上級クラス
出典 Adventurer's Guide 90ページ 、
Inner Sea World Guide 278ページ
新米の
大郷士 が、全て一人前のヘルナイトになるために必要な能力を備えているとは限らない。しかし能力を備えた者はより強力になるにつれ、さまざまな能力を手に入れることができる。特定のヘルナイトが持つ力や注力する領分は、その騎士団によって異なるが、すべてのヘルナイトは、彼らが存在感を示している地域では普遍的に恐れられ、同時に尊敬されている。ほとんどのヘルナイトは秩序にして中立であり、善や悪といった雑念に「汚染」されることを誇りを持って避けているが、権力を握る者の一部には専制的で残酷な性質を持つものもいる。
必要条件
ヘルナイトになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
属性 :いずれかの秩序。
防具の習熟 :重装鎧に習熟していなければならない。
基本攻撃ボーナス :+5。
技能 :
〈威圧〉 5ランク、
〈知識:次元界〉 2ランク。
特殊 :自分のキャラクター・レベルよりもヒット・ダイスの高いデヴィルを倒さなければならない。この勝利はヘルナイトによって証明されなければならない。
クラス技能
レベル毎の技能ランク :2+【知力】修正値。
ヒット・ダイス :d10。
クラス特徴
秩序のオーラ(変則)/Aura of Law :ヘルナイトの秩序のオーラは(
ディテクト・ロー 呪文参照)、ヘルナイトのキャラクター・レベルに等しいレベルのクレリックのオーラとして機能する。
騎士団/Order :1レベルの時点で、キャラクターは所属するヘルナイトの騎士団を1つ選択しなければならない。騎士団の一覧については89ページを参照。キャラクターがどの
鍛技 を選択できるかは、騎士団によって決定される。
混沌を討つ一撃(超常)/Smite Chaos :この能力はパラディンの
悪を討つ一撃 クラス特徴と同様に機能するが、混沌属性のクリーチャーに対して作用する点が異なる。この能力は、(混沌)の副種別を持つ来訪者、混沌属性の異形およびフェイに対して2倍の効果を発揮する。
ディサーン・ライズ(擬呪)/Discern Lies :2レベルの時点で、ヘルナイトは1日に3+【魅力】修正値に等しい回数だけ、擬似呪文能力として
ディサーン・ライズ を使用できる。術者レベルはキャラクター・レベルに等しい。
ヘルナイトの鎧(変則)/Hellknight Armor :2レベルの時点で、ヘルナイトは
ヘルナイト・プレート を着用する権利を得る(97ページを参照)。この鎧を身に着けたとしても、ヘルナイトの移動速度が低下することはない。この鎧を着用している間、ヘルナイトは防具による判定ペナルティを1減少させ、ACに対する【敏捷力】ボーナス上限を1だけ増加させる。5レベルの時点で、これらの修正値は2に増加する。8レベルの時点で、これらの修正値は3に増加する。
鍛技/Disciplines :3レベルの時点で、ヘルナイトは最初の鍛技として、自分の所属する特定の騎士団に関連する鍛技を選択し、使用できるようになる。6レベルの時点で、ヘルナイトは「任意の騎士団」で利用可能であると一覧に記載されている鍛技から1つを選択して、2番目の鍛技を得る。9レベルの時点で、ヘルナイトは3番目の鍛技を得る。この鍛技は五芒星の信仰を除く、他の騎士団の鍛技も含めた全ての鍛技から選択する。セーヴを行える場合、鍛技の効果に抵抗するためのセーヴDCは10+ヘルナイトのレベル+【魅力】修正値に等しい。ヘルナイトは1日に修得している鍛技の総数に等しい回数だけ1つの鍛技を使用できる。そのため、3レベルの時点で、ヘルナイトは1日に1回鍛技を使用できる。6レベルの時点で、ヘルナイトは両方の鍛技を1日に2回ずつ使用できる。9レベルの時点で、ヘルナイトは両方の鍛技を1日に3回ずつ使用できる。
意志の力(変則)/Force of Will :3レベルの時点で、ヘルナイトは、以下の副系統または補足説明から1つを選ぶ:(強制)、(恐怖)、(虚像)、(幻覚)、(紋様)、(惑乱)。その副系統または補足説明を持つ呪文に対する意志セーヴに、ヘルナイトは+2のボーナスを得る。6レベルの時点で、ヘルナイトはこの一覧から異なる副系統または補足説明を1つ選択し、その種別の呪文に対する意志セーヴに+2のボーナスを得るとともに、最初に選択した種別に対して与えられるボーナスは+4に増加する。9レベルの時点で、ヘルナイトはさらに一覧から異なる副系統または補足説明を1つ選択し、以前に選択したものは2増加する。その結果、3つの異なる種別の呪文に対してそれぞれ+6、+4、+2のボーナスを得る。
