オークの襲撃者がのどかな田園地方を荒らしまわったなら、それは悲劇である。ファイアー・
ジャイアントが同じことをしたら、その結果は徹底的な破壊となる。終末とファイアー・
ジャイアントの襲撃との差は意味論だけのものだ。彼らの恐ろしい将軍が引き起こす大火災は村や要塞、都市全体すら飲み込んでしまう。
ファイアー・
ジャイアントは質のよい精錬された鋼と野火の荒々しさを同時に体現した存在だ。彼らは巨人種の中でも最も争いを好み、組織化されている。彼らは熟慮し、戦略的に行動し、暴力的だ――ファイアー・
ジャイアントの貴族や血に飢えた将軍の燃える目にさらされたものにとっては、危険な組み合わせと言える。ファイアー・
ジャイアントの軍事行動はいつも慎重さが先に立ち、長期に亘る熟慮の末のものだ。彼らの作戦司令室と王宮は活動的に動いている;実際、暴力という底意はファイアー・
ジャイアントの社会のあらゆる面から感じられる。
いくつもの社会に、ファイアー・
ジャイアントに言及した寓話や歴史がある。しかし喜ばしいものは一つもない。ファイアー・
ジャイアントはいつも無慈悲な戦士にして賢い将軍として描かれ、時に破壊に関する伝説や破滅の物語の中心に位置されることも多い。彼らは戦争の恐怖の体現者だ。これは彼が圧倒的な力を備えているからでもないし、熱と怒りで敵を焼く岩を投げるからでもない――こういった特性はよくても付属物程度のものだ。偽りの神話や子供の話で言われているものよりも、真実はずっと悲惨である。ファイアー・
ジャイアントは伝承や伝説のなかで、戦争と破壊に強く親しんでいる。それは彼らは強く、弱者を忌み嫌うからである。世界の他の種族のほとんどにとって不幸なのは、ファイアー・
ジャイアントは自分達より小さいものは何であれ、弱く、見るに堪えないと感じることである。
ファイアー・
ジャイアントは岩だらけの山や岩の多い荒れ地に住む。彼らは火山の中心に工場を作る。そこで彼らは流れる溶岩から引き出したエネルギーを用いて鍛冶場を作り、獲物の血で赤熱する武器や鎧を冷やす。ファイアー・
ジャイアントの巨大な精錬工場と鍛治場から作り出されたスモッグは、乾燥した季節になれば、雷鳴と稲光で乱れる。そしてファイアー・
ジャイアントの居住区から流れてくる黒い煤は、小さき種族から火山の煙と勘違いされるほどのものだ。しかし低地に住むもので長い間この勘違いを抱き続けてきたものはほとんどいない。
愛は、ファイアー・
ジャイアントにとってほとんど無縁な概念だ。それは他の情熱の副産物としてのみみられる事が多い――例えば、ファイアー・
ジャイアントは輝かしい戦勝や忌々しい敵の首を公式にはねた後に欲望のうねりを感じることがある。妊娠は氏族で祝われるが、それは強い子の誕生が更なる元気な戦士をファイアー・
ジャイアントの軍隊に加える事になるからだ。
ファイアー・
ジャイアントが成長する数年間は、氏族の大人の生活と同様に、戦争によって採点される。生まれたとき、若者は風習として作られる鎧に身を包む。この鎧は成長する身体に合わせ、必要に応じて補修され改修される。ファイアー・
ジャイアントが大人になるにはおよそ50年ほどかかる。この期間は終わることの無き、乱暴で血にまみれた訓練の時だ。普通、練習試合と力比べによって、若いファイアー・
ジャイアントの技術と将来性が評価される。部族の指導者はこれらの試合を注意深く観察し、将来の将軍候補を見出すことさえある。指導者は部族の下級の地位に追いやられる人々も識別し、弱いものは集団から追いやられる運命にある。ファイアー・
ジャイアントの社会には自分の重みを支える事のできないものに与える空間はない。若いファイアー・
ジャイアントは皆、しばらくの間部族の領地の外に追放され、生き残る事で価値を示さなければならない。さもなくば、この試練の中で死ぬ。
ファイアー・
ジャイアントはいかなる規模であれ、戦争を楽しむ。皆殺しや虐殺はその飢えた暴力性を楽しませてくれるが、それはより小さな小競り合いや一対一のレスリングでも同様なのだ。もちろん、ほとんどの血を流すこととなった戦いは、ファイアー・
ジャイアントの口伝に伝えられるようなものになる。彼らは伝承を記述して残すことはまずない。彼らは戦争物語を書き記すことは時間の無駄だと考えているのだ――ファイアー・
