はじめに

世界史では膨大な範囲が試験で問われます。
学校の授業では、一分野ごとに深く内容を取り扱っていくイメージが強いですが、入試となれば、一つの試験問題の中で全時代が問われることになりますから、全体像が分かっていない人は苦戦します。おまけに、入試直前になって「どの分野が苦手?」と先生に聞かれても「それが分からないんだよな・・・」みたいになります。
そこで、ここでは、世界史の全体像を概観し、世界史がどんな構造になっているかを浮き彫りにすることを目指しました。
(ここで示すのはあくまでひとつの歴史観です。実際に勉強していけばいくほど、歴史の捉え方はさまざまであることに気付きます。実際には、学習を通じてあなた自身の歴史観がつくられていくことが理想ですし、それこそが歴史学習の醍醐味でもあります。)

用語をまずは抜く姿勢

どんな科目であれ、用語の暗記はつきものです。特に歴史科目における学習の中心は用語暗記になるかもしれません。
しかし、構造が分かって用語を覚えるのと、用語を覚えてから構造を覚えるのでは学習効果は大きく変わっていきます。
「構造」とは、複雑な事象から複数の要素を取り出し、要素間の関係を考察し、事象全体を俯瞰的に捉えることです。
そういう全体像を頭に入れてから用語に触れると、非常に頭に入りやすいことが多いです。
これは、「全体から細部へ」という、複雑な物事を理解しようとするときの基本態度です。
本ページでも、そのような全体像や構造を理解してもらうことを一番の念頭に置いています。
既に世界史の勉強をしている人であっても、新鮮な視点を与えられ、今後の勉強効率が大きく変わることでしょう。

「今」から逆算するように学べ

歴史を学ぶ際に、教科書通りに古代から学ぶ人がいます。
しかし、我々が今生きているのは「現代社会」です。大昔のことよりも今のことの方が身をもって理解していることが多いはずです。
勉強の基本のひとつは、「分かることから始めていく」です。
そうすれば、「新しい知識」も既に「分かっていること」をベースに、そこと結び付けながら理解していくことができて非常に効率がよく、意味のある学習となるのです。
となれば、学習順序として古代から学ぶのはナンセンスであり、今現在の社会(地理や現代社会で習うようなこと)の知識をベースとし、その一つ一つの事象に対して「なぜ?」と追及しながらゆっくり遡っていきましょう。おまけに、入試問題において近現代の出題数が非常に多いことからしてもこのやり方は有効です。
以上のようなスタンスに基づいて、世界史の基本事項をお伝えしていきます。

地図を必ず用意

「今」をベースに置いて学習するという意味では、世界地理の把握は絶対条件です。必ず手元に地図帳を用意するようにしてください。
外務省のホームページを見れば、すべての国の名前と位置を確認することができます。また、「〜王国」や「〜共和国」というところまで厳密に覚えることで、政治体制まで頭に入れることができます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html

(例題)以下の国のうちで、現在では君主制に立脚した政治体制を保持しているが、17世紀に共和制国家として存在していた時期がある国をすべて選べ。(慶應大・文学部・2022年)
ア.スイス イ.デンマーク ウ.ギリシア エ.ポルトガル オ.オランダ カ.フランス キ.チェコ
▶正解は【 Ans. 】です。そもそも、この中で「現在」「君主制」になっている国は【 Ans. 】しかなく、事実上の2択問題なので、ある意味これは世界地理の問題とも言えるのです。そのくらい、世界地理が重要だということです。

仮に地図帳がないにしても、場所がはっきり分からない地名が出てきたらすぐにググる癖をつけてくださいね。

特に、東南アジア、ヨーロッパ、アフリカの国を細かく答えられるのは非常に重要です。確認がてら以下の地図の数字のあてられているところの国名を答えてみてください。(答え合わせは皆さん各自で地図帳を用いてお願いします。)



どこを重点的に学ぶべきか

世界史で学ぶ内容は、以下のように分類可能です。
①:単純に流れを繋いでいくだけで頭に入れられる内容
②:他地域との関係性を踏まえて頭に入れていかなければならない内容
一つ一つの国は孤立しているとは限りません。外国となんらかの関係を結んでいることがほとんどです。例えば、「プレヴェザの海戦」は、オスマン帝国が、フランスと同盟を組みながら、スペインや神聖ローマ帝国と戦ったものです。このように、一つの出来事を説明するときに複数の国が出てくる部分(②)が最も難しい部分ですから、学校の授業、塾・予備校の授業、あるいは参考書などで学ぶ人はそこを重点的に学ぶように意識してみてください。
逆に、中国史などはわりと孤立性が高く、他の地域と切り離して一気に学習しやすい単元であります。そういう単元については、用語の定義を的確に覚え、それらを繋げていき縦に流れを追っていくという、単純的な因果関係の連鎖を学べばいいので非常に学習がしやすいはずです。そういう部分は、自学自習でもなんとかなるものです。