秩序をもたらすもの(変則)/Lawbringer :7レベルの時点で、ヘルナイトの攻撃はダメージ減少を克服する目的において秩序として扱われる。
地獄の鎧(超常)/Infernal Armor :
ヘルナイト・プレート を着用している限り、9レベルのヘルナイトが秩序で善でないクリーチャーとやりとりする際に行われた、全ての【魅力】に関連する判定に+2のボーナスを得る。加えて、アーマーを着用している間、あらゆる闇を見通す能力(訳注:
闇を見通す か?)、[火炎]に対する
抵抗 30、[強酸]に対する
抵抗 10、[氷雪]に対する
抵抗 10を得る。
地獄の騎士(超常)/Hell's Knight :10レベルの時点で、ヘルナイトは自分が使用しているか、自分の接触した接触した武器1つに
アクシオマティック 、
アンホーリィ 、
フレイミング・バースト の武器の特殊能力のいずれか1つを付与できる。この武器は、ヘルナイトが武器から100フィート以内にいる限りこの特殊能力を保持する。しかしヘルナイトは、同時に1つの武器にしか付与した特殊能力を維持できない。ヘルナイトは
ヘルナイト・プレート を着用している間、[火炎]に対する
完全耐性 を得る。
出典 Adventurer's Guide 92ページ 、
Paths of Prestige 28ページ
ヘルナイト・シグニファーは、ヘルナイトの騎士団の呪文部隊を構成する。彼らは顔の見えない秩序の執行者として働き、その魔法の力を使って犯罪者を執拗に根絶し、法の条項によって罰する。彼らが仮面――特徴のないものが多い――を被るのは、非人間的な法の代理人であることを示し、感情移入することなく、感情から切り離され、全ての違法者に公正な判断を下すためである。シグニファーの特徴的な仮面は、法の戒律と厳格な正義への献身の象徴であり、シグニファーの力のいくつかの焦点具として機能する。伝統的に、シグニファーは秘術呪文または信仰呪文の使い手である。シグニファーは秩序属性でなければならないため、この上級クラスとなる
クレリック は一般に秩序属性の神格を崇拝し、その大多数はアバダルまたは
アスモデウス を崇拝する。悪魔信仰の傾向こそあるものの、全体としてシグニファーの善悪観は、なによりヘルナイトの騎士団によって定義され、他の全ては二の次である。念術呪文の使い手がヘルナイト・シグニファーになることは確かに可能だが、今日までそのような事例は様々なヘルナイトの騎士団でも比較的珍しいことだった。しかし、やがてそのような魔法が広まり、受け入れられるようになれば、念術のヘルナイト・シグニファーがより一般的になるかもしれない。
必要条件
ヘルナイト・シグニファーになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
属性 :いずれかの秩序。
防具の習熟 :中装鎧の習熟。
特技 :
《神官戦士》 UM または
《秘術使いの鎧訓練》 。
技能 :
〈威圧〉 2ランク、
〈呪文学〉 5ランク、
〈知識:次元界〉 5ランク。
呪文 :3レベル呪文を発動する能力。
特殊 :自分のキャラクター・レベルよりもヒット・ダイスの高いデヴィルを倒さなければならない。この勝利はヘルナイトによって証明されなければならない。
クラス技能
レベル毎の技能ランク :2+【知力】修正値。
ヒット・ダイス :d8。
クラス特徴
ヘルナイト・シグニファー上級クラスのクラス特徴は以下の通り。
武器と防具の習熟 :ヘルナイト・シグニファーは重装鎧と自身の騎士団の好む武器1つへの習熟を得る(騎士団の詳細は93ページ参照)。
秩序のオーラ(変則)/Aura of Law :ヘルナイト・シグニファーの秩序のオーラは(
ディテクト・ロー 呪文参照)、ヘルナイト・シグニファーのキャラクター・レベルに等しいレベルのクレリックのオーラとして機能する。
教理教授(変則)/Catechesis :ヘルナイト・シグニファーが
《神官戦士》 特技を修得している場合、領域能力、審問、神秘を決定する目的において、クラス・レベルは他の信仰呪文の呪文発動能力のクラスと累積する。これによって新しい力や能力を得ることはない。加えて