ジャイアントにとって、敵の死を記録するために用いたり、略奪品の山を数えたり、最近の襲撃で捕えた奴隷を分類したりするのに使うのが筆記の最高の使い方なのだ。この手の帳簿は奴隷にされた書記官の仕事であることが多く、ファイアー・
ジャイアントがインクや紙でその手を汚す必要は全くない。
ファイアー・
ジャイアントが世界の端まで広がり、全てを支配することがなかった唯一の理由は、おそらくその気むずかしい性格だろう――その氏族や部族は定期的に関係を悪化させる。ファイアー・
ジャイアントがすでに支配権を確立している地域でさえ、意見をまとめ導く指導者を一人に決められない場合、仲の悪い氏族がその制御を定められないこともある。彼らはすぐに怒り、あまりにも傲慢であるため、条約や同盟を結ぶことはほとんどない。かつて強力なファイアー・
ジャイアントの王国が、このような傲慢によって足下から崩れていったことは、一度だけではない。
ファイアー・ジャイアント氏族間の戦いは、目を見放せないほど劇的な光景だ――溶岩が地面からはじけて固まり、
紅蓮戦斧が炎の魔法を引き起こす。
スチーム・ホグに乗った騎兵が燃え盛る戦いの中に向こう見ずに突撃すれば、正真正銘の地震が生み出される。こういった小競り合いはどこでも起きる可能性がある――ファイアー・ジャイアントが戦争する際、場所による差はない。伝説的な戦争の十字砲火に巻き込まれた無垢なる傍観者に悲しみが降りかかる。居住区全体がファイアー・ジャイアントの戦争が引き起こす二次的な被害で壊滅することになる。
ファイアー・
ジャイアントは支配権を決める確実な方法として力を用いる。力を足下の者に誇示しない支配者は弱く、退任が相応しい。その一方で、恐怖と腕力で圧力をかけたものは畏怖される王や女王となる。ファイアー・
ジャイアント社会は君主政体であるが故に、氏族の最下層民は自分のいる場所が鍛治場や金床であると確信している。そして貴族はその野蛮な階層構造の高みで定着する。
ファイアー・
ジャイアントの中でも珍しい存在だが、祝福された終末のオラクルは神格の使者として大切にされる。
啓示/Revelations:終末の神秘を持つオラクルは、以下の啓示から選択することができる。
元素否定(変則)/Defy Elements:エネルギー種別([音波]、[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[氷雪])から1つを選択する。君は選択したエネルギー種別に対する
抵抗5を得る。5レベルの時点と以降5レベル毎に、追加で1つエネルギー種別を選んでそのエネルギー種別に対する
抵抗5を得るか、既に選択しているエネルギー種別の
抵抗を5だけ増やす(エネルギー種別1つの
抵抗は最大で20)かを選択することができる。
死に行くものの力(擬呪)/Power of the Fallen:君は
瀕死状態のクリーチャーに触れ、その生命エネルギーを他の生きているクリーチャーに放出することができる。この能力は
デス・ネルとして機能するが、君は(自分自身を含む)30フィート以内の仲間1人にこの効果の利益を与えることができ、君は【筋力】か【敏捷力】か【耐久力】のいずれかに+2の強化ボーナスを与えることができる。君はこの能力を、1日に【魅力】修正値に等しい回数だけ使用することができる。この啓示を修得するには、5レベル以上でなければならない。
呪文突き飛ばし(超常)/Spell Blast:君が攻撃ロールを必要とする呪文で敵に対してクリティカル・ヒットを確定させたなら、君は即行アクションとして、直ちに任意の方向にその敵に突き飛ばしを試みることができる。この突き飛ばしの試みにおいて、君は機会攻撃を誘発しない。
塵は塵に(超常)/Dust to Dust:1日1回標準アクションとして、君は自分の周りにある武器を、使用者が所持したまま破壊することができる。この能力を使用する際、君は武器破壊戦技判定を1回行うこと。この戦技判定において、基本攻撃ボーナスの代わりに術者レベルを、【筋力】修正値の代わりに【魅力】修正値を用いる。君から半径10フィート以内にいて人工的な武器を持つクリーチャーそれぞれが、同時にこの試みの目標となる。君はそれぞれの武器に1d4×【魅力】修正値(最小1d4)に等しいダメージを与える。11レベルの時点で、このダメージは1d6×【魅力】修正値(最小1d6)に増加する。10レベルの時点で、君はこの能力を1日に2回使用することができる。
