魔法のアイテムの中で最も驚くべきものは、自らの知性を持つアイテムである。この驚くべき宝物は、単なる道具の領域を超え真の仲間へと足を踏み出してくれる。魔法によって自我を付与されたアイテムは、キャラクター同様に考え、感じることができるため、NPCとして扱うべきである。知性あるアイテムは追加能力や、時には変則的パワーや特殊用途も有している。知性を持てるのは(1回限りの使い切りアイテムや、チャージを持つアイテムではなく)恒久的な魔法のアイテムだけである(つまり、ポーション、巻物、ワンドなどのアイテムが知性を持つことはないということだ)。一般的に、魔法のアイテムのうち、知性を持つものは1%に満たない。
知性あるアイテムは【知力】、【判断力】、【魅力】の能力値を持つため、実際にクリーチャーと見なすことができる。人造クリーチャーとして扱うこと。知性あるアイテムは(魔法の武器と同様に)回数無制限で周囲を照らし出す能力を持っていることが多い。そうでもしなければ周囲を見ることができないものが多いからだ。
ほとんどの魔法のアイテムとは異なり、知性あるアイテムは持ち主の合言葉を必要とせずに、自分のパワーを起動することができる。知性あるアイテムは、イニシアチブ順においては、自分の持ち主のターンに行動する。
全ての知性ある魔法のアイテムは似通った特性を持つ。知性あるアイテムは属性、精神能力値、言語、知覚能力、そしてそれ以外に少なくとも1つの特殊能力を持つ。こうした特性や能力は作成時に改善させることができ、アイテムの合計価格を上昇させる。この種の能力の多くはアイテムの自我値を高める。高い自我値を持つ知性あるアイテムは支配するのが難しく、時には所持者を支配することもあり、所持には危険がともなう。
知性ある魔法のアイテムは基本価格が500gp上昇する。知性あるアイテムの合計価格を算出する際、知性を持つことによって得たすべての追加能力の価格を合計したものにこの価格を加え、その後にこの金額を魔法のアイテムの基本価格に加えること。
すべての知性あるアイテムは属性を持つ。知性ある武器は、公にであれそれとなくであれ、すでに属性を持っていることがあることに注意。知性ある武器をランダムに作るなら、武器の属性は、属性に関わる特殊能力に適合するようにせねばならない。
アイテムと異なる属性を持つキャラクターは、そのアイテムを持っている間、負のレベルを1レベル得る(表の“*”注記にあるものは例外)。この負のレベルによって実際にレベルを失うことはないが、負のレベルはそのアイテムを手放すまで続き、他の方法では(たとえ
レストレーション呪文を使っても)決して除去することはできない。この負のレベルは、アイテムが不適切な使い手に対して与えている他のすべてのペナルティと累積する。“自我値”(後述)が20~29のアイテムは負のレベルを2レベル与える。自我値が30以上のアイテムは負のレベルを3レベル与える。
知性あるアイテムの属性
d% |
アイテムの属性 |
01~10 |
混沌にして善 |
11~20 |
混沌にして中立* |
21~35 |
混沌にして悪 |
36~45 |
中立にして悪* |
46~55 |
秩序にして悪 |
56~70 |
秩序にして善 |
71~80 |
秩序にして中立* |
81~90 |
中立にして善* |
91~100 |
真なる中立 |
* このアイテムは、アイテムの属性の“中立”でない部分がキャラクターの属性と一致していれば使うことができる。 |
知性ある魔法のアイテムは3つの精神能力値、【知力】、【判断力】、【魅力】をすべて持つ。各能力値はどれも初期値が10で、20まで上昇させられる。以下の表には、アイテムの能力値1つを上昇させるためのコストが書かれている。このコストは11以上に伸ばす能力値ごとに支払わなければならない。例えば、【知力】15、【判断力】12、【魅力】10を持つ知性ある魔法のアイテムは、基になるアイテムよりも(知性あるアイテムであることによる500gpを含めて)2,400gp高くつくことになるだろう。
知性あるアイテムの能力値
値 |
基本価格修正値 |
自我修正値 |
10 |
― |
― |
11 |
+200gp |
― |
12 |
+500gp |
+1 |
13 |
+700gp |
+1 |
14 |
+1,000gp |
+2 |
15 |
+1,400gp |
+2 |
16 |
+2,000gp |
+3 |
17 |
+2,800gp |
+3 |
18 |
+4,000gp |
+4 |
19 |
+5,200gp |
+4 |
20 |
+8,000gp |
+5 |
キャラクター同様、知性あるアイテムは共通語に加えて、【知力】ボーナス1ポイントごとに1つの言語を話すことができる。アイテムの出自や用途を考慮して適切な言語を選ぶこと。アイテムが会話能力を持っていなくとも、修得している言語を読み理解することはできる。
すべての知性ある魔法のアイテムは、30フィート以内を見聞きできる能力と、持ち主と共感によって意思疎通する能力を、初期状態ですでに持っている。“共感”によって、アイテムは衝動や感情を伝えてある種の行動を後押ししたり思いとどまらせたりできる。追加の交信手段やより良好な感覚は、以下の表の記述通り、アイテムの価格と自我値を上昇させる。
共感(超常):共感によって、アイテムは感情や衝動を伝えてある種の行動を後押ししたり思いとどまらせたりできる。これによって言語を用いた意思疎通ができるわけではない。
会話(超常):会話能力を持つ知性あるアイテムは、修得しているどの言語ででも話すことができる。
テレパシー(超常):