《神官戦士》 特技を持つヘルナイト・シグニファーは、ボーナス特技として
《来訪者へのエネルギー放出:混沌》 を得、回復または与えるダメージの総量とエネルギー放出のセーヴィング・スローDCを決定する目的において、ヘルナイト・シグニファー・レベルをクレリック・レベルとして扱う。
騎士団/Order :ヘルナイト・シグニファーは1レベルの時点で参加するヘルナイトの騎士団を1つ選択する。最も一般的なヘルナイトの騎士団(括弧内は好む武器)はゲート騎士団(ダガー)、ゴッドクロウ騎士団(モーニングスター)、スカージ騎士団(ウィップまたはヘヴィ・メイス)、チェイン騎士団(フレイル)、ネイル騎士団(ハルバードまたはランス)、パイア騎士団(グレイヴ)、ラック騎士団(ウィップまたはロングソード)である。
シグニファーの仮面(超常)/Signifer Mask :入団に際し、ヘルナイト・シグニファーは仮面を受け取る。多くの場合、この仮面には視線を通すための穴やその他の個人的な特徴はない。この仮面はヘルナイト・シグニファーの視界を遮ることはなく、着用している間、
〈真意看破〉 判定と、視覚効果に依存する呪文や能力に対するセーヴィング・スローに+2の技量ボーナスを得る。
秘術の絆クラス特徴で絆の品を選択したヘルナイト・シグニファーは、500GPの費用と完了までに8時間かかる特別な儀式を行うことができる。この儀式は
シグニファーの仮面 を、頭部の装備部位を占める新しい絆の品に変換する。そうするなら、絆の品に追加できる魔法の能力を決定する目的において、ヘルナイト・シグニファー・レベルは秘術の絆を与えているクラス・レベルと累積する。
秘術使いの鎧訓練(変則)/Arcane Armor Expertise :2レベルの時点で、ヘルナイト・シグニファーが
《秘術使いの鎧訓練》 に修得しているなら、ボーナス特技として
《秘術使いの鎧体得》 を得る。5レベルの時点で、この特技を使用するために必要なアクションは即行アクションからフリー・アクションに変更される。
シグニファーの鎧訓練(変則)/Signifer Armor Training :3レベルの時点で、
ヘルナイト・プレート を着用している間、ヘルナイト・シグニファーは防具による判定ペナルティを1(最小0)、秘術呪文失敗確率を5%減少させる。8レベルの時点で、防具の判定ペナルティを1、秘術呪文失敗確率を5%追加で減少させる。加えて8レベルの時点で、中装鎧または重装鎧を着用してヘルナイト・シグニファーの移動速度が低下するとき、独自の訓練によって移動速度の低下は5フィート軽減される。
精励な凝視/Assiduous Gaze :4レベルと7レベルの時点で、ヘルナイト・シグニファーは以下の一覧から選択した精励な凝視を得る。へルナイト・シグニファーは1日にクラス・レベルの半分に等しいラウンド数の間、自身が持つ精励な凝視能力を使用できる。これらのラウンド数は連続している必要はない。へルナイト・シグニファーは30フィート以内に存在するクリーチャー1体、物体1つ、または5フィート四方のマス1つを調べるために、即行アクションとして精励な凝視能力を起動できる。へルナイト・シグニファーはこれらの能力を使用するために自身の
シグニファーの仮面 を着用していなければならない。この能力を使用する間の術者レベルはキャラクター・レベルに等しい。
解明(超常)/Elucidation :ヘルナイト・シグニファーは、目標に現在効果を発揮している各呪文を識別できる。これには、呪文の効果や術者レベルが含まれる。
精査(超常)/Scrutiny :ヘルナイト・シグニファーは、「目標が擬似呪文能力または呪文発動能力を持っているのか」「呪文発動能力が秘術、信仰、念術のどれであるか」「目標が現在利用可能な最も強力な呪文または擬似呪文能力の強さ(
ディテクト・マジック 参照)」を識別できる。
真実(擬呪)/Veracity :ヘルナイト・シグニファーは、
トゥルー・シーイング を使用しているかのように目標を観察できる。この能力を選択するには、ヘルナイト・シグニファーは7レベルでなければならない。
警戒(超常)/Vigilance :ヘルナイト・シグニファーは、最大5フィートの石、木、または同様の障壁を、存在しないかのように透かして見ることができる。この効果はいかなる種類の金属も見通せない。
