ゴブリン類の中でも、一般的に
ホブゴブリンは最も文明的な存在であると考えられている。しかし無慈悲で破壊を好み、苛烈なために、彼らは相互に利益を分かち合う社会を作り出したりはしない。文化と社会全てにおいて武力が優先されており、向かうところどこでも争いを引き起こす軍国主義のホブゴブリンほどに戦闘に専念する種族はほとんどいない。
ホブゴブリンは、他のゴブリン類が持たない知性と教養を備える。
バグベアと比較すると肉体的に劣ってはいるが、集団行動を効率的に行えるかという観点で見ればその弱点を克服する。それぞれの部族が町や村を襲撃する小さな軍隊を持ち、より大きな軍勢になろう、大都市から略奪しようという意志が働けば大軍を作り出す。襲撃者として放浪する者達のほとんどは、最終的には大きな武力や秩序だった軍隊、強力な冒険者の一団に根絶されてしまう。しかしときに、ホブゴブリンの司令官が複数の部族から参加したホブゴブリン部隊で構成される厳格に統制された大軍という考えに到達し、高度な技術を持ち高い防衛力を備えた敵に対してさえ戦争を仕掛けることがある。
自分の軍隊による征服や侵略による戦争の拡大だけでなく、ホブゴブリンは他の種族や文化をより好戦的にし、戦争狂いの実践者にしようとする。個々のホブゴブリンがしばしば、自分達を受け入れてくれる国際的な都市に一住人として融和することも多い。多くの場合彼らは暴力沙汰を孕む仕事や役割に就き、血の渇きを満たす。地下の犯罪組織で脅し屋として活動したり、闘技場の血に濡れた砂の中で奮い立つ戦士となったり、軍事組織の傭兵として雇われたりする。珍しいことだが、ホブゴブリンは将軍や為政者の軍師となることさえある。このような雇い主は、ホブゴブリンが生まれながらに持つ冷酷さと子供の頃から受けてきた厳しい訓練が、戦場で独自の優位性を持つことに気付いている。このような場合、ホブゴブリンの助言者は主人を戦争に駆り立てる方向に導く。望む結果になるのであれば、彼は嘘を吐いたり詐術を弄したりすることもためらわない。
ホブゴブリンは一般に魔法、特に秘術魔法に(“エルフの魔法”と捉えるために)慎重に対処する。代わりに、彼らは錬金術を好む。ゴブリンが火に取り憑かれているのにも似て、ホブゴブリンは投擲武器に傾倒した、破壊的な錬金術を実践する。
一般のホブゴブリンは平均的な人間よりも数インチ背が低い。しかし背の高さが低いことを、彼らは生まれながらの腕力で補っている。ほとんどのホブゴブリンは灰色の肌をしている。それは日光で長期間晒された後の、暗くなった苔の緑色に似ている。彼らはしばしば戦いで倒し支配下に置いた他の人型生物の服や防具を、自分達の長い腕や短い腕に合うように調整して身につける。
ホブゴブリンは6ヶ月の妊娠期間の後に生まれる。ほとんどのホブゴブリンは同時に1人だけ子を産むが、双子もいないわけではない。ホブゴブリンの母親は数週間だけしか乳児を育てないことが多く、それから子供は無理矢理親から離され、同世代の子供達と一緒に託児所で育てられる。ホブゴブリンの子供は人間と比べてかなり早く成長する。6ヶ月ほど経てばたいていの場合歩くことができ、ゴブリン語を話し、自活することができる。若年期のホブゴブリンはほんの数歳から軍事訓練を始める。このような厳しい状況はたくましい戦士を育て、生き残れない子供達は強力で有効な軍隊を造り上げるのに必要な対価と見なされる。
ホブゴブリンはほとんど老齢に至ることはない。通常、その戦いに明け暮れる生活のために戦場で命を落とすことになる。戦争という経験を生き延びたものは中年に至ると現役勤務から退職し、ホブゴブリン軍内の指導者的な役割に就くか、将軍の政治的な助言者となる。その場合にも、老齢に至ることによる弱体化は避けられず、地位の低いホブゴブリンに気付かれることになる。気付いたものは年長者の役割を奪おうと試みる。このような簒奪行為は暴力によらないことが多いが、戦争分野から追い出されたホブゴブリンは数年の内に体調を崩し、身体のどこかが動かなくなる前に死んでしまう。