灯火渡し(超常)/Pass the Torch:1日1回即行アクションとして、君は終末のエネルギーを君の身体に放出し、発火することができる。この能力を起動したときと、この効果が終了するまでの自分のターンの開始時に、1d4ポイントの[火炎]ダメージを受ける。君に隣接したマスでターンを開始したクリーチャーは、火が広がることで1d6ポイントの[火炎]ダメージと、この能力が起動してから今までに経過したラウンド数毎に1ポイントの[火炎]ダメージを受ける。例えば、この能力を起動してから5ラウンドが経過しているなら、隣接したクリーチャーは1d6+5ポイントのダメージを受ける。君はこの能力をオラクル・レベルの半分に等しいラウンド数だけ使用することができる。また、君はこの能力をフリー・アクションで終了することができる。5レベルの時点と以降5レベル毎に、君はこの能力を1日に追加で1回ずつ使用できるようになる。
止まらぬ蹴散らし(変則)/Unstoppable Overrun:君は自分よりも2サイズ段階大きいかそれより小さい敵に対して蹴散らし戦技を試みることができる。5レベルの時点で、君はボーナス特技として
《蹴散らし強化》を得る。10レベルの時点で、君はボーナス特技として
《上級蹴散らし》を得る。これらの特技を修得する際、君は前提条件を満たす必要はない。
破壊の根(超常)/Destructive Roots:君は今いる場所に根を下ろし、君の周りの世界を破壊することができる。標準アクションとして、君は自分を中心とした半径5フィートの地面を砕いてバラバラにし、移動困難な地形にすることができる。以降のラウンドにおいて、君は移動アクションで呪文に精神集中するかのように、この範囲に精神集中を続けることができる。そのようにするならば、移動困難な地形の半径は5フィートずつ増加する(最大で半径30フィート)。君がこの能力を起動したマスから移動すると、精神集中は直ちに解かれる。この能力で作られた移動困難な地形は、元の状態に戻るまでに24時間かかる。この啓示を修得するには、7レベル以上でなければならない。
破滅を告げるもの(超常)/Doomsayer:標準アクションとして、君は敵に恐怖を与え
怯え状態にする恐ろしい予言を口にすることができる。効果を及ぼすには、敵は30フィート以内にいて君の声が聞けなければならない。この効果は敵が30フィート以内にいる限り持続し、君は毎ラウンド移動アクションを用いて破滅を告げ続けなければならない。既に目標が他の効果で
怯え状態になっていたとしても、この能力でクリーチャーを
恐れ状態や
恐慌状態にすることはできない。これは音声要素による[恐怖、精神作用]効果である。15レベルの時点で、君は破滅を告げ続けるために、毎ラウンド即行アクションを消費するだけでよくなる。この啓示を修得するには、7レベル以上でなければならない。
最終啓示/Final Revelation:20レベルに到達すると、君は終末の先触れとなり、この予言を満たすために驚くほどの力を手にする。君が負のレベルを1以上与える呪文や能力の使用に成功したなら、この効果は追加で負のレベルを1d4与える。クリーチャー1体に対してクリティカル・ヒットを確定させたなら(近接攻撃でも遠隔攻撃でも、呪文攻撃でもよい)、即行アクションとして君はこの攻撃の目標を呪うことができる。これは
ビストウ・カース呪文として機能するが、目標はこの効果を無効化するために意志セーヴィング・スローを試みることはできず、この能力には
呪文抵抗も機能しない。
ファイアー・
ジャイアントの戦士は以下の特技を使用することができる。
君の投げる岩はあまりにも熱く燃え、煙を放つ。
前提条件:基本攻撃ボーナス+11、“灼岩”の特殊能力。
利益:君が攻撃アクションの一部として岩を投げ、目標に命中したなら、君はその岩から半径10フィート拡散の範囲に
濃い煙を放つことができる。煙は1d4ラウンドの間持続する。
バーニング武器特殊能力と
スチーミング防具特殊能力は、ファイアー・ジャイアントの武器と防具に火と蒸気の力を付加する。
スチーミング
(
Steaming/蒸気)
市価 +2ボーナス;
オーラ 微弱・力術;
術者レベル 3;