ディサーン・ライズ(擬呪)/Discern Lies :6レベルの時点で、ヘルナイト・シグニファーは1日に3+【魅力】修正値に等しい回数だけ擬似呪文能力として
ディサーン・ライズ を使用できる。術者レベルは合計キャラクター・レベルに等しい。
地獄の抵抗力(変則)/Infernal Resilience :9レベルの時点で、ヘルナイト・シグニファーはダメージ減少5/混沌と、毒に対する完全耐性を得る。
悪魔の前触れ(超常)/Diabolic Harbinger :10レベルの時点で、
シグニファーの仮面 を着用している限り、ヘルナイト・シグニファーは距離100フィートのテレパシーを得、魔法と通常の両方の暗闇を完全に見通すことができるようになる。
シグニファーの仮面 を着用している間、ヘルナイト・シグニファーは
目が眩んだ状態 と
盲目状態 効果に完全耐性を得るとともに、秩序クリーチャーとやりとりする目的における全ての【魅力】判定に+2のボーナスを得る。クリーチャーが来訪者でもある場合、このボーナスは+4に増加する。
アーキタイプ
大郷士(ファイターのアーキタイプ) Armiger
出典 Adventurer's Guide 94ページ
ヘルナイトになる者は“テスト/Test”と呼ばれる試練――召喚された
デヴィル と一騎打ちし、勝利するか死ぬかする――を受けるまでは大郷士/Armigerと呼ばれる。これはヘルナイトの訓練生(シグニファーとなるための訓練生も含む)に対する包括的な用語だが、ヘルナイトになるための訓練に集中している
ファイター に対しても用いられる。階級がないにもかかわらず、大郷士は熟練した危険な戦士である。
ほとんどの大郷士は所属する騎士団の城塞で生活し訓練しながら、一人前のヘルナイトになる日を目指している。この大郷士たちは残酷で厳格な日課をこなす。何時間もかけて他の訓練生との戦闘技術を磨き、城塞の図書館で執拗に勉強し、『法令と鎖/the Measure and the Chain』として知られるヘルナイトの哲学の一節を暗記する。一定期間ごとに大郷士の分隊は城塞から現れ、近隣の都市や辺境の地を巡回し、ヘルナイトの法や騎士団の勅令を執行するために働く。
ときには、城塞から離れた場所に赴き、法を犯す者を探し出し、必要な手段を何でも使って裁きを下す大郷士もいる。一人前のヘルナイトの従者としてそうする者もいれば、単独で旅をしたり、冒険者の集団に加わったりする者もいる。冒険者人生の滅茶苦茶な日課を補うため、そして冒険者仲間を存在させるのに必要となる頻繁な妥協を補うために、このような放浪する大郷士は頻繁に清算を行う筈である。自分の体を傷つけたり、熱湯を飲んだりするような苦痛を伴うそうした精算行為はヘルナイトとなる者を鍛え続け、“法令と鎖”の厳しさに集中させ続ける。
ボーナス特技/Bonus Feats :ファイターのボーナス特技を選択する時、大郷士は名前に「ヘルナイト」という単語を含む特技(Pathfinder Campaign Setting: Path of the Hellknight の62ページに示されているものなど)を戦闘特技であるかのように選択できる。
これはファイターのボーナス特技を変更する。
ヘルナイトの騎士団/Hellknight Order :1レベルの時点で、大郷士は参加するヘルナイトの騎士団を選択しなければならない。大郷士が後でヘルナイト上級クラスのレベルを得た場合、同じ騎士団を選択しなければならない。
これはファイターのクラス技能とレベル毎の技能ポイントを変更し、1レベルと10レベルの時点で得るファイターのボーナス特技と置き換える。
熱中(超常)/Ardent :大郷士の信念を揺るがすのは難しい。2レベルの時点で、大郷士は(魅惑)効果に対する意志セーヴに+1のボーナスを得る。2レベル以降4レベル毎に、このボーナスは1ずつ増加する。1日1回、大郷士が(魅惑)または(強制)効果の影響下にあって自分の騎士団の信念や価値観に反対の行動を余儀なくされた場合、即座に命令の効果のDCに対する意志セーヴを試み、その行動に抵抗することができる。成功しても(魅惑)または(強制)効果は取り除かれないが、大郷士は自分の信念を裏切ることに抵抗できるようになる。
これは武勇と置き換える。
デヴィル束縛師(サモナー[アンチェインド版]のアーキタイプ) Devil Binder
出典 Adventurer's Guide 94ページ