全てのホブゴブリンが持つ暴力と破壊を好むため、その社会は真の能力主義だ。しかしその価値を認められなかったものにとっては厳しく危険なものだ。年齢、性別、家系にかかわらず、全てのホブゴブリンはその武力によって、まさに尊敬と権力を手に入れる。ホブゴブリンは大望を持ち、戦って戦争を拡散するという圧倒的な衝動に駆られるが、厳密な軍隊職以外の役割を持つもの――武器鍛冶、料理人、使者、操舵手、厩舎員など――は、ちっぽけな仕事でさえも大きな軍隊を機能させる重要なものだ、と理解される。権力と影響力を得られる地位を得たホブゴブリンはその価値を証明し続けなければならず、わずかでも弱みを見せたが最後、後ろに控える次の人物によって食い物にされてしまう。総じて、軍隊とホブゴブリン社会は常に可能な限り最も強力で最も効果的であり続けるのだ。
種族として、ホブゴブリンは居住区を持続させ安定した文化を築く能力を持つ――彼らは自分達の要求を満たすためであれば、自分達より弱いものを抑圧する方が簡単で効果的だと信じているに過ぎない。ホブゴブリンは(他のゴブリン類も含めて)他の人型生物全てよりも自分達が優れていると考えている。彼らは他の種族を奴隷として扱う。このような奴隷は酷く扱われ、曲がり錆び付いた武器よりも価値のないものとして扱われる。捕らえられた敵の戦闘員がホブゴブリンの軍隊の一員として働かされることは非常に稀なことだ。ホブゴブリンは自分の種に対する忠誠心を尊ぶのである。征服した種族の中に自分達が作るものよりも有益なものを見出せば、ホブゴブリンは簡単に文化的な革新を起こす。既にそこにあるのに、なぜ新しいものを作るというのだろう?
ホブゴブリンの完全なデータは
Bestiary の該当する項目に掲載されている。
以下の項では、ホブゴブリンが好むアーキタイプや装備、いくつかの特技を掲載している。
以下のアーキタイプは、破壊能力を最大化したいと思うホブゴブリンのアルケミストの中では一般的なものだ。
擲弾兵は、例え変異薬の影響を受けていない場合でさえも、戦いの真っただ中に身を置けるようにする能力を鍛える。彼らは武器攻撃と錬金術魔法を組み合わせる方法を学び、毒の技術を犠牲として錬金術爆弾や錬金術アイテムを武術と併用できるようになる。爆弾や錬金術を素早く扱う技術という特殊な効果は、副次効果として擲弾兵にポーションやエリクサー、変異薬を素早く飲み、悪影響を受けない能力も与える。擲弾兵は以下の
クラス特徴を持つ。
軍用武器習熟/Martial Weapon Proficiency:1レベルの時点で、擲弾兵は軍用武器1つを選び、それに習熟する。この能力は
ポーション作成を置き換える。
錬金術武器(超常)/Alchemical Weapon:2レベルの時点で、擲弾兵は移動アクションにより、武器1つや矢弾1つに害を与える錬金術の液体や粉末(錬金術の火やくしゃみ粉など)1回分を注入することができるようになる。このアクションは錬金術アイテムを消費するが、その武器に効果を移す。錬金術アイテムはその武器で次に攻撃したクリーチャーに完全な効果をもたらすが、飛散、拡散、その他追加の目標に効果を及ぼすことはなく、特に飛散した飛散武器が持つ別の効果による利益も得られない。この追加ダメージはクリティカル・ヒットで増加しない。錬金術効果は武器に害を及ぼすことはなく、効果を与えられて1分が経過する間に攻撃が命中しないとその効果を失う。また、新しい錬金術アイテムを注入すると、この能力で以前に与えていた錬金術の液体や粉末による効果は失われる。6レベルの時点で、擲弾兵は錬金術武器能力を即行アクションで使用することができるようになる。15レベルの時点で、この能力はフリー・アクションで使用できるようになる。この能力は
毒に対する抵抗を置き換える。
精密爆弾(変則)/Precise Bombs:2レベルの時点で、擲弾兵はボーナス発見として
精密爆弾の発見を得る。この能力は
毒の使用を置き換える。
指向性爆弾(超常)/Directed Blast:6レベルの時点で、擲弾兵は中心から半径20フィートではなく、20フィート円錐形に飛散するように爆弾を爆発させることができるようになる。この円錐形は擲弾兵を起点とし、使用者が選択する方向に拡散する。擲弾兵は円錐形内のマスにいるクリーチャー1体を爆弾の目標として指定する。そしてそのクリーチャーに対して攻撃ロールを行う。それ以外の円錐形内のマスにいるものは飛散ダメージを受ける。擲弾兵が
