逆算思考
目標を立てる時の根本的な考え方として「逆算思考」をまず覚えましょう。
受験勉強に当てはめるならば、まずは志望校を決めることです。
過去問を解く
そのうえで、いち早く志望校の過去問に触れることが大切です。
変な話、中高一貫校に通う東大志望の中学2年生であれば、東大の二次試験の過去問をまずは解いてください。(もちろん、一次試験としての共通テストの過去問も!)
一年分で構いません。
「え、まだ基礎が固まってないのに過去問解いていいの?」
はい、解いちゃって大丈夫です。解けなくても平気。「こんな難しいものが解けるようにならないといけないのか、、、」と、ゴールまでの距離を肌で実感することに意味があります。
過去問データベース
過去問は赤本を買わないと手に入らないと考える人がいますが、そんなことありません。東進の「過去問データベース」に登録してもらえれば、無料で閲覧可能です。そんなに手間ではないので、登録してない人は今すぐ登録しましょう。
もし、あなたの志望大学・志望学部の問題(や解答)が公開されていないようであれば、そのときは書店で赤本を買うか、立ち読みして問題を解いてください。
大まかな計画を立てる
過去問を解けば、必ずや「解けない自分」を自覚することになります。
そしたら「知識のインプットが必要だ」という感覚になりますね。
そこで、入試までに、どの科目の知識をどういうバランスでどういう順番でインプットしていくかについて考えます。
ですが、ぶっちゃけ、やっていかないと見えてこない部分もあるので、(入試科目を把握した上で、)なんとなくでいいので自分の得意・不得意をイメージして、どの科目を重点的にやれば合格に近付けそうなのか想像してください。
思考力そのものを鍛えられる科目からやる
ここから述べることは、一つの目安として活用してください。
個々人で得意・不得意に差はありますが、
まずは「現代文」「数学」からやるべきだと考えます。
逆に、
この2科目の能力がないと、他の科目の学習に苦戦してしまいます。断言します。
それはなぜでしょうか。
入試はそもそもなんのために行われるのかを考えてみればわかります。
それは、一言で言えば「アカデミック・リテラシー」(大学に入ってから学問に取り組むうえでの基礎体力)を問うため、です。
この基礎となる能力を、知識と思考力に分解したときに、汎用性があるのは当たり前ながら「思考力」のほうに決まっています。
頭の中に思考力のアプリを作っておくことで、思考のスピードや質が上がるため、知識系の科目を勉強する際の吸収効率が上がります。
だからこそ、その能力をダイレクトに鍛えられる「現代文」や「数学」をやるべきです。
(もし1つ選ぶなら、間違いなく「数学」です。理由は、「
現代文とはどのような科目か」のページでも説明しているので、興味のある方はお読みください。ただ、私大文系を受ける人で数学が不要な人も多いでしょうから、そのことも考慮・配慮した上で話させて頂いております。)
ここで思考力をしっかり鍛えて、他科目に活かす、という「ChAiN」(=一つの知恵を複数の事象に転用する)の感覚を意識してみてください。
細かな計画を立てる
そのうえで、以下のようなことを意識して目標を立てます。
- 目標は大まかに立てておくが、どの単位(1日ごと、1週間ごと)でスケジュールを組むかは自分に合った形でよし。
- 1日のルーティーン(これだけは必ずやる)を決めておくとよし。
- 完璧に組むと失敗した時どんどん苦しくなるので、予備日を作る。
ちなみに、個人的な話にはなりますが、塾や予備校に通わず自由に勉強できる状況だとした場合に僕がおすすめしたいのが、「4月~6月は英語、7月~8月は数学、...」のように期間で科目を区切る方法です。
塾などに通うと、必然的に複数科目を同時並行で進めることになりますが、それだとエネルギーが分散してしまい、どの科目も結果が出るのに時間がかかってしまいます。
成果を出すには、一定の期間、一科目(もしくは二科目)に集中して進行したほうがその分野の結果は確実に出るため、そこでの成功体験をバネにまた次の科目にチャレンジでき、好循環が生まれます。(「もしくは二科目」と書いたのは、一つの科目をやっていて飽きた時に別の科目に移る、という考えも否定していないからです。)
過去問を大切に(過去問主義)
基礎をある程度一周したら、その出来がどうであれ、過去問にチャレンジしてください。
というか、受験勉強のベースは「過去問」であるべきです。とはいえ、過去問をベースにいきなり取り組んでもちんぷんかんぷんになる。だから基礎事項をまずはインプットするわけですが、ここに時間をかけ過ぎてはダメだということ。
過去問やる→傾向を知る→必要な知識を埋める→点数が上がる
早い段階で、この好循環をつくることをベースにしていってください。
「直前期まで過去問はやらないでいい」みたいな考えがありますが、それは予備校のセールストークの一つだと思っています。
常にゴールを意識できているからこそ、インプットもはかどるというわけです。
よく、「○○大学の問題ってどうやって解けばいいですかね?」という質問がありますが、この質問はめちゃくちゃ意図が謎です。(既に過去問を解いて傾向を体感しているはずなのになんでそんなアバウトな質問??となる。)
正しくは、「○○大学の大問3の△△の問題がいつも苦手で、□□の知識をインプットして対策しているつもりなんですけど、合ってますか?」です。
正しい勉強の仕方ができている人は、質問も具体的で、的を得た質問ができます。
そういう勉強になるように、繰り返しますがゴールからの「逆算」を常に心がけてください。
なお、過去問がベースの段階に移行した時点で、「一点集中」の勉強は終了して構いません。特に科目数が多い大学を受ける人は、色んな科目をぐるぐる回していきながら、モグラ叩きのように苦手を潰していくことが大切です。漏れなく学習するためには、表などにして自分の学習進度や定着度を客観視できるようにしておくことも大切です。
こちらなんかも参考になります。
インプットする際も、常に過去問に触れる
「過去問に一度触れてから、インプットに入れ」
このアドバイスはいろんな先生がしますが、「一度触れたらそれでいい(あとは直前期にまとめてやればいい)」みたいに聞こえるのが僕は違和感でしかありません。
インプットすべき量は膨大にあります。少なくとも勉強が好きだったり、速読力があって1日で1冊読み終えてしまう、みたいなレベルの人でない限り、そのとてつもない量を見て「まだまだ先が遠いな、、、」と苦しくなります。
この「先が遠いな」という感覚は非常に危険なのです。この感覚に慣れてしまうと、それが当たり前になって、焦らなくなるからです。そういう人がドヤ顔でよく言う言葉が、「今はじっくり基礎を固めて、、、」です。では、いつ基礎を固め終わるのか本当に具体的にイメージできていますか?また、基礎を固めた瞬間、過去問が解けるようになるのですか?
