撃3回分の毒を入れておくことができ、
噛みつきダメージを与えた後に適用される。容器を満たすには5ラウンドが必要で、この行為は機会攻撃を誘発する。容器を満たす毒は、作成者が選んだどんな注入毒でもよい(通常はドラウ毒)。
シールド・アザー(擬呪)/Shield Other アブラカーン・ヴァイパーの髪飾りの着用者は、アブラカーン・ヴァイパーが100フィート以内にいる場合にこの能力を標準アクションで使用することができる。この能力は髪飾りの着用者が受けたダメージの半分をアブラカーン・ヴァイパーに移す(この能力は同名の呪文とは異なり、ACやセーヴィング・スローにはボーナスを与えない)。この方法で転送されたダメージは、アブラカーン・ヴァイパーが持つ全ての防御的能力(
完全耐性や
ダメージ減少など)を無視する。
デーモンの魂がこの蛇型の
人造に異常な力を与え、制御用の髪飾りを身につけたものを守護する。
作成法 Construction
アブラカーン・ヴァイパーの肉体と制御用の髪飾りは、魔法的な処理をした真鍮と稀少金属5,000ポンドで作られており、合計で10,000GPかかる。
アブラカーン・ヴァイパー Abrakarn Viper
術者レベル 8;市価 150,000GP
作成要項
通常、
ドラウとは地下の要塞の中か周辺で出会う。しかし彼らは時に地上に襲撃隊を送る。
神殿警護隊(CR8) Temple Protectors
この一団は寺院を護衛しているが、
デーモンの守護者に怒りを向ける敵を探している間に遭遇する可能性もある。
XP 各600
HP 各24
ドラウ女神官(2) CR5 Drow Priestesses
XP 各1,600
HP 各31
襲撃隊(CR10) Raiding Party
敵の破壊に着手する際、
ドラウは社会的な礼儀から打って変わって恐ろしい接近戦に入り、効率的な暴虐性でもって執り行う。
XP 各600
HP 各24
XP 3,200
HP 55
XP 各1,600
HP 各31
蜘蛛の巣穴(CR12) The Spider's Den
この一団は名高い毒使い、その護衛、毒使いが材料にするクリーチャーで構成される。
XP 各2,400
HP 各55
XP 12,800
HP 81
XP 4,800
HP 115
慈母の側近(CR16) Matron's Entourage
ドラウ社会において、支配層の慈母ほど権力があり、影響力を備えた指導者はいない。この一団には慈母がおり、その助言役と斥候、護衛で構成される。
XP 6,400
HP 79
XP 各2,400
HP 各55
XP 各3,200
HP 各55
XP 51,200
HP 101
最終更新:2023年09月11日 00:07