重量 ―
スチーミング鎧には換気用にスライドする板と動く部分が備えられている。1日3回、スチーミング鎧の使用者は合言葉を口にすることで、鎧から焼けるような蒸気の雲を噴射することができる。蒸気は5ラウンドが経過するか、使用者が2つ目の合言葉を口にして中断するまで持続する。
使用者が合言葉を口にしたときと、以降のラウンドにおける使用者のターンの開始時に、蒸気は使用者が組みついているクリーチャーと使用者のマスにいる(使用者を除く)全てのクリーチャーに1d6ポイントの[火炎]ダメージを与え、使用者を中心とした半径5フィートの爆発範囲にいる全てのクリーチャーに1ポイントのダメージを与える(ただし、使用者が組みついているために既にダメージを受けているクリーチャーは除く)。スチーミング能力が起動している間、使用者の5フィート以内にいるクリーチャーが使用者に対して近接攻撃か戦技判定を試みたなら、DC14の反応セーヴィング・スローを行わねばならず、失敗すると1d6ポイントの[火炎]ダメージを受ける。
スチーミング防具特殊能力は、中装鎧か重装鎧にのみ付与することができる。
バーニング
(
Burning/着火)
市価 +2ボーナス;
オーラ 強力・力術;
術者レベル 12;
重量 ―
バーニング武器が誰も所持していない可燃性の物体に当たると火が着き(魔法のアイテムの場合、DC13の頑健セーヴで無効化できる)、着火した後はその物体に、毎ラウンド1d6+1ポイントの[火炎]ダメージを与える。大部分もしくは全てが木でできているアイテムはこの効果をより強く受け、2d6+2ポイントの[火炎]ダメージを受ける。この効果は1d4ラウンド持続する。燃える物体と同じマスで自分のターンを終えたクリーチャーは、1d6+1ポイントの[火炎]ダメージを受ける。
1日3回、バーニング武器の使用者は合言葉により、この武器で火が着いた物体1つをより激しく燃やすことができる。これにより燃える効果が1d4+1ラウンド持続するようになり、加えて燃えている物体から5フィート離れたところまで届く爆発を生み出すことができる。この爆発は範囲内にいるクリーチャーそれぞれに1d6+1ポイントの[火炎]ダメージを与える。加えて、範囲内にある誰も所持していない可燃性の物体は、この武器が命中したかのように火が着く。
ファイアー・ジャイアントは他の種族に対する熱心な戦争において、しばしばバーニング武器を用いる。
ファイアー・ジャイアントの先鋒 Fire Giant Vanguard
ファイアー・
ジャイアントがその野蛮さを解き放つとき、グレイヴ使いと“剛腕”が先頭に立つことが多い。
防御
AC 24、接触10、立ちすくみ23(+8外皮、-1サイズ、+1【敏】、+6鎧)
HP 197(17HD;15d8+2d10+119)
頑健 +19、
反応 +6、
意志 +10
防御能力 岩つかみ;
完全耐性 [火炎]
弱点 [氷雪]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 40フィート
近接 +2グレイヴ=+24/+19/+14(2d8+15/×3)
遠隔 岩=+14(1d8+13、加えて1d6[火炎])
接敵面 10フィート;
間合い 20フィート(
長柄の技使用時10フィート)
特殊攻撃 岩投げ120フィート、灼岩、
長柄の技-4
一般データ
防御
AC 31、接触11、立ちすくみ30(+8外皮、-1サイズ、+3盾、+1反発、+1【敏】、+9鎧)
HP 158(18HD;15d8+3d10+75)
頑健 +16、
反応 +7、
意志 +11([恐怖]に対して+1)
防御能力 岩つかみ、
武勇+1;
完全耐性 [火炎]
弱点 [氷雪]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1フレイミング・ウォーハンマー=+27/+22/+17(2d6+13/×3)
遠隔 岩=+15/+10/+5(1d8+18、加えて1d6[火炎])
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、灼岩
一般データ
先鋒がその仕事を成し遂げた後、ファイアー・
ジャイアントの精鋭である補佐官が一般のファイアー・