テレパシーによって、知性あるアイテムは修得言語に関わらず、使用者と
テレパシーで意思疎通できる。この方法で意思疎通する場合、使用者はアイテムに接触していなければならない。
知覚範囲:知覚範囲によって、知性ある魔法のアイテムは表記の距離まで見聞きできる。暗視や非視覚的感知を追加すると、アイテムはそれらの感覚をアイテムの基本知覚範囲と同じ距離まで使用できる。
言語読解能力(変則):アイテムは修得言語に関わらずあらゆる言語の文書を読むことができる。
リード・マジック能力(擬呪):この能力を持つ知性ある魔法のアイテムは、まるで
リード・マジックを使ったかのように魔法の文書や巻物を読むことができる。この能力によって魔法のアイテムが巻物などのアイテムを起動できるようになるわけではない。知性ある魔法のアイテムは、この能力をフリー・アクションで、抑止したり再開したりできる。
知性あるアイテムの知覚手段と交信手段
能力 |
基本価格修正値 |
自我修正値 |
共感 |
― |
― |
会話 |
+500gp |
― |
テレパシー |
+1,000gp |
+1 |
知覚範囲(30フィート) |
― |
― |
知覚範囲(60フィート) |
+500gp |
― |
知覚範囲(120フィート) |
+1,000gp |
― |
暗視 |
+500gp |
― |
非視覚的感知 |
+5,000gp |
+1 |
言語読解能力 |
+1,000gp |
+1 |
リード・マジック |
+2,000gp |
+1 |
知性あるアイテムはそれぞれが少なくとも能力を1つ持っており、強力なアイテムになるといくつもの能力を持っていることもある。アイテム固有の能力を知るためには、以下の表でロールするか、いずれかを選択すること。知性あるアイテムはたいてい持ち主の望みに従うが、すべての能力はアイテムの指示によって機能を発揮する。能力を起動したり、稼動中の能力に集中したりするのは1標準アクションであり、このアクションはアイテムが行なう。能力の効果の術者レベルはアイテムの術者レベルに等しい。セーヴDCはアイテムの最も高い精神能力値に基づく。
知性あるアイテムの能力
d% |
アイテムの能力 |
基本価格修正値 |
自我修正値 |
01~10 |
アイテムは回数無制限で、0レベル呪文を発動できる |
+1,000gp |
+1 |
11~20 |
アイテムは3回/日、1レベル呪文を発動できる |
+1,200gp |
+1 |
21~25 |
アイテムは回数無制限で、アイテム自身にマジック・オーラを使用できる |
+2,000gp |
+1 |
26~35 |
アイテムは1回/日、2レベル呪文を発動できる |
+2,400gp |
+1 |
36~45 |
アイテムは技能1つに5ランクを持つ* |
+2,500gp |
+1 |
46~50 |
アイテムは足を生やし、10フィートの移動速度で移動することができる |
+5,000gp |
+1 |
51~55 |
アイテムは1回/日、3レベル呪文を発動できる |
+6,000gp |
+1 |
56~60 |
アイテムは3回/日、2レベル呪文を発動できる |
+7,200gp |
+1 |
61~70 |
アイテムは技能1つに10ランクを持つ* |
+10,000gp |
+2 |
71~75 |
アイテムは同じサイズの別の姿に外見を変えることができる |
+10,000gp |
+2 |
76~80 |
アイテムは呪文同様にフライを使用することができる。移動速度は30フィートである |
+10,000gp |
+2 |
81~85 |
アイテムは1回/日、4レベル呪文を発動できる |
+11,200gp |
+2 |
86~90 |
アイテムは1回/日、アイテム自身をテレポートできる |
+15,000gp |
+2 |
91~95 |
アイテムは3回/日、3レベル呪文を発動できる |
+18,000gp |
+2 |
96~100 |
アイテムは3回/日、4レベル呪文を発動できる |
+33,600gp |
+2 |
* 知性あるアイテムは移動する能力を持たない限り、【知力】基準、【判断力】基準、【魅力】基準の技能だけを有することができる。 |
知性あるアイテムの中には、その行動を示唆する特殊用途を持つものもある。特殊用途を持つ知性ある魔法のアイテムは自我に+2のボーナスを得る。アイテムの用途は、アイテムの種類と属性に合ったものでなければならず、常に道理にあった取り扱いをするべきである。用途が“秘術呪文の使い手たちの打倒/抹殺”であることは、その剣が出会ったウィザードを片っ端から斬殺するよう使用者に強要するという意味ではない。ましてや、その剣が自分なら世界中のウィザードとソーサラーとバードを皆殺しにできると信じ込んでいるという意味でもない。これは、そのアイテムが秘術呪文の使い手を憎んでおり、たとえばある地域のウィザードの秘密結社を壊滅させたり、隣国の魔女王の支配を終わらせたいと思っているということである。同様に、“エルフの守護”という用途は、使用者がエルフである場合、使用者は自分の身だけを守りたがる、というわけでもない。これはアイテムがエルフの大義を推し進め、エルフの敵を根絶やしにし、エルフの指導者たちを援助するために使われることを望んでいるということなのだ。“あらゆるものの打倒/抹殺”という用途は単なる自己保存の問題ではない。これはそのアイテムが万物の頂点に立つまで休むことを知らない(あるいは使用者を休ませない)ことを意味している。