僕は、
直前期の感覚を常にもって、危機感をもちながら勉強してほしい
と常々考えています。
なので、過去問は常に近くに置いておいて、本気で時間を測って解くかは別として、少なくともいつでもパラパラ見れるようにしておいてください。
そして、「何が書いてあるか分からない」というレベルでなければ、インプットの時期であるにしても過去問には触れてください。むしろ、過去問を軸に勉強してほしいものです。
特に、基礎をある程度一周し終えた人は、「不安だからもう一周」と言わずに、一旦過去問やってみてください。これが大事。
もちろん、ずーっと(あたかも解き捨てるかのように)過去問演習してろと言っているのではありません。「解いてもボロボロ…」という状態が繰り返されてしまっては、せっかくの過去問演習も「無駄」になってしまいます。
ですから、解き捨てるように解き続けるのではなく、必ず、ボロボロだった箇所を「分析」し、「克服」してから、次の過去問を解くのです。
例えば、あなたが数学の共通テストの過去問を解いていて、「解の配置」の問題を間違えていたとします。ということは、「解の配置」に対する理解が足りていなかったということになりますから、次の年度の演習に進む前に 、一度、教科書に戻って、「解の配置」に関する例題や類題を解きまくる必要があるでしょう。
これ、スポーツと同じです。試合をやって、「負けた!悔しい!」ということになれば、自分の弱点を克服するためにいろんな訓練をしますよね。
そういうやり方が大事なのです。
Q&A
よくある質問を載せます。特に❶については、似たような質問をこれまで100回以上は受けてきたというくらい、死ぬほど多い質問です・・・。
他にもなにか質問がある人は、このページの下部にあるコメント欄に是非書き込んでくださいね!
❶いま過去問をやりまくってたら、「直前期なにやるの?やることなくない?」って友達に言われました。過去問って今やるべきじゃないですか?
▶︎そもそも、勉強の進度や定着度は人によって違いますから、友達に流されて自分の本来のスケジュールを崩すのはおかしいことです。友達の言葉に惑わされてしまう状況もなんとなく分からないことはないですが、その前に、まずは自分の頭で考えることが大切です。どのくらい基礎が固まっているのかについては、友達よりもあなた自身の方が詳しく分かっているはずです。まずは模試の結果を見るなどして自分の現状を認識して欲しいですし、それこそ目の前の過去問を解いて確認すればいいのです。その上で必要だったらインプットに比重を置けばいいでしょう。成績を上げるための近道をまずはしっかり「自分の頭で」考えるようにしてくださいね。ちなみに、本当に「やることがなくなった」場合に関しては、次の❷を見てください。
❷過去問をすべて解き終え、もし「やることがなくなった」場合はどうすればいいですか?
▶︎素晴らしすぎます。世の中の多くの受験生は、「過去問は直前期にとっておく」とカッコつけて、過去問を後回しにします。結果、入試直前に焦って対策し、まともに過去問が仕上げられていない中途半端な状態で入試に突入します。そういう人たちと比べたらあなたは1億倍最強の勉強をしていると言えます。さて、ではその場合どうすればいいかと言えば、
のが一つの手です。(予備校がセンターを真似て作ったものです)せっかくそこまで余裕をもって勉強できるくらいあなたには今「やる気」や「バイタリティ」があるのですから、今のペースを崩すべきではありません。今のうちにやれるところまでどんどん進めましょう!
他に、
- これまで解いてきた過去問を解き直す
- 他大学他大学の過去問も解いてみる
なんかもおすすめです。
もちろん、科目間のバランスもありますから、好きな科目ばかりやらないようにというのと、仮に苦手科目があるのであればそちらに関して知識のインプットをより充実させたりする(メンテナンス)のも怠らないでくださいね。
あとは、過去問にあまり出ていないマイナーな分野をより強化しておくというのもアリですね。(かなり上級者向けのことを言ってます。)
最終更新:2023年12月07日 22:21