爆散爆弾の発見を持ち、指向性爆弾を投擲したならば、飛散ダメージを与える円錐形は20フィートではなく30フィートとなる。この能力は
即行毒と置き換える。
よろめき爆弾(超常)/Staggering Blast:10レベルの時点で、擲弾兵の爆弾は爆発するときに特に圧倒的なものとなる。擲弾兵が爆弾でクリティカル・ヒットを確定させた際、その爆弾が直接命中したクリーチャーは1d4+1ラウンドの間
よろめき状態となる。頑健セーヴィング・スロー(DCは爆弾の飛散ダメージを避けるために行う反応セーヴのDCに等しい)に成功すれば、この持続時間は1ラウンドで済む。この能力の効果は
霜爆弾の
よろめき状態効果と累積するが、
《よろめき化クリティカル》特技とは累積しない。爆弾がさらにクリティカル・ヒットすれば、それまでに持続している効果に持続時間を追加する。この能力は
毒に対する完全耐性と置き換える。
ホブゴブリンの軍人は、影響力や策略、妨害工作などで戦争を広げようとする種族の一員でもある。彼らはしばしば以下の特技を修得する。
何年もの間、奴隷や兵士をけしかけて持久力の限界を超えた強行軍をさせ続けてきたことで、君は卓越した監督官となった。
利益:陸路を移動する際、君と君のキャラクター・レベルの10倍までの仲間は、強行軍によって受ける非致傷ダメージを半分に減少させる。この特技の利益を受けたキャラクターは君の【魅力】修正値(最低1)毎に1時間の間、強行軍による
疲労状態になる影響を遅らせることができる。この効果で
疲労状態になることを遅延させたクリーチャーは、時間が経過すると
疲労状態になる代わりに
過労状態になる。
君は仲間の戦士に感銘を受ける。共に行う訓練とひたむきに行動することが、君に戦場での勝利を与えてくれるだろう。
利益:特定の種別のダイス・ロールに士気ボーナスを与える呪文や効果を受けている仲間(訳注:この特技を持つ仲間)が10フィート以内にいる限り、その効果時間の間、君はその種別のダイス・ロールに士気ボーナスを得ることができる。例えば、この特技を持つ仲間が
ヒロイズムの効果を得ているなら、この呪文の効果時間の間、セーヴィング・スロー、攻撃ロール、技能判定のいずれか1つに+2の士気ボーナスを得ることができる。君はこの特技を1ラウンドに1回だけ使用することができるが、呪文や効果毎に1回だけしか適用することはできない。
君は自分の指示にゴブリン類を従わせるために、冷酷さと悪意を用いる。
前提条件:【魅】13、ホブゴブリン。
利益:君は他のゴブリン類に対する
〈知識:地域〉判定と【魅力】基準の技能判定に+5の技量ボーナスを得る。君が
《統率力》特技を修得しているなら、
(ゴブリン類)の副種別を持つ従者と腹心を得る際、君の統率力値は2高いものとして扱われる。
君は長く続く、非情な将軍や軍師の家系に属している。その結果、君の指揮下にある軍隊を敗走させるのは難しい。
前提条件:ホブゴブリン。
利益:
Ultimate Campaignの4章に掲載された
大規模戦闘ルールを用いて指揮官となったなら、軍隊の士気判定を行う際に君の【魅力】修正の代わりにクラス・レベルを加えてもよい。
君は助言する相手や敵対する相手に、戦を駆り立てることに熟達している。
前提条件:【魅】13、ホブゴブリン。
利益:君はクラス技能として
〈交渉〉と
〈はったり〉を得る。加えて、他のキャラクターに他のクリーチャーや集団に対して攻撃させたり戦争に向かわせたりするために行う
〈交渉〉もしくは
〈はったり〉判定に、+4の技量ボーナスを得る。
君は敵を薙ぎ倒し、繰り返し勝利を喰らう。そして戦場に熱風を引き起こす。
前提条件:“挑戦”のクラスの特徴、キャラクター・レベル7。
利益:“挑戦”能力の目標が
死亡状態あるいは