世界史の全体像①:世界史を2分割する

世界史の全体像を語るにあたって、よく「古代―中世―近世―近代―現代」という時代区分が利用されますが、そんなことはどうでもいいと思っています。(ざっくり頭に入れる分にはいいでしょう。)
なぜなら地域によってこの時代区分に差があり、この時代区分を使ってもかえって混乱を招く場合があるからです。
ではどう捉えればいいのかというと、以下のように整理します。
  • 世界史は、前半と後半に大きく2分割される。
  • 前半は、4つの地域(ABCD)それぞれで歴史が展開していく。
  • 後半は、4地域のうちの一部(BC)が合体し、3つの地域を中心に展開していく。




はじめ
地域A 地域B 地域C 地域D
真ん中
地域A 地域BC 地域D
終わり
このように押さえてください。ですから、「世界史って何?」という質問に一言で答えるならば、「4つの地域が合体していく歴史」です。
そして、歴史の発展の原理原則として、
歴史の発展=暴力・兵器で勝利した国が覇権を握る
という展開になっています。
以上の基本構造をもとに、もう少し具体化していきます。常に全体を頭に入れておくことで、縦と横の連関を構造的に理解できるため、用語を覚えたら理解度はもっと倍増します。だからこそ土台づくりが大切なんです。

世界史の全体像②:3つの軸と15の箱

先ほどの表に用語を入れて、もう少し具体化していきます。




- 【先史時代】
- ヨーロッパ 中東 インド 中国
●3C
●7C
●13C
16C 【大航海時代】
- 欧米 中東・インド 中国
●17C
20C 【冷戦の時代】
※番外編(地域史):朝鮮、東南アジア、アフリカ、中南アメリカ

世界史の全体像③:転換点=3・7・13・17世紀

●3世紀:【3世紀の危機】
●7世紀:【イスラム教の成立】
●13世紀:【モンゴルの衝撃】(パックス・モンゴリカ)→(結果)気候の寒冷化+ペストの流行により衰退
●17世紀:【17世紀の危機】←(背景)気候の寒冷化

世界史の全体像④:3つの軸=はじめ・真ん中・終わり

  • はじめ=先史時代
▶文明が未発達、すなわち文字がなく、記録資料が残っていない時代です。
  • 真ん中=大航海時代
▶この時代は、文化や宗教が政治・経済に大きく影響を与え、封建社会を揺らがせ近代への移行を準備する時代(近代への過渡期)という位置付けになります。この時期を語るうえで最も大切なのが「大航海時代」であり、 航海技術の発達 により、世界中に航海できるようになり、 新しいルート を発見したことで、ヨーロッパに さまざまな変化 が起きるとともに世界の一体化が進み、 ヨーロッパの対外進出 ・植民活動の引き金となります。また、同時にヨーロッパ各地で「宗教改革」「ルネサンス」も並行して進みます。
  • 終わり=冷戦の時代
▶冷戦とは、実際に兵器を使って戦争するわけではないが、異なる考え方の国同士がにらみ合っているという状態のことです(反対語は熱戦)。第二次世界大戦以降、世界大戦と言える状況にはなっていないが、大国同士の冷戦状態が見られた。また、大国同士ではない熱戦という事態も見られ、現代に至っている。(ロシアとウクライナの戦争は、大国vs小国の熱戦である。)

世界史の全体像⑤:15の箱を埋める

以下、①〜⑮についてそれぞれ説明します。読み物のように読めるようにしていますが、読む順番を工夫してください。
  • まずは番号順に一通り読んでみる
  • その後、地域ごとに読んでみる(ヨーロッパだけ切り取って「①→⑤→⑨→⑬」の順に読むなど)
また、その際、前提として、
  • 3〜5世紀、13〜14世紀、16〜18世紀が寒冷期であったこと、7〜12世紀に温暖化していること
を頭に入れておくと、読みやすいです。

