ガーズ・アンド・ウォーズ
Guards and Wards/守りと見張り
系統防御術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー6
発動時間30分
構成要素音声、動作、物質(火のついた香、少量の硫黄と油、結び目をつけた紐、血液少量)、焦点(小さな銀のロッド)
距離この呪文によって守る範囲の中ならどこでも
効果範囲200平方フィート/レベルまで(自在)
持続時間2時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー本文参照;
呪文抵抗本文参照
この強力な呪文は、基本的には術者の拠点または要塞を、複数の魔法的な守りと効果によって、守るためのものである。術者レベルごとに200平方フィートの面積を守る。この呪文によって守られた範囲の高さは最大20フィートまでで、形は自由に設定できる。何階もある建物を守る場合、効果範囲を各階に分けて配置することもできる。この呪文を発動するには、術者はこれから呪文で守る範囲内のどこかにいなければならない。この呪文は、守る範囲内に次のような魔法効果を生み出す。
アーケイン・ロック:呪文で守られた範囲内の扉はすべて
アーケイン・ロックのかかった状態になる。セーヴィング・スロー:不可。呪文抵抗:不可。
霧:霧があらゆる通路を満たし、全員の視界が5フィートになる(暗視能力を持っていても)。5フィート以内のクリーチャーは視認困難(攻撃に20%の失敗確率が付く)。それより先のクリーチャーは完全視認困難(50%の失敗確率が付く。また、攻撃時に視覚によって目標の位置をつきとめることはできない)。セーヴィング・スロー:不可。呪文抵抗:不可。
蜘蛛の巣:すべての階段を上から下まで蜘蛛の巣が覆う。巣を形成する糸は
ウェブの呪文で出てくるものに似ているが、ただ
ガーズ・アンド・ウォーズの呪文が続く限り、糸を燃やしても引きちぎっても10分後には元通りになってしまう。セーヴィング・スロー:反応・無効、
ウェブの項を参照。呪文抵抗:不可。
混乱:どちらに行くかという選択肢がある場合(たとえば通路が交差している場合、脇道がある場合など)、ちょっとした混乱型の効果が働いて、侵入者たちは50%の確率で、実際に選んだ道とはちょうど逆の方向へ進んでいるものと思い込む。この効果は[精神作用]に分類される。セーヴィング・スロー:不可。呪文抵抗:可。
扉の消失:術者レベルごとに1つの扉が
サイレント・イメージで覆われ、何の変哲もない壁のように見える。セーヴィング・スロー:意志・看破(やりとりがあった場合)。呪文抵抗:不可。
以上の効果に加えて、次の5つの魔法効果の中から1つを選んで配置できる。
- ダンシング・ライツを4つの通路に配置。この光の動きについて単純なプログラムを組み、ガーズ・アンド・ウォーズの呪文の続く限り、これを繰り返させることができる。セーヴィング・スロー:不可。呪文抵抗:不可。
- マジック・マウスを2箇所に配置。セーヴィング・スロー:不可。呪文抵抗:不可。
- スティンキング・クラウドを2箇所に配置。この蒸気は術者の指定した箇所に出現する。ガーズ・アンド・ウォーズの呪文の続く限り、風に吹き散らされても10分後に元通りになる。セーヴィング・スロー:頑健・無効、スティンキング・クラウドの項を参照。呪文抵抗:不可。
- ガスト・オヴ・ウィンドを1つの通路あるいは部屋に配置。セーヴィング・スロー:頑健・無効。呪文抵抗:可。
- サジェスチョンを1箇所に配置。一辺5フィートの正方形までの範囲を1箇所選ぶこと。この範囲内に入ったり範囲内を通過したクリーチャーは、みな精神的にサジェスチョンの効果を受ける。セーヴィング・スロー:意志・無効。呪文抵抗:可。
この呪文によって守られた範囲はすべて、強力な防御術の魔力を放っている。
ディスペル・マジックを特定の効果に対して発動し、解呪に成功した場合、なくなるのはその特定の効果だけである。
メイジズ・ディスジャンクションに成功すれば、
ガーズ・アンド・ウォーズの全効果が消え失せる。
カース・ウォーター
Curse Water/水穢し
系統死霊術[悪];
呪文レベルクレリック1
発動時間1分
構成要素音声、動作、物質(25gp相当の銀の粉末5ポンド)
距離接触
目標接触したビンの水
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー意志・無効(物体);
呪文抵抗可(物体)
この呪文は、ビン1本(1パイント=0.473リットル)の水に負のエネルギーを吹き込み、邪水に変える(『装備』を参照)。聖水がアンデッドや悪の来訪者にダメージを与えるように、邪水は善の来訪者にダメージを与える。
カーム・アニマルズ
Calm Animals/動物なだめ
系統心術(強制)[精神作用];
呪文レベルドルイド1、レンジャー1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標互いに30フィート以内の距離にいる動物
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
この呪文は動物をなだめ、おとなしくさせ、従順かつ無害にする。普通の(【知力】1か2の)動物だけが、この呪文の作用を受ける。対象はすべてが同じ種で、そのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない。術者が作用を及ぼせる最大ヒット・ダイス数は2d4+術者レベルに等しい。
作用を受けたクリーチャーは、現在位置に留まり、攻撃したり逃げたりしない。しかし
無防備状態ではなく、攻撃されれば普通に自分の身を守ろうとする。どんなものであれ脅威(火、腹をすかせた捕食生物、今にも攻撃しそうな動き)にさらされると、その脅威にさらされたクリーチャーにかかっていた呪文は破れてしまう。
カーム・エモーションズ
Calm Emotions/感情沈静化
系統心術(強制)[精神作用];
呪文レベルクレリック2、バード2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果範囲半径20フィートの拡散内のクリーチャー
持続時間精神集中、1ラウンド/レベルまで(解除可)
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
この呪文は興奮したクリーチャーを沈静化する。術者は作用を及ぼしたクリーチャーに何ら制御を及ぼせるわけではないが、怒り狂ったクリーチャーたちが争うのをやめさせたり、喜びに浮かれた者の頭を冷やしたりできる。作用を受けたクリーチャーは暴力的行動がとれなくなったり(ただし自分の身を守ることはできる)、破壊的行動がとれなくなったりする。沈静化したクリーチャーの1体に対して攻撃的な行動やダメージが加えられた場合、沈静化したクリーチャーすべてにかかっていた
カーム・エモーションズが即座に破れてしまう。
この呪文は
グッド・ホープ、
ブレス、
レイジといった呪文によって与えられた士気ボーナスを自動的に抑止する(解呪するわけではない)。また、バードの“勇気鼓舞の呪芸”や、バーバリアンの激怒を無効化する。また、あらゆる[恐怖]効果を抑止し、すべての目標から
混乱状態を取り除く。この呪文が持続している間、抑止された呪文や、状態、効果は効果を発揮しない。元々クリーチャーにかかっていた呪文や効果は、それまでに持続時間が尽きていなければ
カーム・エモーションズ呪文が終了すると再びクリーチャーに影響を及ぼす。
ガイダンス
Guidance/導き
系統占術;
呪文レベルクレリック0、ドルイド0
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離接触
目標接触したクリーチャー
持続時間1分あるいはチャージ消費(効果発揮)するまで
セーヴィング・スロー意志・無効(無害);
呪文抵抗可
この呪文は対象にほんの小さな信仰の導きを与える。対象のクリーチャーは1回だけ攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定のいずれかに+1の技量ボーナスを得る。このボーナスを付けるかどうかは、必ずロールを行なう前に宣言すること。
ガシアス・フォーム
Gaseous Form/ガス化
系統変成術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー3、バード3
発動時間1標準アクション
構成要素動作、物質/信仰(薄織一切れと煙一筋)
距離接触
目標接触した同意する実体クリーチャー
持続時間2分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー不可;
呪文抵抗不可
対象は装備ごと霧のように半透明で非物質的な存在になる。物質的な防具(外皮を含む)は無意味になるが、サイズ・ボーナス、【敏捷力】ボーナス、反発ボーナス、(
メイジ・アーマーのような)[力場]効果による鎧ボーナスは適用される。また、対象は“ダメージ減少10/魔法”を得て、毒や急所攻撃、クリティカル・ヒットには完全耐性を持つようになる。対象はガス化時には攻撃を行なえず、また音声要素、動作要素、物質要素、焦点具を要する呪文も使えない。対象があらかじめ
《呪文音声省略》、
《呪文動作省略》、
《物質要素省略》を使って準備していた呪文は、このルールの範疇外であることに注意。対象はガス化時には超常能力を失う。対象が接触呪文をこれから使う状態にしていたなら、
ガシアス・フォームの呪文が発効したとたん、くだんの接触呪文は影響を及ぼすことなくチャージ消費される。
ガス化したクリーチャーは地上を走ることはできないが、移動速度10フィートで飛ぶことができ、全ての
〈飛行〉技能判定は自動的に成功する。呪文が続いている限り、着用しているものや手に持っているものと一緒に、小さな穴や狭い開口部、はてはわずかな隙間まで通り抜けることができる。ガス化したクリーチャーは風の影響を受ける。水その他の液体に入ることはできない。また、ガス化したクリーチャーはたとえガス化していた際に所持していたとしても、その持っていた物体を操作したり、アイテムを起動したりすることはできない。継続的に稼動しているアイテムは稼動状態のままだが、中にはその効果が無意味になってしまうアイテムもあるだろう。
ガスト・オヴ・ウィンド
Gust of Wind/爆風
系統力術[風];
呪文レベルウィザード/ソーサラー2、ドルイド2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離60フィート
効果術者から距離限界まで放射する直線状の強風
持続時間1ラウンド
セーヴィング・スロー頑健・無効;
呪文抵抗可
この呪文は、術者から発し、その径路上にいるすべてのクリーチャーに作用する強風(ほぼ毎時50マイル)を作り出す。効果範囲内にいる飛行中のクリーチャーは
〈飛行〉技能判定に-4のペナルティをこうむる。飛行中の超小型サイズ以下のクリーチャーはDC25の
〈飛行〉技能判定を行わなければならず、失敗した場合、2d6×10フィート吹き戻され、2d6ポイントのダメージを負う。飛行中の小型サイズ以下のクリーチャーは、風の力に逆らって前に進むために、DC20の
〈飛行〉技能判定を行わなければならない。
地面にいる超小型サイズ以下のクリーチャーは“打ち倒された状態”となり、1d4×10フィート転がされ、10フィート転がされるごとに1d4ポイントの非致傷ダメージを被る。
小型サイズのクリーチャーは風の力に倒されて“
伏せ状態”となる。
中型サイズ以下のクリーチャーは、DC15の【筋力】判定に成功しない限り、風の力に逆らって前に進むことができない。
