忘れられた廃墟で回路を野ざらしにされ、科学技術の本質も知らないものに使用され、その装置の開発や維持、修理に熟達したものもいない中で、ほとんどの科学技術は「経年劣化」する――ダメージを受け、正常に動作しなくなる(しかし完全に動かないわけではない)。こういった不良は2つの形で姿を見せる。チャージの制限と突発異常である。
(
ナノマシン容器を含む)チャージを消費する科学技術のアイテムと
調合薬のみが以下の経年劣化のルールの影響を受ける。だからといって、いかなる科学技術のアイテムも他のアイテム同様に破壊されたり機能しなくなることもあり得る。
経年劣化した科学技術のアイテムは新品とは異なる美学や機能を備えているかもしれない。
電弧榴弾のひび割れや何千年も前のバーバリアンが描いた科学技術の防具の原始的な模様など、これらの効果の多くはうわべだけのものだ。経年劣化した科学技術には
突発異常以外にも小さな科学技術の効果を持つかもしれない(GMの決定に従う)。経年劣化した
レーザー・ピストルは低く耳障りな音を立て、
〈隠密〉判定に-1のペナルティを与えるかもしれない。経年劣化した
プラズマ榴弾には刺激的な臭いを持つ奇妙なネバネバがこびりついていて、
鋭敏嗅覚を持つものが簡単に使用者を追跡できるかもしれない。経年劣化した科学技術のアイテムは時と危険の臭いがはっきりと感じられるものにすべきだ。アンドロファンの標準的な装備品のほとんどが、その劣化に応じて独自性を備えているだろう。
遠く離れた遺跡の最深部でPC達が出会う科学技術のほとんどは経年劣化しているだろうが、全ての科学技術のアイテムが経年劣化しているわけではないことに注意して欲しい。これらのアイテムはここまでの小で述べてきた機能を有しており、再チャージでき、
突発異常ももたらさない。
何とか機能する経年劣化した科学技術は、通常の市価の半額で取引される。しかしチャージを使い切ったものならば通常の市価の1%の価値しかない。これらは好事家の興味をそそるのみである。経年劣化した科学技術は以下の特性も持つ。
経年劣化した科学技術のアイテムは再チャージできない。経年劣化した科学技術のアイテムを適切に識別したか最初に使用する際、使えなくなるまでどれだけのチャージが残っているかを、無作為にロールして決定する。
経年劣化した科学技術は元々想定していたとおりに動作しないことがある。アイテムに突発異常が起きると、その効果はd%ロールで決定され、障害となったり強化されたりする。以下に掲載した突発異常の効果をまとめた表を見ていこう。ここには、防具、武器、
調合薬、他の科学技術の装備における突発異常の効果が全てまとめられている。突発異常の全てが壊滅的なものというわけではない。いいものか悪いものかはともかく、予測できない効果が起きるのである。
経年劣化した科学技術のアイテムを最後に使用してから1ヶ月以上動作停止していると、突発異常が起きる可能性が50%存在する。さらに、最後のチャージを使い切ったアイテムを使用すると、50%の確率で突発異常が起きる。そのアイテムが起動時や使用時に(技能判定や攻撃ロールなどで)d20ロールを行うものならば、出目1をロールするか50%の確率で突発異常が発生する。
経年劣化した科学技術はいつも期待通りに動作するとは限らない。以下の状況では、経年劣化したアイテムは50%の確率で突発異常を引き起こす。
- 1ヶ月以上動作停止した後、初めてアイテムを使用する時。
- 1回限りで使い捨てのアイテムを使用したとき。
- 最後のチャージを消費するようにアイテムを使用したとき。
- 起動したり使用する際に(技能判定や攻撃ロールの形で)d20ロールを行う際、出目1をロールしたとき。
- 防具や力場フィールドなどの起動している防御用アイテムを装備している者に対して、クリティカル・ヒットが確定したとき。