①軍人皇帝時代

▶ヨーロッパの地中海に現れた 帝国 によって パックス・ロマーナ が築かれていましたが、3世紀、軍人の皇帝が代わる代わるつく内乱の時代となり、皇帝の暗殺が相次くなど混乱を招いたため「3世紀の危機」と呼ばれています。軍事皇帝時代が終わると、 政治体制は大きく変わり 、帝国再建に努めましたが、気候の寒冷化に伴うゲルマン人の大移動を背景に、ローマ帝国は 滅亡 に追い込まれます。

②パルティア滅亡

▶古代、古代という時代のなかで3つの王朝ができました。 アケメネス朝ペルシア アルサケス朝パルティア 、ササン朝ペルシア。パルティアは、遊牧民の国家であり発展はしませんでした。このあと農耕民中心のササン朝ペルシアが成立します。

③クシャーナ朝滅亡

古代文明 滅亡後、インドにはマウリヤ朝→クシャーナ朝→グプタ朝→ヴァルダナ朝の順に王朝が成立します。クシャーナ朝は イラン系の王朝 の侵攻により滅亡しましたが、ローマ帝国における3世紀の危機によりローマとの交易が衰えたのも衰退原因の一つです。

④後漢滅亡

古代文明 が発展するなかで、殷と周が成立したのち、 戦乱の時代 を経て秦と漢が成立しました。漢は前漢と後漢に分かれ、後漢は200年近く続きましたが、内乱により滅亡し、この先、 群雄割拠に伴う分裂・混乱の時代 となっていきます。

⑤ゲルマン国家安定

▶7世紀以降、温暖化の傾向が表れ、西ヨーロッパでは主要作物=麦の栽培を背景に、荘園制を基礎とする封建社会が確立しました。西ヨーロッパの政治的安定の象徴である「カールの戴冠」は800年のことです。

⑥ジハード展開

7世紀初頭に成立 したイスラム教が、異教徒との戦い=ジハードによって勢力を拡大していきます。そのなかで 他王朝 を滅ぼし、 新しい王朝 を成立させました。

⑦ヴァルダナ朝成立

▶クシャーナ朝のあとに出来たグプタ朝は、 遊牧民 に攻められ滅亡します。その後ヴァルダナ朝が成立しました。

⑧隋唐時代

▶三国時代の後の分裂・混乱の時代を経て、隋が統一したのが589年です。隋は短命に終わりましたが、その後唐による安定の時代が続きます。

⑨封建社会動揺

▶12世紀以降、異常気象が続き、寒冷期をまた迎えてしまいました。14世紀に入ると北半球の各地で農業生産力が低下し、疫病が流行した飢饉が発生したりしました。そのなかで農民の一揆や反乱が発生し、封建社会が揺らいでいきます。

⑩イル=ハン国成立

▶モンゴル帝国の建国が1206年です。その後、イラン方面まで領土を拡大し、アッバース朝を滅ぼし、イル=ハン国を建国します。

⑪デリー=スルタン朝成立

▶ヴァルダナ朝は、8世紀に入ると、イスラム勢力の登場により急速に衰退し、その後インドはイスラム勢力に対抗しながら 諸王国が分立 し、その後 短命王朝 の支配ののちにデリー=スルタン朝が成立します。成立年はなんとモンゴル帝国と同じ1206年です。奴隷王朝に始まる全部で5つの王朝が展開し、その次のムガル帝国に繋がっていきます。

⑫モンゴル帝国成立

▶1206年に成立したモンゴル帝国は、中国を征服して元王朝をつくりました。そして 東西交易 が活発化し、 珍しい物資 がを通してヨーロッパに流入してきます。

⑬オランダの時代

▶16世紀後半以降、気候の寒冷化(〜1900年頃)に伴い、人口の停滞や減少、戦争や飢饉など「17世紀の危機」と呼ばれる社会不安を招きます。これに克服していくのがここからの革命の時代です。 イベリア諸国 は衰退し、 オランダ が覇権を握り、 イギリス も台頭します。また、 主権国家体制 が成立し、その最初の形態であった絶対王政が、 市民革命 によって倒され、さらには、技術革新= 産業革命 も起き、これら二重革命が、国民国家の成立、ひいては 帝国主義 政策(19世紀〜)に繋がります。

⑭オスマン帝国/ムガル帝国繁栄

▶イル=ハン国は、モンゴル人の王統が途絶えると、 中央アジアにあった帝国 に吸収されます。その帝国は大帝国化し、北インドのデリー=スルタン朝も圧迫します。英雄の死後、帝国の勢力は弱くなり、イラン地域は 少し前からトルコで勢力を伸ばしていた帝国 に吸収され、インド地域には 英雄の子孫のつくった帝国 が成立します。前者は、 東ローマに長年続いていた帝国 を滅ぼしてから勢いが加速しました。前者は既に16世紀に全盛期、後者は17世紀に全盛期を迎えます。