大型サイズ以上のクリーチャーは
ガスト・オヴ・ウィンドの影響下の中でも通常通り移動できる。
この呪文はその距離限界を超えてクリーチャーを動かすことはできない。
サイズに関わらず、
ガスト・オヴ・ウィンドの効果範囲内にいるクリーチャーはみな、遠隔攻撃と
〈知覚〉の判定に-4のペナルティを被る。
この爆風にあっては、ろうそく、松明などのような覆いのない炎は自動的に消えてしまう。ランタンのような覆いのある炎も激しくはためき、50%の確率で消える。
加えて、
ガスト・オヴ・ウィンドは、突然の爆風のせいで起こりそうなことなら、何でも起こす可能性がある。砂やほこりを痛いほど飛ばしたり、大きな火をあおり立てたり、品のいい日よけやカーテンを吹きあおってめちゃくちゃにしたり、小さなボートをくつがえしたり、ガスや蒸気を効果範囲の向こう端まで吹き飛ばしたり。
ガスト・オヴ・ウィンドは
パーマネンシイ呪文で永続化させることができる。
カラー・スプレー
Color Spray/色しぶき
系統幻術(紋様)[精神作用];
呪文レベルウィザード/ソーサラー1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(赤、黄、青に染めた粉末か砂をひとつまみずつ)
距離15フィート
効果範囲円錐形の爆発
持続時間瞬間;本文参照
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
けばけばしくも鮮烈な色彩が術者の手から前方に向かって円錐形に飛び出し、クリーチャーを
朦朧状態に(そして恐らくは
盲目状態にも)し、
気絶状態にしてしまうことさえある。円錐形内のクリーチャーはそれぞれのヒット・ダイスに応じた作用を受ける。
2HD以下:クリーチャーは2d4ラウンドの間、
気絶状態かつ
盲目状態かつ
朦朧状態となり、その後1d4ラウンドの間、
盲目状態かつ
朦朧状態となり、さらにその後1ラウンドの間、
朦朧状態となる(
気絶状態になるのは生きているクリーチャーだけである)。
3~4HD:クリーチャーは1d4ラウンドの間、
盲目状態かつ
朦朧状態となり、その後1ラウンドの間、
朦朧状態となる。
5HD以上:クリーチャーは1ラウンドの間、
朦朧状態となる。
視覚を持たない(または失っている)クリーチャーには、
カラー・スプレーは作用しない。
ギアス/クエスト
Geas/Quest/制約・探索
系統心術(強制)[言語依存、精神作用];
呪文レベルウィザード/ソーサラー6、クレリック6、バード6
発動時間10分
目標生きているクリーチャー1体
セーヴィング・スロー不可;
呪文抵抗可
この呪文は
レッサー・ギアスと同様に働くが、あらゆるヒット・ダイスのクリーチャーに効果があり、セーヴィング・スローが行なえない点で異なる。
24時間の間、
ギアス/クエストに従えなかった場合、対象は各能力値に-3のペナルティを受ける。このペナルティは毎日-3ずつ累積していき、最大で-12にまでなる。この効果によって能力値が1未満に下がることはない。この能力値ペナルティは、対象が
ギアス/クエストに従うのを再開してから24時間後に消える。
リムーヴ・カースで
ギアス/クエストを終らせるには、
リムーヴ・カースを使う者の術者レベルが
ギアス/クエストを使った者の術者レベルより2レベル以上高くなければならない。
ブレイク・エンチャントメントは
ギアス/クエストには効かない。
ウィッシュ、
ミラクル、
リミテッド・ウィッシュは効く。
ウィザード、ソーサラー、バードは通常この呪文を
ギアスと呼ぶ。クレリックは同じ呪文のことを
クエストと呼ぶ。
レッサー・ギアス
Geas, Lesser/初級制約
系統心術(強制)[言語依存、精神作用];
呪文レベルウィザード/ソーサラー4、バード3
発動時間1ラウンド
構成要素音声
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標7HDまでの生きているクリーチャー1体
持続時間1日/レベルあるいはチャージ消費(制約を完了させる)まで(解除可)
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
レッサー・ギアスはクリーチャーに、術者の望む通り、何らかの仕事を成し遂げたり、何らかの行動(あるいは一連の行動)をしないようにしたりさせる魔法の命令を与える。このクリーチャーは7HD以下でなければならず、また、術者の言うことを理解することができなければならない。
ギアスはクリーチャーに自殺したり、確実な死をもたらす行動をするよう強制することはできないが、それ以外ならほとんどどんな行動でも取らせることができる。
ギアスをかけられたクリーチャーは、どれだけ長くかかろうと、その制約が完了するまで与えられた指示に従わねばならない。
その指示が対象自身の行動のみでは完了できない指示であった場合、この呪文は最大で術者レベルごとに1日の間、効果が持続する。頭のいい対象はある種の指示を出し抜くことができる。
24時間の間、
レッサー・ギアスに従えなかった場合、対象は各能力値に-2のペナルティを被る。このペナルティは毎日-2ずつ累積していき、最大で-8にまでなる。この効果によって能力値が1未満に下がることはない。この能力値ペナルティは、対象が
レッサー・ギアスに従うのを再開してから24時間後に消える。
レッサー・ギアス(およびすべての能力値ペナルティ)は
ウィッシュや
ブレイク・エンチャントメント、
ミラクル、
リミテッド・ウィッシュ、
リムーヴ・カースによって終了させることができる。
ディスペル・マジックは
レッサー・ギアスには作用しない。
キーン・エッジ
Keen Edge/鋭き刃
系統変成術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標武器1つ、あるいは射出武器の矢弾50本(発動時にはそれらの矢弾すべてがひとつになっていなければならない)
持続時間10分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効(無害、物体);
呪文抵抗可(無害、物体)
この呪文は武器を魔法の力によって鋭くし、決定的な一撃を与える能力を上昇させる。この変成術呪文によって、その武器のクリティカル可能域が2倍になるのである。クリティカル可能域が20のものは19~20になる。クリティカル可能域が19~20のものは17~20になる。クリティカル可能域が18~20のものは15~20になる。この呪文は剌突武器か斬撃武器にしかかけることはできない。アローやクロスボウ・ボルトにかけた場合、特定の矢1本に対する
キーン・エッジは、意図した目標に当たったかどうかに関わらず、1回使用すれば切れてしまう。シュリケンはこの呪文に関して投擲武器ではなく矢弾として扱う。
武器のクリティカル可能域を強化させる複数の効果(
キーンの特殊能力を持つ武器や
《クリティカル強化》の特技など)は累積しない。術者はこの呪文を爪などの肉体武器に対して使用することはできない。
キャッツ・グレイス
Cat's Grace/猫の敏捷力
系統変成術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー2、ドルイド2、バード2、レンジャー2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(猫の毛ひとつまみ)
距離接触
目標接触したクリーチャー
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効(無害);
呪文抵抗可
この呪文の影響を受けたクリーチャーは、より機敏かつ軽やかで調和のとれた動きができるようになる。この呪文は【敏捷力】に+4の強化ボーナスを与え、それによって通常通り、ACや反応セーヴ、その他で【敏捷力】修正値を使用する際に利益を与える。
マス・キャッツ・グレイス
Cat's Grace, Mass/集団猫の敏捷力
系統変成術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー6、ドルイド6、バード6
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標クリーチャー1体/レベル、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
マス・キャッツ・グレイスは
キャッツ・グレイスと同様に機能するが、複数のクリーチャーに作用する。
キュア・クリティカル・ウーンズ
マス・キュア・クリティカル・ウーンズ
キュア・シリアス・ウーンズ
マス・キュア・シリアス・ウーンズ
キュア・モデレット・ウーンズ
マス・キュア・モデレット・ウーンズ
キュア・ライト・ウーンズ
Cure Light Wounds/軽傷治療
系統召喚術(治癒);
呪文レベルクレリック1、ドルイド1、バード1、パラディン1、レンジャー2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離接触
目標接触したクリーチャー
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー意志・半減(無害);本文参照;
呪文抵抗可(無害);本文参照
術者は1体の生きているクリーチャーに手を当て、正のエネルギーを注ぎ込むことで、1d8+1/術者レベル(最大+5)ポイントのダメージを回復させる。アンデッドは負のエネルギーによって活動しているため、この呪文をアンデッドに対して使うと、傷を治療するのでなく逆にダメージを与える。アンデッド・クリーチャーは呪文抵抗を適用でき、また、意志セーヴを試み、成功すればダメージを半減させることができる。
マス・キュア・ライト・ウーンズ
Cure Light Wounds, Mass/集団軽傷治療
系統召喚術(治癒);
呪文レベルクレリック5、ドルイド6、バード5
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標クリーチャー1体/レベル、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー意志・半減(無害)あるいは意志・半減;本文参照;
呪文抵抗可(無害)あるいは可;本文参照
術者は正のエネルギーを注ぎ込み、選択したクリーチャーそれぞれに対して1d8+1/術者レベル(最大+25)ポイントのダメージを回復させる。他のキュア呪文と同様、
マス・キュア・ライト・ウーンズは範囲内のアンデッドを回復させるのではなく、逆にダメージを与える。作用を受けたアンデッドはそれぞれ意志セーヴを試み、成功すればダメージを半減させることができる。
クウェンチ
Quench/消火
系統変成術;
呪文レベルドルイド3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果範囲あるいは目標20フィート立方の区画1個ぶん/レベル(自在)、あるいは火に関わりのある魔法のアイテム1つ
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー不可あるいは意志・無効(物体);
呪文抵抗不可あるいは可(物体)
クウェンチはしばしば、山火事やその他の大火事を消し止めるために使用される。この呪文は、効果範囲内にある魔法の力を持たない火をすべて消火する。また、効果範囲内にある[火]の呪文を解呪するが、術者は解呪しようとする呪文それぞれに対して解呪判定(1d20+術者レベルごとに1、最大+15)に成功しなければならない。そうした呪文を解呪するためのDCは(11+その[火]の呪文の術者レベル)である。
