呪文 > た行

+ 目次

ダークヴィジョン

Darkvision/暗視
系統変成術;呪文レベルウィザード/ソーサラー2、レンジャー3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(乾しニンジンひとつまみかアゲート(瑞瑠)1つ)
距離接触
目標接触したクリーチャー1体
持続時間1時間/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効(無害);呪文抵抗可(無害)
 対象は完全な暗闇の中でも60フィートまで見通す能力を得る。暗視は白黒でしか見えないが、それ以外は通常の視覚と同様である。
 ダークヴィジョンパーマネンシイ呪文で永続化させることができる。


ダークネス

Darkness/暗闇
系統力術[闇];呪文レベルウィザード/ソーサラー2、クレリック2、バード2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、物質/信仰(バット(コウモリ)の毛皮一切れと、石炭ひとかけら)
距離接触
目標接触した物体1つ
持続時間1分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 この呪文を使えば、物体は半径20フィートに闇を放つようになる。この闇はその領域の明度を1段階ずつ落とし、明るい光は通常の光に、通常の光は薄暗い光に、薄暗い光は暗闇になる。この呪文はもともと暗闇だった領域では影響しない。光への脆弱性や過敏を持つクリーチャーは、通常の光ではペナルティを受けない。全てのクリーチャーは、薄暗い光で視認困難(20%の失敗確率)を受ける。全てのクリーチャーは、暗闇で完全視認困難(50%の失敗確率)を受ける。暗視を持つクリーチャーは薄暗い光または暗闇でもペナルティなしで見ることができる。松明やランタンなどの非魔法的な光源は、ダークネスの領域では明度を上昇させることができない。ダークネスより高い呪文レベルの魔法的な光源だけが光量を上昇させることができる。
 ダークネスを小さな物体にかけ、光を遮る覆いの内側や下に置いた場合、この呪文の効果はその覆いを取り去るまで遮られる。
 この呪文は自身と同じ呪文と累積しない。ダークネスは自分と同じか低いレベルの[光]呪文をどれでも相殺し、解呪する。


タイニイ・ハット

Tiny Hut/小さな小屋
系統力術[力場];呪文レベルウィザード/ソーサラー3、バード3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(小さな水晶球)
距離20フィート
効果術者の位置を中心とした半径20フィートの球体
持続時間2時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 術者は自分の周囲に不透明な力場でできた好きな色の球体を作り出す。この球体は動かすことはできない。球体の半分は地上に投射され、下半分は地中に潜っている。この力場の中には、術者と共に9体までの中型サイズのクリーチャーが入れる余地がある;そうしたクリーチャーは特にこの“小屋”に悪影響を与えることなく、出入りできる。しかし、術者自身がこの小屋から出た場合、呪文は終了する。
 この小屋内の温度は、外気温が華氏0度~100度(摂氏-17.8度~37.8度)の間なら華氏70度(摂氏21度)である。外気温が華氏0度から下がったり100度から上がったりすれば、内部の気温も1度に対して1度の割合で上下する。この小屋はまた、雨、埃、砂嵐などの自然力からも守ってくれる。この小屋は台風(風速毎時75マイル以上)より風力の弱いすべての風に耐えるが、台風以上の風力を持つ風には破壊されてしまう。
 この小屋の内部は半球形である。術者は命ずるだけで、思いのままにぼんやりと光るようにしたり、光を消したりできる。この力場は外からは不透明だが、中からは透明である。外から中にいる者を見ることはできない(完全視認困難である)が、矢弾や武器、ほとんどの呪文の効果はこの小屋に悪影響を与えることなく通り抜ける。


タイム・ストップ

Time Stop/時間停止
系統変成術;呪文レベルウィザード/ソーサラー9
発動時間1標準アクション
構成要素音声
距離自身
目標術者
持続時間1d4+1ラウンド(見かけ上の時間);本文参照
 この呪文を使うと、術者以外の全員にとって時間が流れを止めたように見える。実際には術者の速度がとてつもなく上がるため他のすべてのクリーチャーが凍りついたように見えるのだが、そのクリーチャーたちも本当はそれぞれの通常の速度で動いているのである。術者は見かけ上の時間で1d4+1ラウンドの間、自由に行動できる。通常および魔法による[火]、[冷気]、ガスなどは術者に害を与える。タイム・ストップが効果を現している間、他のクリーチャーは術者の攻撃や呪文によって一切影響を受けない。術者は他のクリーチャーを攻撃や呪文の目標とすることはできないのである。しかし、効果範囲に作用し、持続時間がタイム・ストップの残り時間よりも長い呪文は、タイム・ストップの効果が終わったときには、他のクリーチャーに対して通常の効果をあらわす。呪文の使い手はタイム・ストップによる追加の時間を使って自分の防御を固めたり、味方を招来したり、戦闘から遁走することが多い。
 術者は、通常の時間の中に捕らわれているクリーチャーが手に持っていたり、着用していたり、運搬しているアイテムを、動かしたり、害を与えたりすることはできない。ただし、他のクリーチャーが所持していないアイテムには作用を及ぼすことができる。
 タイム・ストップが持続している間、術者を感知することはできない。術者はタイム・ストップの効果を受けている間は、アンティマジック・フィールドの呪文によって守られたエリアに入ることはできない。


タッチ・オヴ・イディオシー

Touch of Idiocy/愚昧の接触
系統心術(強制)[精神作用];呪文レベルウィザード/ソーサラー2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離接触
目標接触した生きているクリーチャー1体
持続時間10分/レベル
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗
 術者は接触によって目標の精神機能を低下させる。近接接触攻撃に成功すれば、目標の【知力】、【判断力】、【魅力】値にそれぞれ1d6のペナルティを与える。このペナルティによって能力値が1未満になることはない。
 この呪文の効果により、目標がその呪文の一部ないし全部を発動できなくなる可能性がある。対応する能力値が、そのレベルの呪文を発動するのに必要な最低数値に達しなくなったなら、そういうことが起きる。


タッチ・オヴ・ファティーグ

Touch of Fatigue/疲労の接触
系統死霊術;呪文レベルウィザード/ソーサラー0
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(一滴の汗)
距離接触
目標接触したクリーチャー
持続時間1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー頑健・無効;呪文抵抗
 術者は接触によって負のエネルギーを注入し、目標を疲労させる。目標に命中させるには接触攻撃に成功する必要がある。対象は即刻、疲労状態になり、その効果は呪文の持続時間の間続く。
 この呪文はすでに疲労状態のクリーチャーには何の効果もない。通常の疲労と違って、この呪文の効果は呪文の持続時間が終わると同時に終わる。


ダンシング・ライツ

Dancing Lights/踊る灯
系統力術[光];呪文レベルウィザード/ソーサラー0、バード0
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果光4つまで、すべてが半径10フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間1分(解除可)
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 選んだバージョンによって、術者は最大4つまでのランタンか松明に似た(それ相当の照明を投げかける)光か、最大4つまでの(ウィル・オ・ウィスプのように見える)白熱した光の球体か、かすかに光る、おぼろげな人型をしたもの1つのいずれかを作り出す。ダンシング・ライツで作り出した光は互いに半径10フィートの範囲内に留まらねばならないが、それ以外は術者の望む通りに移動させることができる(精神集中は不要)。前進させたり後退させたり、上昇させたり下降させたり、直進させたり角を曲がらせたりすることができる。これらの光は毎ラウンド、100フィートまで移動させられる。術者と光との間隔が呪文の距離を超えた場合、光は消えてしまう。
 術者が保持して動かすことができるダンシング・ライツ呪文は一度に1つだけである。まだこの呪文が持続しているときにもう一度発動したなら、先に発動していた呪文は終了する。この呪文を永続化した場合、この制限には数えない。
 ダンシング・ライツパーマネンシイ呪文で永続化させることができる。


タンズ

Tongues/言語会話
系統占術;呪文レベルウィザード/ソーサラー3、クレリック4、バード2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、物質/信仰(粘土製のジッグラトの模型)
距離接触
目標接触したクリーチャー
持続時間10分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効(無害);呪文抵抗不可
 この呪文は接触したクリーチャーに、知性あるクリーチャーの言語であれば種族語であろうと地方的な方言であろうとどんな言語でも話し、理解する能力を与える。対象は同時に1つの言語しか話せないが、同時に複数の言語を理解することはできる。タンズによって対象が、会話能力を持たないクリーチャーと話すことができるようになったりはしない。対象は声が届けば相手に自分の言っていることを理解させることができる。この呪文には、話しかけられたクリーチャーが対象と会話したくなるような作用は一切ない。
 タンズパーマネンシイ呪文によって永続化できる。


チェイン・ライトニング

Chain Lightning/連鎖電撃
系統力術[電気];呪文レベルウィザード/ソーサラー6
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、焦点(毛皮の一切れ。アンバー(琥珀)かガラスを1かけら、あるいは水晶のロッド1本。銀の留め針を術者レベルにつき1本)
距離長距離(400フィート+40フィート/レベル)
目標主目標1つに加え、副次目標1つ/レベル(いずれも主目標から30フィート以内にいなければならない)
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー反応・半減;呪文抵抗
 この呪文は放電現象を発生させ、術者の指先から一条の雷撃として放つものである。ライトニング・ボルトと異なり、チェイン・ライトニングは最初1つの物体あるいは1体のクリーチャーに命中し、そこから他の目標へと向けて飛んでゆく。
 電撃は主要目標に対し、術者レベルごとに1d6(最大20d6)ポイントの[電気]ダメージを与える。最初の電撃が命中した後、術者のレベルに等しい数(最大20まで)の副次目標に電弧を飛ばすことができる。副次的電撃はそれぞれ1つずつ目標に命中し、主要電撃と同じだけのダメージを与える。
 各目標は反応セーヴを試みることができ、成功すればダメージを半分にできる。副次電撃がダメージを半減させるためのセーヴDCは、主要電撃のダメージを半減させるDCより2少ない。術者は副次目標を自由に選択できるが、それはすべて主要目標から30フィート以内にいなければならない。また、1つの目標に命中させられるのは1回だけである。術者は作用を及ぼす副次目標の数を最大数より少なくすることができる。


チェンジスタッフ

Changestaff/杖変化
系統変成術;呪文レベルドルイド7
発動時間1ラウンド
構成要素音声、動作、焦点(28日かけて彫刻を施し磨き上げられたクオータースタッフ)
距離接触
目標術者が接触したスタッフ(杖)
持続時間1時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 術者は特別に用意したクオータースタッフを超大型サイズ(身長約24フィート)のトリエントに似たクリーチャーに変える。術者が杖の先端を地面に突き立て、特別な合言葉を唱えて呪文発動を完結させると、術者の杖は見かけ上も戦闘能力もまったくトリエントと同じクリーチャーに変わる。このスタッフ・トリエントは術者を守り、口頭による命令に従う。しかし、これは実際にはトリエントではないので、本物のトリエントと会話したり、木々を操ったりすることはできない。ヒット・ポイントが0以下に減少した場合、スタッフ・トリエントは粉々になって崩れ落ち、杖は壊れてしまう。そのように壊れたのでなければ、呪文の持続時間が切れた時点(あるいは解除した時点)で杖はもとの姿に戻り、この呪文を次に発動する際の焦点具として使うことができる。スタッフ・トリエントは、常に完全な状態で現れる。前回現れた時にどれだけ傷を負っていても関係ない。


チャーム・アニマル

Charm Animal/動物魅惑
系統心術(魅惑)[精神作用];呪文レベルドルイド1、レンジャー1
目標動物1体
 チャーム・パースンと同様だが、クリーチャー種別が“動物”のクリーチャーに作用する。


チャーム・パースン

Charm Person/人物魅惑
系統心術(魅惑)[精神作用];呪文レベルウィザード/ソーサラー1、バード1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標人物生物1体
持続時間1時間/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;呪文抵抗
 この魅惑呪文は人型生物1体に、術者を信頼できる友人や仲間であると思わせる(この目標の態度は友好的であると見なすこと)。そのクリーチャーが術者やその仲間によって現在脅かされたり攻撃されたりしている最中なら、セーヴィング・スローには+5のボーナスがつく。
 この呪文は、術者がチャームした人物をロボットのように操れるようにするものではない。しかしその人物は術者の言葉や行動を最も好意的な見方で解釈する。術者は対象に命令しようとすることはできるが、その人物が通常しないであろうことをさせるためには【魅力】の対抗判定に勝利しなければならない(再挑戦はできない)。作用を受けたクリーチャーは自殺的だったり明らかに危害を受けるような命令には従わない。しかし、チャームされたファイターに、たとえば、突進してくるレッド・ドラゴンを“ほんの数秒”食い止めてくれなければ術者が生き残る可能性はないと信じさせることはできるだろう。いかなるものであれ、術者と術者の仲間であることが明らかな者たちがチャームされた人物を脅かす行動をとった場合、呪文は破れてしまう。術者が命令を伝えるためには、その人物が知っている言葉を話せるか、さもなくば身ぶり手ぶりに熟達していなければならない。


チャーム・モンスター

Charm Monster/怪物魅惑
系統心術(魅惑)[精神作用];呪文レベルウィザード/ソーサラー4、バード3
目標生きているクリーチャー1体
持続時間1日/レベル
 チャーム・パースンと同様だが、この効果はクリーチャーの種別やサイズに制限されない。

