明治文化を完璧にしよう!
■まとめ(最低限ここにある人名
A 絵画
①日本画 フェノロサ・岡倉天心 … 伝統的な日本画の価値を見直す
②日本画 横山大観『無我』
③西洋画 黒田清輝『湖畔』
B 文学
①坪内逍遥『小説神髄』
②二葉亭四迷『浮雲』…言文一致(書き言葉を話し言葉に一致させた)
③森鷗外『舞姫』『高瀬舟』
④夏目漱石『吾輩は猫である』『坊ちゃん』
⑤樋口一葉『たけくらべ』
⑥島崎藤村『破戒』
⑦正岡子規…写生主義
⑧与謝野晶子『みだれ髪』
⑨石川啄木『一握の砂』
C 科学
①北里柴三郎:破傷風の血清療法 (*1)
②志賀潔:赤痢菌
③野口英世:黄熱病の病原体
※1 「破傷風の血清療法」について
→①原因:破傷風菌が傷口から入って体の中で増える
→筋肉を痙攣させる破傷風菌毒素を大量に出す
②症状:顔の筋肉を動かしにくくなる、笑ったように引きつった顔になるなど
→だんだんと口が開けにくくなり、
その後全身の筋肉がいっせいに縮んで、おなかや背中の筋肉が一斉に痙攣
→おなかの筋肉も背中の筋肉もいっせいにけいれんするので、最終的には後弓反→最終的にはフィギュアスケートのイナバウアーのような姿勢になる
→背骨などが折れることも。また、呼吸ができなくなって亡くなる人も。
③現状:今でも、40歳以上では、年間100名以上がかかっている
(当時、ワクチンを受けていなかったため。破傷風ワクチンが受けられるようになったのは1968年から)
D 学問
E 音楽
■明治文化のポイントは2つ!
① 西洋化が全国に広まった
*明治時代のポイントは「天皇中心」&「不平等条約の改正」。
不平等条約を改正するためには、欧米と対等にならなければならない。
そのために西洋化した。
② 西洋化に反発したものもいた
■絵画のポイント
①西洋画と日本画に分けて覚えよう。
②明治政府 → 西洋画に力を入れていた
それに反発したのが → 岡倉天心、横山大観狩野芳崖『悲母観音』
③ビジュアルで押さえておくべきなのが…
→ 狩野芳崖、黒田清輝『湖畔』『読書』(特徴:遠近法 … モナリザの影響)
■文学のポイント
①近代文学は「写実主義」からスタート!
→事実を写真のように「ありのまま」描こうとする立場
(背景)西洋的な書き方のスタイルとして「言文一致」が流行
(例)坪内逍遥『小説神髄』→写実主義を提唱
②それに反発したのが「ロマン主義」
→理想を掲げようとする立場
③西洋化という世の中の動きに反発した人々が、直接的な批判をすると逮捕されてしまう
ので、文学を書いて間接的に批判する、という背景もあった。
◇余談1 『小説神髄』
坪内逍遙は、小説神髄という事実をもとにした小説。その中で、野々口清作という登場人物がいた。彼は、医者を目指していたが、借金をしまくって破滅する。この作品を読んだ人に、たまたま野口清作という似た名前の人がいた。彼は、幼い頃に左手を火傷して勉強に励んでいた。そして、お金がなかったので、恩師の小林に借金をして参考書を買い集めた。そんな清作は、この小説を読んでこう思った。「まるで自分のことを書かれているようで恥ずかしい。名前を変えたい」と言って恩師の小林に頼んだところ、名前を「野口英世」に変えることができた(その名前を与えられた)。「英世」は「世界で(英雄のように)活躍するように」という願いを込めてつけられた。
二葉亭四迷は父親に政治家になれと迫られました。それに対して、二葉亭四迷は嫌だといい、小説家になりたいといった。父親は「小説家なんて馬鹿馬鹿しい。くたばってしめえ」と言った。ここから彼は「二葉亭四迷」と名乗るようになった。
樋口一葉は古文調で書いて、西洋化にたいして批判。一文の長さは四行程度でした。長いです。5000円札で有名。
夏目漱石は、名前の由来が故事成語です。名前の由来から何となくピント来ると思いますが、西洋化が嫌いでした。それでも、鈍感な生徒には以下のように説明すれば良いと思います。
どちらが正しいのか、両方とも意味が同じなのかを生徒にてをあげさせる。勘の良い生徒には、その理由を説明させる。
答えは「我輩は猫だ」が正しいです。なぜなら、あるは「○○がどこにいる」と補語になる言葉が来ないからです。つまり、文型違反です。しかし、生徒は「細かいな」と顔に出ると思うので、そこで「この考え方は英文法の考え方なんだけど、細かいと感じたでしょ。僕たちは西洋の考え方が受け入れられない部分があるんだよ。それを夏目漱石は指摘したかった」と説明すれば良いと思います。
また、「これは厳密には違うんだけど、同じだと思っていたでしょ。その地点で西洋的な考え方が受け入れられていないんだよ。夏目漱石は、それを指摘したかったんだよ」でも良いと思います。
与謝野晶子は、乱れ髪(エロいです)でも有名ですが、
君しにたまうなかれ(弟が徴兵で
日露戦争にいくことを踏まえて、
日露戦争に反対した)も有名。問題文として出題しやすい(教科書にも載っている)。
石川啄木は、労働者の悲惨さを文学作品で批判した。
島崎藤村は、『破戒』も覚えておく(被差別部落を題材にした自然主義文学。主人公は被差別部落出身の先生。最初は人気先生だった。主人公が部落出身の癖に人気の先生であることに気にくわなかった先生方は主人公が部落出身であることを暴露した。そのご、主人公を見る周囲の目が変わり、主人公は、まわりから排除される。この作品を通じて、島崎藤村は、部落差別を批判した)。
音楽
これは、音楽を通じて、政府は西洋化を促進。教育勅語が発布された頃から、西洋の音楽を広めた(国家主義的に日本の曲も広めていました。例えば、君が代などです。昔は恋の歌でした)。生徒に聞かせて、「なんの曲と似ている?(どこらへん国の曲だと思う?)」と聞いてみると良いと思います。
学問や自然科学(理系)の発達も時期がいい加減ですね。
★明治初期
東京大学に統合。
★明治時代
福沢諭吉の作品名を聞いてみたらいかがですか?
津田梅子の箇所も岩倉使節団について聞いてみたらいかがですか?(復習もかねて)
★大正時代
同志社(頻度が低い)や東京専門学校(頻度そこそこ)は、大正時代です。私立大学令を発布したことが背景。明治時代は私立がなかった。
★自然科学
これは時期区分しなくていいかな(本当はすべき)。
日露戦争後はドイツから医療品や化学産業が輸入されたことから、発達した。それが背景で、理系産業も発達した。
鈴木梅太郎は、ビタミンB1(味の素)を発明。大森房吉は、P波とS波を用いて、地震が何秒後に来るのかわかる公式を作った。
病気を直した系と、地学系は出題されやすいですね。
最終更新:2023年11月22日 22:33