多くの人は、ヘルナイトが悪魔の崇拝者や代理人――あるいはせいぜい地獄の領域にいる騙された操り人形――だと思っているが、ほとんどのヘルナイトは、ヘルとそこに生息するデヴィルを征服すべき挑戦だと考えている。(残酷ではあるが)純粋な法の存在を支配できれば、その法の力は当然自らのものになる。完全なヘルナイトになろうとする者が受ける“テスト”はこの力を得るための一つの方法であるが、デヴィル束縛師はこの哲学をさらに進めて、デヴィルを強制的に使役させる。
デヴィル束縛師の幻獣は、一般的なサモナーの幻獣とは異なり、哲学的な考え方が似ているという理由で自ら進んで主人に仕えることはない。デヴィル束縛師(特にヘルに仕える者)の中にはヘルの使者との友好的な関係を求める者もいる。しかしその一方で、幻獣を単なる道具として扱い、デヴィルたちに冷酷に戦いを命じる者もいる。サモナーの魔法の絆の性質は、その召喚様式のために取り返しのつかないほど変わってしまう。デヴィル束縛師は、自分の幻獣から他次元界の真髄を借りて、自分自身が奇妙な能力を得て、幻獣の魔力を進化させる。
属性 :デヴィル束縛師が追求する地獄の契約と儀式は、デヴィル束縛師の魂に消えない穢れを残す。デヴィル束縛師の属性は秩序にして悪、または秩序にして中立でなければならない。
地獄の束縛(変則)/Infernal Binding :デヴィル束縛師は、(デヴィル)の副種別を持つ幻獣を選択しなければならない。デヴィル束縛師の幻獣は最大攻撃回数を増加することはなく、基本攻撃ボーナスはヒット・ダイスの半分に等しい。4レベルの時点と以降4レベル毎に、幻獣の【魅力】は2ずつ増加する。
これはサモナーの幻獣を変更する。
これはサモナーのサモン・モンスターIのクラス特徴を置き換える。
地獄との親和性(擬呪、超常、または変則)/Infernal Affinity :デヴィル束縛師は、自身の幻獣から地獄の力を捻じり取る。これにより、デヴィル束縛師は以下のレベルで、対応する地獄の者のソーサラーの血脈の力を得る。
堕落の接触 (4レベル)、
地獄の抵抗力 (8レベル)、
地獄の炎 (12レベル)、
暗き翼 (16レベル)、
深淵の力 (20レベル)。効果を決定する目的において、デヴィル束縛師は自身のサモナー・レベルをソーサラー・レベルとして扱う。
この能力は感覚結合、味方の盾、入れ替わり、上級味方の盾、融合形態、幻獣の双子を置き換える。
混沌を討つ一撃(超常)/Smite Chaos :6レベルの時点で、サモナーの幻獣はそのヒット・ダイスのヘルナイトと(90ページ参照)して、
混沌を討つ一撃 能力を得る。この能力は1日1回使用できる。6レベル以降4レベル毎に、1日の使用回数が追加で1回ずつ増加する。
この能力は創造者の呼び声および幻獣の忠誠能力を置き換える。
装備品
この裸の金属塊の長さは2~4フィートである。一端は持ち手として機能し、もう一端は正方形や円形などの単純な形を形成している。ヘルナイトの騎士団の印など、複雑な紋章を形成する一端を持つ焼き金はずっと高価なものである。
焼き金を直火で10分以上加熱すると赤熱する。木、革、皮または焦げる可能性のある表面に押し付けると、1ポイントの[火炎]ダメージを与え、焼け跡が残り、焼き金の紋章が火傷として残る。使用者は、同意するか
無防備状態 のクリーチャーに熱した焼き金で印をつけることができる。戦闘で代用武器として使用する場合、熱した焼き金はダメージを与え、攻撃されたクリーチャーにその紋章を残す。使用者が目標のクリーチャーの特定の場所に焼印をしようとしている場合、代用武器を使用することによるペナルティに加え、攻撃ロールに-4のペナルティを受ける。[火炎]ダメージに対して抵抗または完全耐性を持つクリーチャーに焼き金で焼印を行うことはできない。熱した焼き金は即座に熱を失う。再加熱が必要になるまで、火から下ろしてから5分以内に、クリーチャー1体に焼印を行える。
ヘルナイトは、しばしば自身の馬に自分と同様の鎧を装備させる。ヘルナイトの乗馬の典型的なバーディングには棘がつけられている(ただし、棘は装飾用であり、ダメージを与えることはできない)。このようなバーディングは通常、ホース・ライダーの鎧、もしくはスケルトン、フィーンディッシュ、またはナイトメアに似ているようにデザインされている。ヘルナイト・バーディングは
ヘルナイト・レザー 、
ヘルナイト・プレート (