マス・チャーム・モンスター

Charm Monster, Mass/集団怪物魅惑
系統心術(魅惑)[精神作用];呪文レベルウィザード/ソーサラー8、バード6
構成要素音声
目標クリーチャー1体以上、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間1日/レベル
 チャーム・モンスターと同様だが、マス・チャーム・モンスターはHDの合計が術者レベルの2倍までのクリーチャー複数体か、あるいは、HDに関わらず少なくとも1体のクリーチャーに作用する。術者が作用を及ぼせるより多くの対象候補がいた場合、術者はこれ以上選んだら合計HDがレベルによる制限を超えてしまうというところまで、一度に1体ずつ対象を選ばなければならない。


チル・タッチ

Chill Touch/負力の接触
系統死霊術;呪文レベルウィザード/ソーサラー1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離接触
目標接触したクリーチャー1体以上(1体/レベルまで)
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー頑健・不完全あるいは意志・無効;本文参照;呪文抵抗
 術者の手が青いエネルギーで輝き、触れれば生きているクリーチャーの生命力を破砕する。1回接触するごとに流れ込む負のエネルギーが1d6ポイントのダメージを与える。接触されたクリーチャーは、頑健セーヴィング・スローに成功しない限り、1ポイントの【筋力】ダメージも受ける。術者はこの近接接触攻撃を術者レベルごとに1回まで行なうことができる。
 術者が接触したアンデッドはいずれのダメージも受けないが、意志セーヴィング・スローに成功しなければならず、失敗すると1d4ラウンド+術者レベルごとに1ラウンドの間、恐慌状態になったかのように逃走する。


チル・メタル

Chill Metal/金属冷却
系統変成術[冷気];呪文レベルドルイド2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標クリーチャー1体/2レベルの金属製装備品、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない;あるいは、重量25ポンド/レベルの金属、ただしそのうちのいずれもが他のすべてから30フィートの距離内に収まっていなければならない
持続時間7ラウンド
セーヴィング・スロー意志・無効(物体);呪文抵抗可(物体)
 チル・メタルは金属を極度に冷たくする。装備中でなく、魔法の力もない金属はセーヴィング・スローを行なうことができない。魔法の力のある金属は呪文に対抗してセーヴィング・スローを行なうことができる。クリーチャーが所持しているアイテムは、アイテム自身のセーヴの方が高くない限り、クリーチャーのセーヴィング・スローを用いる。
 装備を冷却されたクリーチャーは、[冷気]ダメージを受ける。鎧、盾、武器が作用を受けた場合、クリーチャーは全ダメージを受ける。そのようなアイテムを身につけていなかったり、使用していない場合、クリーチャーは最低限のダメージしか受けない(1ポイントか2ポイント;表を参照)。
 呪文をかけた最初のラウンド、金属は非常に冷たくなり、接触すると不快ではあるがダメージは与えない。呪文の持続時間の最後のラウンドにおける効果も同じである。2ラウンド目(と最後から2番目のラウンド)には、氷のような冷気が苦痛とダメージを与える。第3、第4、第5ラウンドには、金属は凍てつく冷気を帯び、下記の表のようにさらなるダメージを与える。
ラウンド 金属の温度 ダメージ
1 冷たい なし
2 氷のよう 1d4ポイント
3~5 凍てつく 2d4ポイント
6 氷のよう 1d4ポイント
7 冷たい なし
 どんなものであれ、クリーチャーにダメージを与えるような強度の熱は、この呪文による[冷気]ダメージを1ポイント対1ポイントの割合で無効化する(逆も同様)。 水中ではダメージを与えることはないが、冷却された金属の周囲が瞬時に凍りつき、何もしなければ浮かびあがる。
 チル・メタルヒート・メタルを相殺し、解呪する。


ツリー・シェイプ

Tree Shape/木の姿
系統変成術;呪文レベルドルイド2、レンジャー3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離自身
目標術者
持続時間1時間/レベル(解除可)
 この呪文は、術者に、小さな生きている立ち木や潅木、あるいは大技のほとんどない枯れた大木の幹の姿をとる能力を与える。木の正確な種類と外観は、術者が任意に決める。どれほど綿密に調査しても、その木が本当は魔法で隠れているクリーチャーであるとは分からない。通常のどんな検査を行なっても、術者は実際に木や潅木であると見なされる。ただし、ディテクト・マジックの呪文を使えば、この木に微弱な変成術がかかっていることが分かる。木の姿でいる間、術者は自分の本来の姿でいる場合と同様に周囲で起こるすべてのことを観察することができ、術者のヒット・ポイントとセーヴ・ボーナスは作用を受けない。術者はACに+10の外皮ボーナスを得るが、有効【敏捷力】値は1、移動速度は0フィートになってしまう。木の姿でいる間、術者はクリティカル・ヒットに対する完全耐性を得る。運搬していたり着用していたすべての衣服と装備は術者と共に変化する。 術者は(標準アクションではなく)フリー・アクションでツリー・シェイプを解除できる。


ツリー・ストライド

Tree Stride/木々渡り
系統召喚術(瞬間移動);呪文レベルドルイド5、レンジャー4
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離自身
目標術者
持続時間1時間/レベルあるいは回数消費まで;本文参照
 この呪文を発動したとき、術者は木の中に溶けるように入り込む能力を得る。一度木の中に入ったなら、その木から別の木に瞬間移動することができる。術者が入る木々は同種のものであり、すべて生きており、かつ少なくとも術者と同じだけの胴回りのあるものでなければならない。たとえば、オークの木へと移動すれば、術者は直ちに転送距離(以下参照)内のすべてのオークの木の位置を知ることができ、そのうちの1本へと渡るか、それとも単に今入って来たばかりの木から外に出るのかを選ぶことができる。術者は以下の表に示された転送距離内の同種の木になら、どれに渡ることもできる。
木の種類 転送距離
イチイ、オーク(カシやナラ)、トネリコ 3,000フィート
ニレ、ボダイジュ 2,000フィート
その他の落葉樹 1,500フィート
すべての針葉樹 1,000フィート
 術者はレベルごとに1回まで、木から木へと渡ることができる(1つの木から次の木へ渡るのを“1回”と数える)。呪文は持続時間が切れるか、術者が木から出るまで続く。オークの木の生い茂った森では、10レベル・ドルイドは10ラウンドの間に10回の転移を行ない、そうすることで30,000フィート(約6マイル)まで移動できる。1回の転移は全ラウンド・アクションである。
 術者は望むなら転移せずに木の中に留まることもできるが、呪文が切れれば外へと排出される。隠れている木が切り倒されたり燃やされた場合、そのプロセスが完了するまでに外に出なければ、術者は死んでしまう。


ディーパー・ダークネス

Deeper Darkness/深闇
系統力術[闇];呪文レベルクレリック3
持続時間10分/レベル(解除可)
 この呪文はダークネスと同様に働くが、半径60フィートの範囲に闇を放ち、明度を2段階下げる点で異なる。明るい光は薄暗い光となり、通常の光は暗闇になる。薄暗い光と暗闇の範囲は超自然的な暗闇になる。この呪文はダークネスのように機能するが、暗視を持つクリーチャーであってもこの呪文の制限を見通すことはできない。
 この呪文は自身と累積しない。ディーパー・ダークネスは自分と同じか、自分より低いレベルの[光]呪文をどれでも相殺し、解呪する。


ディープ・スランバー

Deep Slumber/深きまどろみ
系統心術(強制)[精神作用];呪文レベルウィザード/ソーサラー3、バード3
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
 スリープと同様だが、この呪文は10HDぶんの対象に作用する。


ディヴァイン・パワー

Divine Power/信仰の力
系統力術;呪文レベルクレリック4
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離自身
目標術者
持続時間1ラウンド/レベル
 術者は守護神格の力を呼び降ろして、自分の身に、戦闘に使う力と技を得る。術者は攻撃ロール、武器のダメージ・ロール、【筋力】判定、【筋力】にかかわる技能判定に術者レベル3レベルごとに+1(最大+6)の幸運ボーナスを得る。さらに、術者レベルごとに1ポイントの一時的ヒット・ポイントを得る。術者が全力攻撃アクションをとるときはいつでも、最大の基本攻撃ボーナスに適切な修正を加えた1回の追加攻撃を得る。この追加攻撃は類似した影響(ヘイストスピードの特殊能力を持つ武器など)とは累積しない。


ディヴァイン・フェイヴァー

Divine Favor/神寵
系統力術;呪文レベルクレリック1、パラディン1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離自身
目標術者
持続時間1分
 神格の力と知恵を呼び降ろして、攻撃ロールと武器のダメージ・ロールに、術者レベル3レベルごとに+1の幸運ボーナスを得る(最低でも+1、最高で+3のボーナスが付く)。このボーナスは呪文によるダメージには適用されない。


ディヴィネーション

Divination/神託
系統占術;呪文レベルクレリック4
発動時間10分
構成要素音声、動作、物質(25gpの価値のある香とふさわしい捧げ物)
距離自身
目標術者
持続時間瞬間
 ディヴィネーション呪文はオーギュリイに似ているが、さらに強力である。この呪文を使えば、術者はこれから1週間以内に達成しようとする目的、起きるできごと、やる活動について質問をし、有益な助言を得ることができる。この呪文より与えられた助言は短いフレーズ1つだけの簡潔なものか、さもなくば謎歌か言葉にならない前兆のようなかたちをとる。術者の属するパーティが情報に従って行動しなかったなら、状況が変化し、それにともなって神託の情報が役に立たなくなる可能性もある。
 ディヴィネーションの内容が正しい可能性は基本的に70%+術者レベルごとに1%(最大で90%)である。ダイス・ロールの結果失敗したら、術者には呪文が失敗したことがわかる。ただし、誤情報を与える特定の魔術が働いている場合は除く。
 オーギュリイと同様、同じ事柄について同じ術者が何度もディヴィネーションを使っても、ダイスの目は1回目のディヴィネーションと同じだったものとして扱われ、返ってくる答も毎回同じになる。


ディクタム

Dictum/法の言説
系統力術[音波、秩序];呪文レベルクレリック7
発動時間1標準アクション
構成要素音声
距離40フィート
効果範囲術者を中心とした半径40フィートの拡散内の秩序属性でないクリーチャー
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー不可あるいは意志・無効;本文参照;呪文抵抗
 ディクタム呪文の効果範囲内にいる、属性が“秩序”でないクリーチャーは以下のような有害な効果を被る。
HD 効果
術者レベルに等しい 聴覚喪失
術者レベル-1以下 よろめき、聴覚喪失
術者レベル-5以下 麻痺、よろめき、聴覚喪失
術者レベル-10以下 死、麻痺、よろめき、聴覚喪失
 これらの効果は累積し、同時に発生する。意志セーヴに成功したなら、この効果を軽減したり無効化できる。複数の影響を受けるクリーチャーも意志セーヴを1回だけ行ない、この結果をすべての効果に適用する。
 聴覚喪失:クリーチャーは1d4ラウンドの間、聴覚喪失状態となる。セーヴ:無効。
 よろめき:クリーチャーは2d4ラウンドの間、よろめき状態となる。セーヴ:よろめき状態の効果は1d4ラウンドに軽減される。
 麻痺:クリーチャーは1d10分間、麻痺状態かつ無防備状態となる。セーヴ:麻痺状態の効果は1ラウンドに軽減される。
 :生きているクリーチャーは死亡する。アンデッド・クリーチャーは破壊される。セーヴ:無効。セーヴに成功した場合、対象のクリーチャーは代わりに3d6+術者レベルごとに1ポイント(最大25ポイント)のダメージを受ける。
 これに加えて、術者がこの呪文を発動した際に自分の出身次元界にいた場合、効果範囲内にいて属性が“秩序”でない他次元界クリーチャーは直ちに各自の出身次元界に退去させられる。このように退去させられたクリーチャーは少なくとも24時間の間、戻ってくることはできない。この効果はそのクリーチャーがディクタムの呪言を耳にしたかどうかに関わらず発生する。この退去効果に対しては意志セーヴを(-4のペナルティを受けて)行ない、成功すれば無効化することができる。
 HDが術者レベルを超えるクリーチャーにはディクタムは作用しない。


ディサーン・ライズ

Discern Lies/嘘発見
系統占術;呪文レベルクレリック4、パラディン3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標クリーチャー1体/レベル、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間精神集中、1ラウンド/レベルまで
セーヴィング・スロー意志・無効;呪文抵抗不可
 毎ラウンド、術者は目標1体に精神を集中する(この対象は距離内にいなければならない)。術者は目標が意図的かつ故意の嘘をつけば、嘘によって引き起こされた対象のオーラの乱れを識別することで、それが判る。この呪文は真実を明らかにすることはなく、意図せずに間違ったことを言ってもそれを指摘することはなく、また、必ずしも言い逃れを見抜くこともない。
 術者は毎ラウンド異なった目標に精神を集中することもできる。