以下の表には、魔法のアイテムが持っていそうな用途を数例挙げている。使用者が知性あるアイテムの特殊用途を明らかに無視したり対立したりしたら、使用者が協力的になるまでアイテムは自我に+4のボーナスを得る。このボーナスはアイテムが特殊用途を持っていることによって得る+2ボーナスに加えてのものである。
知性あるアイテムの用途
d% |
用途 |
自我修正値 |
01~20 |
正反対の属性の打倒/抹殺* |
+2 |
21~30 |
秘術呪文の使い手たちの打倒/抹殺(呪文や擬似呪文能力を用いるモンスターを含む) |
+2 |
31~40 |
信仰呪文の使い手たちの打倒/抹殺(信仰の対象となる存在や、それに仕える者たちを含む) |
+2 |
41~50 |
呪文の使い手でない者たちの打倒/抹殺 |
+2 |
51~55 |
特定のクリーチャー種別の打倒/抹殺(ベイン特殊能力を参照して選択) |
+2 |
56~60 |
特定の種族/種に属するクリーチャーの打倒/抹殺 |
+2 |
61~70 |
特定の種族/種に属するクリーチャーの守護 |
+2 |
71~80 |
特定の神格に仕える者たちの打倒/抹殺 |
+2 |
81~90 |
特定の神格の権益や、それに仕える者たちの守護 |
+2 |
91~95 |
あらゆるものの打倒/抹殺(アイテム自身と使用者は除く) |
+2 |
96~100 |
1つを選択する |
+2 |
* このアイテムの“真なる中立”版の用途は、極端な属性(秩序にして善、秩序にして悪、混沌にして善、混沌にして悪)を持つ強力な存在を打倒/抹殺することで均衡を保つことである。 |
特殊用途能力は、知性あるアイテムがその特殊用途を果たそうとしている場合にのみ機能を発揮する。特殊用途を果たそうとしているかどうかの判断は、常にアイテムが行なう。結果が手段を正当化するかどうかは、簡単かつ明瞭に判断できるものでなければならない。これ以外のパワーの場合と異なり、たとえ所有者がアイテムを支配していたとしても(後述の
『アイテムの反抗』を参照)、アイテムが特殊用途能力の使用を拒否することがありうる。特殊用途能力の効果の術者レベルはアイテムの術者レベルに等しい。セーヴDCはアイテムの最も高い精神能力値に基づく。特殊用途能力のリストに関しては以下の表を参照すること。
特殊用途を持つアイテムの特殊用途能力
d% |
特殊用途能力 |
基本価格修正値 |
自我修正値 |
01~20 |
60フィート以内の特殊用途上の敵を感知できる |
+10,000gp |
+1 |
21~35 |
4レベル呪文1つを回数無制限で発動 |
+56,000gp |
+2 |
36~50 |
着用者は攻撃、セーヴ、判定に+2の幸運ボーナスを得る |
+80,000gp |
+2 |
51~65 |
5レベル呪文1つを回数無制限で発動 |
+90,000gp |
+2 |
66~80 |
6レベル呪文1つを回数無制限で発動 |
+132,000gp |
+2 |
81~95 |
7レベル呪文1つを回数無制限で発動 |
+182,000gp |
+2 |
96~100 |
使用者に対してトゥルー・リザレクション(1回/月)を使用する |
+200,000gp |
+2 |
自我は、アイテムが持つパワーの総合力と我の強さを示している。アイテムの自我値は、アイテムの自我修正値をすべて足し合わせたものに、(知性あるアイテムとして強化したぶんの価格をすべて除いた)基となる魔法のアイテムの価格による追加ボーナスを加えたものである。アイテムの自我値は、アイテムとキャラクターのどちらが、その関係において支配的な位置に就くかを決定する(後述)。
基本価格による自我修正値
基となる魔法のアイテムの価格 |
自我修正地 |
1,000gp以下 |
― |
1,001gpから5,000gp |
+1 |
5,001gpから10,000gp |
+2 |
10,001gpから20,000gp |
+3 |
20,001gpから50,000gp |
+4 |
50,001gpから100,000gp |
+6 |
100,001gpから200,000gp |
+8 |
200,001gp以上 |
+12 |
自我があるということは、アイテムが独自の意志を持っていることを意味する。アイテムは自身の属性に絶対的に忠実である。そのアイテムを所持するキャラクターがアイテムの属性の指向する目標やアイテムの特殊用途に忠実でなければ、人格的衝突が発生する――アイテムがキャラクターに反抗するのだ。同様に、20以上の自我値を持つアイテムは、常に自分がいかなるキャラクターにも優越する存在であると考えており、所有者が常に自分の意向に賛同しないと人格的衝突を引き起こす。
人格的衝突が発生した場合、所有者は意志セーヴィング・スロー(DC=アイテムの自我値)を行なわなければならない。成功すれば所有者が支配し、失敗すればアイテムが所有者を支配してしまう。支配は1日、または危機的状況(大きな戦いや、アイテムかキャラクターにとって重大な脅威が迫ったときなど)が起きるまで続く。アイテムが支配した場合、それはキャラクターの望みに抵抗し、以下に挙げる例のような譲歩を要求する。
- アイテムの気に入らない属性や性格の仲間や他のアイテムを排除する。
- キャラクターが持つ他のすべての魔法のアイテムや、特定種別のアイテムを放棄する。
- アイテムが用途を果たすため、指示した場所へ行くようキャラクターに服従を強いる。
- 今すぐにアイテムが憎むクリーチャーを探し出し、抹殺する。
- 使用していない時にアイテムがいたずらされぬよう保護する、魔法的な防御や器具を要求する。
- キャラクターがいついかなる時でもアイテムを運搬すること。