⑮明清時代

▶気候の寒冷化に伴う大混乱のなかで、 モンゴル勢力を一掃 し、明が成立したのが14世紀です。はじめは海外進出も盛んでしたが、 さまざまな事情 海禁政策 が行われ、17世紀に清の侵攻を受けて明は滅亡し、そこからは清の時代となります。
(参考)寒冷化によるペストの大流行と、中国・明の暗黒政権
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/20/00002/022800005/?P=7

ここからの学習について

これまでは、全体像に着目して縦と横のつながりを理解してきました。
ここまでの理解をもとに共通テストの過去問を一度解いてみてください。(もちろん、このページをカンニングしながらで構いません。)意外と解けるのではないでしょうか・
あとは、細かい用語を覚えていくのみです。用語を覚える際に大事なのは、5W1Hに沿って情報を整理することです。
例えば、「ルター」と言われたら
  • Who(誰が)▶もちろんルター
  • When(いつ)▶16世紀=近代への過渡期、1517年から活動
  • Where(どこで)▶ドイツ
  • What(何を)▶宗教改革=カトリックに対する改革運動▶封建社会の崩壊と結びつき近代への移行を準備した
  • Why(なぜ)▶ローマ教皇の贖宥状販売
  • How(どのように)▶『九十五ヶ条の論題』の発表
大事なのは、
  • 「いつ」(縦)を全体での位置付けの中で覚え、できれば年号も頭に入れること
  • 「どこで」(横)を全体での位置付けの中で覚え、できれば地図も活用して視覚的に覚えること(資料集、地図帳は持ってますか?なくても、画像検索するなどして調べる癖をつけましょう。)
  • 「何を」を具体化することに加え、その出来事の歴史的意義も確認すること
  • 「どのように」は「何を」のさらなる具体化になり、固有名詞が増えるため、「何を」と関連付けて覚えること
です。
また、細かい説明を見るにあたって、「世界史の窓」というサイトはかなりおすすめです。

各単元のキーワード理解(ミクロな視点)

大学入試問題から帰納的に作成し、世界史の必修用語を羅列しました。

【1】古代オリエント(イスラム世界の源)
●古代メソポタミア▶楔形文字
 シュメール人の都市国家
 アッカド王国(メソポタミア初統一)▶サルゴン1世がつくる/メソポタミア初統一
 古バビロニア王国[バビロン第一王朝](メソポタミア再統一)▶アムル人がつくる/ハンムラビ王のときが全盛期
 ミタンニ・カッシート・ヒッタイト(台頭)
 セム系3民族▶アラム人(内陸)/フェニキア人(海上)/ヘブライ人→バビロン捕囚
 アッシリア(オリエント初統一)
 四王国分立(メディア、リディア、新バビロニア、エジプト)
 アケメネス朝ペルシア(オリエント再統一)
 ヘレニズム文化
 アレクサンドロス大王の大帝国
 ヘレニズム三国に分裂(セレウコス朝シリア、アンティゴノス朝マケドニア、プトレマイオス朝エジプト)
●古代エジプト▶神聖文字
 古王国(ピラミッド)
 中王国▶ヒクソス侵入、国内混乱
 新王国
 プトレマイオス朝エジプト

【2】古代地中海世界(ヨーロッパ世界の源)
●古代ギリシア
 エーゲ文明
  クレタ文明
  ミケーネ文明(アカイア人)▶ドーリア人侵入で滅亡▶スパルタ(ドーリア人)、アテネ(イオニア人)、テーベ(アイオリス人)ができる
 ポリス成立
 民主政確立
 ペルシア戦争▶サラミスの海戦で霧散市民の発言力UP(inアテネ)
 民主政完成・内乱
 アレクサンドロスの東方遠征
 ヘレニズム世界