気絶状態になったなら、君は割り込みアクションとして30フィート以内にいる目標1体に新しい“挑戦”を仕掛けることができる。このアクションは最初の“挑戦”の目標が倒れた時に即座に使用しなければならず、君がその時に割り込みアクションを使用できない場合に後で使用することはできない。この特技で新しい“挑戦”を仕掛けた場合、この“挑戦”は君の1日の“挑戦”の使用回数には数えられない。君は【魅力】ボーナス(最低1)に等しい回数まで、最初の“挑戦”の後に連続して“挑戦”をつなぐことができる。
ホブゴブリンは戦いで役に立つ装備を使う事を好む。その中には、ホブゴブリンのアルケミストや工兵用に専門化された以下の
装備品も含まれる。
市価 100GP;重量 3ポンド
君はこのロケットを使用して、遠くから軍隊に単純な音と視覚による信号を伝達することができる。
大規模戦闘で使用すると、信号ロケットは指揮官に通常よりも高い成功度で戦略の記録を変更することができる。司令官が自分の軍隊の戦略の記録を1ステップより多く変更する際に信号ロケットを発射すると、指示を実行するための士気判定に+5の状況ボーナスを得る。このアイテムを作成するには、DC15の
〈製作:錬金術〉判定に成功しなければならない。
市価 50GP;重量 ―
この嫌な味のする錬金術で作られた混合飲料は、飲んだものを短い時間凶暴にする。これは
凶暴性共通モンスター能力として機能し、この液体を飲んでから1時間の間持続する。このアイテムを作成するには、DC20の
〈製作:錬金術〉判定に成功しなければならない。
市価 12GP;重量 1ポンド
この曲がった編みかごは片方の手に、手袋のように身につける。このかごは長さ2フィートほどで一定に曲がっており、使用すれば投擲飛散武器を信じられない速度で遥か遠くまで射出することができる。爆弾投擲具を使用すれば、あらゆる投擲飛散武器の射程単位は10フィート増加する。爆弾投擲具に装填するには片手が空いていなければならず、爆弾投擲具を身につけている手を他の目的に使用することはできない。爆弾投擲具を
爆弾クラス特徴で作られた爆弾を準備したり投擲するために使用することはできない。
市価 5GP;重量 1ポンド
ホブゴブリンのアルケミストが同僚に身につけさせるこの球状のガラス瓶は、それぞれ錬金術飛散武器1回分を満たすことができる。これにより、それらをスリングの矢弾として使用することができる。命中すると錬金術スリング・ブリットは砕け、中の錬金術薬品が目標に効果を及ぼす。これは飛散武器のダメージのみを(もしあれば)与え、スリング・ブリットが命中したことで通常与えるダメージは適用されない。この攻撃は通常のスリング・ブリットとして行われ、目標の(接触ACではなく)通常のACを用い、スリングの射程を用いる。錬金術スリング・ブリットは目標に隣接するマスに飛散ダメージを与えない。目標に命中しない場合、錬金術スリング・ブリットと内容物は破壊され、他のマスに被害が及ぶことはない。
錬金術スリング・ブリットに内容物を満たすのは標準アクションであり、機会攻撃を誘発する。さらに錬金術アイテムを自分にかけないように、使用者はDC15の
〈製作:錬金術〉か
〈手先の早業〉判定に成功しなければならない。判定に失敗すると、飛散武器は使用者のマスではじけ、このアイテムが使用者に命中したかのように扱う(隣接したマスへの飛散効果も発生する)。
ホブゴブリンの監督官 Hobgoblin Overseers
わずかな権限を与えられたこれらの下士官や戦場熱狂者は、12人未満の兵士に指令を出し、管理する。
防御
AC 16、接触12、立ちすくみ14(+1盾、+2【敏】、+3鎧)
HP 25(3HD;2d8+1d10+6)
頑健 +7、反応 +2、意志 +5
攻撃
移動速度 30フィート
近接 バスタード・ソード=+4(1d10+2/19~20)
遠隔 ライト・クロスボウ=+4(1d8/19~20)
特殊攻撃 負のエネルギー放出3回/日(DC13、1d6)
領域の擬似呪文能力 (術者レベル2;精神集中+4)
準備済みのクレリック呪文 (術者レベル2;精神集中+4)
一般データ