- アイテムが属性や道徳的な品位において、より相応しい所持者になると考えるキャラクターに自分を譲渡させる。
極端な状況下では、アイテムは以下に挙げるような、もっと苛酷な手段に訴えることもある。
- 所有者に戦闘を強制する。
- 相手に攻撃を加えることを拒否する。
- 使用者やその仲間に攻撃を加える。
- 所有者に相手への降伏を強制する。
- キャラクターの手から自分を落とさせる。
当然の事ながら、こうした行動はキャラクターとアイテムの属性の調和がとれている場合や、互いの目的や性格が一致している場合には、まず起こらない。しかし、そうであっても、アイテムは簡単に相手を支配し、またその支配を維持できるように弱いキャラクターに所有されるのを好んだり、目的達成のために高レベルのキャラクターに所有されたいと願うことはありうる。
人格を持つ魔法のアイテムは例外なく、進行中の状況で(特に戦闘で)重要な役割を演じたいという欲求を持っている。こうしたアイテム同士は、たとえ属性が同じであってもライバル関係にある。知性あるアイテムは他の知性あるアイテムと使用者を共有したいとは思わない。知性あるアイテムは60フィート以内にある他の知性あるアイテムの存在を感知することができ、大抵の知性あるアイテムは主人を欺いたり気をそらすことによって、主人がライバルを無視したり破壊したりするよう最善を尽くす。もちろん、こうした性向は属性によって差異がある。
アイテムが所有者を制御することができなかったとしても、キャラクターは人格を持つアイテムを完全に制御したり黙らせてしまうことはできない。自分の要求を強制することはできなくても、彼らはへこたれることなく希望や要求を口にし続ける。
多くの知性あるアイテムは、他のNPC同様に突飛でたくましい個性を持っている。以下の表をロールして、知性あるアイテムの癖の強い特徴を1つ以上決定すること。
知性あるアイテムの個性を表す癖の強い特徴
d% |
個性の特徴 |
01 |
いつも人に同意するが、すぐに考えを変える |
02 |
宝物になると非常にうるさい |
03 |
奇妙な行動を取り、質問には詩で答える |
04 |
知らない人を好まない |
05 |
些末事に形ばかりの賭けをする |
06 |
第三者の視点で物事に言及する |
07 |
自分の力の一部を使用するかどうか交渉する |
08 |
定期的に臭いと味を訊いてくる |
09 |
興奮すると大声を上げる |
10 |
知ったかぶり |
11 |
礼儀正しいが明らかに本音を隠している |
12 |
口癖でいつも謝る |
13 |
後退できないと強迫する |
14 |
とても穏やか;成功と失敗へ哲学的に近づくよう人に助言する |
15 |
可能な限りほとんどしゃべらない |
16 |
他人の不運を忍び笑いしたり大声で笑ったりする |
17 |
間違った名前で人を呼ぶ。しかもいつも頑なだ |
18 |
とにかく祈る |
19 |
ちょっとしたことでも人をすぐ褒める |
20 |
驚かそうとしばしば登場し、話しかけると少し気分を害する |
21 |
決断するのが好きではない |
22 |
異なる状況に対応する番号の付いたルールや原則の一覧を持ち、適切な状況で引用する |
23 |
やっていることの「本当の」理由を人に説明する |
24 |
まず起こらない状況についての助言や意見を求める |
25 |
非常に格式張った話し方をする。決して短縮語を使わず、必要以上にもったいぶった言い回しをする |
26 |
周りのちょっとした出来事にすぐに気を逸らす |
27 |
冗談や比喩を説明するために常に誰かを必要とする |
28 |
特別中心となる信念を持つ。潜在的に奇妙なことであり、何であれその意見を通して物事を見る |
29 |
数を数えるのが好きで、数字が大好き |
30 |
いつも妥協点を見出そうとする |
31 |
自分のことばかり話す |
32 |
酷い嘘つき |
33 |
侮辱になることを気付かずに失礼な質問をする |
34 |
調子や苦境についていつもぶつくさと不平を言う |
35 |
批判や矛盾にとても神経質 |
36 |
上の空 |
37 |
昔骨を折ったので特定のクリーチャー種別を非難する |
38 |
聡明な知識人 |
39 |
説明を面倒がらずに、歴史や神話の出来事をさりげなく告げる |
40 |
特定の地形を嫌い、その地形にいる間は不満を言う |
41 |
自分の視界の外にあるものについていつも質問する |
42 |
使用者が毎日成し遂げたことの一覧を作る |
43 |
秘密を守れない |
44 |
他に誰もいいアイデアがなかったり生産的なことをしないときにちょっと驚いてみせる |
45 |
よく泣く |
46 |
簡単に怒る |
47 |
病気の危険についてよく警告する |
48 |
決まり文句がある |
49 |
習慣的に呟く言葉がある。その言葉は止める前に他の人が話した最後の言葉の韻を踏んでいる |
50 |
だじゃれやその他の言葉遊びが大好き |
51 |
危機が迫っていたり興奮しているときに動物の声を出す |
52 |
文学や詩をこよなく愛する。機会があれば1~2行の散文や韻文を口にする |
53 |
非常に迷信深い |
54 |
使用者を勇猛で向こう見ずな行いにけしかける |
55 |
10語を要するときに1語も使わない |
56 |
破壊するかどうかいつも訊いてくる。しかし本当にそうなりそうになると恐慌に陥る |
57 |
いつも働かない言い訳がある |
58 |
使用者と恋愛中だと主張する |
59 |
平凡なことについてつまらない話をする |
60 |
もっと「楽しく」「興奮する」行動をするようにいつも薦めてくる |