クウェンチ呪文の効果範囲内にいる(火)の副種別を持つクリーチャーはそれぞれ、術者レベルごとに1d6(最大10d6、セーヴ不可)ポイントのダメージを被る。
あるいは、術者は火を生み出したり操ったりする
魔法のアイテム1つを目標としてこの呪文を使用することもできる。そのアイテムは、意志セーヴに成功しない限り、火に関わりのあるすべての魔法能力を1d4時間の問、失ってしまう。アーティファクトはこの呪文の効果に対して完全耐性がある。
グール・タッチ
Ghoul Touch/食屍鬼の接触
系統死霊術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(グールから取った布、あるいはグールのすみかから取った土)
距離接触
目標接触した生きている人型生物
持続時間1d6+2ラウンド
セーヴィング・スロー頑健・無効;
呪文抵抗可
術者はこの呪文で体に負のエネルギーを宿し、近接接触攻撃に成功すれば、生きている人型生物1体を
麻痺状態にすることができる。
麻痺した対象から半径10フィートの拡散内にいる、すべての生きているクリーチャー(術者除く)は対象の放つ腐肉の匂いにより
不調状態に陥る(頑健・無効)。
ニュートラライズ・ポイズンの呪文はクリーチャーの
不調状態を取り除く。また、この匂いは、毒に対して完全耐性を有するクリーチャーには作用しない。これは[毒]効果である。
グッドベリー
Goodberry/良き漿果(しょうか)
系統変成術;
呪文レベルドルイド1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離接触
目標接触した2d4個の新鮮なベリー
持続時間1日/レベル
セーヴィング・スロー不可;
呪文抵抗可
摘みたてのベリーに
グッドベリーの呪文をかけると、うち2d4個が魔法のものになる。術者(および3レベル以上のドルイド全員)には、どのベリーが呪文の作用を受けたかが即座にわかる。魔法のベリー1粒で、中型サイズのクリーチャーの普通の食事一食ぶんになる。また、食べればダメージが1ポイント治る。ただし、これによる治癒は、どの24時間をとっても8ポイントが上限である。
グッド・ホープ
Good Hope/良き希望
系統心術(強制)[精神作用];
呪文レベルバード3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
目標生きているクリーチャー1体/レベル、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効(無害);
呪文抵抗可(無害)
この呪文は対象に強い希望を注ぎ込む。作用を受けたクリーチャーは攻撃ロール、セーヴィング・スロー、能力値判定、技能判定、武器によるダメージ・ロールに+2の士気ボーナスを得る。
グッド・ホープは
クラッシング・ディスペアを相殺し、解呪する。
クラウドキル
Cloudkill/殺戮の雲
系統召喚術(創造);
呪文レベルウィザード/ソーサラー5
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果半径20フィート、高さ20フィートに拡散する雲
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー頑健・不完全;本文参照;
呪文抵抗不可
この呪文は
フォッグ・クラウドのように、ひとかたまりの雲塊を作り出すが、その蒸気は黄緑色で毒性がある。雲は3HD以下のあらゆる生きているクリーチャーを殺してしまう(セーヴ不可)。4~6HDの生きているクリーチャーは頑健セーヴに成功しなければ死亡する(セーヴに成功した場合、この雲の中にいる間毎ラウンド、術者のターンに1d4ポイントの【耐久力】ダメージを受ける)。
HDが6以上の生きているクリーチャーはこの雲の中にいる間毎ラウンド、術者のターンに1d4ポイントの【耐久力】ダメージを受ける(頑健セーヴに成功すれば、このダメージは半減する)。息を止めても何ら助けにはならないが、毒への完全耐性を持つクリーチャーには、この呪文は作用しない。
フォッグ・クラウドと異なり、
クラウドキルは地表面に沿って漂いながら、毎ラウンド10フィートずつ術者から離れるように移動する。
毎ラウンド、術者が呪文を発動した際の起点から見て10フィート遠い位置に新たな起点を定め、そこから雲の新たな拡散範囲を求めること。
この蒸気は空気より重いため、地面の一番低い方へと漂って行き、地下室や下水口の中にまで流れ込む。この蒸気を液体にしみ込ませたり、水中でこの呪文を発動することはできない。
グラスピング・ハンド
Grasping Hand/つかみかかる手
系統力術[力場];
呪文レベルウィザード/ソーサラー7
インターポージング・ハンドと同様だが、術者が選んだ敵1体に組みつかせることができる。
グラスピング・ハンドは毎ラウンド1回の組みつき攻撃を行なう。 この攻撃は機会攻撃を誘発しない。この組みつきの戦技ボーナスと戦技防御値は術者レベルを基本攻撃ボーナスとして用い、【筋力】31による+10、サイズが大型であることによる+1がつく。【敏捷力】は10であり影響しない。組みつきに成功しても対象を傷つけることはない。別の目標に向けるのは移動アクションを要する。
グラスピング・ハンドは代わりに突き飛ばし攻撃を同じボーナスで行うことができる。あるいは
インターポージング・ハンドと同様に、対象との間に立ちふさがることもできる。
クラッシング・ディスペア
Crushing Despair/圧し拉ぐ絶望
系統心術(強制)[精神作用];
呪文レベルウィザード/ソーサラー4、バード3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質
距離30フィート
効果範囲円錐形の爆発
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
不可視の円錐形範囲内を絶望が覆い、対象は圧倒的な悲しみに包まれる。作用を受けたクリーチャーは攻撃ロール、セーヴィング・スロー、能力値判定、技能判定、武器によるダメージ・ロールに-2のペナルティを受ける。
クラッシング・ディスペアは
グッド・ホープを相殺し、解呪する。
クラッシング・ハンド
Crushing Hand/押し潰す手
系統力術[力場];
呪文レベルウィザード/ソーサラー9
インターポージング・ハンドと同様だが、
グラスピング・ハンドのように組みつきも行わせることができる。この組みつきの戦技ボーナスと戦技防御値は術者レベルを基本攻撃ボーナスとして用い、【筋力】35による+12、サイズが大型であることによる+1がつく。【敏捷力】は10であり影響しない。
クラッシング・ハンドは組みつきに成功した場合、対象に2d6+12のダメージを与える。また、代わりに
フォースフル・ハンドのように突き飛ばし攻撃を同じボーナスで行うことができる。あるいは
インターポージング・ハンドと同様に、対象との間に立ちふさがることもできる。
グリース
Grease/脂
系統:召喚術(創造);
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1、バード1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(バター)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:物体1つ、あるいは一辺10フィートの正方形
持続時間:1分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:本文参照;
呪文抵抗:不可
グリースの呪文は固体の表面をすべりやすい脂の層で覆う。呪文発動時に範囲内にいたクリーチャーはみな、反応セーヴを行ない、失敗するとすべって転倒する。脂で覆われた範囲では、DC10の
〈軽業〉判定に成功することで、通常の半分の移動速度で歩いたり通り抜けたりできる。失敗すればそのラウンドは移動できない(反応セーヴを行ない、失敗すれば転倒)。また、5以上の差で失敗したなら転倒する(
〈軽業〉参照)。自分のターンに移動しないクリーチャーはこの判定を行なう必要はなく、
立ちすくみ状態とも見なされない。
この呪文はアイテム1つを脂で覆うのにも使える。使用されていない物体は自動的にこの呪文の影響を受ける。クリーチャーが持っていたり装備していたりする物体は、所持者が反応セーヴに成功すれば影響を受けずにすむ。最初のセーヴィング・スローに失敗したなら、クリーチャーは即座にそのアイテムを取り落とす。脂で覆われた物を拾ったり使おうとするなら、毎ラウンドセーヴィング・スローを行なわなければならない。脂で覆われた鎧や衣服を着ているクリーチャーは、
〈脱出術〉判定、組みつきから脱出するための戦技判定、組みつきを避けるための戦技防御値に+10の状況ボーナスを得る。
クリーピング・ドゥーム
Creeping Doom/這い寄る破滅
系統:召喚術(招来);
呪文レベル:ドルイド7
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)/100フィート;本文参照
効果:蟲のスウォーム4群
持続時間:1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー:頑健・不完全、本文参照;
呪文抵抗:不可
この呪文は噛みつきと突き刺しを行う大規模な蟲のスウォームを4つ召喚する。これらのスウォームは互いに隣接して現れるが、独立して動くように指示できる。これらは以下の調整を受けた
センチピード・スウォームとして扱う。それぞれ60のヒット・ポイントを持ち、群がり攻撃によって4d6ポイントのダメージを与える。この攻撃による
毒と
わずらわす効果へ抵抗するセーヴは、この呪文のセーヴDCに等しい。複数の群れに捕まっても、ダメージとセーヴは一度のみである。
術者はスウォームを、他のクリーチャーと同じエリアに招来することもできる。1回の標準アクションを使用することで、術者はスウォームに対して、自分から100フィート以内にいるいずれかの対象に向かって移動するよう命令することができる(一度に何群にでも命令できる)。自分から100フィートより離れたところへ移動するよう命令することはできず、術者がスウォームから100フィートより離れたところへ移動した場合、そのスウォームはその場所に留まり、自分と同じエリアにいるクリーチャーを攻撃する(術者が100フィート以内に戻れば、再び命令を出すことができるようになる)。
クリエイト・アンデッド
Create Undead/アンデッド創造
系統:死霊術[悪];
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー6、クレリック6
発動時間:1時間
構成要素:音声、動作、物質(墓場の泥土を詰めた陶器の壷1つと、創造するアンデッドのHDごとに少なくとも50GPの価値があるブラック・オニキス)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:死体1体
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可;
呪文抵抗:不可
アニメイト・デッドよりさらに強力なこの悪の呪文により、術者はもっと強力な種類のアンデッド(グール、ガスト、ミイラ、モーグ)を創造するために、死んだ肉体に負のエネルギーを注ぎ込むことができる。術者が作り出せるアンデッドの種類は、以下の表に示すように、術者レベルによって決まる。