熱狂者は魔法を使って仲間を補助し、治療を行う。彼らは仲間を健康にして頑強さを保てば、より強力な軍隊になることを知っている。
防御
AC 17、接触12、立ちすくみ15(+1盾、+2【敏】、+4鎧)
HP 33(3d10+12)
頑健 +6、
反応 +3、
意志 +3([恐怖]に対して+1)
防御能力 武勇+1
攻撃
移動速度 30フィート
近接 高品質のロングソード=+6(1d8+2/19~20)またはフレイル=+5(1d8+2)
遠隔 高品質のロングボウ=+6(1d8/×3)
一般データ
下士官は多才な戦士だ。彼らは近接戦も遠隔戦もこなし、軍の一般兵を率いるほどに厳格でもある。
ホブゴブリンの指揮官 Hobgoblin Leaders
歴戦の戦士はホブゴブリン部隊の指揮官になる。部隊を鼓舞するものもいるが、ほとんどが鞭でせき立てる。
防御
AC 17、接触12、立ちすくみ15(+2【敏】、+5鎧)
HP 47(5d10+15)
頑健 +8、反応 +7、意志 +3
攻撃
移動速度 20フィート
近接 高品質のシックル(×2)=+8(1d6+3)
遠隔 ロングボウ=+7(1d8/×3)
特殊攻撃 戦闘スタイル(“二刀流”)、
得意な敵(エルフ+2、人間+4)
準備済みのレンジャー呪文 (術者レベル2;精神集中+3)
一般データ
ホブゴブリンの副官は部隊を率いるだけでなく、精鋭向けの隠密任務――特に偵察任務と妨害――に加わる。
防御
AC 19、接触12、立ちすくみ17(+2【敏】、+7鎧)
HP 71(7d10+28)
頑健 +8、
反応 +5、
意志 +4([恐怖]に対して+2)
防御能力 武勇+2
防御
移動速度 30フィート
近接 +1バスタード・ソード=+13/+8(1d10+5/19~20)またはスピア=+10/+5(1d8+4/×3)
遠隔 ショートボウ=+9/+4(1d6/×3)
特殊攻撃 武器修練(大剣+1)
一般データ
ホブゴブリンの突撃隊長は騎乗戦の達人であり、反故ボブリン軍の先鋒となって突撃を率いる。彼らは時々
イゾーヴを乗騎に用いる。
ホブゴブリンの爆撃手 Hobgoblin Bombardier
高い知性を持っていたり、破壊や火や実験に引かれたりするものは、しばしば軍隊で爆撃手の職に就く。
XP 3,200
ホブゴブリン、8レベル・
アルケミスト(
擲弾兵)(
Pathfinder RPG Advanced Player's Guide 26、116ページ参照)
秩序にして悪/中型サイズの
人型生物(
ゴブリン類)
イニシアチブ +4;
感覚 暗視60フィート;
〈知覚〉+16
防御
AC 18、接触14、立ちすくみ14(+4【敏】、+4鎧)
HP 71(8d8+32)
頑健 +9、反応 +10、意志 +2
攻撃
移動速度 30フィート
近接 高品質のショート・ソード=+8/+3(1d6+1/19~20)
遠隔 爆弾=+12/+7(4d6+2[火炎])
特殊攻撃 指向性爆弾、
爆弾14回/日(4d6+2[火炎]、DC16)、
錬金術武器(即行アクション)
準備しているアルケミストのエキス (術者レベル8)
戦術
戦闘中 爆撃手は敵に
爆弾を投げ、敵が近くにまとまっている場合には
指向性爆弾を使用する。余り命中しそうにない場合には、爆撃手は
爆弾に
不安定な促進剤を使用する。近接戦闘を行う状況になると、爆撃手は所持している錬金術アイテムのほとんどを
錬金術武器能力に費やす。この状況になると、攻撃前に
変異薬を飲む。
一般データ
特殊能力
代替種族特性(変則)/Alternate Racial Features 爆弾手は忍びの代わりに
技術者種族特性を持つ。そのため、爆弾手は
〈製作:錬金術〉と
〈知識:工学〉に+2のボーナスを得る。彼はアルケミスト・レベルを得る際に適性クラス・オプションを選択しており、
爆弾能力を1日に4回追加で使用することができる。