61 |
知らない言語から言葉を集め、最も一般的に使用される言語の中にその言葉を混ぜ込む |
62 |
使用者を溺愛する |
63 |
使用者をしばしば無視する |
64 |
自己嫌悪 |
65 |
時々ほとんど韻を踏んでいない、迷惑な歌を口ずさむ |
66 |
友達のように振る舞うが、明らかに使用者のことを嫌っている |
67 |
組織化された宗教をあけすけに軽蔑し、全ての神は利己的な嘘つきだと信じている |
68 |
失敗するとさらに怒り、さらにむきになる |
69 |
ほとんどの物体は知性あるアイテムだと考えている |
70 |
計画を立てる際、倫理基準が欠落している。ちょっとした問題に恐ろしい解決策を提案する |
71 |
長いこと静かになり、何日も誰とも話さない |
72 |
心は失われつつあるのだと信じている |
73 |
ことある事に有名な過去の持ち主の名を持ち出す |
74 |
酷い文法と言葉遣い |
75 |
新しいことや面白いことの情報の欠片を学ぶ際、飽きることがない |
76 |
誰も気付いていない臭いに不満を言う |
77 |
エール、ワイン、その他のアルコールを垂らして欲しがる。垂らすと酔っ払う |
78 |
歌うのは好きだが音痴 |
79 |
誓いを立てたもの以外を非難する |
80 |
枯れることのない噂話の泉のようだ――しかしほとんどは詳しく聞くとでっち上げだ |
81 |
他の者は全て知性より低い形態だと見なす |
82 |
非常に陽気。意気消沈していたら歌、冗談、希望に溢れた話で盛り上げようとする |
83 |
物事がまずくなるようだとだんだんリラックスしていく。物事がうまくいくようだとだんだん神経質になる |
84 |
折りに触れて悪いことを細かく思い出す |
85 |
物語を作る |
86 |
使用者以外のクリーチャーとの会話を避ける |
87 |
いつも注目されたい |
88 |
使用者から離れると少しうろたえる |
89 |
「適切な存在」か判断するため、他人の背景を訊ねる |
90 |
他人の行いにしばしば混乱し、行動の理由をよく問い詰める |
91 |
使用者について嫉妬深く所有欲が強い |
92 |
かつて加わった英雄的な戦闘は比類なきものだったと口にする |
93 |
誰のものであれ愛着、強迫観念、呪いを診断するが、大抵間違えている |
94 |
説明の必要のない単純なことを説明する |
95 |
このアイテムから解放されることを願っており、それを実現できる人を探している |
96 |
自分が囚われの神だと信じている |
97 |
想像上のエーテル体の友人がいる |
98 |
暗いところが怖い |
99 |
口汚い言葉を使った人を戒める |
100 |
滅多にしゃべらないが、しばしば狂ったようなクスクス笑いを延々と口にする |
以下に示すのは、特定の知性あるアイテムの例であり、製作されたり宝の山で見つかったりする。
アーマー・オヴ・ザ・シャドウ・ロード
(
Armor of the Shadow Lord/影王の鎧)
市価 117,160gp;
オーラ 中程度・幻術;
術者レベル 8;
重量 15ポンド
属性 真なる中立;
感覚範囲 120フィート、暗視
【知力】 14;
【判断力】 16;
【魅力】 14;
自我 14
言語 テレパシー(アクロ語、エルフ語、共通語)
この
+4グレーター・シャドウ・グレーター・スリック・レザー・アーマー一式は、使用者の肌に絹のようにぴったりと合う。この鎧は非道徳的で血に飢えた知性を備えている。使用者と共有する
テレパシーを通して、この鎧は隠れ方やある場所への行き方、敵を倒す方法といった助言を適切に与えてくれる。この鎧は急所攻撃によるダメージに追加で+1d6ポイントを与えるが、このボーナスを得るには使用者は元々急所攻撃クラス特徴を有していなければならない。さらに、この鎧の最大【敏捷力】ボーナスは+10であり、秘術呪文失敗確率はない。
オブセッション・リング
(
Obsession Ring/妄執の指輪)
市価 116,500gp;
オーラ 中程度・防御術;
術者レベル 9;
重量 ―
属性 さまざま;
感覚範囲 30フィート
【知力】 17;
【判断力】 10;
【魅力】 13;
自我 11
言語 テレパシー(共通語およびその他7個の言語)
この
リング・オヴ・プロテクション+3は非常に様々な形を取りうる。いかなる属性も取りえるし、それぞれが独自の個性と性癖を備えている。それぞれの指輪には特定の強迫観念がある。
オブセッション・リングの強迫観念を決定するため、
表6-10:知性あるアイテムの目的表をロールすること。この指輪が目的を遂行する際、その自我値は通常より10高いものとして扱う。
偏執狂種族特性を持つノームは、この指輪の精神を独自に理解し、オブセッション・リングが使用者を支配下に置こうとした際、抵抗するために行う意志セーヴィング・スローに+5のボーナスを得る。
オブセッション・リングが自分の強迫観念に直接関係する行動を行っている場合、使用者は以下の能力を得る。しかし、これらは指輪が自分の強迫観念に従っていると信じていない場合には与えないこともある。
- この指輪はリング・オヴ・プロテクション+5として機能する。
- この指輪は使用者が行う攻撃ロールに+2の幸運ボーナスを与える。このボーナスは、指輪の強迫観念を妨害しようとしてくるクリーチャーに対してのみ与えられる。
- 1日3回、この指輪は使用者が行うどのようなセーヴィング・スローでも再ロールさせることができる。使用者は再ロールしたセーヴィング・スローに+4の幸運ボーナスを得る。