ディサーン・ロケーション

Discern Location/位置同定
系統占術;呪文レベルウィザード/ソーサラー8、クレリック8
発動時間10分
構成要素音声、動作、信仰
距離無限
目標クリーチャー1体あるいは物体1つ
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 ディサーン・ロケーション呪文はクリーチャーや物体の位置を知る最も強力な手段のひとつである。この呪文によって術者は個体1体あるいは物体1つの正確な位置を知ることができ、これを妨害できるものはマインド・ブランク呪文や神格の直接介入以外にはない。ディサーン・ロケーションは念視や位置確認を妨げる通常の手段を回避する。この呪文は対象のクリーチャーや物体のある場所(土地、名前、店名、建物名など)、共同体、郡県(あるいはそれに類する政治的区分)、国、大陸、次元界の名前を明らかにする。
 この呪文でクリーチャーを捜すためには、術者はそのクリーチャーを見たことがあるか、かつてそのクリーチャーのものであった何らかのアイテムを持っていなければならない。物体を捜すためには、術者は少なくとも一度はその物体に触れたことがなければならない。


デイズ

Daze/幻惑
系統:心術(強制)[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー0、バード0
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(羊毛かそれに似た物質ひとつまみ)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:4HD以下の人型生物1体
持続時間:1ラウンド
セーヴィング・スロー:意志・無効;呪文抵抗:
 この呪文は、ヒット・ダイスが4以下の人型生物1体の精神を曇らせ、アクションをとれないようにする。HDが5以上の人型生物は影響を受けない。幻惑状態となった対象は朦朧状態ではなく、従って、呪文の対象を攻撃する場合に特別な利益は得られない。この呪文によって幻惑状態になったクリーチャーは、1分間この呪文の効果に完全耐性を得る。


ディスインテグレイト

Disintegrate/分解
系統:変成術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー6
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質/信仰(天然磁石と塵ひとつまみ)
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果:光線
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:頑健・不完全(物体);呪文抵抗:
 細い緑色の光線が術者の伸ばした指から放たれる。命中させるには、術者は遠隔接触攻撃に成功しなければならない。光線が命中したクリーチャーは術者レベルごとに2d6(最大40d6)ポイントのダメージを受ける。この呪文によってヒット・ポイントが0以下になったクリーチャーは完全に分解され、あとにはわずかな細かい塵しか残らない。分解されたクリーチャーの装備には作用しない。
 物体に対して使用された場合、光線は生命を持たぬ物質のうち、一辺10フィートの立方体1個ぶんまでの部分しか分解しない。従って、この呪文は非常に大きな物体や建築物を目標とした場合、その一部しか分解しないことになる。この光線は(ウォール・オヴ・フォースフォースフル・ハンドなど)完全に力場でできた物体にすら作用を及ぼすことができるが、アンティマジック・フィールドグローブ・オヴ・インヴァルナラビリティなどのような魔法的効果を分解することはできない。
 頑健セーヴに成功したクリーチャーや物体には不完全にしか作用せず、5d6ポイントのダメージを与えるだけである。このダメージによってクリーチャーや物体のヒット・ポイントが0以下になったなら、その対象は完全に分解される。
 この呪文が作用するのは、最初に命中したクリーチャーや物体のみである。この光線は発動1回ごとに1つの目標にしか作用しない。


ディスガイズ・セルフ

Disguise Self/変装
系統:幻術(幻覚);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1、バード1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:自身
目標:術者
持続時間:10分/レベル(解除可)
 術者は自分の外見を―服、鎧、武器や装備に至るまで―変えることができる。術者は身長を1フィート高いようにも低いようにも、痩せているようにも大っているようにも、その中間にも見せかけることもできる。術者はクリーチャーの種別を変えるほどの外見の変化は起こせない(異なる副種別に見せかけることはできる)。それ以外の点で、どの程度外見を変化させるかは術者の自由である。ほくろや顎髭のような、ちょっとした特徴を付け加えたり目立たなくしたり、あるいはまったくの別人や異なる性別であるような外見にすることもできる。
 この呪文は、選んだ姿が持つ能力や、独特な話し方や身振りまでは与えてくれない。術者自身や装備の触覚的特性(手触り)や聴覚的特性(音声)は変わらない。この呪文を変装用の姿を作り出すのに使った場合、〈変装〉判定に+10のボーナスを得る。この幻覚とやりとりをしたクリーチャーは、それが幻術であると見破るための意志セーヴを行なうことができる。


ディストラクション

Destruction/破壊
系統:死霊術[即死];呪文レベル:クレリック7
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、焦点(価格500GPの聖印あるいは邪印)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:クリーチャー1体
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:頑健・不完全;呪文抵抗:
 この呪文は対象へ即座に術者レベルごとに10ポイントのダメージを与える。呪文により対象が殺された場合、聖なる(または不浄の)火で屍を完全に消滅させる(ただし、装備品や所持品は消滅しない)。頑健セーヴィング・スローに成功すれば、目標は死ぬ代わりに10d6ポイントのダメージを被る。この呪文に対するセーヴに失敗した(そして絶命した)キャラクターを生き返らせる方法は、トゥルー・リザレクションを使うか、慎重に文言を考えたウィッシュのあとでリザレクションを使うか、ミラクルを使うかのいずれかしかない。


ディスプレイスメント

Displacement/所くらまし
系統:幻術(幻覚);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3、バード3
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、物質(小さな革の輪っか)
距離:接触
目標:接触したクリーチャー
持続時間:1ラウンド/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害);呪文抵抗:可(無害)
 この呪文の対象は、本来いる位置から約2フィート離れたところにいるように見える。これによってそのクリーチャーは完全視認困難であるかのように扱われ、対象に対する攻撃には50%の失敗確率が付く。
 実際の完全視認困難とは違い、ディスプレイスメントは敵が対象を目標にすること自体を妨げるものではない。トゥルー・シーイングは対象の本当の位置を明らかにし、失敗確率を無効にする。


ディスペル・イーヴル

Dispel Evil/悪解呪
系統:防御術[善];呪文レベル:クレリック5、パラディン4
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:接触
目標:術者および術者が接触した、他の次元界からやって来た悪のクリーチャー、あるいは、術者および術者が接触したクリーチャーや物体にかけられた心術呪文あるいは[悪]の呪文
持続時間:1ラウンド/レベルあるいはチャージ消費するまでのどちらか早い方
セーヴィング・スロー:本文参照;呪文抵抗:本文参照
 輝く白い聖なるエネルギーが術者を取り巻く。このエネルギーには3つの効果がある。
 第一に、術者は悪のクリーチャーからの攻撃に対して、ACに+4の反発ボーナスを得る。
 第二に、他の次元界からやって来た悪のクリーチャーに対して近接接触攻撃に成功すると、術者はそのクリーチャーをその出身次元界に送り返すことができる。対象となったクリーチャーは意志セーヴに成功すればこの効果を無効化できる(これには呪文抵抗も有効)。このように使用した場合、この呪文はチャージ消費され、終了する。
 第三に、接触することで、術者は悪のクリーチャーの発動した心術呪文1つ、あるいは発動者問わず[悪]の呪文どれか1つを自動的に解呪できる。ディスペル・マジックで解呪できない呪文はディスペル・イーヴルでも解呪できない。この効果に対しては、セーヴィング・スローも呪文抵抗も適用されない。このように使用した場合、この呪文はチャージ消費され、終了する。


ディスペル・グッド

Dispel Good/善解呪
系統:防御術[悪];呪文レベル:クレリック5
 ディスペル・イーヴルと同様だが、術者は暗黒のゆらめく不浄のエネルギーに取り巻かれ、また、悪のクリーチャーや呪文ではなく、善のクリーチャーや呪文に作用する。


ディスペル・ケイオス

Dispel Chaos/混沌解呪
系統:防御術[秩序];呪文レベル:クレリック5、パラディン4
 ディスペル・イーヴルと同様だが、術者は定常的な青い秩序のエネルギーに取り巻かれ、また、悪のクリーチャーや呪文ではなく、混沌のクリーチャーや呪文に作用する。


ディスペル・マジック

Dispel Magic/魔法解呪
系統:防御術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3、クレリック3、ドルイド4、バード3、パラディン3
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
目標あるいは効果範囲:呪文の使い手1体、クリーチャー1体、あるいは物体1つ
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 ディスペル・マジックを使えば、クリーチャー1体や物体1つにかかっている現在継続中の呪文を終了させたり、魔法のアイテムの魔法能力を一時的に抑止したり、他の呪文の使い手の呪文を相殺したりできる。解呪された呪文は、ちょうど持続時間が切れたかのように終了する。一部の呪文は、その呪文の解説にある通り、ディスペル・マジックでは打ち消せない。ディスペル・マジックは擬似呪文効果を呪文と同様に解呪できるが、相殺することはできない。持続時間が“瞬間”となっている呪文の効果を解呪することはできない。というのも、その魔法の効果はディスペル・マジックが効果を発するより前に、とっくに終わっているからである。
 術者はディスペル・マジックを以下の2つの用法のうち、どれか1つで使用できる。すなわち、目標型解呪、呪文相殺である。
 目標型解呪:1つの物体、クリーチャーまたは呪文をディスペル・マジックの対象とする。術者は1回の解呪判定(1d20+術者レベル)を行ない、その結果を対象にかかっている呪文の中で術者レベルが最も高いものと比較する(DC=11+呪文の術者レベル)。成功したらその呪文は終了する。失敗したなら、同じ結果を次に高い呪文の術者レベルと比較する。対象に影響を及ぼしている呪文を1つ解呪するか、全ての呪文の解呪に失敗するまでこの手順を繰り返す。
 たとえば、7レベルの術者がディスペル・マジックを発動し、対象のクリーチャーにはストーンスキン(術者レベル12)とフライ(術者レベル6)がかかっていたとする。術者レベル判定の結果が19だったなら、ストーンスキンの解呪には足りない(23以上が必要)が、フライを終了させるには十分である(17以上が必要)。解呪判定で23以上の結果を出したなら、ストーンスキンを解呪し、フライはそのまま残る。解呪判定が16以下だったなら、どの呪文にも影響はない。

 術者は目標型解呪を、目標に影響を及ぼしている1つの呪文、もしくは範囲に影響を及ぼしている1つの呪文(ウォール・オヴ・ファイアーなど)を指定して終了させるために使用することもできる。術者はこの方法で対象とする特定の呪文効果を明示しなければならない。術者レベル判定の結果がその呪文のDC以上ならば、その呪文は終了する。対象とした呪文を解呪するのに足りないならば、他のいかなる呪文や効果も解呪されない。
 継続中の呪文の結果として存在する物体やクリーチャー(たとえばサモン・モンスターで招来されたクリーチャー)を目標にする場合、その物体なりクリーチャーなりを召喚した呪文に対して解呪判定を行なうことになる。
 目標とした物体が魔法のアイテムなら、術者はそのアイテムの術者レベルに対して解呪判定を行なう(DC=11+アイテムの術者レベル)。これに成功すれば、そのアイテムの魔法の力は1d4ラウンドの間、すべて抑止される。その期間が過ぎればアイテムは魔法の特性を取り戻す。力を抑止されたアイテムは、その期間中は魔法の力を持たぬものとして扱われる。他の次元の開口部(たとえばバッグ・オヴ・ホールディングなど)は一時的に閉じてしまう。魔法のアイテムの物理的な特性は変わらない。たとえば魔法のソード(剣)は力を抑止されてもやはりソードなのである(実のところ高品質のソードである)。アーティファクトや神格には、このような定命の者の術は作用しない。
 術者が自分で発動した呪文に対しては、解呪判定は自動的に成功する。
 呪文相殺:このバージョンで使用した場合、ディスペル・マジックは呪文の使い手1体を目標にして、相殺呪文として発動される。しかし真の呪文相殺と違い、ディスペル・マジックは機能しない場合もある。相手の呪文を相殺できるかどうかを調べるため、術者は解呪判定を行なわなければならない。

グレーター・ディスペル・マジック

Dispel Magic, Greater/上級魔法解呪
系統:防御術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー6、クレリック6、ドルイド6、バード5
目標あるいは効果範囲:呪文の使い手1体、クリーチャー1体、あるいは物体1つ;あるいは半径20フィートの爆発
 この呪文はディスペル・マジックと同様に働くが、対象にかかっている複数の呪文を解呪できたり複数のクリーチャーを対象とできる点で異なる。
 術者は3つの用法のうちどれか1つを選んで使用できる。すなわち、目標型解呪、効果範囲型解呪、呪文相殺である。
 目標型解呪:これはディスペル・マジックの目標型解呪と同様だが、術者レベル4ごとに1つの呪文を解呪できる。もっとも高いレベルの呪文から比較し、低レベルの呪文へ移っていく。
 また、グレーター・ディスペル・マジックは、リムーヴ・カースで取り除けるどんな効果でも解呪できる可能性がある(たとえディスペル・マジックで解呪できない効果であってもである)。この判定のDCは、呪いのDCに等しい。
 効果範囲型解呪:このバージョンで使用した場合、グレーター・ディスペル・マジックは半径20フィート以内の爆発内あらゆるものに作用する。解呪判定を1回だけ行ない、その結果を範囲内の全てのクリーチャーへディスペル・マジックをかけたように適用する。効果範囲内にあって、かつ1つ以上の呪文の目標となっている物体1つ1つについても、クリーチャーに対するのと同じように解呪判定を行なう。効果範囲型解呪は魔法のアイテムには作用しない。
 継続中の効果範囲型呪文や効果型呪文で、その起点がグレーター・ディスペル・マジック呪文の効果範囲内にあるものについては、その呪文を解呪するための解呪判定を行なうことができる。継続中の呪文で、効果範囲がディスペル・マジック呪文の効果範囲と重複するものについては、解呪判定を行ない、成功すれば効果が切れる。ただし、効果が切れるのは重複する範囲内だけである。
 継続中の呪文の効果である物体やクリーチャー(たとえばサモン・モンスターで招来されたクリーチャー)がディスペル・マジックの効果範囲内にいたら、解呪判定を行なうことができ、成功すればその物体なりクリーチャーなりを召喚した呪文は終了し、招来されたものは来たところに戻る。これはその物体なりクリーチャーなりを目標としている1つの呪文に対する解呪の試みに加えて行なわれる。
 術者が自分で発動した呪文に対しては、解呪判定は自動的に成功したことにできる。
 呪文相殺ディスペル・マジックと同様に働くが、他の術者の呪文を打ち消すための解呪判定に+4のボーナスを得る。