望むなら、術者は自分のレベルで作れる上限より弱いアンデッドを創造することもできる。術者がアンデッドを支配できるなら、アンデッド・クリーチャーを創造した際に支配を試みることもできる。
この呪文は夜間に発動せねばならない。
クリエイト・ウォーター
Create Water/水の創造
系統:召喚術(創造)[水];
呪文レベル:クレリック0、ドルイド0、パラディン1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:2ガロン(7.6リットル)/レベルまでの水
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可;
呪文抵抗:不可
この呪文はきれいな雨水に似た、有害なものを含まない飲用に適した水を作り出す。水を作り出す場所は実際に出てくる水が入るだけの小さな場所でも、出てくる水の体積より3倍も広いところでも構わない――土砂降りの雨のように降らせたり、たくさんの小さな容器を満たしたりできるだろう。この水は飲みきらなくても、1日後に消えてなくなる。
注:召喚術呪文は、物質や物体をクリーチャーの体内に作り出すことはできない。水の重さは1ガロン(約3.8リットル)につきおよそ8ポンド(約3.6kg)である。1立方フィートの水(約28リットル)はほぼ8ガロンに相当し、約60ポンド(約27kg)の重さがある。
クリエイト・グレーター・アンデッド
Create Greater Undead/上級アンデッド創造
系統:死霊術[悪];
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8、クレリック8
クリエイト・アンデッドと同様だが、この呪文は、より強力で知性の高いアンデッド(シャドウ、レイス、スペクター、ディヴァウラー)を創造できるようになる。作り出されるアンデッドの種類は、以下の表に示すように、術者レベルによって決まる。
クリエイト・フード・アンド・ウォーター
Create Food and Water/食料と水の創造
系統:召喚術(創造);
呪文レベル:クレリック3
発動時間:10分
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:人間3人/レベルあるいは馬1頭/レベルを24時間養うことができる食料と水
持続時間:24時間;本文参照
セーヴィング・スロー:不可;
呪文抵抗:不可
この呪文の生み出す食料は、術者が選んだ何か簡素な食事――味こそ薄いが栄養は満点――である。こうして生み出された食料は24時間後に腐敗し、食べられなくなってしまうが、
ピュアリファイ・フード・アンド・ドリンク呪文をかければさらに24時間鮮度を保つことができる。この呪文で作られた水は清浄な雨水と同じである。食料の場合と違い、この水が悪くなることはない。
グリッターダスト
Glitterdust/きらめく微塵
系統:召喚術(創造);
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、バード2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(雲母の粉末)
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果範囲:10フィート拡散内のクリーチャーや物体
持続時間:1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー:意志・無効(盲目効果のみ);
呪文抵抗:不可
金色の微塵が雲となって効果範囲内のあらゆる者と物を覆い、持続時間中はクリーチャーを
盲目状態にし、また不可視のものの輪郭を目に見えるようにする。範囲内のあらゆるものはこの塵に覆われる。この塵は取り除けず、呪文が切れるまではきらきらと光りつづける。毎ラウンド、
盲目状態のクリーチャーのターンの終わりに、盲目効果を終了させる新たなセーヴィング・スローを試みることができる。
この塵に覆われたクリーチャーは
〈隠密〉の判定に-40のペナルティを負う。
グリフ・オヴ・ウォーディング
Glyph of Warding/守りの秘文
系統:防御術;
呪文レベル:クレリック3
発動時間:10分
構成要素:音声、動作、物質(200GP相当のダイアモンドの粉末)
距離:接触
目標あるいは効果範囲:接触した物体、あるいは5平方フィート/レベル
持続時間:チャージ消費(作動)するまで永続(解除可)
セーヴィング・スロー:本文参照;
呪文抵抗:不可(物体)および可;本文参照
この力ある銘刻は、秘文に守られた物体や範囲に入ったり、通過したり、開けたりした者に害を与える。
グリフ・オヴ・ウォーディングによる秘文1つで、1つの橋や通路や入口を守ったり、1つの箱や櫃に罠を仕掛けたりすることができる。
術者は守りの秘文の諸条件全てを設定する。合言葉(術者が呪文発動時に設定)を言わずにこの呪文によって守られた範囲に踏み込んだり、守られた物体を開いたりしたクリーチャーが秘文に隠された魔法の対象となる、というのが典型的である。合言葉に替えて、あるいは合言葉に加えて、秘文は肉体的な特性(身長、体重など)やクリーチャーの種別、副種別、種に合わせて仕掛けることもできる。また善、悪、秩序、混沌といった属性に合わせて仕掛けたり、術者と同じ宗教の者は見逃すように仕掛けたりすることもできる。しかし、
クラス、ヒット・ダイス、レベルに合わせて仕掛けることはできない。秘文は不可視のクリーチャーに対しても通常に働くが、エーテル状態で通り抜けるものに対しては作動しない。1つの範囲に複数の秘文を発動することはできない。しかし、たとえば1つの箪笥に3つの独立した引き出しがある場合、それぞれの引き出しを別々の秘文で守ることはできる。
この呪文を発動する際、術者は守りの印形のまわりに、かすかに光る網目模様を描く。秘文の効果範囲は、術者に可能な最大面積以内ならどんなふうな形に配置してもよい。呪文が完成したら、秘文も網目模様もほぼ不可視になる。
物理的、魔術的な探りを入れるなどの手段によって秘文に作用を及ぼしたり、避けて通ったりすることはできない。しかし秘文を解呪することはできる。
ノンディテクション、
ポリモーフ、
ミスリード(その他これらに類する魔法効果)で秘文を欺くこともできるが、魔法的な手段によらない変装などでは欺くことはできない。
リード・マジックを使った上で
〈知識:神秘学〉判定(DC13)に成功すれば、
グリフ・オヴ・ウォーディングを識別できる。識別することで秘文が作動することはない。識別に成功した者には、秘文の基本的な性質(どの秘文か、どんな種類のダメージを及ぼすか、何の呪文がこめられているか)がわかる。
注:
グリフ・オヴ・ウォーディングのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。ローグ(だけ)は
グリフ・オヴ・ウォーディングを発見するのに
〈知覚〉技能を、
グリフ・オヴ・ウォーディングを解除するのに
〈装置無力化〉を使うことができる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、
グリフ・オヴ・ウォーディングの場合は28である。
選択したバージョンによって、秘文は侵入者にダメージを与えたり、何らかの呪文を起動させたりする。
爆発の秘文:侵入者とその5フィート以内にいる者に対して、爆発が術者レベル2レベルごとに1d8ダメージ(最大5d8)を与える。ダメージは[音波][強酸][雷撃][火炎][氷雪]のいずれかである(術者が呪文発動時に選択)。作用を受けた者は反応セーヴに成功すればダメージを半分にできる。この効果に対して呪文抵抗は適用される。
呪文の秘文:術者は敵に害を与える呪文で、自分が知っており、かつ3レベル以下のものを何か1つ、秘文の中に仕掛けておける。その呪文のレベルに依存する特徴はすべて、呪文発動時の術者のレベルによって決まる。呪文に目標がある場合、侵入者が目標になる。呪文に効果範囲や無定型の効果(雲など)がある場合、効果範囲や効果は侵入者が中心になる。呪文がクリーチャーを招来する場合、それはできるだけ侵入者の近くに現れて攻撃する。セーヴィング・スローと呪文抵抗はすべて通常通りに行なわれるが、そのDCは
グリフ・オヴ・ウォーディングに仕掛けられた呪文のレベルによって決まる。
グレーター・グリフ・オヴ・ウォーディング
物質要素:術者は香によって秘文を描く。香は前もって400GP以上のダイアモンドの粉末と混ぜておかねばならない。
グリブネス
Glibness/巧言
系統:変成術;
呪文レベル:バード3
発動時間:1標準アクション
構成要素:動作
距離:自身
目標:術者
持続時間:10分/レベル(解除可)
術者のスピーチはより流暢で説得力を持つようになり、聴衆は術者の言うことを信じやすくなる。 術者は他者に自分の言葉が真実であると信じさせるために行なう
〈はったり〉の判定に+20のボーナスを得る。このボーナスは他の形での
〈はったり〉技能の使用、すなわち戦闘時のフェイント、
〈隠密〉を行なうための隙を作ること、符丁を使ってひそかにメッセージをやりとりすることなどには使えない。
魔法効果により術者の嘘が見破られたり、真実を話すことを強いられるような場合(
ディサーン・ライズや
ゾーン・オヴ・トゥルースなど)、その効果を使用する術者は、(15+
グリブネスをかけた術者の術者レベル)をDCとした術者レベル判定(1d20+術者レベル)に成功しなければならない。失敗したならばその効果は失敗し、嘘を見抜くことも、真実だけを話すように強制することもできない。
クレアオーディエンス/クレアヴォイアンス
Clairaudience/Clairvoyance/透視・透聴
系統:占術(念視);
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3、バード3
発動時間:10分
構成要素:音声、動作、焦点/信仰(小さな角笛1つあるいはガラス細工の目1つ)
距離:長距離(400フィート+40フィート/レベル)
効果:魔法的感知器官
持続時間:1分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;
呪文抵抗:不可
クレアオーディエンス/クレアヴォイアンスは特定の場所に不可視の魔法的感知器官を作り出し、術者はその場にいるのとほとんど同じように見たり聞いたり(術者がどちらかを選択)できるようになる。視線や効果線が通っている必要はないが、知っている場所――術者に馴染みのある場所や、明確な位置(扉の向こうや、角を曲がったところ、木立の中、など)――でなければならない。一度場所を選択してしまえば、魔法的感知器官は移勤しないが、術者が望むならぐるりとまわして全方向を見ることができる。他の念視呪文と異なり、この呪文を通じて魔法的あるいは超常的に強化された感覚を働かせることはできない。選択した場所に魔法的な暗闇があれば、術者には何も見えない。そこが自然の暗闇に閉ざされていた場合、術者はこの呪文効果の中心から周囲半径10フィートの範囲を見ることができる。
クレアオーディエンス/クレアヴォイアンスは術者が現在いる次元界においてのみ機能する。
グレーター(呪文名)
クレンチト・フィスト
Clenched Fist/握り拳
系統:力術[力場];
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8
構成要素:音声、動作、焦点/信仰(革の手袋片手ぶん)