一般に、この指輪は自分の強迫観念を満たすため望みをかなり強調する。そしてしばしば使用者に自分の目的を達成するよう努力せよと意志を伝えてくる。
シールド・オヴ・ザ・メイジ
(
Shield of the Mage/魔術師の盾)
市価 14,500gp;
オーラ 中程度・占術;
術者レベル 11;
重量 5ポンド
属性 真なる中立;
感覚範囲 30フィート
【知力】 16;
【判断力】 10;
【魅力】 10;
自我 6
言語 テレパシー(共通語およびその他6個の言語)
この
キャスターズ・シールドは常に秘術呪文の巻物を1つ持ち、使用者と同じ秘術呪文を修得している。この巻物の呪文が発動されると、使用者が修得している呪文の巻物が無作為に顕現し、その呪文を置き換える。この盾には秘術呪文失敗確率はない。さらに、この盾は
リード・マジックを使用することができる。このアイテムはしばしば最も破壊的な行動について使用者と議論をするが、使用者が命じたことに従う。
シンギング・ソード
(
Singing Sword/歌う剣)
市価 165,315gp;
オーラ 強力・心術;
術者レベル 14;
重量 4ポンド
属性 混沌にして善;
感覚範囲 30フィート
【知力】 14;
【判断力】 12;
【魅力】 18;
自我 17
言語 会話(共通語およびその他4個の言語)
この
+2キーン・ダンシング・ロングソードには、バードの魂が込められている。このバードは自分の声が失われるのを見るよりも、武器の中で意識を保つことを選んだのだ。この剣は定期的に歌う。囁き声程度に静かにさせる唯一の手段は、DC15の
〈威圧〉もしくは
〈交渉〉判定に成功することである。成功してさえ、この剣は10分+DCを超えた5ポイント事に追加で10分の間しか静かにならない。この剣はしゃべることもできるが、歌を通して意志を伝えるのが一般的だ。
シンギング・ソードは以下の能力を持つ。
1日8回1日22ラウンド(更新)、シンギング・ソードはバードの呪芸を使用することができる。しかし使用できるのは打ち消しの調べ、散逸の演技、恍惚の呪芸、勇気鼓舞の呪芸、自信鼓舞の呪芸に限られる。これらの能力においては、この剣は8レベルのバードとして扱われる。
- 1日3回、シンギング・ソードはヒロイック・フィナーリ呪文を使用することができる。
チョンパー
(
Chomper/むしゃむしゃ屋)
市価 なし;
オーラ 強力・召喚術;
術者レベル 17;
重量 15ポンド
属性 混沌にして悪;
感覚範囲 30フィート、
非視覚的感知
【知力】 10;
【判断力】 14;
【魅力】 13;
自我 17
言語 会話(奈落語)
ほとんどの
バッグ・オヴ・ディヴァウアリングは普通の袋に見えるが、
チョンパーはほとんどの
バッグ・オヴ・ディヴァウアリングとは違うものだ。恐ろしい歯をそのまま見せびらかし、酷い態度で何でも食べたいと要求する。この知性のある呪われたアイテムは自分がお気に入りの口であり、全てを喰らうものとして言及される謎めいたクリーチャーの最も重要な器官だと信じている。
チョンパーはデーモンを除く全てのクリーチャーを憎んでいる。デーモンは破壊の精神を持つ仲間だと考えているからだ。
- 標準アクションとして、チョンパーの持ち主は紐を持ってこの口を振り回すことで、5フィート以内にいるクリーチャー1体か誰にも所持されていないアイテム1つにぶつけようと試みることができる。このとき(使用者ではなく)チョンパーは、目標に対して1回の噛みつき攻撃を行うことができる。この噛みつきは+14の攻撃ボーナスを持ち、1d10+5ポイントのダメージと2ポイントの出血ダメージを与える。この行為は機会攻撃を誘発しない。この攻撃には、使用者の能力による修正は一切適用されない。
- デーモン以外のクリーチャーがチョンパーを所持している場合、この鞄の呪いのオーラにより、所有者の攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定、能力値判定に-1のペナルティが与えられる。チョンパーは性格的な衝突を通してデーモンでない所有者の支配権を得たなら、所有者に餌となる犠牲者を探すよう命令する。
ハービンジャー・ロッド
(
harbinger rod/先触れのロッド)
市価 44,200gp;
オーラ 中程度・召喚術;
術者レベル 8;
重量 5ポンド
属性 秩序にして善;
感覚範囲 30フィート
【知力】 10;
【判断力】 13;
【魅力】 12;
自我 10
言語 テレパシー(天上語;
真言)
この銅製のロッドはいつもぎしぎしと音を立てる歯車のようなパーツで作られている。このロッドは
ハービンジャー・アルコンの代わりとなる存在もしくは下位の形であると考えられている。このロッドは様々な役に立つ形になることができる。秩序にして善のクリーチャーが手にして24時間が経過すると、使用者はこのロッドの形態を任意の道具の形になるように命じることができる。その形態には
チャイム・オヴ・オープニングも含まれている。このロッドは非常に知性的で機知に富み、使用者とは
真言もしくは天上語で意思を疎通させる。加えて、このロッドには以下の能力がある。
- 1日3回、合言葉により、このロッドの使用者は呪文と同様のディメンジョン・ドアを使用することができる。
- 1日1回、合言葉により、このロッドはエネルギーの爆発を放つことができる。この爆発は使用者に隣接している全てのクリーチャーに2d6ポイントの[力場]ダメージを与える。DC12の反応セーヴに成功すればダメージを半減できる。使用者は望んだものをこの爆発の目標から外し、選択した敵のみにダメージを与えることができる。