こうしたアルケミストたちは自らの種族の火への執着心を、松明やかがり火でなくより創造的で有効的な破壊の手段へと集中させる。松明やかがり火の代わりに、彼らは爆弾、変異薬、エキスの調合術に磨きをかける。肉体能力を強化する術を持ちはするが、多くの爆弾手は戦闘前に変異薬を飲むのを差し控える。別の面での能力を高めることになっても、弱点を強めることは戦術的な誤りであると考えているからだ。しかしそれが適切な状況になれば、彼らは精神面を諦めて知覚力と影響力を弱め、変異薬を飲んで肉体的な持久力と遠隔攻撃の精密さを高めることを選ぶ。
ホブゴブリンの戦闘神官 Hobgoblin Battle Priest
精神的な指導者にしてホブゴブリン軍団を鼓舞する力を持つ戦闘神官は、ホブゴブリンの戦争技術に組み込まれた存在だ。彼らは仲間の傷を癒やしたり病気を治したりはほとんど行わず、戦闘の準備において戦士に強力な効果を与えることに力を注ぐ。
防御
AC 18、接触10、立ちすくみ18(+8鎧)
HP 71(9d8+27)
頑健 +9、反応 +4、意志 +10
攻撃
移動速度 20フィート
近接 +1モーニングスター=+9/+4(1d8+3)
遠隔 高品質のヘヴィ・クロスボウ=+7(1d10/19~20)
特殊攻撃 秩序の杖(4ラウンド、1回/日)、武器の達人(9ラウンド/日)、負のエネルギー放出6回/日(DC19、5d6)
領域の擬似呪文能力 (術者レベル9;精神集中+12)
準備済みのクレリック呪文 (術者レベル9;精神集中+12)
戦術
一般データ
戦闘神官が仲間に行う力、持久力、知覚力、移動速度の強化は、多くのホブゴブリン戦術の根幹である。こういったクレリックは司令官の信頼された助言者となることも多い。戦術的状況を最高のものとするために魔法の支援をどうするかを決める参考とするのだ。
全てのホブゴブリン同様、戦闘神官は戦闘状態で感情が高まり、襲撃の中心で仲間から注意が逸れることも多い――生き残り、目の前の敵を蹴散らすのは兵士の義務であり、戦闘神官は自力で勝利を掴めない程に弱い兵士の傷を手当するのは弱者への甘やかしだと見做している。傷を癒やす代わりに、戦闘神官は敵を衰弱させるために魔法を用い、戦神の怒りを逆らうものに解き放つ。
ホブゴブリンの規範 Hobgoblin Paragon
ホブゴブリンは本質的に戦闘と衝突に惹きつけられるが、全てが主体性無く軍隊の階級社会に居場所を求めるわけではない。自分の肉体を完成させ、“一人の軍隊”や武術の頂点、技術や専門技術の聖堂となる方法を探すものもいる。このようなホブゴブリンは禁欲的で無慈悲であり、自分の能力に絶対的な自信を持つ。
防御
AC 22、接触20、立ちすくみ17(+1回避、+1反発、+2【判】、+4【敏】、+2モンク、+2鎧)
HP 119(11d8+66)
頑健 +13、
反応 +13、
意志 +11;心術に対して+2
防御能力 身かわし強化;
完全耐性 毒、病気
攻撃
移動速度 60フィート
近接 +1素手打撃=+14/+9(1d10+5)または
+1素手打撃連打=+14/+14/+9/+9/+4(1d10+5)
遠隔 高品質のジャヴェリン=+13(1d6+4)
特殊攻撃 朦朧化打撃(11回/日、DC17)、
連打
戦術
戦闘前 規範は
ポーション・オヴ・ブルズ・ストレンクス、
ポーション・オヴ・ベアズ・エンデュアランス、
熱情ジュースを飲む。
戦闘中 武術を観察し、敵よりも自分が優れていることを証明するため、規範は1対1の戦闘相対することのできるで挑みがいのある敵を探す。同等の能力を持つ敵が複数いた場合、規範は
《一撃離脱》を使ってその間を駆け抜け、自分に興味を惹きつける。
基本データ ブルズ・ストレンクスと
ベアズ・エンデュアランスがない場合、規範のデータは以下の通り。
HP 97;
頑健 +11;
近接 +1素手打撃=+14/+9(1d10+3)または
+1連打=+14/+14/+9/+9/+4(1d10+3);
遠隔 高品質のジャヴェリン=+13(1d6+2);
【筋】14、
【耐】 14;
CMB +13;
CMD 30。
一般データ