●古代ローマ
●貴族共和政
●半島統一と外征
●内乱の一世紀
●ローマ帝政
 プリンキパトゥス
 ドミナートゥス▶マルクス=アウレリウス=アントニヌス

【3】中世ヨーロッパ
●ゲルマン人の大移動
 西ゴート王国(イベリア半島)←フン人の移動
 ウィリアム1世=ノルマンディー公ウィリアム:ノルマン征服をしてノルマン朝つくる
 エドワード1世(プランタジネット朝)(vsフィリップ6世)▶フランス王位継承権を主張▶百年戦争へ
●ビザンツ帝国(東ローマ帝国)
 ユスティニアヌス(最盛期)▶『ローマ法大全』
 ヘラクレイオス1世
 レオン3世
 アレクシオス1世▶プロノイア制(封建制)
●その他(文化など)
 12世紀ルネサンス:ギリシア古典やアラビア語文献がラテン語へと翻訳
 ドイツ人による東方植民(エルベ川以東)→ブランデンブルク辺境伯領成立

【4】古代イラン
●アケメネス朝ペルシア
 キュロス2世▶建国/ユダヤ人解放
●アルサケス朝パルティア(隣にはバクトリア[→大月氏→クシャーナ朝])▶都クテシフォン
●ササン朝ペルシア▶マニ教成立

【5】古代インド▶ヒンドゥー教/『マヌ法典』(ヴァルナ制について記載)
●インダス文明
●アーリヤ人侵入
●十六王国時代(マガダ国vsコーサラ国)
●マウリヤ朝
●クシャーナ朝▶カニシカ王が仏教を保護/ガンダーラ美術(ヘレニズムと仏教の融合)
 ※サータヴァーハナ朝(inデカン高原):ローマ帝国と季節風貿易、『エリュトゥラー海案内記』
●グプタ朝▶サンスクリット語が公用語に/戯曲『シャクンタラー』(byカーリダーサ)/法顕(東晋)『仏国記』
●ヴァルダナ朝▶玄奘(唐僧)が仏典を持ち帰る 『大唐西域記』
●ラージプート時代▶義浄(唐)『南海寄帰内法伝』※シュリーヴィジャヤ王国にも来訪
●ガズナ朝→ゴール朝
●デリー=スルタン朝

【6】イスラーム史
●アッバース朝▶ギリシアの書物がアラビア語に翻訳(知恵の館)
●ティムール朝▶滅亡後、三ハン国成立:ヒヴァ=ハン国、ボハラ=ハン国、コーカンド=ハン国

【7】中国史
●黄河文明・長江文明
 黄河文明▶前期は仰韶文化、後期は竜山文化
 長江文明▶河姆渡遺跡
●殷
●西周・東周〔春秋戦国〕▶都は鎬京→洛邑/封建制/青銅貨幣/諸子百家の登場
●秦▶都は咸陽/郡県制(by始皇帝)/陳勝・呉広の乱で滅亡
●前漢▶都は長安/郡国制(by劉邦)→呉楚七国の乱→郡県制(by景帝・武帝)/武帝による経済政策(塩・鉄・酒の専売by桑弘羊)&対外政策(対匈奴、南越征服)
●新▶赤眉の乱で滅亡
●後漢▶都は洛陽/党錮の禁(by桓帝、官僚・学者の弾圧)/班超(西域都護)が部下の甘英をローマ帝国へ派遣するもパルティアに妨害される/日南郡に大秦王安敦到来/黄巾の乱で滅亡
●魏・蜀・呉〔三国時代〕▶魏の都は洛陽、魏では屯田制
●西晋▶八王の乱(内乱)→五胡の南下→永嘉の乱(匈奴の反乱)で滅亡
●[北](五胡十六国時代→北魏→東魏・西魏→北斉・北周)
 五胡十六国時代:鳩摩羅什(西域生まれ)の仏典翻訳
 北魏:均田制
 西魏:府兵制(農民を徴兵)
●[南](東晋→宋→斉→梁→陳)▶陳は隋に滅ぼされる
●隋▶都は大興城(長安)
●唐▶貞観の治(李世民)/開元の治(玄宗)/安史の乱/黄巣の乱→朱全忠が鎮圧/異民族は突厥/マニ教の寺院建立
●五代十国▶後梁→後唐→後晋→後漢→後周/都は開封(後唐のみ洛陽)/後晋では燕雲十六州を遼に譲る
●宋(北宋)▶都は開封→臨安/澶淵の盟(多額の銀や絹を遼に)、慶暦の和約(宋→西夏)、紹興の和約(南宋→金)/北宋は金により滅亡(靖康の変)/音曲にあわせてうたう詞が流行
●金・南宋
 金▶都は燕京(北京)/モンゴル帝国(2代)により滅亡
 南宋▶都は臨安/モンゴル帝国(5代)により滅亡
●元(もともとモンゴル帝国、チンギス→オゴタイ→グュク[プラノ=カルピニが派遣される]→モンケ→フビライ)
 都は大都(北京)/モンテ=コルヴィノのカトリック布教/黄巾の乱(by朱元璋)で滅亡 ※朱元璋=洪武帝
●明▶都は南京(洪武帝)→北京(永楽帝)/異民族はオイラト・タタール
 洪武帝
 永楽帝
 万暦帝
 崇禎帝▶李自成の乱で滅亡
●清▶都は北京(3代順治帝〜)
 順治帝
 康煕帝▶中国統一/『古今図書集成』
 雍正帝
 乾隆帝