インターポージング・ハンドと同様だが、この手は術者の選択した敵1体との間に立ちふさがり、突き飛ばし、攻撃することもできる。この浮遊する手は60フィートまで移動し、同一ラウンドに攻撃することができる。この手は術者の指示によって動くため、
不可視状態だったり視認困難なクリーチャーを感知したり攻撃したりする能力は術者と変わらない。
この手は毎ラウンド1回攻撃し、攻撃ボーナスは術者レベル+術者の【知力】/【判断力】/【魅力】修正値(それぞれ
ウィザード、
クレリック、ソーサラーの場合)で、手の【筋力】(33)による+11、サイズが大型であることによる-1がつく。手は毎回の攻撃で1d8+11ポイントのダメージを与え、さらに命中を受けたクリーチャーは(この呪文のセーヴDCに対して)頑健セーヴを行ない、失敗すると1ラウンドの間、
朦朧状態となる。この呪文を別の目標に向け直すには、1移動アクションを要する。
クレンチト・フィストは
インターポージング・ハンドと同様に間に立ちふさがることも、
フォースフル・ハンドと同様に敵を突き飛ばすこともできる。 この突き飛ばしの戦技ボーナスは術者レベルを基本攻撃ボーナスとして用い、【筋力】による+11、大型であることによる+1がつく。
クローク・オヴ・ケイオス
Cloak of Chaos/混沌の衣
系統:防御術[混沌];
呪文レベル:クレリック8
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、焦点(500GPの価値がある小さな聖遺物入れ)
距離:20フィート
目標:術者を中心とした半径20フィートの爆発内にいるクリーチャー1体/レベル
持続時間:1ラウンド/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:本文参照;
呪文抵抗:可(無害)
ランダムな色彩の模様が対象を覆って攻撃から守り、秩序の属性のクリーチャーの発動した呪文に対する抵抗力を与え、対象に攻撃を当てた秩序の属性のクリーチャーを
混乱状態にする。この防御術呪文には4つの効果がある。
第一に、この呪文によって守られたクリーチャーはACに+4の反発ボーナスと、セーヴに+4の抵抗ボーナスを得る。
プロテクション・フロム・ローと異なり、この呪文の利益は秩序の属性のクリーチャーによる攻撃に対してだけではなく、すべての攻撃に対して適用される。
第二に、この呪文によって守られたクリーチャーは[秩序]の呪文や秩序の属性のクリーチャーの発動した呪文に対して呪文抵抗25を得る。
第三に、この防御術呪文は
プロテクション・フロム・ローと同様に、憑依および精神的な影響を防御する。
最後に、秩序の属性のクリーチャーがこの呪文によって守られたクリーチャーに対する近接攻撃に成功した場合、その攻撃者は1ラウンドの間、
混乱状態になる(
コンフュージョン呪文と同様に意志セーヴに成功すれば無効化できるが、セーヴは
クローク・オヴ・ケイオスのセーヴDCに対して行なうこと)。
グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ
レッサー・グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ
Globe of Invulnerability, Lesser/下級耐魔法球
系統:防御術;
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー4
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(ガラスか水晶のビーズ)
距離:10フィート
効果範囲:術者を中心とした半径10フィートの球形の放射
持続時間:1ラウンド/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;
呪文抵抗:不可
移動せず、かすかにゆらめく魔法の球体が術者を取り巻き、3レベル以下のすべての呪文の効果を排除する。そうした呪文の効果範囲あるいは効果には
レッサー・グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティの効果範囲は含まれない。そうした呪文は球体の内部にいる目標に作用を及ぼすことができない。これには擬似呪文能力や魔法装置からの呪文や擬似呪文効果も含まれる。ただし、どんな種類の呪文でも、この魔法の球体の向こう側へ、あるいは球体の中から外へかけることはできる。4レベル以上の呪文、および、この呪文が発動された時点ですでに効果をあらわしている呪文には、この球体は作用しない。この球体は
ディスペル・マジックで除去できる。球体から一時的に離れ、再び戻ることはペナルティなく行なうことができる。
呪文の効果は、その効果が球体の効果範囲と重ならないかぎり中断されず、重なった場合でも、単に一時的に効果が抑止されるだけで解呪されるのではないことに注意。
同じ呪文でもとのキャラクター・クラスでかけているかでレベルが違う場合、
レッサー・グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティがその呪文を停止させるかどうか決める際には、その呪文の使い手のクラスに対応する呪文レベルを使用すること。
クローン
Clone/クローン
系統:死霊術;
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8
発動時間:10分
構成要素:音声、動作、物質(1,000GPの価値がある様々な研究資材)、焦点(特別な研究設備、500GP)
距離:0フィート
効果:クローン1体
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可;
呪文抵抗:不可
この呪文は1体のクリーチャーの不活性な複製を作り出す。複製元となった個体が殺されると、その魂は即座にこのクローンに移され、代わりの肉体を得る(魂が自由な状態で、生き返ることを望んでいるなら)。
複製元の死体がまだ残っているなら、それは不活性な物体となり、以後は生き返らせることができなくなる。複製元のクリーチャーの本来の寿命が尽きてしまった(自然死した)場合は、クローン化の試みはすべて失敗する。
複製を造るためには、術者は複製元のクリーチャーの生きている身体から採った肉片(毛髪や爪、鱗の類ではいけない)を、少なくとも1立方インチぶん用意しなければならない。肉片は新鮮である必要はないが、防腐されていなければならない(
ジェントル・リポウズ呪文を使うなどして)。一度呪文を発動させたら、複製は2d4ヶ月かけて研究室で培養せねばならない。
クローンが完成したら、複製元のクリーチャーがすでに死んでいれば、その魂はただちにそのクローンに入る。そのクローンは複製元と肉体的に同一で、複製元と同じ人格と記憶を有する。 見方を変えると、このクローンはまるで複製元のキャラクターが生命力吸収を受け、永続的な負のレベルを2レベル得て復活したかのように扱われる。対象が1レベルであったなら、代わりに2ポイントの【耐久力】吸収を受ける(これによって【耐久力】が0以下になるならクローンによって復活することはできない)。複製元のクリーチャーから肉片を採った後で永続的な負のレベルを得たなら、クローンも同様に負のレベルを得ている。
この呪文が複製するのは肉体と精神のみであり、装備は含まない。複製元が生きていたり、魂が戻れない状況にある間も、複製は成長することができる。しかしこの体は魂の無い不活性な肉の塊に過ぎず、保護されなければ腐っていくほかない。
ケイオス・ハンマー
Chaos Hammer/混沌の鉄槌
系統:力術[混沌];
呪文レベル:クレリック4
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果範囲:半径20フィートの爆発
持続時間:瞬間(1d6ラウンド);本文参照
セーヴィング・スロー:意志・不完全;本文参照;
呪文抵抗:可
術者は混沌の力を解き放って敵を討つ。混沌の力は多彩な色を放ちながら跳びはね、踊り回るエネルギーの爆発となって現れる。この呪文によって害を被るのは、秩序か中立(混沌以外)の属性のクリーチャーだけである。
この呪文は秩序の属性のクリーチャーに対して、術者レベル2レベルごとに1d8(最大5d8)ポイントのダメージ(秩序の属性の来訪者に対しては術者レベルごとに1d6(最大10d6)ポイントのダメージ)を与え、1d6ラウンドの間、減速状態にする(
スロー呪文を参照のこと)。意志セーヴに成功すれば、ダメージを半減し、減速効果を無効化する。
秩序の属性でも混沌の属性でもないクリーチャーにはダメージは半分しか与えられず、減速効果もない。そうしたクリーチャーは意志セーヴに成功すれば、ダメージをさらに半減させる(1/4に下げる)ことができる。
ゲート
Gate/次元門
系統:召喚術(招請または創造);
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー9、クレリック9
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(本文参照)
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果:本文参照
持続時間:瞬間、または精神集中(1ラウンド/レベルまで);本文参照
セーヴィング・スロー:不可;
呪文抵抗:不可
ゲートの呪文を発動すると2つの効果がある。第一に、術者の次元界と望みの次元界との間を接続し、2つの次元界をどちらからどちらへ向かっても旅することができるようにする。
第二に、
ゲートを通じて特定の存在あるいは特定種類の存在を招請することができる。
ゲート自体は丸い輪あるいは円盤で、直径は5~20フィート(術者が決定)、出現時に術者が望む方向を向いている(垂直になって術者のほうを向いているのが典型)。これが術者の名指した次元界に通じる二次元の窓なのである。この中へ入ったものはすべて、即座に向こう側の次元界に転移する。
ゲートには表裏の別がある。表側から
ゲートに入ったクリーチャーは他の次元界に飛ぶが、裏側から
ゲートに入ってもそうはならない。
次元界移動:
ゲートは次元界移動の一手法としては、おおむね
プレイン・シフトの呪文と同じように作用する。ただしゲートは正確に術者の望む地点に口を開く(これは創造効果である)。神格など、特定の次元界を支配する存在は、望むなら自分のいるところや自分の領地に
ゲートが開くのを止められる。次元界移動を行なうものたちは、術者と手をつないでいる必要はない。入口の中に踏み込むことにした者はみな移送される。ゲートを同じ次元界の別の地点に向けて開くことはできない。この呪文は次元界と次元界の間の移動のためにしか作動しないのである。
術者はごく短い間(術者レベルにつき1ラウンド以内)しか
ゲートを開いておけない。また、
ゲートを開いておくには精神集中が必要で、精神集中が切れれば次元界の間の接続も切れる。
クリーチャーの招請:
ゲート呪文の第二の効果は、他次元界のクリーチャーを呼び出して術者を手伝わせることである(招請効果)。特定の存在あるいは特定種類の存在の名を呼ぶことで、ゲートをそのクリーチャーのすぐそばに開き、相手の望むと望まざるとに拘わらず引きずりこむことができる。神格や唯一無二の存在はゲートを通って来るように強制されることはないが、自ら望むなら来ることもできる。呪文をこのように使った場合、できたゲートは呼び出されたクリーチャーを移送するのに充分な時間だけ開いている。この用法は、呼び出したクリーチャーに支払われるべき全てのコストに加えて、珍しい香と供物10,000GPの物質コストを必要とする。