ホブゴブリンの規範の多くは、大きい軍隊の中で門下生のホブゴブリンで組織される、専門化された一団に加わる。しかし彼らは厳格に統制された同族から離れ、本当の意味の友情を感じることもなく、一人で生活する。彼らの大多数は世界を旅し、武技を競うトーナメントに参加する。それは剣闘士が戦う武闘会から、海外の技術を学ぶ現世と隔絶した修道院まで行われる競技会まで様々だ。それ以外のものは軍事的な努力に邁進し、自分の技に最高の値段をつけるものに売り込むが、その契約が弱者や無価値な者を傷つけることを含んでいる限りの話だ。腐敗した商人や政治家の単独の護衛か、地下犯罪社会の高位の脅し屋かに拘わらず、高く金を払うものに喜んで仕えるホブゴブリンの規範は、自分が求めている雇用を見出すことに苦労しない。
ホブゴブリンの司令官 Hobgoblin Commander
ホブゴブリン軍の司令官は世界中でも屈指の戦士であり、軍事戦術家である。
防御
AC 24、接触11、立ちすくみ24(+1外皮、+3盾、+1反発、+9鎧)
HP 141(13d10+65)
頑健 +13、
反応 +6、
意志 +8
防御能力 一所懸命1回/日、
決意7/日、
上級決意
攻撃
移動速度 20フィート
近接 +1ショック・カタナ=+18/+13/+8(1d8+4/15~20、加えて1d6[雷撃])または高品質のナギナタ=+17/+12/+7(1d8+4/×4)
遠隔 高品質のコンポジット・ショートボウ=+14/+9/+4(1d6+3/×3)
特殊攻撃 高度な挑戦、
挑戦(+13、
DR4/―、5回/日)、
旗印+3/+2
戦術
一般データ
防御
AC 28、接触12、立ちすくみ25(+4鎧、+3【敏】、+12外皮、-1サイズ)
HP 93(11d8+44)
頑健 +10、反応 +10、意志 +6
攻撃
移動速度 50フィート
近接 噛みつき=+13(1d4+6)、
蹄(×2)=+8(1d6+3)
接敵面 10フィート;
間合い 5フィート
一般データ
【筋】22、
【敏】17、
【耐】17、
【知】2、
【判】12、
【魅】6
基本攻撃 +8;
CMB +15;
CMD 28(対足払い32)
特技 《強打》、
《持久力》、
《疾走》、
《追加HP》、
《鋼の意志》、
《不屈の闘志》、
《鎧習熟:軽装》
技能 〈知覚〉+15
その他の特殊能力 戦闘訓練、芸(「後に続け」、「来い」、「攻撃しろ」、「下がれ」、「調べろ」、「追跡しろ」、「取ってこい」、「番をしろ」、「働け」、「待て」、「守れ」)
装備 レザー・ラメラー・バーディング
この長い角を生やした牛顔の四足獣は、馬と毛の長いヤクを混ぜ合わせたように見える。
イゾーブ CR1 Yzobu
防御
AC 13、接触10、立ちすくみ12(+3外皮、-1サイズ、+1【敏】)
HP 13(2d8+4)
頑健 +5、反応 +4、意志 +1
攻撃
移動速度 40フィート
近接 突き刺し=+3(1d8+3)
接敵面 10フィート;
間合い 5フィート
特殊攻撃 蹂躙(1d6+3、DC13)、暴走
一般データ
【筋】14、
【敏】13、
【耐】14、
【知】1、
【判】12、
【魅】5
基本攻撃 +1;
CMB +4;
CMD 15
特技 《武器熟練:突き刺し》
技能 〈知覚〉+6
生態
出現環境 寒冷/丘陵および平地
編成 単体、2体、または群れ(3~30)
宝物 なし
特殊能力
暴走(変則)/Stampede 暴走を持つ3体以上のクリーチャーが互いに隣接している状態で蹴散らし攻撃を行うと、暴走が発生する。暴走の間、このクリーチャーは自分のサイズかそれより小さい敵に対して蹴散らし攻撃を行うことができ、蹴散らしのセーヴDCは+2だけ増加する。
イゾーヴは寒冷地の丘や平野、山脈で見られる群れを作る草食動物だ。立ったときの地面からの高さは馬とほぼ同じ位だが、体格は馬よりも大きい。頭部は牛によく似ていて、分厚くわずかに曲がった角が、平らな額の両脇から生え出ており、それより小さな突起物が頭上から4つ突き出している。イゾーヴの毛は長くもじゃもじゃしていて、生息地の厳しい冬から守ってくれる。イゾーヴの身体から分泌される刺激物が皮に蓄積されるため、不慣れなものがこのクリーチャーは病気だと誤解するほどに強力な臭気を放つ。