全ての突発異常が破滅的なものではない。アイテムが突発異常を起こしたとき、その効果が妨害となるものか強化されたものであるかはd%ロールによって決定される。チャージを複数回消費できるアイテムの場合、追加で消費したチャージはそのアイテムの効果を発揮させない。通常のチャージの2倍を消費する場合、元々使用しようとしたチャージ量に基づいて決定される。突発異常が現在保持しているチャージよりも多くのチャージを消費させる場合、そのアイテムは全てのチャージを失って機能をしなくなるが、不利益はもたらされたままだ。起動しているアイテムが機能しなくなると単に機能停止され、1ラウンドの間再起動することはできない。
d% |
突発異常 |
01~02 |
防具の能力は機能しない。残っているチャージは全て失われる。 |
03~05 |
防具*は動作停止し能力は機能しなくなる。使用者は1ラウンドの間麻痺状態となる。 |
06~10 |
防具は機能しないが、通常のチャージを消費する。 |
11~18 |
防具は機能しないが、チャージは消費しない。 |
19~50 |
防具は通常の2倍のチャージを消費する(既に起動している場合、追加で起動時のチャージを消費する)。 |
51~75 |
防具は通常通り動作する。 |
76~80 |
防具は想定より優れた形で機能する。このチャージの持続時間の間、防具のボーナスは1だけ強化される。 |
81~90 |
防具は想定より優れた形で機能する。このチャージの持続時間の間、防具のボーナスは2だけ強化され、モデレット・フォーティフィケーション(Pathfinder RPG Core Rulebook 463)を得る。 |
91~98 |
防具は通常通り機能する。今回の使用において、チャージは消費されない。 |
99~100 |
防具は通常通り動作し、電力サージがこのアイテムのチャージを1d6だけ回復する(ただし容量を超えることはない)。 |
*盾の場合、盾の使用者は突発異常による不利益を受けない。 |
防具、
調合薬、武器以外のアイテムは、以下の一般的な突発異常表を用いる。
d% |
突発異常 |
01~02 |
アイテムは機能しない。残っていたチャージは全て失われる。 |
03~05 |
アイテムは機能しないが、通常のチャージ数を消費する。 |
06~10 |
アイテムは機能しないが、チャージは失われない。 |
11~18 |
アイテムは通常の2倍だけチャージを消費する。使用者は電撃を受け1d6ポイントの[電気]ダメージを受ける。しかしその他の点については通常通り機能する。 |
19~50 |
アイテムは通常の2倍だけチャージを消費するが、その他の点では通常通り機能する。 |
51~75 |
アイテムは通常通り機能する。 |
76~80 |
アイテムは想定より優れた形で機能する。今回の使用において試みる全ての技能判定に+1のボーナスを与える。 |
81~90 |
アイテムは想定より優れた形で機能する。今回の使用において試みる全ての技能判定に+2のボーナスを与える。 |
91~98 |
アイテムは通常通り機能し、チャージを消費しない。 |
99~100 |
アイテムは通常通り動作し、電力サージがこのアイテムのチャージを1d6だけ回復する。 |
例え最近使用した別の服用分が効果的に機能したとしても、経年劣化した
調合薬は消費する際に突発異常が起きる可能性がある。
d% |
突発異常 |
01~02 |
腐敗している。ダーク・リーヴァーの粉末を摂取したかのように扱う。 |
03~11 |
腐敗している。赤腫れ病に感染したかのように扱う。 |
12~20 |
腐敗している。使用者は1d6ラウンドの間吐き気がする状態となる。 |
21~30 |
腐敗している。使用者は1d6×10分の間不調状態になる。 |
31~40 |
腐敗している。何の効果もない。 |
41~50 |