ディスペル・ロー

Dispel Law/秩序解呪
系統:防御術[混沌];呪文レベル:クレリック5
 ディスペル・イーヴルと同様だが、術者は明滅する黄色い混沌のエネルギーに取り巻かれ、また、悪のクリーチャーや呪文ではなく、秩序のクリーチャーや呪文に作用する。


ディスミサル

Dismissal/送還
系統:防御術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5、クレリック4
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:他次元界クリーチャー1体
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:意志・無効;本文参照;呪文抵抗:
 この呪文は、意志セーヴに失敗した他次元界クリーチャー1体を、それが本来属する次元界へと強制送還する。呪文が成功すれば、そのクリーチャーは即座に送還されるが、その際、対象を出身次元界以外の次元界へと送り込んでしまう可能性が20%ある。


デイズ・モンスター

Daze Monster/怪物幻惑
系統:心術(強制)[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、バード2
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
目標:6HD以下の生きているクリーチャー1体
 デイズと同様だが、この呪文はどんな種別のものでも、生きているクリーチャー1体に効果がある。HDが7以上のクリーチャーは影響を受けない。


ディスラプティング・ウェポン

Disrupting Weapon/アンデッド破砕武器
系統:変成術;呪文レベル:クレリック5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:近接武器1つ
持続時間:1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害、物体);本文参照;呪文抵抗:可(無害、物体)
 この呪文を使用すると、近接武器をアンデッドにとって致命的なものにすることができる。術者の術者レベル以下のHDしか持たぬアンデッド・クリーチャーが戦闘中にこの武器で命中を受けた場合、意志セーヴに失敗すると完全に破壊されてしまう。この破壊効果に対しては、呪文抵抗は適用されない。


ディスラプト・アンデッド

Disrupt Undead/アンデッド破砕光線
系統:死霊術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー0
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:光線
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:
 術者は正のエネルギー光線を放つ。命中させるには遠隔接触攻撃ロールに成功しなければならず、光線がアンデッド・クリーチャーに命中すれば、1d6ポイントのダメージを与える。


ディセクレイト

Desecrate/冒涜
系統:力術[悪];呪文レベル:クレリック2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(邪水1ビンと25GP相当(5ポンド)の銀粉。これらすべてを効果範囲の周囲に振りまかねばならない)、信仰
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果範囲:半径20フィートの放射
持続時間:2時間/レベル
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:
 この呪文は効果範囲を負のエネルギーで満たす。効果範囲内で負のエネルギー放出に抵抗する際に用いるDCは+3の不浄ボーナスを得る。ディセクレイトの効果範囲に入ったアンデッド・クリーチャーはそれぞれ、全ての攻撃ロール、ダメージ・ロール、セーヴィング・スローに+1の不浄ボーナスを得る。効果範囲の内側で創造されたり、効果範囲内へと招来されたアンデッド・クリーチャーはHDごとに+1のヒット・ポイントを得る。
 ディセクレイトされた範囲内に祭壇や社などの、術者の崇める神格や属性を同じくする高位の力に捧げられた恒久的な施設がある場合、上記の修正値は2倍となる(負のエネルギー放出のDCに+6の不浄ボーナス、範囲内で創造されたアンデッドに+2の不浄ボーナスとHDごとに+2ヒット・ポイント)。
 さらに、この範囲内でアニメイト・デッドを発動した者は、通常の2倍(すなわち、術者レベルごとに2HDではなく、術者レベルごとに4HD)のアンデッドを創造することができる。
 効果範囲内に祭壇や社などの、術者の守護者でない神格やパンテオン、高位の力の恒久的な施設がある場合、ディセクレイト呪文は効果範囲に呪いをかけ、それらの神格や力とのつながりを断つ。この第二の用法を使用した場合、上に挙げたアンデッドヘのボーナスやペナルティは与えられない。
 ディセクレイトコンセクレイトを相殺し、解呪する。

ディテクト・アニマルズ・オア・プランツ

Detect Animals or Plants/動植物の感知
系統:占術;呪文レベル:ドルイド1、レンジャー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:長距離(400フィート+40フィート/レベル)
効果範囲:円錐形の放射
持続時間:精神集中、10分/レベルまで(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は自分が向いている方向に自分から放射する円錐形の範囲内にいる、特定の種類の動物あるいは植物を感知できる。この呪文を使用する際に、術者は動物や植物の種類を思い浮かべなければならないが、動物や植物の種類は毎ラウンド変更できる。明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間、特定の範囲を探すか、あるいは、特定の種類の動物や植物に専念するかによる。
 1ラウンド目:範囲内にその種の動植物が存在するかしないか。
 2ラウンド目:範囲内にその種の個体が何体おり、その中で最も健康的な個体の状態はどうか。
 3ラウンド目:範囲内に存在する各個体の状態(下記参照)と位置。ある動物や植物が術者の視線内になければ、術者にはその方向は判るが、正確な位置は判らない。
 状態:この呪文では、以下のような状態分類が用いられる:
 正常:少なくとも本来のヒット・ポイントの90%あり、病気にもかかっていない。
 まずまず:本来のヒット・ポイントの30%から90%が残っている。
 低調:本来のヒット・ポイントの30%までしかないか、病気にかかっているか、衰弱させるような負傷を負っている。
 劣悪:ヒット・ポイントが0以下か、能力値を5以下に減少された病気にかかっているか、身体障害を負っている。
 クリーチャーの状態が複数の分類にまたがる場合、この呪文はそのうちの悪い方を示す。
 毎ラウンド、術者は向きを変えて、新たな範囲にある動植物を感知できる。この呪文は障壁を貫通するが、厚さ1フィートの石、厚さ1インチの一般的な金属、鉛の薄膜、厚さ3フィートの木や土はこの呪文を遮る。


ディテクト・アンデッド

Detect Undead/アンデッドの感知
系統:占術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1、クレリック1、パラディン1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質/信仰(墓場から採った土)
距離:60フィート
効果範囲:円錐形の放射
持続時間:精神集中、1分/レベルまで(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者はアンデッド・クリーチャーを取り巻くオーラを感知できる。明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間、特定の範囲を観察するかによる。
 1ラウンド目:アンデッドのオーラが存在するかしないか。
 2ラウンド目:効果範囲内のアンデッドのオーラの数と、その中で最も強いアンデッドのオーラの強度。術者の属性が善で、最も強いアンデッドのオーラの強度が“圧倒的”(下記参照)であり、そのアンデッドのHDが術者のキャラクター・レベルの2倍以上ある場合、術者は1ラウンドの間、朦朧状態となり、呪文は終了する。
 3ラウンド目:各アンデッドのオーラの強度と位置。あるオーラが術者の視線内になければ、術者にはその方向は判るが、正確な位置は判らない。
 オーラ強度:アンデッドのオーラの強度は、以下の表にあるように、そのアンデッド・クリーチャーのHDによって決まる。
 残留オーラ:本来のオーラ源が破壊された後には、アンデッドのオーラが残留する。ディテクト・アンデッドを発動し、アンデッドのオーラが残留している場所に向けた場合、オーラの強度は“希薄”(“微弱”よりさらに弱い)であると認識される。オーラがどれだけ“希薄”レベルで残留するかは、以下の表にあるように、本来のオーラ源の強度による。
ヒット・ダイス オーラ強度 残留オーラの持続期間
1以下 微弱 1d6ラウンド
2~4 中程度 1d6分
5~10 強力 1d6×10分
11以上 圧倒的 1d6日
 毎ラウンド、術者は向きを変えて、新たな範囲にあるアンデッドを感知できる。この呪文は障壁を貫通するが、厚さ1フィートの石、厚さ1インチの一般的な金属、鉛の薄膜、厚さ3フィートの木や土はこの呪文を遮る。


ディテクト・イーヴル

Detect Evil/悪の感知
系統:占術;呪文レベル:クレリック1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:60フィート
効果範囲:円錐形の放射
持続時間:精神集中、10分/レベルまで(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は悪の存在を感じ取ることができる。明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間、特定の範囲や対象を観察するかによる。
 1ラウンド目:悪が存在するかしないか。
 2ラウンド目:範囲内の悪のオーラの数(クリーチャー、物体、呪文)と、その中で最も強い悪のオーラの強度。術者の属性が善で、最も強い悪のオーラの強度が“圧倒的”(下記参照)であり、そのオーラの源のHDやレベルが術者のキャラクター・レベルの少なくとも2倍あった場合、術者は1ラウンドの間、朦朧状態となり、この呪文は終了する。
 3ラウンド目:各オーラの強度と位置。あるオーラが術者の視線内になければ、術者にはその方向は判るが、正確な位置は判らない。
 オーラ強度:悪のオーラの強度は、術者が感知しようとしている悪のクリーチャーや物体の種別、そのHD、術者レベル、(クレリックの場合)クラス・レベルに依存する。以下の表を参照のこと。オーラの強度が複数の強度分類にまたがる場合、この呪文はそのうちの強い方を示す。
 残留オーラ:本来のオーラ源が(呪文の場合)消散したり、(クリーチャーや魔法のアイテムの場合)破壊された後には、悪のオーラが残留する。ディテクト・イーヴルを発動し、悪のオーラが残留している場所に向けた場合、オーラの強度は“希薄”(“微弱”よりさらに弱い)であると認識される。オーラがどれだけ“希薄”レベルで残留するかは本来のオーラ源の強度による。
本来の強度 残留オーラの持続期間
微弱 1d6ラウンド
中程度 1d6分
強力 1d6×10分
圧倒的 1d6日
 動物、罠、毒、その他の危険となり得るものは悪ではなく、この呪文がそうしたものを感知することはない。活発に悪の意志を持っているクリーチャーは、この呪文における悪属性のクリーチャーに含める。
 毎ラウンド、術者は向きを変えて、新たな範囲にある悪を感知できる。この呪文は障壁を貫通するが、厚さ1フィートの石、厚さ1インチの一般的な金属、鉛の薄膜、厚さ3フィートの木や土はこの呪文を遮る。

ディテクト・イーヴル/グッド/ケイオス/ロー Detect Chaos / Evil / Good / Law
クリーチャー/物体 オーラのパワー
なし 微弱 中程度 強力 圧倒的
該当する属性のクリーチャー1(HD) 4以下 5~10 11~25 26~50 51以上
該当する属性のアンデッド(HD) 2以下 3~8 9~20 21以上
該当する属性の来訪者(HD) 1以下 2~4 5~10 11以上
該当する属性の神格のクレリック2(クラス・レベル) 1 2~4 5~10 11以上
該当する属性の魔法のアイテムや呪文(術者レベル) 5以下 6~10 11~15 16~20 21以上
1.この表に独自の項目があるアンデッドと来訪者を除く。
2.クレリックでないキャラクターの中には、同等の強度のオーラを放っているものもいる。これが当てはまるかどうかは、クラスの解説に記載がある。


ディテクト・グッド

Detect Good/善の感知
系統:占術;呪文レベル:クレリック1
 ディテクト・イーヴルと同様だが、この呪文は善のクリーチャー、善の神格のクレリックやパラディン、[善]の呪文、善の魔法のアイテムのオーラを感知する。術者が悪の属性を持つ場合、“圧倒的”な善のオーラにあうと打ちのめされる。


ディテクト・ケイオス

Detect Chaos/混沌の感知
系統:占術;呪文レベル:クレリック1
 ディテクト・イーヴルと同様だが、この呪文は混沌のクリーチャー、混沌の神格のクレリック、[混沌]の呪文、混沌の魔法のアイテムのオーラを感知する。術者が秩序の属性を持つ場合、“圧倒的”な混沌のオーラにあうと打ちのめされる。


ディテクト・シークレット・ドアーズ

Detect Secret Doors/隠し扉の感知
系統:占術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1、バード1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:60フィート
効果範囲:円錐形の放射
持続時間:精神集中、1分/レベルまで(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は秘密の扉や区画、物入れなどを感知できる。この呪文では、発見されぬことを目的に作られた通路、扉、開口部しか感知できない。明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間、特定の範囲や対象を観察するかによる。
 1ラウンド目:隠し扉が存在するかしないか。
 2ラウンド目:隠し扉の数と、それぞれの位置。あるオーラが術者の視線内になければ、術者にはその方向は判るが、正確な位置は判らない。
 以後1ラウンド毎に:術者が詳しく調べた特定の隠し扉1つのメカニズムか作動方法。毎ラウンド、術者は向きを変えて、新たな範囲にある隠し扉を感知できる。この呪文は障壁を貫通するが、厚さ1フィートの石、厚さ1インチの一般的な金属、鉛の薄膜、厚さ3フィートの木や上はこの呪文を遮る。