特定の個体ではなく、クリーチャーの種類をあげて呼ぶ場合、クリーチャー1体を呼ぶこともできれば、複数のクリーチャーを呼ぶこともできる。どちらの場合でも、合計HDは術者レベルの2倍以下でなければならない。1体の場合、HDが術者レベル以下なら制御できる。HDが術者レベルより大きいなら制御できない。神格や唯一無二の存在はいかなる場合にも制御できない。制御されていない存在は好きなようにふるまうので、このようなクリーチャーを招請するのはかなり危険である。制御されていない存在はいつでも出身次元界に戻ることができる。
より長期の仕事や自発的な仕事を望むなら、その見返りに公正な取引を申し出る必要がある。要求する仕事内容は、約束する利益や報酬と比べて納得のいくものでなければならない。適切な報酬については
レッサー・プレイナー・アライの呪文を参照すること。まずいことに、一部のクリーチャーは金ではなく“家畜”で報酬を受け取ろうとするが、これは時として揉めごとの種になる。仕事が終わるやいなや、くだんの存在は術者のそばに現れ、術者はその時その場所で即、約束した報酬を払わねばならない。これがすむとクリーチャーは即座に解放され、出身次元界に戻ることができるようになる。
約束を一字一句違えずに守ることができなければ、最上の場合でも術者はくだんのクリーチャー、あるいはその主君のために仕事をしなければならなくなる。最悪の場合、くだんのクリーチャーやその同族が術者を攻撃することもある。
注:地、水、火、風、善、悪、秩序、混沌のクリーチャーを招請するために使用すると、
ゲート呪文はその種類の呪文となる。
ゴースト・サウンド
Ghost Sound/幻の音
系統:幻術(虚像);
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー0、バード0
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(羊毛ひとつまみ、あるいは蝋の小さなかたまり一個)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:実体のない音
持続時間:1ラウンド/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:意志・看破;
呪文抵抗:不可
ゴースト・サウンドを使えば、術者はある程度の音量の音を作り出すことができ、音を高めるのも静めるのも近づかせるのも一箇所に留まらせるのも自由である。術者は呪文の発動時にどんな種類の音を出すかを決める。それ以後に音の基本的な性格を変えることはできない。
音量は術者のレベルに従い、術者レベルごとに、通常の人間4人ぶんの音を出せる(最大40人ぶん)。これにより話し声、歌声、叫び声、歩いたり行進したり走ったりする足音を作り出せる。
ゴースト・サウンド呪文の生み出す音は、音量上限以内なら事実上どんな種類の音でもよい。たとえば、ラット(ネズミ)の群が走り回りちゅうちゅう鳴く声は、おおむね8人の人間が走り叫ぶのに相当する。ライオンの咆える声は人間16人ぶん、ドラゴンの咆哮は32人ぶんに相当する。
ゴースト・サウンドを聞いたものは、看破するための意志セーヴを受ける。
ゴースト・サウンドは
サイレント・イメージの効果を高めるのにも役立つ。
ゴースト・サウンドは
パーマネンシイ呪文で永続化させることができる。
コーズ・フィアー
Cause Fear/恐怖の喚起
系統:死霊術[恐怖、精神作用];
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1、クレリック1、バード1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:5HD以下の生きているクリーチャー1体
持続時間:1d4ラウンドあるいは1ラウンド;本文参照
セーヴィング・スロー:意志・不完全;
呪文抵抗:可
作用を受けたクリーチャーは
恐れ状態となる。意志セーヴに成功すれば、対象は1ラウンドの間、
怯え状態になるだけで済む。6ヒット・ダイス以上のクリーチャーは、この効果に完全耐性を持つ。
コーズ・フィアーは
リムーヴ・フィアーを相殺し、解呪する。
コール・ライトニング
Call Lightning/落雷
系統:力術[雷撃];
呪文レベル:ドルイド3
発動時間:1ラウンド
構成要素:音声、動作
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果:長さ30フィートの垂直に落ちる雷1本以上
持続時間:1分/レベル
セーヴィング・スロー:反応・半減;
呪文抵抗:可
呪文が完成した直後と、それ以降の各ラウンドに1回、術者は幅5フィート、長さ30フィートで3d6ポイントの[雷撃]ダメージを与える垂直に落ちる雷を呼び降ろすことができる。雷はそれがどんな場所であれ、呪文の距離内(その時点で術者のいる位置から測る)にある、術者が選択した目標地点へ真上から垂直に落ちる。目標となったマスにいたクリーチャーと、落雷の通り道にいたすべてのクリーチャーに作用する。
落雷はすぐさま起こさねばならないわけではない。その前に他のアクションや、呪文の発動さえ行なって構わない。ただし、第1ラウンド以降の各ラウンドでは、雷を落とすために術者が標準アクション(呪文に精神集中する)を使用せねばならない。術者は合計で、術者レベルに等しい本数(最大10本)の雷を落とすことができる。
術者が屋外の嵐の吹きすさぶエリアにいる場合――雨が降り注ぎ、暗雲が立ちこめ、風が吹き荒れ、蒸し暑く、視界の悪い状況で、竜巻(ジンやサイズが大型以上のエア・
エレメンタルが起こすものも含む)であっても構わない――落雷はそれぞれ3d6ではなく3d10の[雷撃]ダメージを与える。
この呪文は屋内や地下でも機能するが、水中では機能しない。
コール・ライトニング・ストーム
Call Lightning Storm/森雷
系統:力術[雷撃];
呪文レベル:ドルイド5
距離:長距離(400フィート+40フィート/レベル)
この呪文は
コール・ライトニングと同様だが、落雷はそれぞれ5d6(屋外の嵐の中で発動したなら5d10)ポイントのダメージを与え、最大15本まで雷を落とすことができる。
コーン・オヴ・コールド
Cone of Cold/冷気放射
系統:力術[氷雪];
呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(小さな円錐形の水晶かガラス1つ)
距離:60フィート
効果範囲:円錐形の爆発
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:反応・半減;
呪文抵抗:可
コーン・オヴ・コールドは、術者の手を起点に広がる円錐形の範囲に強烈な冷気を発生させる。それは熱を奪い去り、術者レベルごとに1d6(最大15d6)ポイントの[氷雪]ダメージを与える。
コマンド
Command
/命令
系統心術(強制)[言語依存、精神作用];
呪文レベルクレリック1
発動時間1標準アクション
構成要素音声
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標生きているクリーチャー1体
持続時間1ラウンド
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
術者が対象に1つの命令を下すと、対象はなるべく早い機会に、全力でそれを遂行する。術者は下すべき命令を以下のリストから選ぶ。
来い:対象は自分のターンに、1ラウンドの間、可能な限り速い速度でできるだけまっすぐ術者の方へと近付く。そのクリーチャーは自分のターンの間、移動以外のことは行なえず、この移動は通常通り機会攻撃を誘発する。
落とせ:対象は自分のターンに、持っているものを落とす。落としたアイテムを拾うことは、次のターンになるまでできない。
倒れろ:対象は自分のターンに地面に倒れ、1ラウンドの間、
伏せ状態となる。
伏せ状態でも通常通り行動できるが、それによるペナルティは受ける。
逃げろ:対象は自分のターンに、1ラウンドの間、可能な限り速い速度で術者から離れる方向へ移動する。そのクリーチャーは自分のターンの間、移動以外のことは行なえず、この移動は通常通り機会攻撃を誘発する。
止まれ:対象は1ラウンドの間、その場に立ち尽くす。対象はいかなるアクションもとれないが、
無防備状態とは見なされない。
対象が直後の自分のターンに術者の下した命令を実行できない場合、呪文は自動的に失敗する。
グレーター・コマンド
Command, Greater
/上級命令
系統心術(強制)[言語依存、精神作用];
呪文レベルクレリック5
目標クリーチャー1体/レベル、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間1ラウンド/レベル
コマンドと同様だが、レベルごとに1体までのクリーチャーに作用を及ぼすことができ、対象は2ラウンド以上、最初に命じられた行動をとりつづける。命令を受けたクリーチャーはそれぞれ、2度目以降のアクションをとるたび、その開始時にもう一度意志セーヴを行なって、呪文から逃れようとすることができる。すべてのクリーチャーに対して同じ命令を下さなければならない。
コマンド・アンデッド
Command Undead
/アンデッドへの命令
系統死霊術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(生肉一切れと骨一かけら)
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標アンデッド・クリーチャー1体
持続時間1日/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;本文参照;
呪文抵抗可
この呪文によって、術者は1体のアンデッド・クリーチャーをある程度制御することができる。知性があれば、対象は術者の言葉や行動を最も好意的な見方で解釈する(対象の態度は友好的であると見なすこと)。呪文が持続する間、対象は術者を攻撃しない。術者は対象に命令することはできるが、対象が通常しないであろうことをさせるためには【魅力】の対抗判定に勝利しなければならない。再挑戦はできない。影響を受けた知性あるアンデッドは自殺的だったり明らかに危害を受けるような命令には従わない。しかし、極めて危険なことでもやってみるだけの価値はあると説得することができるかもしれない。
知性のないアンデッド・クリーチャー(
スケルトンや
ゾンビなど)はこの呪文に対してセーヴィング・スローを行なえない。知性なき存在を操る際には、術者は「こっちへ来い」、「あそこへ行け」、「戦え」、「そこに立っていろ」などといった基本的な命令しか伝えることができない。知性のないアンデッドは自殺的だったり明らかに危害を受けるような命令に抵抗しない。
いかなるものであれ、術者と術者の仲間であることが明らかな者たちが(知性のあるなしに関わらず)命令下にあるアンデッドを脅かす行動をとった場合、呪文は破れてしまう。
命令はテレパシーによって与えられるものではない。アンデッド・クリーチャーが術者の言うことを聞けなければならない。
コマンド・プランツ
Command Plants
/植物への命令
系統変成術;
呪文レベルドルイド4、レンジャー3
発動時間1標準アクション
構成要素音声
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標2HD/レベルぶんまでの植物クリーチャー、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間1日/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