この動物を乗騎や荷役獣として用いるホブゴブリンのように、イゾーヴ(この戦争を好む飼い主からは「戦闘ヤク」と呼ばれている)は複雑な社会集団の中で生活する。この巨大な群れは何千頭にも及ぶことがある。そのため、イゾーヴを放牧する開けた平野や丘を移動する際、牧場主や冒険者、入植者が彼らと出会って問題となることもある。群れ一つが一年間に10,000平方マイルの広さに広がることもあり、この範囲の草や小さな野菜は食べ尽くされてしまう。そして食べられなくなると彼らは暴れ、他のクリーチャー――人型生物も含む――を別の場所に追いやったり、同じ運命に飲まれたりするように仕向ける。
イゾーヴは極めて攻撃的で、群れの最も弱いものでさえ身を守るために断固として戦う。そのため彼らは扱いに難しい有害生物であり、戦争用に訓練するのも非常に難しい。ホブゴブリンは訓練方法に磨きをかけ、訓練したイゾーヴを一定数に保っている。彼らは獰猛さを保つため、野生のイゾーヴと数世代毎に交配させる。
キャヴァリアー、
ドルイド、
ハンター、
レンジャーは、イゾーヴを
動物の相棒や乗騎として選択することができる。
開始時のデータ:
サイズ 中型;
移動速度 40フィート;
AC +1外皮、
攻撃 突き刺し(1d6);
能力値 【筋】14、【敏】12、【耐】12、【知】2、【判】11、【魅】4;
その他の特殊能力 鋭敏嗅覚、
夜目。
7レベルでの成長:
サイズ 大型;
AC +3外皮;
攻撃 突き刺し(1d8);
能力値 【筋】+8、【敏】-2、【耐】+4;
その他の特殊能力 暴走、“
悪臭”、“
蹂躙”。
ホブゴブリンは組織的な社会を持ち、血の渇きを求め、戦争に対する無慈悲な強迫観念を持つため、挑み甲斐のある敵となる。
偵察隊(CR5) Scouting Party
この低位の兵士で構成される小さな部隊は、軍隊が使う資源や敵の防備の弱いところ、有利な地形を探すため、より大きな部隊の前方を移動する。
ホブゴブリンの副官 CR4 Hobgoblin Lieutenant
XP 1,200
HP 47
ホブゴブリン(2) CR1/2 Hobgoblins
XP 各200
HP 各17
武装中隊(CR6) Army Company
この部隊はホブゴブリンの軍隊を構成する単位だ。中隊が組み合わさって大隊となり、大隊から軍団が構成され、軍団が兵団を形作る。
ホブゴブリンの戦場熱狂者 CR2 Hobgoblin Battlefield Zealot
XP 600
HP 25
ホブゴブリンの下士官 CR2 Hobgoblin Sergeant
XP 600
HP 33
ホブゴブリン(6) CR1/2 Hobgoblins
XP 各200
HP 各17
外交使節団(CR10) Diplomatic Envoy
ホブゴブリンが外交を考慮に入れることはほとんどないが、それでも彼らは戦闘の前に敵へと交渉するために――あるいは戦争へとけしかけるために――小さな軍隊を送る。
ホブゴブリンの戦闘神官 CR8 Hobgoblin Battle Priest
XP 4,800
HP 71
ホブゴブリンの突撃隊長 CR6 Hobgoblin Forerunner
XP 2,400
HP 71
ホブゴブリンの下士官(4) CR2 Hobgoblin Sergeants
XP 各600
HP 各33
精鋭攻撃部隊(CR11) Elite Strike Force
慎重に扱うべき指令に派遣されるホブゴブリン兵士の精鋭部隊は、独力で膠着状態になった衝突の流れを変えることができる。彼らは軍事的な精密さで名高く、暗殺や妨害、敵軍深部への潜入を成功に導く彼らの能力は、歩兵大隊1つと同程度に重要視されている。
ホブゴブリンの爆撃手 CR7 Hobgoblin Bombardier
XP 3,200
HP 71
ホブゴブリンの突撃隊長(2) CR6 Hobgoblin Forerunners
XP 各2,400
HP 各71
ホブゴブリンの副官(4) CR4 Hobgoblin Lieutenants
XP 各1,200
HP 各47
最終更新:2020年06月03日 01:20