スピリチュアリストは物質界の実体とエーテル界の不気味な要素の間に挟まれた奇妙な存在だ。ほとんどのスピリチュアリストは
守護霊をその内に隠すが、代わりに他次元界とのつながりから得た別の力を操るものもいる。
エーテル界から
守護霊を呼び出す代わりに、心霊体使いは心霊体と呼ばれる奇妙な物質を自分に吹き込む。
心霊体の鞭(超常)/Ectoplasmic Lash:1レベルの時点で、心霊体使いは全ラウンド・アクションとして心霊体で作られた鞭を1つあるいは2つ発現させることができる。この鞭はか細く、心霊体でできた触手で心霊体使いとつながっている。鞭を2つ発現した場合、心霊体使いはそれぞれを軽い近接武器として扱う。それぞれは1d6ポイント(心霊体使いが小型ならば1d4)の斬撃ダメージを与え、クリティカル可能域とクリティカル倍率は19~20/×2である。鞭を1つ発現した場合、心霊体使いはそれを片手近接武器(1d8ポイント[心霊体使いが小型ならば1d6]の斬撃ダメージを与え、クリティカル可能域とクリティカル倍率は19~20/×2)か両手近接武器(2d6ポイント[心霊体使いが小型ならば1d10]の殴打ダメージを与え、クリティカル倍率は×2)のいずれかとして発現することができる。心霊体使いだけがこの無知を身に着け、使用することができる。フリー・アクションにより、鞭を1つあるいは2つ消滅させることができる。
2レベルの時点で、心霊体の鞭は攻撃ロールとダメージ・ロールに+1の強化ボーナスを得、魔法の武器として扱われるようになる。
4レベルの時点で、心霊体使いは鞭を間合い武器として使用したり、離れたところから道具を操るために用いることができるようになる。武器として使用する場合、鞭は追加で5フィートの間合いを得る。間合いのあるほとんどの武器と異なり、鞭は心霊体使いの間合い内のどこにいる敵(隣接した敵も含む)に対しても攻撃をすることができる。延長した間合いを持つ鞭による攻撃は、心霊体使いが遠隔武器による攻撃を行ったかのように機会攻撃を誘発する。鞭を道具を操るために使用する場合、鞭は心霊体使いの手と同じぐらい巧みに操ることができる。道具を操るために鞭を使用する行為は、通常ならその行為が機会攻撃を誘発しない場合でも、常に機会攻撃を誘発する。
6レベルの時点で、鞭の強化ボーナスは+2に増加し、
ダメージ減少を考慮する際に心霊体の属性を有しているものとして扱う。
8レベルの時点で、心霊体使いの鞭は
ゴースト・タッチ武器となり、間合いはさらに5フィートだけ増加する(合計で10フィート増加する)。加えて、隣接していない敵に対してこの鞭で攻撃する場合、機会攻撃を誘発することはなくなる。離れたところから道具を操るために鞭を用いる場合は依然として機会攻撃を誘発するが、常に誘発するのではなく、心霊体使いが通常機会攻撃を誘発する行為を行った場合のみに限られる。
10レベルの時点で、鞭の強化ボーナスは+3に増加する。
14レベルの時点で、鞭の強化ボーナスは+4に増加する。
16レベルの時点で、心霊体使いは2つ目の
感情の傾倒を選択し、鞭は
スピリットバウンド・ブレード呪文の影響を受けたかのように、心霊体使いが選択した感情の傾倒のエネルギーに適合した武器の特殊能力を全て得る。
18レベルの時点で、鞭の強化ボーナスは+5に増加する。
霊的戦闘(超常)/Spiritual Combat:3レベルの時点で、心霊体使いは全ラウンド・アクションとして、片手に装備している軽い武器もしくは片手武器の
心霊体の鞭で全ての攻撃を行い、同時に発動時間が1標準アクションのスピリチュアリスト呪文をフリー・アクションとして発動することができる。この呪文発動は、
心霊体の鞭による全ての攻撃の、前あるいは後に行わなければならない。霊的戦闘を使用する際、心霊体使いは攻撃ロールに-2のペナルティを受ける。防御的呪文発動を行う場合、攻撃ロールに【判断力】ボーナスまでのペナルティを追加で受けることで、精神集中判定に同じ値の状況ボーナスを得ることができる。この精神集中判定に失敗すると、呪文は無駄になり、攻撃にはペナルティを受けたままとなる。
また、距離が接触のスピリチュアリスト呪文を発動する際、心霊体使いは
心霊体の鞭の1つを通して呪文を伝達することができる。呪文を伝達させるために通常用いる、フリー・アクションで行える近接接触攻撃の代わりに、心霊体使いは最も高い近接攻撃ボーナスを用いてフリー・アクションで
