★ワイマール憲法で社会権が制定された背景は?
 ↓
 社会権=社会的弱者を国が守ってあげる権利、だとすれば、
 その当時ドイツで社会的弱者(労働者とか)の不満が高まった、という背景が必要なはず
 ↓

一言で言えば、第一次世界大戦中による生活苦が原因です。

論理を飛躍させないと、こうなります。
①第一次世界大戦の長期化
→食料が少なくなり、貨幣価値の下落により、生活苦に。いくらお金があっても、足りない状況です。
②第一次世界大戦前後による労働者の変化
→第一次世界大戦前は工場には男性が働いていた(戦前、重工業に従事していたのは男性だった)
 (力仕事に向いているのは男性)
→第一次世界大戦が長引くと、男性は兵隊に使われてしまっているため、工場が労働力不足になる。
→それを補うために、子供や女性が働くことに。(太平洋戦争の日本を想像するとよい)
 労働時間も増え、人間的な生活ができなくなる。


①+②により、
人間的な生活のできない労働者が増え(②)、しかもその状態が長期間続くことになる(①)。


これに加えて、
③ヴェルサイユ条約で、ドイツは多額の賠償金を請求された
→その額を払うために、お金を大量に作った
→その結果、ハイパーインフレとなり、国民は生活苦に襲われる
 (いくらお金があっても足りない状況に)


こうした、①+②、さらには③といった「悲劇」が、
ドイツ国内に「社会権」という権利を生むきっかけとなった。


そして、
人間が人間らしく生きる権利=「社会権」を盛り込んだ憲法=ワイマール憲法ができた。


このように、
〈問題となる出来事〉→〈その問題の解決のために、新たな法が制定or制度が整備〉
という現象は、歴史においては普遍的に見られる現象である。




☆脱線(日本経済史に繋がる話)
 ヨーロッパが貿易に復帰
 ↓
 日本の製品が売れなくなる。
 売れたとしても、儲けが小さかった。←理由:日本の貨幣価値が小さかったため。
 ↓
 その結果、日本が不況になる(スタグフレーション)
 ↓
 本当は1921年に回復すると思いきや、
 1923年の関東大震災、1929年の世界恐慌やらで不況が10年以上長引く
 (平成不況みたいな感じ)

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最終更新:2023年11月22日 23:09