【8】近代の幕開け
●大航海時代▶バルトロメウ=ディアス(喜望峰)
●宗教改革▶ルター(『新約聖書』をドイツ語に翻訳)
●絶対王政
 スペイン継承戦争・アン女王戦争
 ユトレヒト条約▶イギリス領拡大:ジブラルタル&ミノルカ島(fromスペイン)、アカディア&ニューファンドランド&ハドソン湾(fromフランス)
 オーストリア継承戦争:プロイセン勝利→アーヘンの和約にてシュレジエン獲得
 外交革命:オーストリアのマリア=テレジアが長年の敵フランスと同盟
 七年戦争:シュレジエン奪回ならず/同時にフレンチ=インディアン戦争、プラッシーの戦い、カーナティック戦争
 パリ条約:カナダ、ミシシッピ以東のルイジアナ(fromフランス)、フロリダ(fromスペイン)獲得
 第二次百年戦争の意義:イギリスの植民地拡大→三角貿易→産業革命/アメリカ独立革命/フランス革命
●フランス革命
 ルイ16世の統治への反発▶フランス革命▶自由・平等GET
●ウィーン体制(革命前に戻そう)byロシア・ドイツ・オーストリア
 フランス復古王政(シャルル10世)
 七月革命→七月王政(ルイ=フィリップ)→自由主義運動
 二月革命→第二共和政(ルイ=ブラン)→自由主義運動→ウィーン体制崩壊
 1848年革命:フランクフルト国民議会
 クーデター(ルイ=ナポレオン)→第二帝政(ナポレオン3世)→対外戦争(クリミア戦争○、メキシコ出兵×、普仏戦争×)→第二帝政終了
 第三共和政→パリ・コミューン成立(労働者が権力を握る)
●産業革命(「世界の工場」→1850年頃〜「パクス・ブリタニカ」(イギリスの覇権):ヴィクトリア女王の時代)
 自由主義改革←産業革命による労働者階級の成長+七月革命の影響
 信教:審査法廃止(非国教徒の公職就任を可能に)→カトリック教徒解放法
 選挙:第1回選挙法改正(産業資本家のみ)→労働者の不満→チャーティスト運動(参政権要求)
 貿易:東インド会社の中国貿易独占権廃止/穀物法廃止(by反穀物法同盟、コブデン・ブライト)/航海法廃止
 ホイッグ党(自由党、グラッドストン):労働組合法、第3回選挙法改正(鉱山・農業労働者)、アイルランド自治法案出すも否決
 トーリ党(保守党、ディズレーリ):第2回選挙法改正(都市労働者)、スエズ運河株買収、インド帝国成立
 空想的社会主義(サン=シモン、オーウェン→工場法)→科学的社会主義(マルクス、エンゲルス)→第1インターナショナル結成(inロンドン)
●アメリカの独立

【9】帝国主義と二度の世界大戦
第一次世界大戦
●ヴェルサイユ体制
●戦間期のヨーロッパ
●戦間期のアジア・アフリカ
●世界恐慌
●第二次世界大戦
 ドイツがポーランドのダンツィヒに返還要求

【10】近代中東史
オスマン帝国の動揺
インドの植民地化
民族運動

【11】近代中国史
アヘン戦争
中国分割
満州事変
日中戦争

【12】冷戦の時代
●開始
 封じ込め政策vsコミンフォルム
 マーシャルプランvsコメコン結成
●雪どけ
●再燃
●多極化
●デタント(緊張緩和)▶第1次SALT
●新冷戦
●終結▶ゴルバチョフ:ソ連がアフガニスタンから撤兵
※アメリカ大統領:トルーマン→アイゼンハウアー→ケネディ→ジョンソン→ニクソン→レーガン→ブッシュ