ディテクト・スクライング

Detect Scrying/念視の感知
系統:占術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー4、バード4
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(鏡のかけらと、真鍮製のラッパ状補聴器のミニチュア)
距離:40フィート
効果範囲:術者を中心とした半径40フィートの放射
持続時間:24時間
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は占術(念視)呪文や効果によって自分を観察しようとする試みがあれば、即座にそれに気付く。この呪文の効果範囲は術者から放射され、術者とともに移動する。術者は呪文の効果範囲内にあるすべての魔法的感知器官の位置を知ることができる。
 念視の試みが効果範囲内から行なわれたものであれば、術者はその位置も知ることができる。そうでない場合、術者と念視者は直ちに対抗術者レベル判定(1d20+術者レベル)を行なう。術者の結果が念視者の結果以上であれば、術者は念視者の視覚的なイメージと、念視者のいる方向、術者からの距離を正確に感知できる。


ディテクト・スネアーズ・アンド・ピッツ

Detect Snares and Pits/引っかけ罠や落とし穴の感知
系統:占術;呪文レベル:ドルイド1、レンジャー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:60フィート
効果範囲:円錐形の放射
持続時間:精神集中、10分/レベルまで(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は単純な落とし穴、上からものが落ちてくる罠、足を引っかける罠、また、自然界の材料で作られた機械的な罠を感知できる。この呪文は、落とし穴などのような複雑な罠を感知することはできない。
 ディテクト・スネアーズ・アンド・ピッツはある種の自然界の危険を感知する。流砂(足を引っかける罠として感知される)、底なし沼(落とし穴)、自然の岩の危険な壁面(上からものが落ちてくる罠)などである。それ以外の危険となり得る状況を明らかにすることはない。この呪文は魔法の罠を感知しないし(ただし、落とし穴、上からものが落ちてくる罠、足を引っかける罠として機能する呪文は別である;スネア呪文を参照)、複雑な機構の罠、すでに安全になっていたり作動しないようになっている罠も感知しない。
 明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間、特定の範囲を観察するかによる。
 1ラウンド目:危険が存在するかしないか。
 2ラウンド目:危険の数と、それぞれの位置。ある危険が術者の視線内になければ、術者にはその方向は判るが、正確な位置は判らない。
 以後1ラウンド毎に:術者が詳しく調べた特定の危険1つの大まかな種類と作動条件が判る。
 毎ラウンド、術者は向きを変えて、新たな範囲を調査できる。この呪文は障壁を貫通するが、厚さ1フィートの石、厚さ1インチの一般的な金属、鉛の薄膜、厚さ3フィートの木や土はこの呪文を遮る。


ディテクト・ソウツ

Detect Thoughts/思考の感知
系統:占術[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、バード2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、焦点/信仰(銅貨1枚)
距離:60フィート
効果範囲:円錐形の放射
持続時間:精神集中、1分/レベルまで(解除可)
セーヴィング・スロー:意志・無効;本文参照;呪文抵抗:不可
 術者は表面的な思考を感知できる。明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間、特定の範囲や対象を観察するかによる。
 1ラウンド目:(【知力】1以上で意識のあるクリーチャーの)思考が存在するかしないか。
 2ラウンド目:思考している精神の数と、それぞれの【知力】値。最も高い【知力】が26以上である場合(さらにそれが術者自身の【知力】より10ポイント以上高い場合)、術者は1ラウンドの間、朦朧状態となり、呪文は終了する。術者がクリーチャーの思考を感知していても、その持ち主であるクリーチャーを見ることができない場合、その位置は判らない。
 3ラウンド目:効果範囲内のいずれかの精神の表面的な思考。目標が意志セーヴに成功すれば、術者はその思考を読むことができず、再挑戦するためにはもう一度ディテクト・ソウツを発動しなおさなければならない。動物並の【知力】(1か2)のクリーチャーは単純で本能的な思考を持つ。
 毎ラウンド、術者は向きを変えて、新たな範囲にある思考を感知できる。この呪文は障壁を貫通するが、厚さ1フィートの石、厚さ1インチの一般的な金属、鉛の薄膜、厚さ3フィートの木や土はこの呪文を遮る。


ディテクト・ポイズン

Detect Poison/毒の感知
系統:占術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー0、クレリック0、ドルイド0、パラディン1、レンジャー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標あるいは効果範囲:クリーチャー1体、物体1つ、あるいは一辺5フィートの立方体の範囲
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者はクリーチャー1体、物体1つ、あるいは効果範囲が毒におかされているか、あるいは毒を持っているかどうか知ることができる。術者はDC20の【判断力】判定に成功すれば、毒の正確な種類を識別できる。〈製作:錬金術〉技能を持つキャラクターは、【判断力】判定に失敗した場合にDC20の〈製作:錬金術〉判定を試みることもできるし、逆に【判断力】判定に先だって〈製作:錬金術〉判定を試みることもできる。この呪文は障壁を貫通するが、厚さ1フィートの石、厚さ1インチの一般的な金属、鉛の薄膜、厚さ3フィートの木や土はこの呪文を遮る。


ディテクト・マジック

Detect Magic/魔法の感知
系統:占術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー0、クレリック0、ドルイド0、バード0
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:60フィート
効果範囲:円錐形の放射
持続時間:精神集中、1分/レベルまで(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は魔法のオーラを感知する。明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間、特定の範囲や対象を観察するかによる。
 1ラウンド目:魔法のオーラが存在するかしないか。
 2ラウンド目:異なる魔法のオーラの数と、その中で最も強いオーラの強度。
 3ラウンド目:各オーラの強度と位置。オーラをまとったアイテムやクリーチャーが術者の視線内にあれば、術者はそれぞれのオーラに関わる魔法の系統を識別するために〈知識:神秘学〉判定を行なうことができる(オーラ1つごとに1回の判定を行なうこと。DCは15+呪文レベルか、呪文以外の効果の場合、15+術者レベルの半分である)。アイテムよりオーラが発せられている場合、アイテムの特性を識別しようとすることが可能になる(〈呪文学〉参照)。魔法的なエリアや複数の種類の魔法、強力かつ局所的な魔法の放射によって、弱いオーラが歪められたり、隠されてしまうこともある。
 オーラ強度:オーラの強度は、呪文の機能している呪文レベルやアイテムの術者レベルによる。下表を参照。オーラの強度が複数の強度分類にまたがる場合、ディテクト・マジックはそのうちの強い方を示す。
 残留オーラ:本来のオーラ源が(呪文の場合)消散したり、(魔法のアイテムの場合)破壊された後には、魔法のオーラが残留する。ディテクト・マジックを発動し、魔法のオーラが残留している場所に向けた場合、オーラの強度は“希薄”(“微弱”よりさらに弱い)であると認識される。オーラがどれだけ“希薄”レベルで残留するかは本来のオーラ源の強度による:
本来の強度 残留オーラの持続期間
微弱 1d6ラウンド
中程度 1d6分
強力 1d6×10分
圧倒的 1d6日
 来訪者やエレメンタルそれ自体は魔法的なものではないが、そうしたクリーチャーが招来されたものであった場合、招来に用いられた召喚術呪文は感知される。毎ラウンド、術者は向きを変えて、新たな範囲にある魔法を感知できる。この呪文は障壁を貫通するが、厚さ1フィートの石、厚さ1インチの一般的な金属、鉛の薄膜、厚さ3フィートの木や土はこの呪文を遮る。
 ディテクト・マジックパーマネンシイ呪文で永続化させることができる。

ディテクト・マジック Detect Magic
呪文や物体 オーラのパワー
微弱 中程度 強力 圧倒的
機能している呪文(呪文レベル) 3以下 4~6 7~9 10以上(神格レベル)
魔法のアイテム(術者レベル) 5以下 6~11 12~20 21以上(アーティファクト)


ディテクト・ロー

Detect Law/秩序の感知
系統:占術;呪文レベル:クレリック1
 ディテクト・イーヴルと同様だが、この呪文は秩序のクリーチャー、秩序の神格のクレリック、[秩序]の呪文、秩序の魔法のアイテムのオーラを感知する。術者が混沌の属性を持つ場合、“圧倒的”な秩序のオーラにあうと打ちのめされる。


ディマンド

Demand/要求
系統:心術(強制)[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8
セーヴィング・スロー:意志・不完全;呪文抵抗:
 センディングと同様だが、この伝言にはサジェスチョンを込めることもでき(サジェスチョン呪文を参照)、対象はその示唆を実行するために最善を尽くす。意志セーヴに成功すればサジェスチョン効果を無効化できるが、伝言自体は無効化されない。受け取った場合、ディマンドはクリーチャーの【知力】が1しかなくても理解される。ディマンドが届いた時点で、対象にとって周囲の状況に照らして伝言内容が不可能だったり意味のないものであれば、伝言自体は理解されるが、サジェスチョンは効力を表さない。
 ディマンドによるクリーチャーへの伝言は日本語にして75文字以内でなければならず、サジェスチョンの内容を含んでいなければならない。クリーチャーは即座に短い返事を送り返すこともできる。

ディミニッシュ・プランツ

Diminish Plants/植物縮小
系統変成術;呪文レベルドルイド3、レンジャー3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離本文参照
目標あるいは効果範囲本文参照
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 この呪文には2つのバージョンがある。
 剪定:呪文のこのバージョンは、長距離(400フィート+40フィート/レベル)内の通常の草木(草、イバラ、藪、つる植物、生垣、アザミ、木、つたなど)を本来の大きさのおよそ1/3に縮め、からみついたり繁茂したりしないようにする。作用を受けた植物は注意深く剪定され、刈り込まれたかのように見える。このバージョンのディミニッシュ・プランツエンタングルプラント・グロウスウォール・オヴ・ソーンズなど植物を成長させる呪文や効果を自動的に解呪する。
 術者の選択で、範囲を半径100フィートの円にしたり、半径150フィートの半円にしたり、半径200フィートの四分円にすることもできる。術者は効果範囲内のいくつかのエリアに作用しないよう指定することもできる。
 成長阻害:呪文のこのバージョンは0.5マイルの距離内の全ての普通の植物を目標とし、次の年の収穫量を通常より1/3だけ少なくする。
 この呪文は植物クリーチャーには効果がない。


ディメンジョナル・アンカー

Dimensional Anchor/次元間移動拘束
系統防御術;呪文レベルウィザード/ソーサラー4、クレリック4
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果光線
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗可(物体)
 緑色の光線が術者の手から放たれる。目標に命中させるには、術者は遠隔接触攻撃を行なわなければならない。光線が命中したクリーチャーや物体はきらめくエメラルド色の場に包まれ、肉体ごと他の次元界へ移動することがまったくできなくなる。ディメンジョナル・アンカーによって禁じられる移動形態にはアストラル・プロジェクションイセリアル・ジョーントイセリアルネスゲートシャドウ・ウォークディメンジョン・ドアテレポートブリンクプレイン・シフトメイズおよびそれに類する擬似呪文能力が含まれる。この呪文は持続時間の間、ゲートテレポーテーション・サークルの使用も妨げる。
 ディメンジョナル・アンカーは、呪文発動時にすでにエーテル状態やアストラル形態であったクリーチャーの移動を妨げることはないし、他の次元界を知覚したり攻撃したりする能力を遮ることもない。また、招来されたクリーチャーが招来呪文の終了時に消えぬようにすることもできない。


ディメンジョナル・ロック

Dimensional Lock/次元間移動拘束の場
系統防御術;呪文レベルウィザード/ソーサラー8、クレリック8
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果範囲空間上の1点を中心とした半径20フィートの放射
持続時間1日/レベル
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗
 その中では肉体ごと他の次元界へ移動することがまったくできなくなる、きらめくエメラルド色の場を作り出す。ディメンジョナル・ロックによって禁じられる移動形態にはアストラル・プロジェクションイセリアル・ジョーントイセリアルネスゲートシャドウ・ウォークディメンジョン・ドアテレポートブリンクプレイン・シフトメイズおよびそれに類する擬似呪文能力が含まれる。ディメンジョナル・ロックが形成されてしまうと、効果範囲内への、あるいは効果範囲内からの次元間移動は不可能となる。
 ディメンジョナル・ロックは、呪文発動時にすでにエーテル状態やアストラル形態であったクリーチャーの移動を妨げることはないし、(バジリスクの凝視などの)他の次元界を知覚したり攻撃したりする能力を遮ることもない。また、招来されたクリーチャーが招来呪文の終了時に消えぬようにすることもできない。


ディメンジョン・ドア

Dimension Door/次元扉
系統召喚術(瞬間移動);呪文レベルウィザード/ソーサラー4、バード4
発動時間1標準アクション
構成要素音声
距離長距離(400フィート+40フィート/レベル)
目標術者および接触した物体あるいは接触した同意するクリーチャー複数
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー不可および意志・無効(物体);呪文抵抗不可および可(物体)
 術者は自分自身を現在の位置から距離内の任意の場所へと瞬時に転送する。術者は常に望んだ場所へと正確に到着する。単に場所を思い浮かべても、方向を指定してもよい。この呪文を使用した後、術者は自分の次のターンまで、これ以外のアクションをとることはできない。術者は自分の最大荷重を超えない重量であれば、物体を一緒に運ぶことができる。また、サイズが中型以下の同意するクリーチャー(とそのクリーチャーが運搬する最大荷重までの装備品や物体)相当を、術者レベル3レベルごとに1体ぶんまで一緒に運ぶこともできる。大型クリーチャー1体は中型クリーチャー2体相当、超大型クリーチャー1体は大型クリーチャー2体相当、というように換算する。転送されるクリーチャーはすべて互いに接触していなければならず、また、そのうち少なくとも1体が術者と接触していなければならない。
 すでに固体が占めている場所に到着した場合、術者および一緒に転送されたクリーチャーはそれぞれ1d6ポイントのダメージを受け、意図した出現場所から100フィート以内にある適切な表面の上の何もないランダムな場所に放り出される。
 100フィート以内に開けた空間がなければ、術者および一緒に転送されたクリーチャーはそれぞれさらに2d6ポイントのダメージを受け、1,000フィート以内の開けた空間に放り出される。1,000フィート以内に開けた空間がなければ、術者および一緒に転送されたクリーチャーはそれぞれさらに4d6ポイントのダメージを受け、呪文は単に失敗となる。