心霊体の鞭による攻撃を行うことができる。鞭による攻撃が成功すればダメージは通常通り与えられ、呪文の効果も適用される。鞭による攻撃が外れた場合、心霊体使いはチャージを保持できない。
心霊体の鎧(超常)/Ectoplasmic Armor:4レベルの時点で、心霊体使いが
心霊体の鞭能力を発現させる際、心霊体でできた触手が使用者の身体を覆い、ACに+4の鎧ボーナスを得る。
12レベルの時点で、心霊体使いのACへの鎧ボーナスは+6に増加し、
ゴースト・タッチ鎧として扱われる。
ほとんどのスピリチュアリストはその精神に死者の魂を宿らせる。しかし少数ながら――砕けた心と呼ばれる――極めて強力な感情に共振する、自分の魂の断片から力を引き出すものもいる。このようなスピリチュアリストの
守護霊は霊的な仲間ではなく、砕けた心の内なる思考や感情の延長である。
感情的呪文発動/Emotional Spellcasting:砕けた心の呪文発動能力は霊界へのつながりからではなく、自分の魂の力から得られたものだ。そのため、発動できる最高の呪文レベル、発動した呪文のセーヴィング・スローDC、1日のボーナス呪文を決定する際、砕けた心は【判断力】ではなく【魅力】を用いる。この能力は
呪文発動能力を変更する。
感情の力(擬呪)/Emotional Power:砕けた心は
守護霊の
感情の傾倒に基づく、いくつかの
擬似呪文能力を得る。砕けた心は1つ目の
擬似呪文能力を5レベルの時点で、2つ目を7レベルの時点で、3つ目を9レベルの時点で、4つ目を16レベルの時点で得る。砕けた心はこれらの能力それぞれを1日に1回と、その擬似呪文能力を得たレベルを超えるスピリチュアリスト・レベル4毎に追加で1日に1回使用することができる。これらの
擬似呪文能力のセーヴィング・スローDCは呪文のレベルによって決定されるのではなく、10+砕けた心のスピリチュアリスト・レベルの半分+【魅力】修正値に等しい。
感情の傾倒毎に得られる
擬似呪文能力は以下の通り。
他に比べると個性や記憶をあまり持たない
守護霊もいる。ほとんどの
守護霊はかつての自分の面影を残しているが、霊鬼と呼ばれる者達は
守護霊になる前のことをほとんど忘れてしまっている。
心霊体形態になることができず、人の感情を欠いたこれら奇妙な存在は、他の
守護霊に比べるとずっと幽霊に近い。霊鬼と共に行動するスピリチュアリストは霊鬼降ろしと呼ばれ、一風変わったやり方でやれらを使役することができる。
霊鬼形態の守護霊(超常)/Geistform Phantom:霊鬼降ろしの
守護霊は
心霊体形態として発現することができず、
非実体形態としての発現のみに制限される。そのため
守護霊は【筋力】を持たず、【判断力】12でゲームを開始する。2回の
叩きつけ攻撃を得る代わりに、
守護霊は1d8ポイントのダメージを与える1回の
叩きつけ攻撃を得る。この
叩きつけ攻撃のダメージは5レベルの時点で1d10、10レベルの時点で2d6、15レベルの時点で2d8、20レベルの時点で2d10ポイントに増加する(
守護霊が中型の場合)。
守護霊は4レベルの時点で
魔力を帯びた攻撃を獲得しない。
非実体形態で発現している間、霊鬼降ろしの
守護霊は他の
非実体クリーチャーのみを攻撃することができる。
守護霊は
非実体であるため、
非実体クリーチャーに与えるダメージは
非実体であることによって減少されない。5レベルの時点で、
守護霊は即行アクションとして、自分に心霊体の痕跡をいくつか注ぎ込み、1ラウンドの間実体のあるクリーチャーを攻撃することができるようになる。この間、
守護霊は
叩きつけ攻撃によって実体のあるクリーチャーに半分のダメージを与えることができ、実体のあるクリーチャーが非魔法の武器で攻撃をすると、
守護霊に半分のダメージを与えることができる。10レベルの時点で、
守護霊が自分に心霊体を注入すると、実体のあるクリーチャーに通常のダメージを与えるようになる。
狼狽の接触(超常)/Unnerving Touch:標準アクションとして、霊鬼降ろしの
守護霊は
非実体であったとしても、生きているクリーチャーに近接接触攻撃を行うことができる。攻撃が成功すると、目標は1d4+1ラウンドの間