Pathfinder Campaign Setting: The Inner Sea World Guide 290ページ )、または
ヘルナイト・ハーフプレート をもとに作られている。コストは4倍かかり、重量は2倍である。ヘルナイト・レザー・バーディングは乗騎の移動速度を40フィートから30フィート、50フィートから35フィート、60フィートから40フィートへと減速させる。ヘルナイト・ハーフプレート・バーディングまたはヘルナイト・プレート・バーディングも乗騎の移動速度を減速させ、その鎧を着用している乗騎は4倍ではなく通常の3倍の移動速度で疾走する。
ヘルナイト・シグニファーが着用している鎧は、装甲板、鎖、暗色の布で構成された鎧である。これはハーフプレートとして機能するが、中装鎧であるかのように着用し取り外すことができる。この鎧を着用した術者は
ヘルナイト・プレート の着用を必要とする特技や効果の目的で
ヘルナイト・プレート を着用しているかのように扱われる。この鎧には
シグニファーの仮面 が含まれているが、
シグニファーの仮面 は個別に購入できる。
この特徴的な鎧は、ヘルナイトの上級クラスのレベルを持つキャラクターが着用すると追加の効果を与える高品質のフル・プレートの特殊なものである。ヘルナイト・プレートは、その特徴的な外見を除いて(ヘルナイトの各騎士団には独自の様式がある)、高品質のフル・プレートと同様に機能する。
フル・プレート・アーマーを着用してしまうとヘルナイトの命を危険にさらす可能性がある。ヘルナイトの船員が主に着用するこのスタデッド・レザー・アーマーには、重い手袋と、頭蓋骨に見えるように――人間または水棲クリーチャーの頭蓋骨のいずれか――デザインされた彫刻のついた革製の兜が含まれている。ヘルナイト・レザーの
データ はスタデッド・レザーと同じだが、コストが5GP高く、重量が5ポンド重い。
ヘルナイト・シグニファーの威嚇するような、目のない仮面は最初にゲート騎士団の団員によって作成されたもので、内側から見ると半透明である。材料へのこの錬金術処理は、フル・ヘルムのように着用者の顔を覆い隠すが、着用者は
遮光ゴーグル (
Ultimate Equipment 72ページ )を通しているかのようにものを見ることができる。シグニファーの仮面を着用している場合、着用者は凝視攻撃に対処する時、常に目をそむけているものとして扱われ、視覚に基づく効果に対するセーヴィング・スローに+8の状況ボーナスを得る。この仮面の不透明な性質により、使用者は視覚に基づく
〈知覚〉 判定で-4のペナルティを受け、すべての相手は視認困難を得ているかのように扱われる(20%の失敗確率)。
ヘルナイト・シグニファー上級クラスのキャラクターはこの下面を通して通常通りものを見ることができる。しかし標準アクションとして、上記の通り機能するように仮面を調整できる。シグニファーの仮面はしばしば魔法で強化され、頭周りの装備部位を占めるアイテムとなる。加えて、ヘルナイト・シグニファー上級クラスのレベルを有するようになると、この仮面は
シグニファーの仮面 クラス特徴の利益と機能を与える(93ページ参照)。
魔法のアイテム
ゲルゴン・プレート
この虹色の
+3ヘルナイト・プレート は触ると冷たく、プレートを横切って渦巻くフィーンディッシュの特徴が冷たい霧を吹流している。この鎧の着用者は[氷雪]に対する抵抗10を得る。着用者から5フィート以内で移動を終了するクリーチャーはDC16の頑健セーヴィング・スローを行わねばならず、失敗すると鎧から発せられる冷気によって麻痺し、1ラウンドの間
よろめき状態 となる。セーヴィング・スローに成功したクリーチャーはこの
ゲルゴン・プレート の効果に24時間の間完全耐性を持つ。
ゲルゴン・プレート の着用者は、標準アクションとして、この効果を抑制または再起動できる。
この鎧を着用しているヘルナイト(または重装鎧に習熟しているヘルナイト・シグニファー)は1日2回
ウォール・オヴ・アイス を発動できる。
作成要項
シグニファーズ・フィスト
この
+1ライト・メイス は黒い鉄で鍛造されており、指の間から棘が突き出た握り拳のように見える。移動アクションとして、使用者は自身の秘術集積(メイガス
UM として)、1ポイントの秘術蓄積(アーケイニスト
ACG として)、または熱狂の1回の使用回数(ウォープリースト
ACG として)を費やして