デイライト

Daylight/陽光
系統力術[光];呪文レベルウィザード/ソーサラー3、クレリック3、ドルイド3、バード3、パラディン3
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離接触
目標接触した物体
持続時間10分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 この呪文を発動して接触した物体は、半径60フィートの領域に明るい光を発する。さらに半径120フィートまでの領域で1段階ずつ明度を上昇させる(暗闇から薄暗い光に、薄暗い光から通常の光に、通常の光から明るい光に)。60フィートの領域内では、光への過敏や脆弱性を持つクリーチャーはペナルティを受ける。この名前にもかかわらず、この呪文は太陽の光でダメージを受けたり滅ぼされるクリーチャーに対しては日光として扱われない。
 デイライトを小さな物体にかけ、光を遮る覆いの内側や下に置いた場合、この呪文の効果はその覆いを取り去るまで遮られる。
 魔法の暗闇の範囲内に持ち込まれたデイライトは(逆にデイライトの範囲内に持ち込まれた魔法の暗闇も)一時的に無効化され、この2つの呪文が重複したエリアでは、それら2つの呪文以外の光源(あるいは闇)が支配的となる。
 デイライトは自分と同じか、自分より低いレベルの[闇]呪文(ダークネスなど)をどれでも相殺し、解呪する。


ディレイド・ブラスト・ファイアーボール

Delayed Blast Fireball/遅発火球
系統力術[火];呪文レベルウィザード/ソーサラー7
持続時間5ラウンド以下;本文参照
 ファイアーボールと同様だが、この呪文はそれより強力であり、発動してから5ラウンドまでの間に炸裂させることができる。この火球の炸裂は、術者レベルごとに1d6(最大20d6)ポイントの[火]ダメージを与える。ディレイド・ブラスト・ファイアーボールによって生み出される輝く珠は、術者が望めばすぐに炸裂させることもできるし、術者は炸裂を5ラウンドまで遅らせることもできる。術者は呪文完成時にどれだけ遅らせるかを選択し、一度設定したら変更することはできない。ただし誰かがこの珠に触れれば別である。術者が遅らせることにした場合、輝く珠は炸裂するまで、目標地点に留まる。クリーチャーはこの珠を拾い上げ、投擲武器として投げつけることができる(射程単位10フィート)。クリーチャーが炸裂する時点から1ラウンド以内にこの珠に触れて動かした場合、そのクリーチャーが触れている間に炸裂してしまう可能性が25%ある。


ディレイ・ポイズン

Delay Poison/毒物遅延
系統召喚術(治癒);呪文レベルクレリック2、ドルイド2、バード2、パラディン2、レンジャー1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離接触
目標接触したクリーチャー1体
持続時間1時間/レベル
セーヴィング・スロー頑健・無効(無害);呪文抵抗可(無害)
 対象は毒への一時的な完全耐性を得る。対象の体内のすべての毒や、呪文の持続時間の間に対象がさらされたすべての毒は、呪文の持続時間が終わるまで対象に作用しない。ディレイ・ポイズンは毒がすでに与えているダメージを治癒することはない。


デス・ウォード

Death Ward/死からの守り
系統死霊術;呪文レベルクレリック4、ドルイド5、パラディン4
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離接触
目標接触した生きているクリーチャー1体
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効(無害);呪文抵抗可(無害)
 目標は全ての[即死]呪文や魔法的な[即死]効果へのセーヴに+4の士気ボーナスを得る。たとえ通常はできなくても、その[即死]効果に抵抗するためにセーヴをすることができる。加えて、目標は生命力吸収やその他の負のエネルギー効果(負のエネルギー放出を含む)への完全耐性を持つ。
 この呪文は既に持っていた負のレベルを取り除くことはできないが、呪文の持続時間が続く限り負のレベルによるペナルティを無視する。
 デス・ウォードはたとえ結果的に死んでしまうような場合であっても、それ以外の攻撃に対しては防護を与えない。


デスウォッチ

Deathwatch/臨終の看取り
系統死霊術;呪文レベルクレリック1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離30フィート
効果範囲円錐形の放射
持続時間10分/レベル
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 死霊術の力によって、術者は呪文の距離内にいる、死の淵に近いクリーチャーの状態を知ることができる。術者は効果範囲内にいる各クリーチャーが死亡状態であるか、死にかけているか(生きてはいるが傷ついており、ヒット・ポイントが3点以下しか残っていないか)、死を寄せつけずにいるか(生きており、ヒット・ポイントが4点以上あるか)、健康であるか、アンデッドであるか、生きているわけでも死んでいるわけでもないか(人造クリーチャーなど)が即座に判る。
 デスウォッチは、クリーチャーが呪文や能力によって死んだふりをしていても、すべて見抜く。


デス・ネル

Death Knell/弔鐘
系統死霊術[悪、即死];呪文レベルクレリック2
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離接触
目標接触した生きているクリーチャー1体
持続時間瞬間/対象のHDごとに10分;本文参照
セーヴィング・スロー意志・無効;呪文抵抗
 術者はクリーチャーの衰えゆく生命力を奪いそれを使って自分の力を増すことができる。この呪文を発動したら、術者はヒット・ポイントが-1以下の生きているクリーチャーに接触する。対象がセーヴィング・スローに失敗したら、対象は死に、術者は1d8の一時的ヒット・ポイントと【筋力】への+2強化ボーナスを得る。さらに、術者の有効術者レベルは+1上昇し、術者レベルによって決まる呪文の効果が増強される。これによって有効術者レベルが上昇しても、普段より多くの呪文を準備/使用できるようにはならない。この効果は対象となったクリーチャーのHDごとに10分間持続する。


テレキネシス

Telekinesis/念動力
系統変成術;呪文レベルウィザード/ソーサラー5
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離長距離(400フィート+40フィート/レベル)
目標本文参照
持続時間精神集中(1ラウンド/レベルまで)あるいは瞬間;本文参照
セーヴィング・スロー意志・無効(物体)あるいは不可;本文参照;呪文抵抗可(物体);本文参照
 術者は精神集中することで物体やクリーチャーを動かすことができる。選択したバージョンによって、穏やかで持続的な力を及ぼすことも、一瞬荒々しく押す力を1回だけ及ぼすこともできる。
 持続的な力:持続的な力は術者レベル×25ポンド(最大で15レベル時の375ポンド)までの物体を20フィート/ラウンドまでの速度で動かすことができる。クリーチャーは自分の所持している物体に対する効果を意志セーヴに成功することや呪文抵抗で無効化できる。
 このバージョンは術者レベルごとに1ラウンドまで持続するが、術者が精神集中を解けば切れてしまう。重量は垂直にも水平にもその両方(=斜め)にも動かすことができる。物体を距離外へと動かすことはできない。物体を距離外へ押し出せば、呪文は終了する。いかなる理由であれ、術者が精神集中を解けば、物体はそこで落ちるか止まるかする。
 念動力によって、物体を片手で扱っているかのように操作できる。たとえば、必要な力が重量制限以内のものであれば、レバーやロープを引っ張ったり、鍵を回したり、物体を回転させることができる。また、単純な結び目をほどくこともできるが、こうした細かい作業にはDC15に対する【知力】判定が必要となる。
 戦技:持続的な力を与えるかわりに、1ラウンドに1回、術者はテレキネシスを使って突き飛ばし、武器落とし、組みつき(押さえ込みを含む)、足払いを試みることもできる。これらの行動は通常通りに解決するが、行動によって機会攻撃を誘発することはない。術者は戦技ボーナスのかわりに術者レベルを用い、【筋力】修正値や【敏捷力】修正値の代わりにウィザードなら【知力】修正値、ソーサラーなら【魅力】修正値を加える。これらの行動に対して相手がセーヴを行なうことはできないが、相手の呪文抵抗は有効である。この呪文をこのバージョンで使った場合、呪文は術者レベル×1ラウンド持続するが、術者の精神集中が途切れれば終了する。
 激しく押す力:また、呪文のエネルギーを1ラウンドで使い切ってしまうこともできる。術者は距離内にあって、すべてが互いに10フィート以内にある物体やクリーチャー(総数は術者レベルごとに1つ、最大で15まで)を、そのすべてから10フィート/レベル以内にある目標めがけて投げつけることができる。術者は術者レベルごとに25ポンド(最大で15レベル時の375ポンド)までの合計重量を投げつけることができる。
 アイテムを目標に命中させるためには、術者は(投げつけるクリーチャーや物体1つにつき1回ずつ)攻撃ロールに成功しなければならない。この時、ウィザードなら術者の基本攻撃ボーナス+【知力】修正値、ソーサラーなら基本攻撃ボーナス+【魅力】修正値を用いる。武器は通常通りダメージを与える(【筋力】ボーナスは適用されない。アローやボルトをこうやって使う場合、同サイズのダガーと同じダメージを与えることに注意)。それ以外の物体は(あまり危険でないものなら)25ポンドにつき1ポイントから(硬くて密度の高い物体なら)25ポンドにつき1d6ポイントまでのダメージを与える。目標から外れたクリーチャーや物体は、目標に隣接したマスに着弾する。
 呪文の重量制限内のクリーチャーを投げつけることもできるが、クリーチャーは意志セーヴ(あるいは呪文抵抗)に成功すれば効果を無効化できる。これは、自分の持っている物体がこの呪文の目標となったクリーチャーも同様である。
 念動力によってクリーチャーが固い表面に投げつけられた場合、10フィート落下したかのようにダメージ(1d6ポイント)を被る。


テレキネティック・スフィアー

Telekinetic Sphere/念動球
系統力術[力場];呪文レベルウィザード/ソーサラー8
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(球状の水晶と小さな一対の磁石)
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果クリーチャーや物体を中心とした、直径1フィート/レベルの球体
持続時間1分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー反応・無効(物体);呪文抵抗可(物体)
 リジリアント・スフィアーと同様だが、この呪文により作られた球体の中に捕えられたクリーチャーや物体はほとんど重量がなくなる。テレキネティック・スフィアーに包み込まれたものはすべて、通常の重量の1/16の重さしかなくなる。術者は念動力によって球体の中にあるものなら何でも、通常重量が5,000ポンド以下までならば持ち上げることができる。念動力によってコントロールできる範囲は、球体が中身を包み込むのに成功した後では、最大で術者から中距離にあたる距離(100フィート+10フィート/レベル)まで広がる。
 術者は球体に精神を集中することで、球体内の合計重量5,000ポンド以下の物体やクリーチャーといっしょに、球体を移動させることができる。術者は呪文を発動した後のラウンドに、球体を動かし始めることができる。そのために精神集中した(1標準アクション)場合、術者は球体を1ラウンドに30フィートまで移動させることができる。術者が精神集中を止めれば、球体はそのラウンドは(水平な平面上にあれば)移勤しないか、(空中にあれば)平面に達するまでその落下速度で落下する。術者は自分の次のターンか、呪文の持続時間内のそれ以降のターンに、精神集中を再開できる。
 球体は毎ラウンド60フィートの速度でしか落下せず、これは球体の中身にダメージを与えるほどの速度ではない。
 術者は自分が球体の中にいる場合でも、球体を念動力で動かすことができる。


テレパシック・ボンド

Telepathic Bond/テレパシー結合
系統占術;呪文レベルウィザード/ソーサラー5
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(異なる2種類のクリーチャーの卵のかけら2つ)
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標術者および同意するクリーチャー1体/3レベル、ただしそのうちのどの2体をとっても30フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間10分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 術者は自分と何体かの同意するクリーチャー間をテレパシーによって結合するが、対象はいずれも【知力】が3以上でなければならない。リンク内の各クリーチャーは、同じリンクの中にいる他のすべてのクリーチャーと結合されている。クリーチャー同士は、どの言語を話すかに関係なく、リンクを通してテレパシーによる意思疎通が可能である。この結合の結果として、特殊な力や影響が及ぼされることはない。一度リンクが結ばれたなら、この呪文はどれだけ距離があろうと機能する(ただし、ある次元界から別の次元界へは通じない)。
 望むなら、術者は形成するリンクから自分を除外することができる。この決定は発動時に行なわなければならない。
 テレパシック・ボンドパーマネンシイ呪文で永続化することができるが、パーマネンシイを1回使用するごとに2体のクリーチャーだけを結合することができる。