このロッドの目的は、混沌にして悪のクリーチャーの計画を打ち砕き、台無しにすることである。
ハンマー・オヴ・エネミーズ
(
Hammer of Enemies/仇敵の鎚)
市価 54,212gp;
オーラ 中程度・召喚術;
術者レベル 10;
重量 5ポンド
属性 混沌にして中立;
感覚範囲 30フィート、
暗視
【知力】 10;
【判断力】 16;
【魅力】 14;
自我 14
言語 会話(共通語)
この特殊な
+3ベイン・ウォーハンマーは、戦闘における使用者の敵を打ち砕くことだけを考える。この槌は共通語を話し、いつも不平を言い、戦闘で使用されると殺戮への深い愛を歌う。
ハンマー・オヴ・エネミーズはいつも、視界の中にある見込みのある敵に目を向けようとする。血を求めるが故、属性を同じくしないクリーチャーに対して、この武器が負のレベルを与えることはない――誰のためであれ、戦うことを求めるのだ。加えて、1日3回、
ハンマー・オヴ・エネミーズは自らの
ベイン能力が適用されるクリーチャー種別を変更することができる。新しいクリーチャー種別が選択されるまで、このクリーチャー種別は変化しない。
ヘッドバンド・オヴ・ザ・セージ
(
Headband of the sage/賢者のヘッドバンド)
市価 71,300gp;
オーラ 中程度・占術;
術者レベル 10;
重量 1ポンド
属性 さまざま;
感覚範囲 30フィート
【知力】 20;
【判断力】 16;
【魅力】 12;
自我 20
言語 テレパシー(共通語およびその他10個の言語)
この意志を持つ
headband of vast intellect+6(訳注:
ヘッドバンド・オヴ・ヴァスト・インテリジェンス+6の誤記と思われる)は適切な使用者に自らの知識と訓練の成果を共有する。この知性はいかなる属性のものも存在しており、その目的は、使用者に自らの広大な知識を共有することだけである。このヘッドバンドは同時に
ヘルム・オヴ・コンプリヘンド・ランゲージズ・アンド・リード・マジックとしても機能する。更に、
headband of vast intellect+6が通常通りに技能ランクを与える代わりに、このヘッドバンドは技能6つに4ランクを与える。しかしこの技能は全て
〈知識〉技能でなければならない。このアイテムは常に囁いたり議論したりして、これらの知性を与える。このヘッドバンドは共通語に加え、自分の修得している10個の言語の1つを用いる。1週間に1回、使用者は
レジェンド・ローア呪文を使用するよう、ヘッドバンドを説得することができる。この発動時間は1標準アクションで済む。
ヘルメット・オヴ・ザ・ゴールデン・ジェネラル
(
Helmet of the Golden General/黄金将軍の兜)
市価 62,000gp;
オーラ 強力・占術;
術者レベル 13;
重量 3ポンド
属性 中立にして善;
感覚範囲 30フィート
【知力】 14;
【判断力】 16;
【魅力】 14;
自我 14
言語 会話(共通語およびその他4個の言語)
この金色の宝石が打ち込まれた兜は
クラウン・オヴ・カンクエストのように機能する。さらに、このアイテムは使用者に演舞特技もしくはチームワーク特技を3種類与える。使用者は自分の特技の一覧に記載されているかのように3つの特技それぞれを使用することができる。アイテム作成時に一度選択すると、これらの特技は変更できない。この兜から演舞特技もしくはチームワーク特技を得るには、24時間の間この兜を身につけていなければならない。
さらにこの兜は、鼻あてに嵌められた中央のルビーを通して会話をすることができる。この兜は共通語に加え4つの言語を修得している。この兜は常に自信に溢れ――傲慢でさえある――、戦闘の実況報告をし、英雄的行為を褒め称え、戦術的な過ちをたしなめ、使用者と仲間に戦場での助言を行う。このアイテムはその他に以下の能力を持つ。
- 1日3回、このアイテムは使用者か30フィート以内の仲間にトゥルー・ストライク呪文と同様の効果を与えることができる。
- 1日3回、このアイテムはフリー・アクションとして、30フィート以内の敵全ての士気をくじくことができる。これはちょうど〈威圧〉技能を使用したかのように扱う。この兜の〈威圧〉は+17ボーナスを持つ。
メタマジシャンズ・アプレンティス
(
metamagician's apprentice/呪文修正術師の弟子)
市価 93,605gp;
オーラ 強力・占術;
術者レベル 18;
重量 5ポンド
属性 秩序にして中立;
感覚範囲 120フィート
【知力】 18;
【判断力】 14;
【魅力】 10;
自我 20
言語 テレパシー(共通語およびその他8個の言語)
この細長いロッドは通常、若い男性もしくは女性の魔術師の顔に似た、金属製の取っ手がかぶせてある。無慈悲なウィザードとソーサラーの徒党がこの種のロッドを初めて作り出した。彼らは最も有望な徒弟らの精神を一連のロッドに転送し、さらなる力を望んだのだ。
結合された徒弟の知性には自由意志はないが、その扱いにくい想像力は保ち続けている。通常の環境下では、このロッドは使用者の命令に従うが、生きている精神の一団が自ら動かない物体に囚われていることがどれだけ不幸なことか、
テレパシーでもって丁寧に不満を言う。しかしほとんどの使用者は気にも留めない。善属性でないクリーチャーは
メタマジシャンズ・アプレンティスを作ることはできないが、手にすることならばできる。
このロッドは+1ライト・メイスとして使用できる。合言葉により、このアイテムは+1/+1クオータースタッフに変化したり、元のロッドの姿に戻ることができる。