【13】番外編(地域史)
●朝鮮

●東南アジア
 カンボジア
  扶南(クメール人):インド文化、東南アジア初の統一国家
  真臘:唐と国交を開き、ヒンドゥー教を国教に
  クメール朝:アンコール・トムが都/寺院のアンコール・ワットが有名/タイのアユタヤ朝の圧迫で衰退
 スマトラ島
  シュリーヴィジャヤ王国:海上貿易で繁栄、港市国家
 ジャワ島
  シャイレーンドラ朝:大乗仏教→ボルブドゥールの仏塔
  クディリ朝:ヒンドゥー教に/ワヤン(人形影絵劇)発達
  シンガサリ朝
  マジャパヒト王国:モンゴル軍の侵略の混乱後に成立、ヒンドゥー教国教、貿易国として繁栄
 ベトナム
  北部:著しい中国化
  チャンパー:チャム人が建国
  李朝:国号「ダイベト(大越)」を使用/ハノイに都
  陳朝:モンゴル軍の侵攻を退ける/最盛期/ベトナム文字「字喃」(チュノム)が普及/一時的に明の支配下
  黎朝
 タイ
  スコータイ朝:タイ人最初の王朝/クメールから政治制度を取り入れ、元とも国交を開く
  アユタヤ朝:明と交易/イスラム教のマラッカ王国を避けて日本や西ヨーロッパの貿易船が来航/クメール朝を圧迫
 ビルマ
  パガン朝:ビルマ最初の統一王朝/小乗仏教/宋と国交を開く/元の侵略で滅ぶ
  ペグー朝→トゥングー朝→コンバウン朝(最盛期)
  イギリスの植民地
  戦後に独立→アウンサンスーチーの運動により軍政から民主化/現在の国号はミャンマー(1989年〜)
●アフリカ
 アフリカ東岸▶スワヒリ語

●中南アメリカ
●マヤ文明(中央アメリカ)▶二十進法
●アステカ文明
●インカ文明▶キープ(結縄)
●メキシコ
 フアレス:ナポレオンにより、メキシコ出兵で共和制のメキシコ政府を打倒+マクシミリアンを皇帝として置く→ファレス軍反撃→フランス軍撤退→フアレス大統領即位
 ディアス:独裁政権→メキシコ革命で倒れる
 マデロ

参考資料:教科書の目次に注目

さて、世界史の全体の枠がなんとなくつかめてきましたね。
今度は、学校の教科書の目次を見てみましょう。
第1編 さまざまな地域世界
 第0章 文明以前の人類
  [1]人類の登場
  [2]地域文化の形成
 第1章 オリエント世界と東地中海世界
  [3]オリエント世界の成立
  [4]オリエント世界の展開
  [5]ギリシア世界
  [6]ヘレニズム世界
 第2章 地中海世界と西アジア
  [7]都市国家から世界帝国へ
  [8]ローマ帝国の繁栄
  [9]古代末期の社会と地中海世界の解体
  [10]地中海世界と西アジア
 第3章 南アジア世界
  [11]北インド世界の展開
  [12]ヒンドゥー世界の成立
 第4章 東アジア世界
  [13]東アジアにめばえた文明
  [14]中華帝国の誕生
  [15]東方の世界帝国
 第5章 内陸ユーラシア世界
  [16]騎馬遊牧民国家の興亡
  [17]草原地帯のトルコ化とイスラーム化
 第6章 東南アジア世界
  [18]海の道の形成と東南アジア
  [19]東南アジア諸国家の再編成
 第7章 古アメリカ世界
 [20]古アメリカ世界
第2編 結びあう地域世界
 第8章 イスラーム世界の形成
  [21]イスラーム世界の成立
  [22]イスラーム世界の発展
  [23]イスラーム文明
 第9章 ヨーロッパ世界の形成
  [24]東ヨーロッパ世界
  [25]西ヨーロッパ中世世界の成立
  [26]封建社会と都市
  [27]カトリック教会と十字軍
  [28]中世ヨーロッパ文化
  [29]中世的世界の動揺
  [30]ルネサンス
 第10章 東アジア世界の変容とモンゴル帝国
  [31]唐の崩壊後の東アジア
  [32]宋代の新展開―都市の時代のおとずれ
  [33]ユーラシア大陸をおおうモンゴル帝国
  [34]元朝の成立
第3編 一体化する世界
 第11章 海域世界の発展
  [35]三つの海域世界の成立
  [36]海域世界の拡大
  [37]海と陸の結合―東南アジア世界の発展
 第12章 ユーラシア諸帝国の繁栄
  [38]イランと中央アジアの繁栄
  [39]東地中海の強国―オスマン帝国
  [40]インドの大国―ムガル帝国
  [41]明と東アジア世界
  [42]清と東アジア世界
 第13章 大交易時代
  [43]海洋帝国の出現
  [44]大交易時代の世界
 第14章 近世のヨーロッパ
  [45]主権国家群の形成と宗教改革
  [46]オランダの繁栄と英仏の追いあげ
  [47]18世紀のヨーロッパと啓蒙専制国家
  [48]近世ヨーロッパの社会と文化
 第15章 欧米における工業化と国民国家の形成
  [49]激化する経済覇権抗争
  [50]工業化と社会問題の発生
  [51]合衆国とラテンアメリカ諸国の独立
  [52]フランス革命とウィーン体制
  [53]社会変革の夢―新しい革命の波
第4編 一体化の進展と世界の再編
 第16章 産業資本主義の発展と帝国主義
  [54]欧米世界の秩序再編
  [55]欧米の経済発展と社会・文化の変容
  [56]帝国主義と世界秩序
 第17章 アジア諸地域の変革運動
  [57]西アジアの改革運動
  [58]南アジア・東南アジアの植民地化と民族運動の黎明
  [59]清の同様と変貌する東アジア
 第18章 世界戦争の時代
  [60]第一次世界大戦
  [61]ヴェルサイユ体制と国際秩序の再編
  [62]大戦後の合衆国とヨーロッパ
  [63]アジア・アフリカでの国家形成の動き
  [64]世界恐慌と国際対立の激化
  [65]第二次世界大戦
第5編 地球世界の成立
 第19章 国民国家体制と東西の対立
  [66]アメリカ合衆国の覇権と冷戦の展開
  [67]アジア・アフリカ諸国の独立と「第三勢力」
  [68]戦後体制の動揺
  [69]世界の多極化とソ連の崩壊
 第20章 経済のグローバル化と新たな地域秩序
  [70]経済のグローバル化と地域統合
  [71]グローバル化への問いと新しい国際秩序
  [72]21世紀を生きる―地球的課題の時代

