古文の学習法

古文の対策に関してですが、以下の3つの観点を意識して取り組みましょう。

①古文のセンスがどれだけあるか?

 例えば、1998年の東大の問題で「いかにいかに」に傍線が付されています。
 「いかに」自体は古文にしかない言葉ですが、
 現代語でこれと近い言葉で「いかなる(=どんな)」という言葉もありますから、
 なんとなく「どんなものか?」と聞いているのかな、という具合に、「センス」のいい人なら分かります。
 要するに、「ちゃんと訳せる単語はないけど、どんなこ とを言っているのかは大体分かる」
 というレベルにいる人であれば、「入試対策として」古文単語を真面目に勉強する必要はなく、
 素直に、学校の定期テストを毎回しっかりこなし、その中で教科書に載っているレベルの単語を
 頭に入れていけば十分ではないか、と思います。
 逆に、先述したような「センス」がなければ、古文単語をたっぷり覚えるのがいいでしょう。
 大学入試で必要な古文単語が300ぐらいですが、高校入試レベルならもっと下がるでしょう。
 単語帳を買わなくても、(学校で普通は配布されるであろう)「国語便覧」(資料集的なものです)の後ろのページなどに、
 重要な古文単語はいくつか載っていますから、それだけでも入試までに必死に覚えるといいのではないでしょうか。

②現代文の力がどれだけあるか?

 おっしゃる通り、古文の大問とは言え、現代文の文章も半分ぐらいはあるのですから、
 現代文の力がどれくらいあるのかも点数につながってきます。
 もし現代文のほうの点数が低いようであれば、古文単語を覚える以前に
 現代文のほうをしっかり対策し、そこで(記述問題等も含め)安定した得点が取れるように訓練すべきです。
 そういうふうにして読解力や(記述問題における)表現力などを身に付けるだけでも
 古文の大問での得点アップは可能です。当然、現代文の大問でも得点がアップし、一石二鳥です。
 それをした上で、古文単語等の対策をすることで、「効率よく」得点アップが可能です。
 逆に、現代文の力が今十分あるのであれば、一刻も早く「古文」を読み解くための力(=単語や文法)を身に付けるのがよいでしょう。

③他とのバランス

 古文が苦手でも、他の現代文の大問で限りなく満点が取れるのであれば、十分合格最低点には達することが出来るでしょう。
 また、他の科目との兼ね合いも肝要です。数学や英語が抜群に出来れば、国語のたかが大問1問が苦手でも、 十分合格可能です。
 逆に、数学や英語が苦手だとすれば、今後、数学や英語に力を入れるのか、古文に力を入れるのかを見極め(本人の好みによってどちらが伸ばしやすいかも変わるでしょう)、
 優先順位を定めるべきです。
 要するに、古文の勉強をどの程度行えばいいのか=古文でどれだけ点数を取ればいいのか、というのは
 他の科目との兼ね合いでも決まってくるので、一概には言えない、ということです。

以上の3点を踏まえた上で、もし古文の学習が必要だと判断されたのであれば、
先ほど述べた古文単語の学習をまずはしっかりやり、
そして 余力があれば文法も少しやったほうがいいでしょう。
用言、助動詞、敬語の基本だけでもやるといいでしょう。
特に助動詞の「む」は頻出です。「む」に「~だろう」と「~しよう」という訳が(主に)あることを知っているのといないのとでは、読みやすさがグンと変わります。
その上でさらに余裕があれば、古文常識(当時の世界がどうなっていたか)の勉強もするといいでしょう。
これについては、国語便覧の「古文の学習」に関するページをパラパラ読むだけで結構です。

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最終更新:2023年12月09日 00:52