ジャイアントの軍勢を争いへと率い、王の怒りの矛先を捻れた燃える残骸に変えてしまう。
ファイアー・ジャイアントの補佐官/Fire Giant Lieutenant CR16
防御
AC 32、接触10、立ちすくみ32(+8外皮、-1サイズ、+4盾、+1反発、+10鎧)
HP 253(21HD;15d8+6d10+153)
頑健 +21、
反応 +7、
意志 +12
防御能力 岩つかみ;
完全耐性 [火炎]
弱点 [氷雪]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1バスタード・ソード=+27/+22/+17/+12(2d8+10/19~20)または
+1ヴァリアント・ランス=+26/+21/+16/+11(2d6+14/×3)または
叩きつけ(×2)=+25(1d8+9)
遠隔 岩=+17(1d8+14、加えて1d6[火炎])
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、
キャヴァリアーの突撃、灼岩、
挑戦(+8、3回/日)、
旗印+2/+1
戦術
戦闘前 このファイアー・ジャイアントはジャイアント・ダイア・ボアに乗り、戦闘に向かう。
戦闘中 戦闘に入ると、ファイアー・ジャイアントの補佐官は最も強力な敵に
挑戦し、
ヴァリアント・ランスを用いて乗騎の上から敵に突撃する。戦闘の最中に一度、補佐官はランスをバスタード・ソードに持ち替え、周りの敵を叩き切る。
一般データ
ジャイアント・ダイア・ボアの乗騎/Giant Dire Boar Mount CR―
王と女王は全軍の移動先と戦略を示すが、ファイアー・
ジャイアントの補佐官は強大な乗騎の上から、戦場にいる一般の戦士に指示を下す。ファイアー・
ジャイアントの補佐官は素晴らしい戦術家で、指揮下の軍人を鼓舞する。副官は戦闘からの逃亡が王や女王の怒りを招くものだと知っている。
上述のジャイアント・ダイア・ボアはファイアー・ジャイアントの副官が持つ
乗騎能力として機能する。
ファイアー・ジャイアントの紅蓮戦斧 Fire Giant Magmablade
火の魔法と武力を混ぜ合わせた紅蓮戦斧は、炎と虐殺の旋風である。
防御
AC 35、接触10、立ちすくみ35(+10外皮、-1サイズ、+4盾、+1反発、+11鎧)
HP 253(29d8+123)
頑健 +23、
反応 +10、
意志 +20
防御能力 岩つかみ;
ダメージ減少 10/アダマンティン (140点);
完全耐性 [火炎]、
マジック・ミサイル
弱点 [氷雪]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 40フィート
近接 +1キーン・ディスペリング・バトルアックス=+35/+30/+25/+20(2d6+16/19~20/×3)または bab2
叩きつけ=+33(1d8+13)
遠隔 岩=+21(1d8+19、加えて1d6[火炎])
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、灼岩、
呪文撃、
呪文戦闘強化、
呪文戦闘(-2攻撃、+2精神集中、2倍のボーナス)、
上級呪文戦闘
準備済みのメイガス呪文 (術者レベル14;精神集中+19)
戦術
一般データ
ファイアー・ジャイアントの破滅の運び手 Fire Giant Doombringer
破滅の運び手の宣告1つで、集落全体が塵芥と消えてしまう。
防御
AC 32、接触12、立ちすくみ30(+8外皮、-1サイズ、+3盾、+1反発、+2【敏】、+9鎧)
HP 341(31d8+202)
頑健 +20、
反応 +12、
意志 +20;病気、[即死]効果、[精神作用]効果、毒、睡眠、朦朧に対して+4
防御能力 岩つかみ;
ダメージ減少 2/―;
完全耐性 [火炎]
弱点 [氷雪]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +2コンダクティヴ・フレイル=+35/+30/+25/+20(2d6+12)
遠隔 岩=+25(1d8+14、加えて1d6[火炎])
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、灼岩
修得オラクル呪文 (術者レベル16;精神集中+22)