テレポーテーション・サークル

Teleportation Circle/瞬間移動陣
系統召喚術(瞬間移動);呪文レベルウィザード/ソーサラー9
発動時間10分
構成要素音声、物質(1,000gpの価値のある魔法陣を覆う琥珀の粉末)
距離0フィート
効果作動させたものを瞬間移動させる半径5フィートの魔法陣
持続時間10分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗
 術者は、上に立ったクリーチャーを指定した場所へとグレーター・テレポートの呪文と同様に瞬間移動させる魔法陣を、床やその他の水平な表面の上に描く。一度魔法陣の目的地を指定したなら、変更はできない。クリーチャーを固体の中や、術者がよく知らずはっきりとした描写も手に入れていない場所、あるいは他の次元界へ瞬間移動させるように魔法陣を設定しようとするなら、呪文は失敗する。
 魔法陣自体は巧妙で、あることに気付くのはまず不可能である。クリーチャーが誤って作動させないようにしたければ、何らかの方法で魔法陣を目立たせる必要がある。
 テレポーテーション・サークルパーマネンシイ呪文で永続化することができる。永続化したテレポーテーション・サークル〈装置無力化〉で解除した場合、10分間、非稼動状態となるが、その後は、通常通り作動可能となる。
 テレポーテーション・サークルのような魔法の罠を発見し、無力化するのは困難である。クラスの特徴である罠探しの能力を持つキャラクター(だけ)は魔法陣を(訳注:発見するのに〈知覚〉技能を、)解除するのに〈装置無力化〉を使うことができる。どちらの場合もDCは25+呪文レベルであり、テレポーテーション・サークルの場合は34である。


テレポート

Teleport/瞬間移動
系統召喚術(瞬間移動);呪文レベルウィザード/ソーサラー5
発動時間1標準アクション
構成要素音声
距離自身および接触
目標術者および接触した物体か接触した同意するクリーチャー複数
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー不可および意志・無効(物体);呪文抵抗不可および可(物体)
 この呪文は術者を指定した目的地へと瞬時に転送する。距離は最大で術者レベル×100マイルまでであり、次元界間の移動は不可能である。術者は合計重量が自分の最大過重までの物品を運んでゆくことができる。また、術者レベル3レベルごとに1体の、同意する中型または小型サイズのクリーチャー(と、その最大過重までの物品)、ないしそれに相当するものを連れてゆくことができる。大型クリーチャーは中型クリーチャー2体相当、超大型クリーチャーは中型クリーチャー4体相当、等々と勘定する。移送される全クリーチャーは互いに接触しており、うち1体以上が術者と接触していなければならない。距離が“自分”で目標が“術者”の呪文がすべてそうであるように、術者がセーヴィング・スローを行なう必要はないし、呪文抵抗も適用されない。物体では他の人物が持っていたり、使用している(装備中の)物体のみがセーヴィング・スローと呪文抵抗を得る。
 術者は目的地の位置と見た目について、ある程度はっきりとした知識がなくてはならない。術者の思い浮かべるイメージがはっきりしたものであればあるほど、瞬間移動がうまくいく可能性も上昇する。強い物理的・魔法的なエネルギーの渦巻く範囲では、瞬間移動が危険になったり不可能となることさえある。
 瞬間移動がどれだけうまくいったか調べるには、d%をロールして、この呪文の最後にある表を参照すること。表の用語の定義については、以下の情報を参照のこと。
 精通度:“よく慣れ親しんでいる”は術者がかなり頻繁に行ったことがあり、我が家も同然に感じている場所である。“念入りに調べた”は、術者が今現在肉眼で見ることのできる場所であるか、または術者がたびたび訪れた場所であり、術者のよく知っている場所である。“何度か来たことがある”は何度か来たことがあるにはあるが、さほど詳しくは知らない場所である。“一度見たことがある”は術者がスクライングなどの魔法なり何なりで一度だけ見たことのある場所である。
 “偽の目的地”というのは、そんな目的地が本当は存在しない場合や、術者が本来精通していたが、徹底的に変ってしまったせいで、もはや精通しているとは言いがたい場合である。偽の目的地へ瞬間移動する場合、d%をロールするのではなく、1d20+80をロールして表から結果を求めること。というのも、術者が到着したいと望む、あるいは目的地を外れる際の基準となるような真の行き先など存在しないからである。
 目的地に到着する:術者は望んだ場所に現れる。
 目的地を外れる:術者は目的地からランダムな方向にランダムな距離だけ離れた場所に安全に到着する。目的地から外れた距離は、移動しようとした距離のd%である。目的地を外れた方向はランダムに決定する。
 似通った場所:術者は目的地と見た目や雰囲気が似通った場所に到着する。たいてい、術者は距離内にある最寄りの似通った場所に現れる。呪文の距離内にそのような場所がなければ、呪文は単に失敗する。
 大失敗:術者および術者と共に瞬間移動するものは“ごちゃまぜ”になってしまう。各人は1d10ポイントのダメージを被り、術者はどこに到着したか決定するために表で再ロールを行なう。この再ロールの際は1d20+80をロールすること。“大失敗”が出るたびにキャラクターたちはさらにダメージを被り、再ロールし続けなければならない。
精通度 目的地に到着する 目的地を外れる 似通った場所 大失敗
よく慣れ親しんでいる 01~97 98~99 100
念入りに調べた 01~94 95~97 98~99 100
何度か来たことがある 01~88 89~94 95~98 99~100
一度見たことがある 01~76 77~88 89~96 97~100
偽の目的地 81~92 93~100

グレーター・テレポート

Teleport, Greater/上級瞬間移動
系統召喚術(瞬間移動);呪文レベルウィザード/ソーサラー7
 この呪文はテレポートと同様に作用するが、距離の制限がなく、目的地を外れる可能性もない。加えて、術者は目標地点を見たことがなくてもよい。ただし、その場合は信頼できる描写を手に入れていなければならない(誰かから詳しい描写を聞いた、非常に正確な地図を手に入れたなど)。不充分な情報や紛らわしい情報しかないのに瞬間移動しようとするなら、術者は姿を消した後、単に元の場所に再び現れるだけである。この呪文で次元間移動はできない。


テレポート・オブジェクト

Teleport Object/物体瞬間移動
系統召喚術(瞬間移動);呪文レベルウィザード/ソーサラー7
距離接触
目標重量50ポンド/レベルまで、体積3立方フィート/レベルまでの接触した物体1つ
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー意志・無効(物体);呪文抵抗可(物体)
 この呪文はテレポート と同様に作用するが、ただ術者ではなく1個の物体を瞬間移動させる。クリーチャーや魔法の力を瞬間移動させることはできない。
 望むなら目標の物体をエーテル界の離れた場所に移すこともできる。この場合、物体の瞬間移動元の地点には、物体を取り戻すまでは、かすかに魔法の力が残る。その地点を目標としたディスペル・マジックに成功すれば、消えたアイテムはエーテル界から元の場所に戻ってくる。


テンポラル・ステイシス

Temporal Stasis/かりそめの停滞
系統変成術;呪文レベルウィザード/ソーサラー8
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(5,000gpの価値のある粉末状のダイアモンド、エメラルド、ルビー、サファイアの粉)
距離接触
目標接触したクリーチャー1体
持続時間永続
セーヴィング・スロー頑健・無効;呪文抵抗
 術者は近接接触攻撃に成功しなければならない。術者は対象を活動停止状態にする。このクリーチャーにとって時間は流れを止め、諸々の状態はその時点のままに固定化される。このクリーチャーは歳をとらない。その肉体の機能は事実上停止し、いかなる力や効果もこのクリーチャーを害することはできない。この状態は魔法が(ディスペル・マジック呪文に成功する、フリーダム呪文をかけるなどで)取り除かれるまで持続する。

ドゥーム

Doom/災難
系統死霊術[恐怖、精神作用];呪文レベルクレリック1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
目標生きているクリーチャー1体
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;呪文抵抗
 この呪文は対象1体の心に、恐ろしい脅威の感覚を植えつけ、怯え状態にする。


トゥルー・シーイング

True Seeing/真実の目
系統占術;呪文レベルウィザード/ソーサラー6、クレリック5、ドルイド7
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(250gpの価値のある眼軟膏)
距離接触
目標接触したクリーチャー1体
持続時間1分/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効(無害);呪文抵抗可(無害)
 術者は対象に、ありとあらゆるものの真の姿を見ぬく能力を与える。対象は通常の闇と魔法の闇を見通し、魔法によって隠された隠し扉に気付き、ブラーディスプレイスメントの影響下にあるクリーチャーや物体の正確な位置を知り、不可視状態のクリーチャーや物体を通常通り見ることができ、幻術を見破り、変身・変化・変成させられたものの真の姿を見抜く。さらに対象は視覚をエーテル界に合わせることもできる(ただし異次元空間を覗くことはできない)。トゥルー・シーイングによって与えられる視力で見える範囲は120フィートである。
 トゥルー・シーイングで固体の向こう側を見通すことはできない。エックス線視力やそれに類する能力を与えるわけではないのだ。霧などによる視認困難を解消することもない。トゥルー・シーイングは見る者が、魔法によらない変装を見破ったり、単に隠れているだけのクリーチャーを見つけたり、魔法によらない手段で隠された隠し扉に気付いたりする助けにはならない。さらに、既知の魔法によってこの呪文の効果をこれ以上強化することはできない。従って、クリスタル・ボールを通じて、あるいは、クレアオーディエンス/クレアヴォイアンスと組み合わせてトゥルー・シーイングを使うことはできない。


トゥルー・ストライク

True Strike/百発百中
系統占術;呪文レベルウィザード/ソーサラー1
発動時間1標準アクション
構成要素音声、焦点(弓術の的をかたどった小さな木製のレプリカ)
距離自身
目標術者
持続時間本文参照
 術者は自分の次の攻撃の間に、直後の未来に対する一時的かつ直観的な洞察力を得る。術者の次の1回の攻撃ロールは(次のラウンドが終了する前に行なわれれば)+20の洞察ボーナスを得る。さらに、術者は視認困難な目標に対する攻撃に適用される失敗確率の作用を受けない。


トゥルー・リザレクション

True Resurrection/完全蘇生
系統召喚術(治癒);呪文レベルクレリック9
発動時間10分
構成要素音声、動作、物質、信仰(25,000gpの価値のあるダイアモンド)
 レイズ・デッドと同様だが、クレリックは術者レベル×10年前までに死んだクリーチャーを蘇生させることができる。この呪文は肉体が完全に破壊されたクリーチャーでも、術者が何らかの方法で死者を正確に指定できるなら(死者の生まれた日時と場所、あるいは死んだ日時と場所を列挙するのが一般的な方法である)、生き返らせることができる。
 呪文が完成すれば、クリーチャーは即座に、負のレベルを被ったり(または【耐久力】ポイントを失ったり)、死亡したときに維持していた準備した全ての呪文を失ったりすることなく、ヒット・ポイントも気力も健康も完全に回復する。
 術者は[即死]効果によって殺された者や、アンデッド・クリーチャーにされ、しかる後に滅ぼされた者をも生き返らせることができる。また、エレメンタルや来訪者を蘇生させることすらできる。だが人造クリーチャーやアンデッド・クリーチャーを蘇生させることはできない。
 トゥルー・リザレクションでも老衰によって死亡したクリーチャーを生き返らせることはできない。


ドミネイト・アニマル

Dominate Animal/動物支配
系統心術(強制)[精神作用];呪文レベルドルイド3
発動時間1ラウンド
構成要素音声、動作
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標動物1体
持続時間1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;呪文抵抗
 この呪文により、術者は動物1体に心術をかけ、単純な命令(「攻撃せよ」「とってこい」「走れ」等)により指図できるようになる。自殺的あるいは自滅的な命令(ドミネイトされた動物よりサイズ分類が2段階以上大きいクリーチャーを攻撃しろというのも含む)は単に無視される。
 ドミネイト・アニマルは術者と対象のクリーチャーの間に精神的なつながりを作りだす。対象の動物がこの呪文の距離内にある限り、言葉を発することなく心の中で命じるだけで指図できる。対象の動物を制御するには、相手が見えている必要はない。術者はその動物の見ているものが直接見えたり、聞いているものが直接聞こえたりするわけではないが、相手がどんな目にあっているかはわかる。術者は術者自身の知力をもとにして動物に指図を与えているのだから、くだんの動物は、普通なら理解もできないような行動まで実行できるようになる。たとえば前足や口で物体を操作することも可能である。普通、術者は動物の制御だけに精神集中している必要はないが、その動物が普通ではできないようなことをやらせる場合、精神集中が必要になる。指示内容を変更したり、支配しているクリーチャーに新たな命令を与えることは、“呪文を向け直す”のに相当し、従って移動アクションである。


