演繹法と帰納法
インプットする際の学び方や教わり方には2通りあります。
理論と実践、という言葉がありますが、
ざっくり言えば、理論を覚えるのが演繹法、実践で学ぶのが帰納法です。
結論を言うと、帰納法と演繹法のバランスが大切です。
法則を理解する→問題を解く→例外に出会う→また新しい法則を整理し直す→・・
こんなイメージです。これをやることで知識量がえぐいほど身についていきます。
受験生の中には、インプットを何ヶ月もやっていて過去問に触れない人がいて、僕は疑問に思います。
高1や高2など、早い時期から「地道に基礎を固めるぞ!」と勉強を始めていたとしても、月に1回くらいは過去問を見て欲しいです。
過去問は直前期までとっておく、なんていう発想やめましょう。
とっておける、という感覚に危機感を覚えた方がいいです。受験勉強はそんなにぬくぬくと長い時間やるものではありません。
今日一日の勉強が、得点力向上や合格に向かっていなければ、意味がないのです。
常に過去問と隣り合わせで勉強してほしいものです。
7回読み
参考書などをやるときに意識して欲しいことがあります。
それは、「やると決めたその一冊を徹底的にやり込む」ことです。
そもそも、その覚悟がないのに参考書を買わないでください。お金の無駄です。
辞書のように使うなら別ですが、やりこみたいものを選ぶ時は、参考書選びの段階から慎重にお願いします。
さて、そのうえで、「どうやってやり込むか」ですが、
『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』(山口真由)が面白かったので紹介します。
インプットの際には、網羅性のある本をじっくり選んで購入したうえで、7回(場合によってはそれ以上)読んで定着させるそうです。
~全体を読む~
1. 主に見出しをインプットする
2. 各項目内の説明内容をざっくり意識する
3. 全体の輪郭線を明確にする
~細部を読む~
4. キーワードを覚えながら読む
5. キーワード周辺の細かい説明にも意識を向ける
6. 詳細な説明、補足的な説明も読み込む
7. 定着させる
これはいいなと思ったので、是非参考にしてください。
ファインマンテクニック
ファインマンテクニックとは、アメリカ出身の物理学者リチャード・P・ファインマン(1918〜1988)が使っていたという勉強法です。
彼は量子電磁力学の発展に大きく貢献し、ジュリアン・S・シュウィンガーや、日本人物理学者である朝永振一郎とともに1965年にノーベル物理学賞を受賞した偉大な物理学者です。
実際にファインマンテクニックの内容を、4つのステップに分けて説明します。
このテクニックの大前提となっていることは、「よく理解していなければ分かりやすく他人に教えることが出来ない」(ファインマン効果)という点です。これは、「小さい子供でも理解できるように、自分の中で咀嚼すれば、自身の理解力が高まる」とも言えます。
①白紙に書き出す
勉強したいテーマを決め、白紙とペンを用意します。その白紙に、まずは何も見ない状態で覚えている単語やその説明などを記載します。
例えば、歴史であればその時代の年表、代表的な人物とその人物の功績、その時代にあった事件の詳細、文化史のまとめなどでしょう。
数学や物理の場合は、公式や公式の導入方法、原理、数式の意味などを書きましょう。
その際に重要なのが、「子供でもわかるように、まるで12歳の子供に伝えるように書き出すこと」です。普段使っている単語も、わかりやすい言葉に書き記そうとすると、なかなか難しいものです。子供でも理解できるように噛み砕いて説明することで、自分もより深く理解できるようになります。
②教科書や参考書などを使い、補足する
次に、①では書けなかった内容を補足していきましょう。この際、教科書や参考書を使い、分からなかったところを「12歳の子供に説明できるように」書き足していきます。
③整理する
これまでの過程で、最初に決めたテーマに関して「あなただけのオリジナル教科書」が作成できたと思います。もう一度、何も見ない状態で作成してみましょう。その際は、全て書き出すのではなく、自分が見返した時にわかりやすいように完全に理解しているポイントは省いてもいいでしょう。
④実際に説明する
③までの過程を実施すると、非常にそのテーマに関して詳しくなっているはずです。時間はかかると思いますが、確実に知識として頭に入るため、テストの場でも応用できるようになっていることが多いでしょう。可能であったら、友達や家族に実際に説明してみましょう。これによって、自身の理解が確実になっていきます。
僕は高校時代、塾の授業で教わったことをYouTubeに授業動画として投稿してアップロードしていました。めちゃくちゃ楽しかったし、めちゃくちゃ定着しました。おすすめです。
やり込む/やり尽くすとはこういうこと
よく「1冊だけでは不十分」と言う人がいます。
しかし、不十分なものを補うために冊数を増やしてしまえば、どの1冊も中途半端になってしまいます。お金もかかります。
辞書的なものを買っておくなら分かりますが、あなたが「やり込む」べき軸となる参考書は、1科目につき1冊で構いません。
英語なら文法解説、数学なら解法解説、現代文なら読解法解説、理社なら一通りの基礎を網羅している参考書です。
一問一答問題集というのは、当たり前ながら1冊内で全分野が解決していますよね。こういうのをやり込むのです。
もちろん、細かい情報を補いたい時はあるでしょう。
でも、そういうものは調べたら全部この書の中に書き込んだり、付箋で貼り付けたりしていくのです。
こうやって軸となる1冊を極めていきます。
こういう勉強ができれば大学受験では合格点がとれるのです。
勉強の本質は、自分の勉強法を確立していくことです。
やり込むことは知識を整理し、固めることと同じです。
整理の仕方には個性が出ます。
やり込んでいけば、自分の個性が目に見える形になって表れていきます。
まさに、自分のスタイルが確立した瞬間です。
そういう勉強法をしてください。
複数の知識を繋げる
- 英語の精読や構造分析のやり方を、現代文・古文・漢文にも活かす
→特に漢文は英語の文型とかなり似ている
- 数学的思考を現代文の読解に活かす
- 地理と地学を繋げて考える
- 日本史と世界史を繋げて考える
- 生物と化学を繋げて考える
是非、このようなことを意識することで効率よくインプットしていってください。
最終更新:2023年12月07日 22:22