この呪文によって、術者は1体以上の植物クリーチャーをある程度制御することができる。作用を受けた植物クリーチャーは術者の言うことを理解し、術者の言葉や行動を最も好意的な見方で解釈する(対象の態度は友好的であると見なすこと)。呪文が持続する間、対象は術者を攻撃しない。術者は対象に命令しようとすることはできるが、対象が通常しないであろうことをさせるためには【魅力】の対抗判定に勝利しなければならない(再挑戦はできない)。命令を受けた植物クリーチャーは自殺的だったり明らかに危害を受けるような命令には従わない。しかし、極めて危険なことでもやってみるだけの価値はあると説得することができるかもしれない。
術者は、レベルやHDの合計が術者レベルの2倍以下ならば、複数の植物クリーチャーに作用を及ぼすことができる。
コミューン
Commune
/交神
系統占術;
呪文レベルクレリック5
発動時間10分
構成要素音声、動作、物質(聖水(あるいは邪水)と500gpの価値のある香)、信仰
距離自身
目標術者
持続時間1ラウンド/レベル
術者は自分の神格、あるいはその代理人と交信し、単純な「然り」か「否」で答えられる質問をすることができる(特定の神格を持たない
クレリックは、似通った哲学を有する神格と交信する)。術者はそうした質間を術者レベルごとに1つ行なうことができる。与えられる回答は、その存在の知識が及ぶ限りでは正しいものだ。「定かならず」というのも、ひとつの正当な答えである。外方次元界の力ある存在といえど、必ずしも全知ではないのだから。一言での回答では誤解や神格の利害に反する結果を招く恐れがある場合、GMは代わりに短文(日本語で15文字以内)の回答を与えるべきである。
呪文は、せいぜいキャラクターの決断を補助する情報を提供する程度のものでしかない。交信を受けた存在は自分の目的に都合がよくなるように回答を組み立てる。術者がぐずぐずしていたり、回答について議論したり、何かしら別のことを始めてしまったら、呪文は終了する。
コミューン・ウィズ・ネイチャー
Commune with Nature
/自然との交信
系統占術;
呪文レベルドルイド5、レンジャー4
発動時間10分
構成要素音声、動作
距離自身
目標術者
持続時間瞬間
術者は自然とひとつになることで周辺地域に関する知識を獲得する。術者は即座に、以下の事項に関する事実を3つまで識ることができる:地質、地形、植物、鉱物、水域、住民、大体どんな動物がどれだけ住んでいるか、森に住むクリーチャーの存在、自然ならざる強力なクリーチャーの存在、さらには自然環境の概要も知ることができる。
野外環境では、この呪文は術者レベルごとに半径1マイルの範囲に作用する。自然の地下環境――鍾乳洞や洞窟など――では、呪文は力が衰え、範囲は術者レベルごとに100フィートに制限される。この呪文は、かつては自然の環境だったが今では建造物や定住地になった場所(ダンジョンや街の中)では機能しない。
コンセクレイト
Consecrate
/聖別
系統力術[善];
呪文レベルクレリック2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(聖水1ビンと25gp相当の銀粉)、信仰
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果範囲半径20フィートの放射
持続時間2時間/レベル
セーヴィング・スロー不可;
呪文抵抗不可
この呪文は効果範囲を祝福し、正のエネルギーで満たす。効果範囲内で正のエネルギー放出に抵抗する際のDCは+3の清浄ボーナスを得る。
コンセクレイトの効果範囲に入ったアンデッドはそれぞれ軽度の損耗を被り、攻撃ロール、ダメージ・ロール、セーヴに-1のペナルティを被る。
コンセクレイトの範囲の内側でアンデッド・クリーチャーを創造したり、効果範囲内へとアンデッド・クリーチャーを招来したりすることはできない。聖別された範囲内に祭壇や社などの、術者の崇める神格やパンテオン、属性を同じくする高位の力に捧げられた恒久的な施設がある場合、上記の修正値は2倍となる(エネルギー放出のDCに+6の清浄ボーナス、範囲内のアンデッドに-2のペナルティ)。
術者は自分の守護者でない神格を祀った同様の施設のある範囲を聖別することはできない。その代わり、
コンセクレイト呪文は効果範囲に呪いをかけ、それらの神格や力とのつながりを断つ。この第二の用法を使用した場合、上に挙げたアンデッドに関するボーナスやペナルティは与えられない。
コンセクレイトは
ディセクレイトを相殺し、解呪する。
コンタクト・アザー・プレイン
Contact Other Plane
/他の次元界との交信
系統占術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー5
発動時間10分
構成要素音声
距離自身
目標術者
持続時間精神集中
術者は自分の精神を他の次元界(元素界やさらに遠方の隔絶した次元界)へ送り、その土地の諸力から助言と情報を得る。起こり得る経緯と試みの結果については表を参照。諸力は術者の理解できる言葉で応答してくれるが、彼らはそのような交信を不快に感じるため、術者の質問に対してそっけない返答しかしてくれない。すべての質問に「然り」「否」「ありうる」「ありえぬ」「無意味」などのような1語で回答する。
1ラウンドに1つの割合で質問をするために、術者は呪文を維持することに精神集中せねばならない(標準アクション)。力ある存在はそのラウンドのうちに質問に答えてくれる。術者は、術者レベル2レベルごとに1つの質問をすることができる。
より離れた次元界の意識と接触すれば、正解を正しく答えてくれるチャンスが増えるが、同時に異なる精神構造に圧倒され【知力】や【魅力】が減少する可能性も増す。外方次元界にまで達すると、あとは交信した神格の力次第で効果が決まる(表からランダムに得られた結果は、GMの判断による変更や、個々の神格の個性などによって左右される)。めったにないことだが、この占術はある種の神格や勢力の行為により妨害されることがありうる。
【知】/【魅】減少の回避:【知力】と【魅力】の減少を回避するには、術者はこのDCに対して【知力】判定に成功しなければならない。判定に失敗した場合、術者の【知力】と【魅力】の能力値は、ここに示された期間中8に下がり、秘術呪文を発動することができなくなってしまう。術者はこの判定に出目10を使用することはできない。術者の【知力】と【魅力】が減少した場合、その効果は最初の質問をした直後に起こるため、何も回答を得ることはできない。接触に成功したならパーセントロールを行い、術者が得た回答の種類を決める。
正答:術者は真実の答えを1語で受け取る。この方法で答えられない質問だった場合はでたらめな答えになる。
不知:その存在は、それについては知らないと術者に伝える。
嘘:その存在は術者に対して故意に嘘をつく。
でたらめ:その存在は嘘をつこうとするが、そもそも答えを知らないので、適当な答えをでっちあげる。
コンタクト・アザー・プレイン
交信した次元界 |
【知】/【魅】減少の回避 |
正答 |
不知 |
嘘 |
でたらめ |
元素界 |
DC7/1週間 |
01~34 |
35~62 |
63~83 |
84~100 |
正/負のエネルギー界 |
DC8/1週間 |
01~39 |
40~65 |
66~86 |
87~100 |
アストラル界 |
DC9/1週間 |
01~44 |
45~67 |
68~88 |
89~100 |
外方次元界、半神格 |
DC10/2週間 |
01~49 |
50~70 |
71~91 |
92~100 |
外方次元界、下級神格 |
DC12/3週間 |
01~60 |
61~75 |
76~95 |
96~100 |
外方次元界、中級神格 |
DC14/4週間 |
01~73 |
74~81 |
82~98 |
99~100 |
外方次元界、上級神格 |
DC16/5週間 |
01~88 |
89~90 |
91~99 |
100 |
コンテイジョン
Contagion
/伝染病
系統死霊術[悪];
呪文レベルウィザード/ソーサラー4、クレリック3、ドルイド3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離接触
目標接触した生きているクリーチャー
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー頑健・無効;
呪文抵抗可
対象は以下の病気のうちの1つにかかる:
赤腫れ病、
狂笑熱、
失明病、
焼脳病、
腺ペスト、
震え病、あるいは
溶死病。その病気は即座に発症する(潜伏期間は適用しないこと)。発症後の効果を決定する際には、病気の一覧にある頻度とセーヴDCを使用すること。詳細は
病気を参照。
コンティニュアル・フレイム
Continual Flame
/尽きせぬ炎
系統力術[光];
呪文レベルウィザード/ソーサラー2、クレリック3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(50gp相当のルビーの粉末)
距離接触
目標接触した物体
効果魔法の熱なき炎
持続時間永続
セーヴィング・スロー不可;
呪文抵抗不可
術者が接触した物体1つから、松明と同じ明るさの炎が発生する。炎は普通の火のように見えるが、熱を発せず、酸素も消費しない。
コンティニュアル・フレイムの炎は覆ったり隠したりできるが、覆うことや水に濡れることで消えたりはしない。[光]呪文は同レベル以下の[闇]呪文を相殺し、解呪する。
コンティンジェンシィ
Contingency
/もしもの備え
系統力術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー6
発動時間少なくとも10分;本文参照
構成要素音声、動作、物質(水銀と、呪文を使うクリーチャーのまつ毛1本)、焦点(1,500gp相当の価値のある象牙で作られた術者自身の小像)
距離自身
目標術者
持続時間1日/レベル(解除可)、あるいはチャージ消費(作動)するまで
術者は自分自身にもう1つ他の呪文をかけ、
コンティンジェンシィの発動時点で定めておいた条件が満たされれば、その呪文の効果が現れるようにしておくことができる。
コンティンジェンシィ呪文および併用した呪文の発動は同時に行なう。10分という発動時間は、両方の発動にかかる最短時間である。併用した呪文の発動時間が10分より長い場合、そちらの発動時間を用いること。 術者は
コンティンジェンシィの発動時点で併用した呪文に関する全てのコストを払わねばならない。
コンティンジェンシィを用いて効果を現すようにできるのは、術者自身に作用する呪文で、呪文レベルが術者レベルの1/3以下(端数切り捨て、最高で呪文レベル6まで)のものに限られる。
呪文が効果を現すのに必要な条件は明確でなければならないが、大まかなもので構わない。いずれにせよ、あらかじめ定めておいた状況が発生した時点で、
コンティンジェンシィは併用した呪文の効果を即座に発揮させ、その呪文は即座に“発動”される。あらかじめ定めておいた条件が判りにくかったり複雑なものだった場合、いざという時に組み合わせた呪文全体(
コンティンジェンシィと併用した魔法)が機能してくれないことがある。併用した呪文は、術者が望むか望まないかに関わりなく、定められた条件に基づいてのみ効果を現すのだ。
術者は複数の
コンティンジェンシィを同時に用いることはできない。2つ目を発動した場合、先にかけた方は解呪される(まだ稼動中ならば)。
コントロール・アンデッド
Control Undead
/アンデッド制御