低い効果。全てのセーヴDCを2減少させる*。無作為に決定する効果(回復量など)は最小値を用いる。持続時間を50%に減少させる。 |
51~60 |
通常の効果を得るが、1d4ポイントの【耐久力】ダメージを受ける(DC15の頑健セーヴに成功すれば半減)。 |
61~75 |
通常の効果を得るが、幻覚を誘発する(〈知覚〉判定に-5のペナルティを受け、2d4ラウンドの間混乱状態になる。DC15の頑健セーヴに成功すれば無効)。 |
76~85 |
通常の効果を得る。 |
86~95 |
より強力な効果。全てのセーヴDCを2増加させる*。全ての出目1を再ロールする。持続時間を100%伸ばす。 |
96~100 |
遥かに強力な効果。上の行と同様だが、2服分として扱う。 |
*カーディオアンプの場合、より強力な結果ではセーヴDCを減少させ、低い効果ではセーヴDCを増加させること。 |
武器を用いて1ターンに複数回攻撃するため、同じターンに複数回突発異常が起きることもある。
d% |
突発異常 |
01~02 |
武器は機能しない。残っているチャージは全て失われる。 |
03~24 |
武器は機能しないが、通常のチャージを消費する。 |
25~39 |
武器は通常の2倍のチャージを消費し、消費するチャージ毎に1d6ポイント(最低1d6)の[電気]ダメージを使用者に与える。 |
40~65 |
武器は通常の2倍のチャージを消費する。 |
66~75 |
武器は通常通り機能するが強く輝き、1ラウンドの間使用者と隣接している全てのクリーチャーを1ラウンドの間盲目状態にする(反応セーヴDC15に成功すれば無効)。 |
76~84 |
武器は通常通り動作する。 |
85~92 |
武器は想定より優れた形で機能する。1ラウンドの間、この武器を用いた攻撃ロールに+2のボーナスを得る。 |
93~96 |
武器は想定していたよりも遙かに優れた形で機能する。この武器を用いた攻撃ロールとダメージ・ロールに+2のボーナスを得る。 |
97~98 |
武器は通常通り機能する。この回の使用において、チャージは消費されない。 |
99~100 |
武器は通常通り動作し、電力サージがこのアイテムのチャージを1d6だけ回復する(ただし容量を超えることはない)。 |
科学技術の遺跡を探索するものにとって、放射線は極めて現実的な脅威である。放射線は[毒]効果であり、初期効果として【耐久力】吸収を、副次効果として【筋力】ダメージをもたらす。放射線の危険度は低濃度、中濃度、高濃度、深刻の4つの分類に分けられる。
効果範囲:放射線は固体から放たれる球状の効果範囲を満たしている。放射線の範囲の中心に近づけば、放射線の効果はより強力になる。放射線にはその範囲の放射線レベルの最大値と、その放射線レベルが広がる半径を記載している。その半径に等しい距離を離れるたびに、放射線強度は1レベル低下する。例えば、高濃度の放射線の球状の範囲が半径20フィートに広がっている場合、全ての方向に中心から21フィート~40フィート離れた場所は中濃度の放射線の範囲となり、同様に41フィート~60フィート離れれば低濃度の放射線の範囲となる。
初期効果:影響を受けたキャラクターが頑健セーヴに成功しない限り、放射線は【耐久力】吸収を与える。効果範囲で放射線に曝されている間、クリーチャーは放射線の初期効果のダメージに抵抗するため、毎ラウンド新たにセーヴィング・スローを行わねばならない。
副次効果:放射線による副次効果は【筋力】ダメージを与えるが、ほとんどの毒よりもずっとゆっくりとした速度である。キャラクターが放射線の副次効果に抵抗するための頑健セーヴィング・スローに2回連続で成功すると、副次効果は終了する。キャラクターが現在の【筋力】に等しい【筋力】ダメージを受けると、副次効果の残りのダメージは代わりに【耐久力】ダメージとなる。