三木の単元

1. 先史時代
2. 古代オリエント
3. 古代ギリシア
4. 古代ローマ
5. 西ヨーロッパ世界の成立
6. 東ヨーロッパ世界の成立
7. 中世ヨーロッパの変容
8. インド史
9. イスラーム史
10. オスマン帝国
11. 中国史
12. 北方民族
13. 大航海時代と対外進出
14. ルネサンス
15. 宗教改革
16. 主権国家体制の形成
17. 重商主義と啓蒙専制主義
18. 産業革命
19. アメリカ独立革命
20. フランス革命
21. ナポレオン
22. ウィーン体制
23. ヨーロッパの再編
24. アメリカ合衆国の発展
25. 近代の中東・インド
26. 帝国主義と列強の展開
27. アジアの民族運動
28. 第一次世界大戦
29. ヴェルサイユ体制
30. アジア・アフリカの民族主義
31. 世界恐慌とファシズム
32. 第二次世界大戦
33. 冷戦構造(と日欧の復興)
34. 第三世界の自立と危機
35. 地域紛争

36. 東南アジア史
37. アフリカ史
38. 南北アメリカ史
39. 朝鮮史
40. 文化史・テーマ史

世界史全体像の画像


各国史

オランダ

スペイン=ハプスブルク家領としてスペイン王に支配されていたが、16世紀半ばに独立運動を開始、1609年に実質的にネーデルラント連邦共和国として独立し、オランダ総督が治める国家となった。オランダはヨーロッパの新興国家として特に中継貿易に進出、イギリスと激しく競争するようになった。1648年、ウェストファリア条約で独立を国際的に承認された後、17世紀後半は英蘭戦争を戦い、その後フランスのルイ14世による領土の侵犯が脅威となると一転してイギリスと同君王国となった。しかし18世紀末にはフランスの勢力の拡大とともに弱体化が始まり、1830年には南半分がベルギーとして独立した。19世紀後半には産業革命を進行させ、同時にオランダ領インドネシアなどの植民地支配を強化し、資本主義国として発展した。第二次世界大戦ではドイツの軍事侵攻を受け、苦難が続いたが、戦後はいち早くベルギー、ルクセンブルクとベネルクス三国の協調体制をとり、米ソの冷戦時代を乗り切ってヨーロッパ統合を進めている。

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最終更新:2024年01月07日 20:13