一般データ
強く、威厳を持つ、恐ろしい存在。ファイアー・
ジャイアントにおける女王は、その地位を戦いで獲得した。そして同じ名前のチェスのコマのように、無慈悲な悪意を持って躊躇なく動く。
ファイアー・ジャイアントの女王/Fire Giant Queen CR19
防御
AC 31、接触14、立ちすくみ28(+1回避、+10外皮、-1サイズ、+2反発、+2【敏】、+7鎧)
HP 326(28HD;15d8+5d10+8d6+204)
頑健 +22、
反応 +10、
意志 +16([恐怖]に対して+1)
防御能力 岩つかみ、
武勇+1;
完全耐性 [火炎]
弱点 [氷雪]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 40フィート
近接 +1ディスペリング・フューリーボーン・ヘヴィ・メイス=+32/+27/+22/+17(2d6+12/19~20)
遠隔 岩=+22(1d8+15、加えて1d6[火炎])
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、灼岩、
武器修練(ハンマー+1)
修得ソーサラー呪文 (術者レベル8;精神集中+13)
戦術
戦闘中 ファイアー・ジャイアントの女王は呪文と武術を組み合わせ、戦場での優位性を示す。
一般データ
ファイアー・
ジャイアントの女王の多くは夫とともに部族を支配する。2人の結婚はロマンス以上に政治力に基づいたものだ。それ以外のファイアー・
ジャイアントの女王は1人で支配する。王はおらず、仲間もいない。その信じられないほどの力と権力を支えとする。
ファイアー・
ジャイアントの王は王宮でぶらつく存在ではない。王は敵を探し、資源を求めて領土を拡張する。
ファイアー・ジャイアントの王/Fire Giant King CR20
防御
AC 34、接触10、立ちすくみ34(+13外皮、-1サイズ、+3反発、-2【敏】、+11鎧)
HP 382(25HD;15d8+10d10+260)
頑健 +26、
反応 +10、
意志 +14
防御能力 岩つかみ、
身かわし;
完全耐性 [火炎]
弱点 [氷雪]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1ブリリアント・エナジー・グレートソード=+36/+31/+26/+21(3d6+22/17~20)または
叩きつけ(×2)=+34(1d8+14)
遠隔 岩=+19(1d8+21、加えて1d6[火炎])
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、灼岩、
戦闘スタイル(“両手武器”)、
得意な敵(動物+2、竜+4、ドワーフ+4)
準備済みのレンジャー呪文 (術者レベル7;精神集中+11)
戦術
一般データ
ファイアー・
ジャイアントの王は火山の王国を狂気と締めつけで支配する。殆どの王は自分の権力を守るためと避けられぬ戦死の際に玉座に就く継承者を得るため、傍で統治する女王の手を求める。しかしファイアー・
ジャイアントの王は常に陰謀を警戒している。その地位を簒奪しようとする者はいつも存在するためだ。
このがっしりとしたイボイノシシは全身を様々な鋼鉄の鎧と異常な付属品で覆っている。そして鋭い金属製の牙が一組生えている。
スチーム・ホグ/Steam Hog CR7
防御
AC 19、接触8、立ちすくみ19(+6外皮、-2サイズ、+5鎧)
HP 94(9d10+45)
頑健 +10、
反応 +6、
意志 +6
防御能力 凶暴性;
ダメージ減少 2/―;
抵抗 [火炎]15
攻撃
移動速度 30フィート、穴掘り10フィート
近接 突き刺し=+14(2d6+7、加えて1d6[火炎])、
蹄(×2)=+9(1d8+3)
接敵面 15フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 蹂躙(1d8+10、DC21)、蒸気の雲
一般データ
生態
出現環境 暑熱/山岳
編成 単体、騎兵隊(2~4 、加えて2~4ファイアー・ジャイアント)、または 暴走隊(5~8、加えて3~8ファイアー・ジャイアント)
宝物 標準(超大型用アダマンティン製スケイル・メイル・バーディング、その他の宝物)