放射線の効果を取り除く:放射線のダメージは全て[毒]効果である。そのため、毒を中和する全ての効果により取り除くことができる。放射線から受けた能力値ダメージと能力値吸収は、通常通り治療することができる。
放射線ダメージ Radiation Damage
放射線レベル |
頑健DC |
初期効果 |
副次効果 |
低濃度 |
13 |
1【耐】吸収 |
1【筋】ダメージ/日 |
中濃度 |
17 |
1d4【耐】吸収 |
1d4【筋】ダメージ/日 |
高濃度 |
22 |
2d4【耐】吸収 |
1d6【筋】ダメージ/日 |
深刻 |
30 |
4d6【耐】吸収 |
2d6【筋】ダメージ/日 |
一般的な罠や魔法的な罠を製作する際に、科学技術の要素を組み合わせることができる。コンピューターとAIは罠とつなぐこともでき、離れたところから罠の起動を選択することができるようになる。科学技術と組み合わされた罠は、通常の種別に加え“科学技術”の種別を得る(後述の例を参照)。以下の科学技術の作動条件を罠に使用することができる。
電気の目/Electric Eyes:“視覚”の作動条件に似ているが、この罠は
カメラや他の映像と音声を記録する装置と組み合わせられている。電気の目は通常
暗視120フィートと
夜目を持ち、
〈知覚〉ボーナスは+15。この作動条件は罠の脅威度を+1し、
〈製作〉DCを+5する。
遺伝子/Genetic:この作動条件は
鋭敏嗅覚に似た機能を持つ。30フィート以内にいる目標か生きているクリーチャーが30フィート以内(
鋭敏嗅覚同様、風による影響を受ける)にいる生きているクリーチャーを目標とするか、目標から外すかすることができる。それは個人、近しい家族、種族的な関係に基づくものでなければならない。例えば、罠は
オークを目標に設定することもできるし、NPC1人とその近しい血縁者を目標としないようにすることができる。遺伝子の作動条件は他の作動条件と組み合わせて使用され、それらで最大の有効距離に制限される。脅威度の半分に等しい数まで、異なる遺伝子サンプルと状態を組み合わせることができる。この作動条件は罠の脅威度を+1し、
〈製作〉DCを+5だけ増加させる。
効果
作動条件 カメラ(
〈知覚〉+15);
再準備条件 自動(1ラウンド)
効果 攻撃=+10遠隔接触(2d6[火])、射程単位150フィート(レーザーのルールについては
レーザー・ピストルを参照)
効果
作動条件 遺伝子、接触;
再準備条件 再準備不可
効果 1,000gp以下の
榴弾、複数の目標を対象にし、セーヴを行うこと
効果
作動条件 接触(本文参照);
再準備条件 自動(1分;本文参照)
効果 扉に触れたものに10d8[電気]ダメージ(反応・DC25・半減)。電流扉はクリーチャーが扉を通過しようとしたり無理矢理開こうとした場合にのみ作動する。
ジェネレーターとつながった電流扉にはチャージの制限はない。そうでなければ、この罠は1回動作するだけのエネルギーしかなく、再準備はできない。
特記無い限り、スカイメタルは鋼鉄と同じ硬度とヒット・ポイントを持つ。
アダマンティン/Adamantine:最も一般的なスカイメタルであるアダマンティンは極めて強力で、武器防具の鍛治に好まれる。この金属を素材にした武器は固い障害物を簡単に切り開き、重い一撃を喰らわせることができるからである。
アビジウム/Abysium:この光を放つ青緑色の素材は、強力なエネルギー源となる。また適切な予防措置が執られない限り、その近くで長時間を過ごすと体調を崩し死亡する原因となる。アビジウムを武器や防具として使用すると鋼鉄と同様に機能する。しかしアビジウムの武器や防具を持ち運んだり身につけたりすると、その間
不調状態となる。また、アビジウムを集積した場所にいるものは、その範囲にいる限り