怯え状態になる。意志セーヴ(DC=10+
守護霊のヒット・ダイスの半分+守護霊の【魅力】修正値)に成功すれば、この効果を無効化できる。5レベルの時点で、
守護霊が
叩きつけ攻撃で実体のあるクリーチャーにダメージを与えることができたなら、生きているクリーチャーに対する
叩きつけ攻撃はこの能力を得る。同じクリーチャーに対して複数回攻撃が命中しても、目標は
恐れ状態にならない。これは[精神作用、恐怖]効果である。
騒霊の技巧(擬呪)/Poltergeist's Knack:7レベルの時点で、霊鬼降ろしの
守護霊は
擬似呪文能力として
テレキネシスを使用することができるようになる。
守護霊はこの呪文の効果の内“持続的な力”と“激しく押す力”のみを使用することができる。
守護霊は1日に3回だけこの能力を使用することができる。1日の使用回数は、10レベルの時点と以降3レベル毎に1回ずつ増加する(19レベルの時点で、最大の1日7回)。この
擬似呪文能力の術者レベルは
守護霊のヒット・ダイスに等しい。
霊体の守護(超常)/Spectral Protection:12レベルの時点で、
守護霊が霊鬼降ろしの精神の中に潜んでいる間、霊鬼降ろしは標準アクションとして霊的エネルギーのオーラを放つことができるようになる。このオーラは
非実体クリーチャーが霊鬼降ろしに近づくことを妨げる。このオーラは霊鬼降ろしを中心とした半径30フィートの放射に放たれる。このオーラの中に入ろうとする
非実体クリーチャーは意志セーヴ(DC=10+霊鬼降ろしのスピリチュアリスト・レベル+霊鬼降ろしの【判断力】修正値)を行わねばならず、失敗すると近づくことができない。この能力は防御的にのみ使用することができ、攻撃的に使用することはできない。
非実体クリーチャーに対してこのオーラを押しつけると、オーラは失われる。霊鬼降ろしはこの能力を1日にスピリチュアリスト・レベル毎に1分間使用することができる。持続時間は連続している必要はないが、1分単位で消費しなければならない。
有害なる憑依(擬呪)/Malevolent Possession:17レベルの時点で、霊鬼降ろしの
守護霊は他のクリーチャーの肉体を侵略することができる。これは
ポゼッションとして機能する。この能力を使用するには、
守護霊は目標に隣接していなければならない。目標は意志セーヴ(DC=10+
守護霊のヒット・ダイスの半分+
守護霊の【魅力】修正値)に成功すれば、この効果に抵抗することができる。守護霊はこの能力を1日に1回使用することができる。
霊的発現(超常)/Spiritual Manifestation:
守護霊の性質のため、霊鬼降ろしは
非実体形態として
守護霊を発現させるためにのみ、
発現の絆能力を使用することができる。この能力は
発現の絆を変更する。
悪霊憑きはとっぴで予測のつかない
守護霊とつながりを持つ、危険な呪文の使い手の血統を持つ。彼らは
守護霊に力を搾り取られている。
強奪発現(超常)/Usurp Manifestation:3レベルの時点で、悪霊憑きの
守護霊は主とのつながりから得る力以上のものを得るために、つながりをわずかに破壊し始める。
心霊体形態として完全に発現させた際、
守護霊はその強奪発現能力を使用して、悪霊憑きの肉体から力を引き出して心霊体としての力を高めることができる。これにより悪霊憑きは一時的にその力を弱めてしまう。
守護霊がこの能力を使用するには、悪霊憑きのターンの開始時に割り込みアクションを使用しなければならない。この能力は1日に3+悪霊憑きのスピリチュアリスト・レベルに等しいラウンド数だけ使用することができる。持続時間は連続している必要はなく、
守護霊は自分のターンにフリー・アクションとして強奪発現の効果を無効化することができる。この能力が効果を示している間、悪霊憑きの頬はこけ血を吸われたように見える。悪霊憑きはこの効果が修了するまで、
吐き気がする状態になる。その代わりに
守護霊は大きさと力を高める。効果が持続している間、
守護霊は(
エンラージ・パースン呪文の効果を受けたかのように)1サイズ段階大きくなり、ACに対する外皮ボーナスは2だけ増加する。悪霊憑きが
吐き気がする状態を無効化したり緩和したりすると、
守護霊はエネルギーを吸い上げることができなくなり、強奪発現の利益を得られなくなる。
