①係助詞の有無の把握

 ▶係助詞は文末の活用語を終止形ではない形に変えます。
 ▶2014年のセンター試験の古文では、1行目に係助詞が3つも出てきています。
ぞ・なむ 訳さない 連体形
や・か 疑問・反語
こそ 訳さない 已然形
 ※結びの消滅(受ける単語の直後の接続助詞に優先されて活用形が決まる)、結びの省略という現象にも注意する。
 ※係助詞がないのに連体形で終わることによって余韻を表す「連体形止め」にも注意。
 ※「こそ」の特殊用法として、①「こそ〜已然形、」=「〜けれども」や②「もぞ・もこそ〜」=「〜したら困る」も頭に入れておくこと。

②長いセリフや挿入句は一旦飛ばして大枠をつかむ

 ▶長いセリフは中身を読む前に一旦飛ばして、大枠を掴みます。
  例えば、「〜〜〜」と驚かれぬ。とあれば、セリフの内容が驚きを表すことが先に分かります。
 ▶挿入句とは、一文の中に埋め込まれた半独立の文のことで、多くの場合係助詞が含まれています。
  例)世に語り伝ふること、まことはあいなきにや、多くはみな虚言なり。

③文末の活用語の把握

 ▶係り結びが発生していない場合の文末は、「終止形か命令形」になります。
 ▶ウ段かイ段で終わっていれば終止形、エ段か「よ」で終わっていれば命令形です。

④述語の厳密な把握

 ▶述語は、「用言+助動詞」で構成されることがほとんどです。文法的知識をフル活用し、正しく品詞分解して、厳密に意味を押さえます。
 ▶特に、助動詞「る・らる」が受身か否か、「す・さす・しむ」の使役か否かの解釈は重要です。
 ▶特に、否定語が入っていた場合は解釈に注意しましょう。
 ▶音便やその無表記型などといった語形変化にも柔軟に対応しましょう。
 ▶結びの省略などによって述語が省略された場合は、柔軟に補って対応してください。

⑤主語の把握(主語の転換の把握)

 ▶基本的には、述語の意味が分かれば主語が把握できます。(主体判定)
 ▶接続助詞に着目し、その前後で主語が転換する場合に注意します。
  ※「て」の前後では99%主語不変。
 ▶尊敬語の有無に注目し、正しく主体判定します。
  ※会話文に尊敬語があれば、その動作主体は自分ではなく相手。

⑥準体法の把握

 ▶準体法とは、連体形の下に体言が省略される現象のことです。
 例)頭白き女の、水汲め、家に入りにけり。→「る」が存続の助動詞「り」の連体形で、その下に「女」が省略

⑦同一表現や類義語を繋ぐ

 ▶似たような意味の表現が連続して出てくると、意味が捉えやすくなります。

⑧因果関係の把握

 ▶接続助詞「ば」、「これによりて」、「それゆゑ」など、因果関係の表現に注目します。
 ▶特に「ば」は最頻出で、直前か未然形なら仮定条件(〜ならば)、已然形なら確定条件(〜と/〜ので)となります。
 ▶未然形か已然形かの判断をするうえで、活用語尾がア段音なら未然形(例外は已然形の「しか」「ましか」のみ)、という知識が役立ちます。(ア段音であることは未然形であるための十分条件に過ぎず、エ段音が未然形になることも十分あります。)

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最終更新:2023年12月12日 18:32