不調状態となる。これは[毒]効果である。
アビジウムで作られた武器と防具はろうそくと同じ程度に強く光る。アビジウムを粉末状にして錬金術の触媒と共に蒸留させ、より強力な毒へと化学処理することもできる。アビジウム粉末1服分を作るには、アビジウムが1ポンドあればよい。
アビジウム粉末/Abysium Powder:毒・摂取型;
セーヴ 頑健・DC18;
潜伏期間 10分;
頻度 1回/分(6分間);
効果 1d4【耐】ダメージ、加えて
吐き気がする状態;
治癒 2回連続成功;
コスト 900gp。
イヌーブリクス/Inubrix:この金属の組成により、鉄と鋼鉄は触れることなくこの金属を通過する。実際に内側と外側を移動しているように見える。イヌーブリクスは固体のスカイメタルの中では最も柔らかく、鉛とほとんど同じ展性がある。そのため、この金属は防具を作るには適していない。イヌーブリクスの武器はほとんどの金属鎧を比較的簡単に通過することができるが、簡単に壊れてしまう。イヌーブリクスは1インチあたり10ヒット・ポイントを持ち、硬度は5。
イヌーブリクス製の武器は実際のサイズより1サイズ段階小さいかのようにダメージを与え、常に
破損状態であるかのように扱う。この武器は鉄製ないし鋼鉄製の鎧と盾による鎧ボーナスと盾ボーナスを全て無視する。イヌーブリクス製の武器はこれらの素材に一切ダメージを与えることはできない(そして延長線上で考えると、
アイアン・ゴーレムや同種のクリーチャーにも同様である)。イヌーブリクスで武器を作成すると、武器の市価が5,000gp増加する。
シカタイト/Siccatite:この輝く銀色の金属は、見つけたときには信じられないほど熱いか凍えるほど冷たい。今のところ、シカタイトが実際は2つの似た色をした金属なのか、それともよく分からない過程を経てその温度を変える一種類の金属なのか、学者もまだ判断できていない。シカタイトの原鉱が見つかると、50%の確率でホット・シカタイトである。そうでなければコールド・シカタイトとなる。シカタイトに直接触れると、毎ラウンド(ホット・シカタイトの場合)1ポイントの[火]ダメージか(コールド・シカタイトの場合)1ポイントの[冷気]ダメージを受ける。ホット・シカタイトはその内物体に火を着け、コールド・シカタイトを水中につけると周囲が1フィートの厚さの氷で覆われる。シカタイトで作られた武器は敵に命中させるたびに適切なエネルギー種別のダメージを1ポイント追加で与える。しかし戦闘で使用するラウンド毎に、使用者は同じエネルギー種別のダメージを1ポイント受ける。
シカタイト製の鎧は毎ラウンド、身につけたクリーチャーに1ポイントの([火]もしくは[冷気])エネルギーによるダメージを与える。ラウンドの間中シカタイト製の鎧を身につけているクリーチャーに組みつくと、同じダメージを埋める。コールド・シカタイトは[火]に対する
抵抗5を、ホット・シカタイトは[冷気]に対する
抵抗5を与える(この鎧は与える
抵抗の合計値を変えることはない)。シカタイトは武器の価格を1,000gp、鎧の価格を(鎧の種別にかかわらず)6,000gpだけ増加させる。
ジェゼット/Djezet:最も奇妙なスカイメタルの一つ、赤錆色をしたジェゼットはどのような温度でも液体である。素材としてはほとんど使い道がないが、この素材を探す人のほとんどは、呪文発動の追加構成要素として用いる。この素材は、魔法を強化する能力があるのだ。追加の物質構成要素として使用すると、ジェゼット1回分は呪文の有効レベルを1だけ増加する。これは
《呪文レベル上昇》と累積する。追加の物質要素として使用するには、呪文の使い手は呪文のレベル毎にジェゼット1服分を使用しなければならない――追加でジェゼットを使用しても何の効果もない。ジェゼットは1服分で200gpである。
