はじめに
ここでは長文
読解の学習法について説明していきます。まず大前提として、
入試英語の攻略は長文読解の攻略にあり
ということを覚えておいてください。
共通テストも、大学の二次試験も、配点の多くを占めるのが読解問題です。ここに太刀打ちしていくためには何を勉強すればいいのか、と常にゴールを意識した学習をしていった人が英語という科目を制することができます。
決して文法マニアになることがゴールではありませんから、注意しましょう。
長文読解の基礎となる能力
長文読解を行うにあたって、
学校の授業では、単語も熟語も文法も読解もすべて並行してやっていきます。
このやり方を「体系的じゃない」と批判する予備校講師の方もいらっしゃいますし、皆さんの中にも「まずは知識をしっかり入れてから・・・」という人も多いと思います。
ですが、先ほども述べたように入試のゴールは読解なのですから、普段から長文に触れておくことは非常に効果的だと思います。
とはいえ、長文ばかりやって基礎がパカッと抜けているようでは逆効果なので、結局バランスの問題になります。
いずれにしても、単語・熟語・文法がある程度固まったら、長文読解に比重を置いた学習に移行するようにしましょう。
読解力には4つある
読解力には4つあります。
- 1. 精読力
- 2. 速読力(直読直解力)
- 3. 論理力(俯瞰的に見て構造をとらえる力)
- 4. 検索力(スキャニング)
これらをどう身につけていくのか、という話をしていきます。
「精読力」について
「精読」とは「英文解釈」「構文解析」などいろんな言い方がありますが、要するに複雑な一文をしっかり分析し意味をとれるようにする作業のことです。
一文を読んだだけで、主語、動詞、名詞、形容詞、副詞がどれなのか、接続詞がどこからはじまっているのか、ここから関係詞が修飾している……などを把握できるようにしないといけません。
文法を正しく学習していれば、精読力は身につくのですが、「長い一文を和訳する」という練習に集中するステップを挟んでおいたほうが長文読解の学習はしやすくなりますから、入試まで時間がある人は、長文読解に入る前に「精読」の学習を意識的に取り入れてみてください。
ここからは実際に具体例でお話していきます。
例えば以下の英文を構造分析してみてみます。
例)I will meet a man who became a baseball player.
すると、
Iが主語(S) will meet が動詞(V) a man が名詞(O)
そして whoから関係代名詞節がはじまり、
became が関係詞節内の(V)
a baseball playerが関係詞節内の(C)
と処理できます。
訳は「私は野球選手になった男性と会うつもりだ(予定だ)。」となります。
これでやっと意味が把握できますね。(もちろん、いちいち訳さなくても意味が分かるという人はそれで構いません。)
このようにして意味が理解できたら、今度はその英文を10回以上音読してください。
注意すべきことは、やみくもに音読すればいいというわけではありません。
意味を浮かべながら読みます。
例えば、
「I will meet 、、、」
と読みながら
「私は会う予定だ、、、」
と頭の中で意味を思い浮かべることが大切です。
10回、という数字を出しましたが、10回で足りなければ30回、50回と数を増やし、スムーズに意味が出るまで取り組む姿勢が大切です。
回数は自由なので、できたと思ったらおしまいにしてOKです。
この作業をして、はじめて一つの英文を理解できたことになります。
StudyPlaceには、精読の練習問題が沢山あります。
練習したい方は、是非
英文解釈総合問題のページに飛んでください。
どうしても参考書をやりたい人には、『ポレポレ』『英文読解の透視図』あたりをおすすめしておきます。
音読について
これについては、基礎力がある人は「過去問を解く▶答え合わせする▶和訳を読み、理解する▶音読する(最低30回)」という形で取り組んでもらえれば、勝手に身につきます。
「一度理解しきった長文は必ず音読するべし!」という原則を覚えておいてください。
音読が嫌いだったり、その必要性が分からない人もいると思います。もちろんそれでも英語が身につく自信があったり他の科目に時間を回したほうがよかったりするのであれば、否定はしません。
ですが、単に「問題を解いた」「問題の解き方が分かった」だけで終わってしまっては、得られるものも半減します。音読をすると、そこで学んだことを 100%定着させることができるのです。
その際、一つの長文を1回読むごとにハンコを押したりシールを貼ったりするといいですよ。それが蓄積されていくのは本当に「快感」です。(ちなみに、「30 回」と言いましたが、一度に 30 回読めと言っているのではありません。基本的に音読は、勉強の合間に休憩がてらやるといいですよ。結果的に、入試本番までに必ず 30 回は読み通し、自信を持って試験を受けて欲しいなと思うわけです。)
音読をするときに気を付けることは?
一年に100回以上は受ける質問なのですが、、、これについては、あれこれと言うと、皆さんは「いろんなことに意識」して読まなきゃいけなくなり、音読が嫌いになってしまいます。なので、ここではあえて「何も気にしなくていいから、とにかく毎日毎日音読を続けなさい」と言っておきます。1日合計 30 分ぐらいは音読に費やせるといいですね。ハンコやシールが溜まっていく快感を楽しむためだけに、1つの長文を何度も音読すればいいのです。いろいろ意識して音読した結果、音読が続かなくなってしまっては全く意味がありません。それよりも、何も気にせず 365日ずっと音読を続けたほうが良いに決まっています。意識して数回で挫折する人よりも、意識してないが一年続けた人のほうが勝ちなのです。ですから、発音やアクセントが間違ってしまってもいいし、スラッシュで区切ったりする必要もないし、頭の中でいちいち日本語に変換したりする必要もないですから、とにかく来る日も来る日も音読を続けてください。
ただ、そうは言っても、気になる人もいるでしょうから、音読の際に「できれば」意識すべきことを簡単に言っておくと、「発音・アクセント(最近の長文読解の問題集なんかだと、CD 付きが多いですね)」「意味の切れ目(スラッシュを書き入れる必要はありません)」「意味内容(最重要!頭の中で意味をイメージしなが読みましょう)」の 3つです。
音読の後にさらに効果を倍増させるために
さて、ここで、学習効果をさらに跳ね上げる学習法を紹介します。
それは、リスニングを意識し、
自分で音読したものを録音して後で聞き返す
という方法を取り入れることです。
これで「長文読解力×リスニング力」と、ダブルで効果を発揮します。
「聞ける=読める」ということでもあり、リスニングを極めたら最強です。
そして、ここまで極めたら、最後にとどめをさして、
和訳を見ながら(口頭で構わないので)英作文する
というのもやってみましょう。
このように、
一つの長文を完全に体に染み込ませる
のが長文読解の最高の学習法です。
教材について
基本的には、精読ができるレベルなのであれば過去問にどんどん挑戦していくことをおすすめします。
ですが、なんらかのフォローを受けて学習していきたいという人のために、いくつか教材を紹介致します。
- 『英語長文ハイパートレーニング レベル1~3』(レベルに応じて使用)
- 『関正生の英語長文ポラリス レベル1~3』(レベルに応じて使用)
- 『関正生のThe Rules レベル1~4』(レベルに応じて使用)
自分のレベルに合っていれば、どんな教材でも構いません。
大事なのは、実際の長文に日々触れることです。訓練なしに成果は得られません。文系の人は、現代文、古文、漢文、英語、、、と、読解だけでもこれだけ科目数があり大変だと思います。科目間のバランスも大事です。とにもかくにも、実際の長文に触れる中で頭を使うことを大事にしてください。
最終更新:2023年12月08日 08:51