特殊能力
蒸気の雲(変則)/Steam Cloud 標準アクションとして、スチーム・ホグは半径10フィート拡散の範囲に向けて、鼻から蒸気の雲を放つことができる。範囲内にいる全てのクリーチャーは、蒸気の最初の爆発により2d6ポイントの[火炎]ダメージを受ける。雲は作成されてから1d4ラウンドだけ持続し、半径10フィートの
オブスキュアリング・ミストとして機能する。蒸気の範囲で自分のターンを開始するクリーチャーはDC18の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると1d6ポイントの[火炎]ダメージを受ける。スチーム・ホグは蒸気の雲を1d6ラウンドに1回だけ使用することができる。セーヴDCは【耐久力】に基づいている。
ファイアー・
ジャイアントの軍隊の進歩は、武器や防具に留まらない――ファイアー・
ジャイアントの悲惨な鍛治場のために山から掘り出された鉱石のように、動物もファイアー・
ジャイアントの兵器として使えるように自然から選び出される。
ヘル・ハウンド、
レッド・ドラゴン、その他火に関する動物が暴力的な行軍に用いられるが、それに加えてファイアー・
ジャイアントは自らの手で戦用獣の固有種をいくつか生み出してきた。肉と鋼を融合させた固有種の中でも、白眉はスチーム・ホグとして知られる奇形の豚だ――巨大な鼻を鳴らす暴れ者で、ファイアー・
ジャイアントの軍隊の最前線で突撃する。一体で敵兵の小隊全てを横たわらせるだけの力がある。
ファイアー・
ジャイアントはスチーム・ホグの為に新しい鎧を作ることも十分できるが、彼らは価値ある戦用獣に、彼らが打ち倒した敵の武器や鎧を取り付けることを大きな喜びとする。そのため、長く活躍するスチーム・ホグの鎧と携行品は、この獣が戦ってきた戦いと戦争の記録となる。このようなスチーム・ホグが戦場で敗れると、その鎧――そしてその歴史――が感傷的なファイアー・
ジャイアントの調教師に保存され、宝物殿に宝として飾られることもある。
スチーム・ホグの全長は鼻先から尾までが平均16フィート、肩までの高さが8フィートほど。その重量は3米トンにまでなり、アダマンティン製のスケイル・バーディングを装備しているときには4米トンに至る。
以下の遭遇に示した集団は、冒険者の一団がファイアー・
ジャイアントと戦う際に出会う可能性のある最も一般的なものである。あるいは、ファイアー・
ジャイアントが遠征に出ている際の一般的な軍隊である。
偵察隊(CR15) Scouting Party
全軍を上げた襲撃を始める前に、ファイアー・
ジャイアントはしばしば偵察用に小さな一団を送り出し、攻撃の最良の方法を決める。
XP 各19,200
HP 各197
XP 各9,600
HP 各142
投撃隊(CR17) Artillery
ファイアー・
ジャイアントの投撃隊は、滅多に見ることはないが間違いなく存在を感じられる。彼らは戦場の後方に位置し、遠くから灼岩を投げ、襲撃を開始する。しかしこの戦士達は、近接戦闘でも同様に効果的な存在だ。
XP 25,600
HP 各158
XP 各9,600
HP 各142
襲撃隊(CR19) Raiding Party
ファイアー・
ジャイアントが領土拡張の旅程で見つけた居住地は、ファイアー・
ジャイアントの襲撃隊の調査によって恐怖に包まれる。
XP 各25,600
HP 各158
XP 各9,600
HP 各142
ヘル・ハウンド(12)/Hell Hounds CR3
XP 各800
HP 各30
スチーム・ホグ(5)/Steam Hogs CR7
XP 各3,200
HP 各94
王室随伴者(CR23) Royal Accompaniment
ファイアー・
ジャイアントの貴族の中には、一族の普通の労働者や戦士の中で戯れたり、新しく征服した土地を調査したりするには、玉座から降りる必要があると考える者もいる。彼らは暗殺者になり得る者から確実に安全を守る忠勇なる補佐官たちの小さな集団に先導される。旅をしないときには、この補佐官達はファイアー・
ジャイアントの王室の親衛隊となる。
XP 307,200
HP 382
XP 各76,800
HP 各253
XP 204,800
HP 326
最終更新:2024年09月08日 01:29