ノクワール/Noqual:慣れていない人が見るとノクワールは淡い緑色の水晶に見えるが、外見以外の点では鉄として機能する。ノクワールは軽い――鉄の半分の重さしかないが、強度はそのままだ。さらに重要なことに、ノクワールは奇妙なことに魔法に対する抵抗力を備える。ノクワールで作られた物体は、魔法の効果に対するセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。
ノクワール製の武器は通常の半分の重量で、特技や呪文で作られた
人造と
アンデッドに対するダメージ・ロールに+1の強化ボーナスを得る。ノクワール製の防具は同種の防具の半分の重量である。移動速度や他の制限を決定する際、ノクワール製の重装鎧は中装鎧として扱い、ノクワール製の中装鎧は軽装鎧として扱う。防具の最大【敏捷力】ボーナスは2だけ増加し、防具の判定ペナルティは3だけ減少する。防具の呪文失敗確率は20%だけ増加し、使用者の魔法の種類やクラス特徴に関わらず、防具を身につけている間に発動する魔法全てに適用される。ノクワール製の防具の使用者は、呪文と
擬似呪文能力に対する全てのセーヴィング・スローに+2の抵抗ボーナスを得る。
ノクワールは厚さ1インチ毎に30ヒット・ポイントと硬度10を持つ。ノクワールの価格は1ポンドあたり50gp。ノクワールを原材料に使用すると、軽装鎧の価格を4,000gp、中装鎧の価格を8,000gp、重装鎧の価格を12,000gp、盾の価格を2,000gp、武器やその他のアイテムの価格を500gpだけ増加させる。
魔法のアイテムを作成する際にノクワールを組み合わせた場合、処理中この金属を取り扱うために使用する試薬と錬金術試料が効果であるために、市価は5,000gp増加する。
ホラカルコン/Horacalcum:知られているスカイメタルの中でも最も珍しい、この味気ない銅のような金属は周囲の時間を歪め、速度を上げたり下げたりさせるように見える。ホラカルコンは1ポンドより多く見つかることはほとんどない。鋼鉄と同程度の重量と密度だが、ずっと耐久性がある。ホラカルコン製の武器は攻撃ロールに+1の状況ボーナスを与える(ホラカルコンで矢弾を作成することはできるが、攻撃ロールにボーナスを与えない)。鎧全てをこの金属で作成すると信じられないほどのお金がかかるが、ホラカルコン製の鎧を身につけると、ゆっくりとした速度で時間が流れることを感じられる(それゆえ、通常より早く反応することができる)。そのため、この価格は妥当なものだと考えるものもいる。ホラカルコン製の軽装鎧はイニシアチブ判定に+1のボーナスを、ホラカルコン製の中装鎧はイニシアチブ判定に+2のボーナスを、ホラカルコン製の重装鎧はイニシアチブ判定に+3のボーナスを与える。ホラカルコン製の武器と防具は常に高品質と見なされる――高品質にするための費用は、以下の市価に含まれている。
ホラカルコン製の武器と防具は、hpが通常より1/4だけ多い。ホラカルコンは1インチあたり30ヒット・ポイントを持ち、硬度は15。ホラカルコンで作ると、武器の市価は6,000gp、軽装鎧の市価は10,000gp、中装鎧の市価は30,000gp、重装鎧の市価は60,000gpだけ増加する。
スカイメタル合金:古今問わず、冶金家はスカイメタルと他の素材を混ぜ合わせていくつもの合金を生み出してきた。これらの多くは極めて専門的な用途向けのものだが、ここでその一つであるグローサイト/glauciteを取り上げる。この味気ない灰色の金属はアダマンティンと鉄の合金である。硬度15で厚さ1インチ毎に30ヒット・ポイントを持つが、グローサイトは鉄の半分の重さしかなく、一緒に使うのは難しい。船殻やロボットの外枠の素材として使用されるが、一般には新しいアイテムや他の計画においての素材として、収集家や変わり者が探し求めるものだ。
最終更新:2015年12月13日 00:45