8レベルの時点と以降5レベル毎に(13レベルと18レベル)、
守護霊は強奪発現を使用している間、新しい能力を得る。
呪文強奪/Usurp Spell:8レベルの時点で、
強奪発現を使用している間、
守護霊は悪霊憑きから呪文スロットを奪い、自分の力を強化することができるようになる。
守護霊は即行アクションとして、
エーテル束縛を介して
吐き気がする状態の悪霊憑きの念術呪文エネルギーを奪い、接触呪文もしくは“目標:術者”の呪文を1つ自分で使用することができる。この呪文は悪霊憑きが修得しているものでなければならない(悪霊憑きがその呪文のレベルの1日の呪文数を使用しきっていてはならない)。この能力は悪霊憑きの適切な呪文の呪文スロットを2つ消費する。それ以外の点については、この効果は
呪文共有と
接触呪文伝達のルールに従う。
心霊媒体の活性/Teleplasmic Surge:13レベルの時点で、
強奪発現を使用している間、
守護霊は攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定に+2の士気ボーナスを得る。
残忍な守護霊/Ferocious Phantom:18レベルの時点で、
強奪発現を使用している間、
守護霊は11+悪霊憑きのスピリチュアリスト・レベルに等しい
DRと
呪文抵抗を得る(この
呪文抵抗はスピリチュアリストが使用した呪文と
呪文強奪能力による呪文には適用されない)。
絆強奪(超常)/Usurped Bond:17レベルの時点で、悪霊憑きの
守護霊は1日に3+悪霊憑きのスピリチュアリスト・レベルの2倍に等しいラウンドだけ
強奪発現を使用することができるようになる。この能力は
二重の絆を置き換える。
ほとんどのスピリチュアリストは
守護霊によって選ばれる。しかし何年にもわたる注意深い準備と不明瞭で神聖な伝統の研究により、意図して
守護霊を呼び降ろすものもいる。このようなスピリチュアリストは陰陽師と呼ばれる。彼らは他のスピリチュアリストと同じように
守護霊と緊密な絆を結ぶが、
守護霊は精力的な相棒であり道具であるように見える。陰陽師は現実世界と霊界の間の使者として振る舞う。霊界での事件が現実世界に波及しないように行動し、生きている間の目的を達成するために霊の問題を引き起こしたりする。
信仰呪文の発動/Divine Spellcasting:陰陽師の呪文発動能力は念術の力ではなく、信仰に由来している。信仰呪文の使い手として、陰陽師の呪文は思考要素の代わりに音声要素を、感情要素の代わりに動作要素を用い、信仰焦点具としてお札を用いる。お札は聖句の書かれた巻物で、紙、布、木に書かれたもの(木製の聖印と同じ費用がかかる)と金属に書かれたもの(銀製の聖印と同じ費用がかかる)がある。この能力は
呪文発動能力を変更する。
対霊耐性(超常)/Spiritual Resistance:陰陽師の
守護霊は超常的な力に対する防護を提供してくれる。
守護霊が陰陽師の意識の中にいる間(エーテル界に退散していたり完全に発現している場合を除く)、
フェイ、
来訪者、
非実体の
アンデッドによる
擬似呪文能力もしくは超常能力に対するセーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。6レベルの時点と以降6レベル毎に、このボーナスは1ずつ増加する(18レベルの時点で最大の+5)。この能力は
意識共有と
意識の融合を置き換える。
Divine Teachings(超常)/Divine Teachings:陰陽師は
守護霊を呼び出し、本来発動できない呪文を発動する助けを得る能力を得る。4レベルの時点と以降3レベル毎に、陰陽師は現在発動できる呪文レベルの呪文1つをクレリック呪文リストから選択し、その呪文を修得呪文の一覧に加えることができる。この呪文の呪文レベルには、クレリック呪文におけるレベルを用いること。これらの呪文を発動するために
守護霊の力を拠り所とするため、陰陽師がこの方法で追加した呪文を発動することができるのは、
守護霊が陰陽師の意識の中にいる間のみに限られる(エーテル界に退散していたり完全に発現している場合を除く)。この能力は
霊的妨害と
上級霊的妨害を置き換える。
最終更新:2018年11月06日 00:32