シグニファーズ・フィスト で1回の近接攻撃を行うことができる。これらのオプションがないキャラクターは代わりにこの方法で1日1回標準アクションとして、
シグニファーズ・フィスト を起動できる。その攻撃がクリーチャーにダメージを与える場合、
シグニファーズ・フィスト はそのクリーチャーの種別(またはクリーチャーが人型生物あるいは来訪者の場合は副種別)に対して1分間の間
ベイン の武器特殊能力を得る。目標が出血に完全耐性を持つ場合、この利益は適用されないが、攻撃は通常通りダメージを与える。
作成要項
呪文
ブランド・オヴ・コンフォーミティ
この呪文は目標に国家、組織、または騎士団の紋章を刻みつけ、1ポイントのダメージを与える。印はクリーチャーの露出部分、通常は頭や前腕に刻む。このように刻み込まれている間、受信者はその種族言語と、母国語または初等文化の言語(この2つが異なる場合)を話したり理解したりする能力を失う。例えば、ショアンティ人に育てられたエルフは、エルフ語とショアンティ語を失う(両方の言語を修得している場合)一方で、ドワーフに育てられたハーフリングは、ハーフリング語とドワーフ語の両方を失う(両方の言語を修得している場合)。ノームに育てられたノームはノーム語を失うが他の言語は失わない。この呪文は共通語または地下共通語を抑制したり、呪文発動を妨げることはないが、目標のすべての言語を抑制すると目標がわかりやすく話すことができなくなることがある。ブランド・オヴ・コンフォーミティ は衣類の下に隠したり、擦り落とすことで取り除くことができる(後者は1d6ポイントのダメージを与えるが、そのダメージを回復すると印は戻る)。どちらの場合でも、ブランド・オヴ・コンフォーミティ の言語を抑制する要素は、隠されたり削られたりしても機能し続ける。
ブランド・オヴ・トラッキング
この呪文は目標上に目のシンボルや秩序の機関のシンボルをエッチングし、1d6ポイントのダメージを与える。印はクリーチャーの露出部分、通常は頭や前腕に刻む。目標はこのように刻印されている間、目標が術者の術者レベルにつき1マイル以内にいる限り、術者は1日2回標準アクションとして目標がどの方向にどれだけ離れているかを即座に判断できる。目標がこの範囲を超えて移動したり、別の次元界に移動したりすると、受信者の位置に関する情報を得られない。同様に、目標が占術呪文を妨害する呪文や効果によって守られていたり(
ノンディテクション など)、そのような範囲に移動したりする場合(
アンティマジック・フィールド によって作成された範囲など)、目標の場所に関する情報を得ることはできない。それ以外については、この効果は術者レベル毎に1分間継続する
ロケート・クリーチャー 呪文として機能する。
ミスリード によって騙されることはあるが、
ポリモーフ によって騙されることはない。
ブランド・オヴ・トラッキング は衣類の下に隠したり、擦り落とすことで取り除くことができる(後者は1d6ポイントのダメージを与えるが、そのダメージを回復するか1日経過すると印は戻る)。どちらの場合でも、
ブランド・オヴ・トラッキング の効果は隠されたり削られたりしても機能し続ける。
ブランド・オヴ・トラッキング を取り除くことはできないが、
マーク・オヴ・ジャスティス を取り除く方法で完全に取り除くことはできる(
Pathfinder RPG Core Rulebook 312ページ参照)。
ブランド・オヴ・ホブリング
この呪文は、目標上に手錠のシンボル、特定の刑務所、秩序の機関のシンボルをエッチングし、1d6ポイントのダメージを与える。印はクリーチャーの露出部分、通常は頭や前腕に刻む。受信者はこのように刻印がされている間、全ての移動速度が半分になる(5フィートの増加分までは切り捨て)。ブランド・オヴ・ホブリング は衣類の下に隠したり、擦り落とすことで取り除くことができる(後者は1d6ポイントのダメージを与えるが、そのダメージを回復すると印は戻る)。どちらの場合でも、ブランド・オヴ・ホブリング の効果は隠されたり削られたりしても機能し続ける。
ダージュ・オヴ・ザ・ヴィクトリアス・ナイツ
シェリアックスのオペラ『ヘルナイトの勝利/Victory of the Hellknights 』の一部を講演することで、騎乗しているヘルナイトの霊体の幻を呼び起こし、栄光の乗騎の蹄で敵を蹂躙する。影の騎士は隣接する10フィートのマスに現れ、指定した方向に前進し、経路内のすべてのクリーチャーに術者レベル毎に1d6ポイントのダメージを与える(最大20d6)。このダメージの半分は[氷雪]ダメージであるが、もう半分は秘術の力に直接起因し[氷雪]の抵抗や完全耐性の対象とならない。騎士は非実体のクリーチャーやアンデッドを妨害する障壁や[力場]効果を通過することはできない。