ドミネイト・パースン

Dominate Person/人物支配
系統心術(強制)[精神作用];呪文レベル ウィザード/ソーサラー5、バード4
発動時間1ラウンド
構成要素音声、動作
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標人型生物1体
持続時間1日/レベル
セーヴィング・スロー意志・無効;呪文抵抗
 術者は対象の精神との間に作り出すテレパシー的なつながりを通じて、あらゆる人型生物の行動を制御できる。
 術者と対象が同じ言語を知っているなら、術者は相手を、相手の能力の範囲内でおおむね自分の望む通りに行動させることができる。同じ言語を1つも知らないなら、ごく初歩的な命令を与えることしかできない。「あっちへ行け」「こっちへ来い」「じっと立っていろ」「戦え」等である。術者には対象がどんな目にあっているかはわかるが、対象の見ているものが直接見えたり、聞いているものが直接聞こえたりするわけではないし、対象が術者に対してテレパシーによって意思疎通できるわけでもない。
 いったん術者が支配したクリーチャーに命令を下すと、そのクリーチャーは日々の生存に必要なもの(睡眠、食事など)を除く他のありとあらゆる活動に優先して、その命令を遂行しようと試み続ける。このように活動パターンが狭まるため、(DC25ではなく)DC15に対する〈真意看破〉判定に成功すれば、対象の行動が心術効果の影響下にあると知ることができる(〈真意看破〉技能の解説を参照)。
 命令内容を変更したり、支配しているクリーチャーに新たな命令を与えることは移動アクションである。
 呪文に精神を集中(標準アクション)することで、術者は対象がすべての知覚を用いて感じ取り、解釈した感覚を受け取ることができるが、それでも、対象は術者と意思疎通を行なうことはできない。術者は実際に対象の目を通して見るわけではないので、自分自身がその場所にいるほど鮮明に知覚できるわけではないが、それでも何が起こっているのかについて、かなりの情報を得ることができる。
 対象はこの制御に逆らおうとするし、自分の本性に反する行動をするように強制された対象は+2のボーナスを得て、改めてセーヴィング・スローを行なうことができる。明らかに自殺的な命令は実行されない。一度制御が確立してしまえば、術者と対象が同じ次元界にいる限り、対象を制御できる距離は無限である。対象を操るには、相手が見えている必要はない。
 術者が毎日少なくとも1ラウンドをこの呪文への精神集中に費やさなければ、対象は支配を脱するための、新たなセーヴィング・スローを行なうことができる。
 対象にプロテクション・フロム・イーヴルやそれに類する呪文がかかれば、術者は対象を操ることも、テレパシー的なつながりを使用することもできなくなる。ただし、そうした効果によって自動的に解呪されるわけでもない。


ドミネイト・モンスター

Dominate Monster/怪物支配
系統心術(強制)[精神作用];呪文レベルウィザード/ソーサラー9
目標クリーチャー1体
 ドミネイト・パースンと同様だが、この呪文はクリーチャーの種別によって制限されない。


トラップ・ザ・ソウル

Trap the Soul/魂の牢獄
系統召喚術(招来);呪文レベルウィザード/ソーサラー8
発動時間1標準アクションあるいは本文参照
構成要素音声、動作、物質(捕らえようとするクリーチャーのヒット・ダイスごとに1,000gpの価値のある宝石1つ)
距離近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標クリーチャー1体
持続時間永続;本文参照
セーヴィング・スロー本文参照;呪文抵抗可;本文参照
 トラップ・ザ・ソウルは1体のクリーチャーの生命力とその物質的肉体を宝石の中に閉じ込める。宝石は捕らわれた存在を宝石が壊れるまで永久にその中に閉じ込める。宝石が壊れると、生命力は解放され、その肉体も再構成される。捕らわれたクリーチャーが他の次元界からやって来た強力なクリーチャーである場合、これを解放する者は、クリーチャーに対して、解放の代償として1つの奉仕を解放直後に行なうことを要求することができる。そうでない場合、捕らわれていた宝石が壊れれば、クリーチャーは解放される。
 どちらのバージョンを選ぶかによって、この呪文は以下の2つのうちどちらかの方法で作動する。
 呪文完成型:第一に、この呪文は標準アクションとして最後の言葉を唱えることで、あたかも術者が対象に通常通り呪文を発動したかのように完成させることができる。この場合、対象は効果を免れるために呪文抵抗(あれば)と意志セーヴを行なうことができる。クリーチャーの名前も唱えられた場合、呪文抵抗はあっても無視され、セーヴDCは2上昇する。セーヴか呪文抵抗のいずれかに成功すれば、宝石は砕け散る。
 作動体型:第二の方法はさらに油断ならないものである。というのも、こちらは対象を欺いて呪文の最後の言葉を彫り込んだ作動体となる物体を受け取らせ、自動的にそのクリーチャーの魂を宝石の中に捕らえてしまうものだからである。この方法を使うには、宝石に呪文をかける際にクリーチャーの名前と作動させるための言葉の両方を作動体となる物体に彫り込んでおかなければならない。シンパシーの呪文を作動体となる物体にかけておくこともできる。対象が作動体となる物体を拾い上げたり受け取ったなら即座に、その生命力は呪文抵抗やセーヴの恩恵を得られずに自動的に宝石の中へと捕らわれてしまう。


トランスフォーメーション

Transformation/資質変換
系統変成術;呪文レベルウィザード/ソーサラー6
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質(術者が飲むポーション・オヴ・ブルズ・ストレンクス。このポーションの効果は呪文の効果に含まれている)
距離自身
目標術者
持続時間1ラウンド/レベル
 術者はより強く、より頑丈で、より素早く、より戦闘の技量に長けた戦闘マシンとなる。術者の思考傾向も変わって戦闘を楽しむようになり、呪文は魔法のアイテムから発動することすら不可能になる。
 術者は【筋力】と【敏捷力】と【耐久力】への+4強化ボーナス、ACへの+4外皮ボーナス、頑健セーヴへの+5技量ボーナス、すべての単純武器と軍用武器への習熟を得る。基本攻撃ボーナスは術者のキャラクター・レベルに等しくなる(これにより複数回攻撃が可能になることもある)。
 一方、術者は呪文発動能力を失う。spell activation 型(訳注:spell trigger、呪文解放型のこと?)や呪文完成型の魔法のアイテムを使用する能力までも失う。それはあたかも、一切の呪文がもはや術者のクラスの呪文リストに入っていないかのようである。


トランスポート・ヴァイア・プランツ

Transport via Plants/植物渡り
系統召喚術(瞬間移動);呪文レベルドルイド6
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作
距離無限
目標術者、および接触した物体または他の接触した同意するクリーチャー複数
持続時間1ラウンド
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗不可
 術者は(術者と同じサイズ分類以上の)普通の植物の中へ入り、同じ種類の別の植物へと、その2つの植物の間の距離がどれだけあろうと1ラウンドで跳び越えて行ける。その植物は生きているものでなければならない。行き先となる植物は術者のよく知っているものである必要はない。特定の種類の行き先植物の位置についてよく知らない場合、術者は単に方向と距離を指定すればよく、トランスポート・ヴァイア・プランツの呪文は術者を指定した場所に可能な限り近いところに連れて行く。特定の行き先植物を指定したが、その植物が生きているものでなかった場合、呪文は失敗し、術者は入口植物から排出される。
 術者は合計重量が自分の最大過重までの物品を運んでゆくことができる。また、術者レベル3レベルごとに1体の、同意する中型または小型サイズのクリーチャー(と、その最大過重までの物品)、ないしそれに相当するもの(後述)を連れてゆくことができる。大型クリーチャーは中型クリーチャー2体相当、超大型クリーチャーは中型クリーチャー4体相当、等々と勘定する。この呪文により移送される全クリーチャーは互いの体に接触しており、うち1体以上が術者と接触していなければならない。
 この呪文を使って植物クリーチャーから植物クリーチャーへの移動を行なうことはできない。
 中に入っている間に植物が破壊された場合、術者は死ぬ。術者といっしょに旅しているクリーチャーがいた場合、みな死ぬ。そして死体や運んでいた物品はみな植物の外に排出される。


トランスミュート・マッド・トゥ・ロック

Transmute Mud to Rock/泥を岩に
系統変成術[地];呪文レベルウィザード/ソーサラー5、ドルイド5
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質/信仰(砂、石灰、水)
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果範囲一辺10フィートの立方体2個ぶん/レベルまで(自在)
持続時間永続
セーヴィング・スロー本文参照;呪文抵抗不可
 この呪文は通常の泥や流砂を、それがどれほどの深さであろうと、永久に柔らかい石(砂岩かそれに類する鉱物)へと変える。
 泥の中にいたクリーチャーは効果範囲が固化して石となる前に脱出するために反応セーヴを行なうことができる。
 トランスミュート・マッド・トゥ・ロックトランスミュート・ロック・トゥ・マッドを相殺し、解呪する。


トランスミュート・メタル・トゥ・ウッド

Transmute Metal to Wood/金属を木に
系統変成術;呪文レベルドルイド7
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、信仰
距離長距離(400フィート+40フィート/レベル)
効果範囲半径40フィートの爆発内の金属製の物体すべて
持続時間瞬間
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗可(物体;本文参照)
 この呪文により、術者は効果範囲内のすべての金属製の物体を木製のものに変えることができる。クリーチャーが運搬している武器、防具、その他の金属製の物体も作用を受ける。金属製の魔法の物体は事実上、この呪文に対して20+術者レベルの呪文抵抗を有する。アーティファクトを変成することはできない。金属から木に変えられてしまった武器は攻撃とダメージのロールに-2のペナルティを被る。金属から木に変えられてしまった鎧はACへのボーナスが2減少する。この呪文によって変化した武器は攻撃ロールで出目が1か2であれば砕け、壊れてしまう。この呪文によって変化した鎧は攻撃ロールの出目が19か20で命中を受けた場合、そのたびごとにACボーナスをさらに1点ずつ失う。
 ウィッシュミラクルリミテッド・ウィッシュなどの呪文やそれに類する魔法のみが変成された物体を金属の状態へと戻すことができる。


トランスミュート・ロック・トゥ・マッド

Transmute Rock to Mud/岩を泥に
系統変成術[地];呪文レベルウィザード/ソーサラー5、ドルイド5
発動時間1標準アクション
構成要素音声、動作、物質/信仰(土と水)
距離中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果範囲一辺10フィートの立方体2個ぶん/レベルまで(自在)
持続時間永続;本文参照
セーヴィング・スロー本文参照;呪文抵抗不可
 この呪文はありとあらゆる種類の(切り出されたり加工されたりしていない)自然の岩を、同じ体積の泥に変える。この呪文は、魔法の石や魔法のかかった石には作用しない。できた泥の深さが10フィートを超えることはない。空中浮揚や飛行などで泥から離れるすべを持たないクリーチャーは腰か胸の深さまで沈み、移動速度は5フィートに下がり、攻撃ロールとACに-2のペナルティを被る。立ち木やそれに準ずるものを泥の上に倒せば、その上に上がれたクリーチャーは沈まずにすむ。泥の底に足をついて歩けるだけの大きさのあるクリーチャーは、泥に覆われた範囲を移動速度5フィートで渡ることができる。
 トランスミュート・ロック・トゥ・マッドが洞窟やトンネルの天井にかけられた場合、泥は床に落下し、深さ5フィートのぬかるみとなる。落ちてくる泥と、その後に発生する落盤のため、対象となった範囲の真下にいたものはすべて8d6ポイントの殴打ダメージを被る。反応セーヴに成功したものはその半分のダメージを被る。
 城や大きな石造りの建物はたいていこの呪文の効果を受けない。というのも、トランスミュート・ロック・トゥ・マッドは加工された石には効果がないし、そうした建物の基礎を掘り崩すほど深くまでは届かないからである。しかし、小さな建物や建造物はしばしば浅い基礎の上に立っており、この呪文で損害を与えたり、部分的に倒壊させたりできる。
 泥はディスペル・マジックに成功するか、トランスミュート・マッド・トゥ・ロックの呪文で材質を元に戻すまでそのままである(材質が元に戻ったとしても、形まで元に戻るとは限らない)。水分が蒸発するので、何日かたてば泥から普通の土になる。正確にどのくらいかかるかは、太陽や風にどのくらいあたるか、自然の水はけがどの程度かによる。
 トランスミュート・ロック・トゥ・マッドトランスミュート・マッド・トゥ・ロックを相殺し、解呪する。


ドリーム

Dream/夢のたより
系統幻術(惑乱)[精神作用];呪文レベルウィザード/ソーサラー5、バード5
発動時間1分
構成要素音声、動作
距離無限
目標接触した生きているクリーチャー1体
持続時間本文参照
セーヴィング・スロー不可;呪文抵抗
 術者、あるいは術者が接触した使者は、他の者に夢のかたちで伝言を送ることができる。呪文の開始時点で、術者は夢の受け手を名前か、誰を指すのかはっきりわかる称号を挙げて指定しなければならない。次に使者はトランス状態に入り、受け手の夢のなかに現れて伝言を届ける。伝言はどれだけ長くても構わず、受け手は目を覚ました後も伝言を完全に憶えている。この通信は一方通行である。受け手は質問をしたり、情報提供したりできず、また、使者が受け手の夢を観察して情報を得るなどということもできない。
 伝言を届けてしまったら、使者の精神は即座に元の肉体に戻る。この呪文の持続時間は、使者が受け手の夢のなかに入り、伝言を届けるのにかかる時間である。
 呪文の開始時点で夢の受け手が起きていたら、使者は目を覚まして呪文を終わりにするか、トランス状態のままでいるかを選ぶことができる。使者は受け手が眠るまでトランス状態のままでいて、相手が眠ったら通常通りに夢の中に入って伝言を届けることができる。トランス状態にある使者に何らかの邪魔が入ったら、使者は目を覚まし、呪文は終了する。
 眠らないクリーチャーや、夢を見ることのないクリーチャーに、この呪文を使って接触することはできない。
 トランス状態にある間、使者は自分の肉体の周囲の環境やそこで行なわれている活動には気付かない。トランス状態にある間は、肉体的にも精神的にも無防備である(たとえば、セーヴィング・スローには必ず失敗する)。


最終更新:2015年04月01日 14:16