メタマジシャンズ・アプレンティスは呪文修正特技を4つ(これらの特技は
《呪文音声省略》や
《呪文威力強化》など、呪文の実際のレベルより1~2レベル高い呪文スロットを使用する特技に限定される)知っており、これらの特技に関して
グレーター・メタマジック・ロッドとして機能する。このロッドは一度に1つの呪文に呪文修正特技を1つしか適用できない。しかし(
メタマジック・ロッドのように)使用者は自分自身の特技とロッドの特技を同じ呪文に適用することができる。
このロッドは回数無制限で
リード・マジックと
ディテクト・マジックを使用することができる。
メタマジシャンズ・アプレンティスは決して強力な魔法のオーラに圧倒されることはない。これらの能力は(
エクスプローシヴ・ルーンズ呪文のような)読むことをきっかけに起動する効果を起動させることはない。このロッドは使用者の
〈知識〉技能3つに+2の技量ボーナスを与える。これらの技能はロッドが作成された際に決定され(そしてこの技能にランクを持つ徒弟が必要となる)、決して変更することはできない。
〈知識:神秘学〉は3つの技能の1つに必ず含まれる。
この種別の一般的なロッドは秩序にして中立だが、他の属性を持つロッドも存在する。
メタマジシャンズ・アプレンティスが性格上の衝突の後に持ち主を支配すると、使用者にこの物体から精神を解き放つ方法か、安全に精神を解放できるようにこのアイテムを破壊する方法を探させる。
作成条件
コスト 47,105gp
《ロッド作成》、このロッドが修得している呪文修正特技4つ
ライトニング・ボウ
(
Lightning Bow/電光の弓)
市価 54,300gp;
オーラ 強力・力術;
術者レベル 17;
重量 3ポンド
属性 真なる中立;
感覚範囲 120フィート
【知力】 6;
【判断力】 11;
【魅力】 11;
自我 9
言語 会話(風界語)
この知性のあるアイテムは定命のものに
ライトニング・ボウと呼ばれる。その名は、このアイテムの中に
ライトニング・エレメンタルが囚われていることに由来する――このクリーチャーは名誉のために、少なくとも100年間、この弓のために仕えることとなった。これらの
+3アダプティヴ・コンポジット・ロングボウは高慢で、その手で最も知性の高いもので、その真の名を知らないものをたしなめる――それはしばしば高温のぱちぱちいう音が複雑に並んだものであることが多く、まるでたき火で燃える生木のようだ。
ライトニング・ボウの中にいるエレメンタルは風界語のみをしゃべる。
ライトニング・ボウは
(エレメンタル)の副種別を持つ他の
来訪者には矢を放たない。他の個体を攻撃することには制約のないものもいるが、それはその過去による。例えば、炎の暴君(the Sultan of Fire)、
ファイアー・ジャイアント、
レッド・ドラゴンを攻撃しないとかつて誓った弓もある。加えて、
ライトニング・ボウには以下の能力がある。
リュート・オヴ・ディスコード
(
Lute of Discord/不協和音のリュート)
市価 37,900gp;
オーラ 中程度・心術;
術者レベル 12;
重量 3ポンド
属性 混沌にして中立;
感覚範囲 120フィート、
暗視
【知力】 14;
【判断力】 14;
【魅力】 18;
自我 14
言語 テレパシー(共通語およびその他4個の言語)
このリュートは磨かれた黒檀で作られた高品質の楽器で、真珠色の装飾と金製のフレットがつけられている。このアイテムは演奏するクリーチャーの
〈芸能:弦楽器〉判定に+2の技量ボーナスを与える。この時、このアイテムは
テレパシーで囁き、クリーチャーが今行っている演奏をうまく行えるようにする。このリュートを演奏するものは、以下の能力も得る。
レッサー・ロッド・ザット・シュッド・ノット・ビー
グレーター・ロッド・ザット・シュッド・ノット・ビー
(
Rod that Should Not Be (greater)/上級必滅のロッド)
市価 40,000gp;
オーラ 強力・防御術;
術者レベル 16;
重量 8ポンド
属性 混沌にして中立;
感覚範囲 120フィート、暗視
【知力】 10;
【判断力】 10;
【魅力】 8;
自我 6
言語 テレパシー(アクロ語)
このロッドは危険な、ほとんど精神のない
異形の肢と魔法とを組み合わせたものだ。このロッドの片方の端はうごめく触手で特徴付けられている。このロッドには生きているクリーチャーの精神が込められているが、会話や共感、
テレパシーなどで意志を通わせる能力を持たない。可能ならば、このロッドは間合いにいるクリーチャーを攻撃しようとし、眠ろうとするときには使用者や他のクリーチャーを襲わないように鞄や背負い袋の中に収納しておかなければならない。
合言葉により、この触手は近接接触攻撃(攻撃ボーナス+8)として隣接するクリーチャーを攻撃する。攻撃が成功すると、触手は2d8ポイントの[酸]ダメージを与え、目標はDC14の意志セーヴィング・スローに成功しない限り、1ラウンドの間
麻痺状態となる。この麻痺は[精神作用][恐怖]効果である。
このロッドの上位版(グレーター)には触手が4本あり、合言葉により、それぞれが同時に同じ目標に攻撃する(攻撃ボーナスは+12)。触手は合計で4d8ポイントの[酸]ダメージを与え、目標はDC18の意志セーヴィング・スローに成功しなければ1ラウンドの間
麻痺状態となる。この麻痺は[精神作用][恐怖]効果である。
グレーター・ロッド・ザット・シュッド・ノット・ビーは強烈な目的を持つ。血に飢えた主に仕えることである。
最終更新:2016年07月31日 01:16