インファーナル・チャレンジャー
この呪文は
ビアデッド・デヴィル を招来し、指定した場所に出現させる。デヴィルが出現する半径50フィート以内の範囲は燻る赤い輝きで囲われる。この範囲は試験場である。この呪文の発動に成功するためには、呪文が発動している間デヴィルの挑戦者以外のクリーチャーがこの範囲内にいることはできない。
デヴィルが現れるラウンドで、デヴィルは自身を証し(通常は名前と名誉の簡単な朗読で)、唯一の定命のチャンピオンと戦う準備ができていると述べる。同じラウンドで、術者または術者が呪文を発動している間に指定したクリーチャーは、デヴィルの挑戦者を特定しなければならない。呪文の持続時間の間、デヴィルは挑戦者を殺すためにそのすべての力を使用する。デヴィルを制御したり、戦闘での行動に影響を与えたりすることはないが、デヴィルは試験場を離れることはできない。
サモン・モンスター や類似の呪文とは異なり、デヴィルを解除することはできない。むしろ、以下の基準のいずれかが満たされるまで召喚されたデヴィルは残り続ける:ヒット・ポイントが0未満になる、敗北する、挑戦者が殺害される、挑戦者が試験場を離れたり、挑戦者以外の源からダメージを受ける。これらの出来事のいずれかでデヴィルは消える。
デヴィルを召喚することは、通常悪の行いである。ヘルナイトの試験の実施以外の目的で発動した場合、この呪文は[悪]の補足説明を持つ。
シャックル
小型または中型の高品質の拘束具のセットを招来する。この呪文を発動するとき、枷か足枷(足首周りに噛み合うように特別に設計された枷)かを選択できる。また、自身に拘束具の鍵を招来する。鍵をかけた拘束具を開くための
〈装置無力化〉 DCは15+術者レベル+主要呪文発動能力値に等しい。通常は拘束具は術者の手に現れる。ただし呪文の発動の一部として、クリーチャーに近接接触攻撃を行うことができる。術者が成功し、クリーチャーが呪文のDCに対する反応セーヴィング・スローに失敗した場合、施錠された足枷がそのクリーチャーに留められているか、施錠された枷が術者とクリーチャーを一緒に留めているように見える。代わりに、枷で目標の前手足または後ろ手足を拘束することもできる。全ラウンド・アクションとして呪文を発動すると、間合い内の2体のクリーチャーに対して近接接触攻撃を行うことができる。両方の攻撃に成功し、両方のクリーチャーが反応セーヴィング・スローに失敗した場合、枷一組で目標同士をつなぐことができる。
レベルが上昇すると、拘束具が強くなり、拘束をより細かく制御できるようになる。6レベル以上の場合、拘束具をミスラル製にするか、超小型または大型の拘束具を招来できる。12レベル以上の場合、極小または超大型の拘束具を招来することができる。この呪文を発動している間、少なくとも1,000GPの価値のあるエメラルドを物質構成要素として使用する場合、この持続時間中に1回の標準アクションとして、術者レベル毎に1分間の持続時間を持つ
ディメンジョナル・アンカー として、これらの拘束具によって拘束されている全てのクリーチャーに影響を与えることができる。18レベル以上で、この呪文を発動する際に1,000GPの価値のあるエメラルドを物質構成要素として使用する場合、拘束具の硬度が30に増加し、60HPを持ち、【筋力】判定に成功しても破壊することができなくなる(前述の
ディメンジョナル・アンカー 効果も使用する場合、エメラルドは少なくとも2,000GPの価値のあるものでなければならない)。
以前の発動の持続時間が経過する前にこの呪文を発動した場合、新しい拘束具を作成するか、以前の呪文の持続時間を再設定できる。以前の発動で高価な物質構成要素を使用した場合、特殊効果を維持したい場合は新しい拘束具を作成するとき、または持続時間を再設定する時に、物質構成要素を再度使用しなければならない。以前に作成したシャックル に接触して持続時間を更新する必要はないが、シャックル と同じ次元界にいなければならない。この呪文が終了すると拘束具は消え、呪文によって作成された継続的効果はすべて終了する。
最終更新:2022年03月26日 00:13