系統死霊術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー7
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(骨のかけら1つと、生の肉片1つ)
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標2HD/レベル相当までのアンデッド・クリーチャー、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
この呪文で術者は短時間、アンデッド・クリーチャーを制御できるようになる。術者はアンデッドに声で命令を下し、術者がどんな言語で話そうと、アンデッドはそれを理解する。声で意思疎通することが不可能な場合でも、制御下にあるアンデッドが術者を攻撃することはない。呪文が切れれば、対象は通常の行動様式を取り戻す。
知性あるアンデッドは、術者が彼らを制御していたことを憶えており、呪文の効果が終わった後に復讐を試みる可能性がある。
コントロール・ウィンズ
Control Winds
/風の制御
系統変成術[風];
呪文レベルドルイド5
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離40フィート/レベル
効果範囲半径40フィート/レベル、高さ40フィートの円筒形
持続時間10分/レベル
セーヴィング・スロー頑健・無効;
呪文抵抗不可
術者は自分の周囲の風の力を変化させる。術者は特定の向きや吹き方で風を吹かせたり、風力を増減させたりすることができる。新たな風向きと風力は、呪文が終了するか、術者自身が精神集中をして変化させるまで持続する。望むなら、術者は効果範囲の中心に、直径80フィートまで風の穏やかな“目”を作ることができる。また、術者は自分の上限より狭い円筒形の範囲に効果を制限することもできる(たとえば、100フィート先を中心として直径20フィートの竜巻を起こすなど)。
風向き:術者は呪文の効果範囲内に起こす風の基本的な吹き方を以下の4つの中から1つ選択できる。
- 吹き下ろす風。中心から外側に向け、全方向に同じ強さで吹かせる。
- 吹き上がる風。外緑部から中心に向け、全方向から同じ強さで吹き寄せ、中心の目に当たる直前で上に向きを変える。
- 旋回する風。中心の周囲に円を描くようにして、時計回りか反時計回りに吹かせる。
- 突風。一方の端から反対側に向け、効果範囲全体を横切るように一方向に吹かせる。
風力:術者レベル3レベルごとに、術者は風力を1段階増減できる。毎ラウンド術者のターンに風の中のクリーチャーは頑健セーヴを行ない、失敗すると風の吹いている範囲内にいる場合の効果を被る。詳細は『環境』を参照。
疾風(時速21マイル以上)では船を帆走させるのが難しくなる。強風(時速31マイル以上)は小型船や建物にダメージを与える。
暴風(時速51マイル以上)は、ほとんどの飛行クリーチャーを墜落させ、小さな木々を根本から倒し、簡単な造りの木製建造物を倒壊させ、屋根を引きはがし、船舶を危険に陥らせる。
台風
クラスの風(時速75マイル以上)は木製建築物を破壊し、大きな木々を根本から倒し、ほとんどの船を浸水沈没させる。
竜巻(時速175マイル以上)は、補強構造のないあらゆる建物を破壊し、大きな木々も多くが根本から倒されてしまう。
コントロール・ウェザー
Control Weather
/天候制御
系統変成術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー7、クレリック7、ドルイド7
発動時間10分;本文参照
構成要素音声、動作
距離2マイル
効果範囲術者を中心とした半径2マイルの円;本文参照
持続時間4d12時間;本文参照
セーヴィング・スロー不可;
呪文抵抗不可
術者は現在いる地域の天候を変えることができる。この呪文の発動には10分かかり、効果がはっきりと現れるまでにさらに10分かかる。術者は、自分がいる地域の気候と季節に応じた天候を生じさせることができる。また、穏やかで自然な天候にもできる。
季節 |
起こせる天候 |
春 |
竜巻、雷雨、みぞれを伴う嵐、曇天 |
夏 |
豪雨、熱波、ひょうを伴う嵐 |
秋 |
曇天か寒天、濃霧、みぞれ |
冬 |
凍寒、吹雪、雪解け |
晩冬あるいは早春 |
台風級の風、あるいは時ならぬ春 |
術者は風向きや風力といった、天候の大まかな傾向を制御できる。しかし天候の個々の現象――たとえば、どこに雷が落ちるかや、どこをどう竜巻が通って行くか――までは制御できない。この天候は術者が放置しておけば持続時間中ずっと続くが、標準アクションを1回使えば新たな天候を指定することもできる(完全にその状態になるのは10分後である)。両立し得ない天候を同時に起こすのは不可能である。
コントロール・ウェザーは、気象現象を発生させるだけでなく取り除くこともできる(自然発生したものか否かに関わらず)。
ドルイドがこの呪文を発動した場合、持続時間が2倍になり、半径3マイルの円形の範囲に作用する。
コントロール・ウォーター
Control Water
/水位制御
系統変成術[水];
呪文レベルウィザード/ソーサラー6、クレリック4、ドルイド4
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質/信仰(水位上昇では水を1滴、水位低下では埃をひとつまみ)
距離長距離(400フィート+40フィート/レベル)
効果範囲体積10フィート/レベル×10フィート/レベル×2フィート/レベルの水(自在)
持続時間10分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー不可;本文参照;
呪文抵抗不可
この呪文は2つの異なる用法があり、異なる手段で水をコントロールする。1つのバージョンは水を蒸発させたり地面の中へ染み込ませたりすることで、水位を下げる。もう1つのバージョンは水を急増させて水位を上げ、結果としておそらく周囲に氾濫を起こす。
水位低下:これは水や同様の液体の水位を術者レベルごとに2フィート低下させる(最低でも深さ1インチぶんの液体は残る)。水面の沈下は、1辺の長さが術者レベル×10フィートまでの四角形の内側に起こる。この呪文を、深い大洋のような非常に広く深い水塊で使用すると渦巻きが発生する。渦巻きは船や同様の乗り物を水位の低い方へと吸い寄せることで危険な状態に陥らせ、持続時間中通常の移動では抜け出すことができないようにしてしまう。ウォーター・エレメンタルなどの水に関わりのあるクリーチャーに対して発動した場合、この呪文は
スロー呪文として機能する(意志・無効)。それ以外のクリーチャーに対しては効果がない。
水位上昇:水位低下バージョンが水位を下げるのと同じように、こちらは水や同様の液体の水位を上昇させる。これによって持ち上げられたボートは、呪文が作り出した隆起の側面を滑り落ちていく。この呪文が作用した範囲に川岸や海岸、その他の陸地が含まれていた場合、水は陸地にあふれ出す。
どちらのバージョンでも平面的な効果範囲を変えるために、片方の軸を半分に、もう片方を2倍にすることができる。
コントロール・プランツ
Control Plants
/植物制御
系統変成術;
呪文レベルドルイド8
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標2HD/レベル相当までの植物クリーチャー、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗不可
この呪文で術者は短時間、1体以上の植物クリーチャーの行動を制御することができるようになる。術者はクリーチャーに声で命令を下し、術者がどんな言語で話そうと、クリーチャーはそれを理解する。声で意思疎通することが不可能な場合でも、制御下にある植物が術者を攻撃することはない。呪文が切れれば、対象は通常の行動様式を取り戻す。
自殺的あるいは自己破壊的な命令は単に無視される。
コンフュージョン
Confusion
/精神混乱
系統心術(強制)[精神作用];
呪文レベルウィザード/ソーサラー4、バード3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質/信仰(3個のナッツ(クルミ、ドングリなどの堅果)の殻)
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
目標半径15フィートの爆発内の全クリーチャー
持続時間1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
この呪文は目標に
混乱状態をもたらし、自分の行動を自分で決めることができなくなる。
毎ラウンド、対象それぞれのターンの開始時に以下の表でロールを行ない、対象がそのラウンドに何をするか決定すること。
d% |
行動 |
01~25 |
通常通りに行動する。 |
26~50 |
何もせず、辻褄の合わぬことをぺちゃくちゃとしゃべる。 |
51~75 |
手に持っているアイテムで1d8+【筋力】修正値のダメージを負う |
76~100 |
最寄りのクリーチャーを攻撃する(最寄りのクリーチャーを決める上では、使い魔は対象の“自分”の一部であると見なす)。 |
混乱状態のキャラクターが表で指示された行動を実行できない場合、そのキャラクターは何もせず、辻褄の合わぬことをぺちゃくちゃとしゃべる。
混乱状態のキャラクターを攻撃しても、攻撃側は何ら特別な利点を得るわけではない。攻撃されれば、
混乱状態のキャラクターは次のターン(そのターンもまだ
混乱状態であったなら)、自動的にその攻撃者を攻撃する。
混乱状態のキャラクターは、(直前のアクションで攻撃したか、直前に攻撃されたかして)すでに攻撃すると決めているクリーチャー以外に対しては、機会攻撃を行なわないことに注意。
レッサー・コンフュージョン
Confusion, Lesser
/下級精神混乱
系統心術(強制)[精神作用];
呪文レベルバード1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標生きているクリーチャー1体
持続時間1ラウンド
セーヴィング・スロー意志・無効;
呪文抵抗可
この呪文は1体のクリーチャーを1ラウンドの間、
混乱状態にする。
コンプリヘンド・ランゲージズ
Comprehend Languages
/言語理解
系統占術;
呪文レベルウィザード/ソーサラー1、クレリック1、バード1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質/信仰(ひとつまみの塩と煤)
距離自身
目標術者
持続時間10分/レベル
術者はクリーチャーが話す言葉を理解するか、理解できない言語で書かれた文を読むことができる。読む能力が授かったからといっても、それはただ字義通りの意味がわかるだけであって、必ずしも内容に関する洞察を授けてくれるわけではない。この呪文によって、術者は未知の言語を理解ないし読解できるようになるが、話したり書いたりできるようにはならない。
文書は1分につき1ページ(日本語で750文字)の速さで読むことができる。魔法の文書は、それが魔法的なものであることだけはわかるが、読むことはできない。この呪文はある種の防護魔法(
イリューソリイ・スクリプトや
シークレット・ページ呪文など)により妨げられることがある。呪文は暗号を解読したり、一見普通の文章の中に隠されたメッセージを明らかにしてくれるわけではない。
コンプリヘンド・ランゲージズは
パーマネンシイ呪文で永続化させることができる。