狡猾な
ローグから勇敢な
パラディンまで、パスファインダーRPGでは、君がプレイしたいキャラクターを作ることができる。キャラクター作成の際には、まず君のキャラクターのコンセプトを決定する。君は恐るべきモンスターと対峙し、盾と剣もて爪と牙に対抗するキャラクターが作りたい? それとも大いなる彼方から力を引き出し、己の最期を知る神秘的な予言者? ほとんどどんなキャラクターでもプレイすることが可能だ。
大まかなコンセプトを決定できたら、以下のステップを追うことで君のアイデアに命を吹き込み、パスファインダーRPGキャラクター・シート(PRDサイトにダウンロード・コピー可能なものが用意されている)にキャラクターの情報や数値
データを記載しよう。
ステップ1―能力値の決定:最初にキャラクターの能力値を決定する。6つの能力値は君のキャラクターの最も基礎的な特質を決定し、様々なディテールや計算値の算出に用いられる。一部のクラスは能力値が平均以上であることを要求する。
ステップ2―種族の決定:次に、種族を選択する。能力値への修正だけでなく、種族特性についても気をつけよう(種族の章参照)。GMが追加するかもしれないが、7種の基本種族から選択しよう。各種族には自動取得できる言語のリストと、いくつかのボーナス言語をリストアップしてある。キャラクターは【知力】ボーナスと同じ数のボーナス言語を知っている。
ステップ3―クラスの選択:キャラクター・クラスとはそのキャラクターの専門、たとえばファイターやウィザードなどといった職業を意味している。新たに作られたキャラクターであれば、彼は選んだクラスで1レベル目を開始する。彼はモンスターを倒して経験値(XP)を得ることでレベルを上げ、新たな力と能力を得る。
ステップ4―技能と特技の選択:君のキャラクターがどれくらいの技能ランクを得られるかを、クラスと【知力】修正値(そして人間が得られるようなその他のボーナス)決定する。ランクは技能に割り振るが、1つの技能には最大でもレベルと同値のランクしか割り振れないことを忘れずに(よって、作成されたばかりのキャラクターは通常1ランクしか割り振れない)。技能決定後、いくつの特技が得られるかを、クラスとレベルをベースに決定し、どの特技を修得するかを決定する。
ステップ5―装備の購入:新しいキャラクターはそれぞれクラスに基づいて決定された所持金で、チェインメイルから革製の背負い袋まで、広範囲にわたる装備品を購入する。これらの装備品はキャラクターの冒険における生存を助ける。一般に、最初の所持金ではGMの同意なしに魔法のアイテムを購入してはならない。
ステップ6―詳細の完成:最後にキャラクターの詳細、開始ヒット・ポイント(hp)、アーマー・クラス(AC)、セーヴ値、イニシアチブ修正、攻撃に関する諸数値などを決定する。これらの数値はこれまでのステップでの結果により決定される。これ以外にも、キャラクターの名前や属性、外見的特徴を決定する必要がある。また、2、3の特徴を書き留めておくと、ゲームプレイ中の助けになるだろう。年齢や属性についての補足的なルールは“補足ルール”の章に詳細がある。
各々のキャラクターは、最も基本的な特質を表す6つの能力値を持つ。それは彼らの生来の素質と才能である。能力値は時に能力値判定のために、値そのものを用いることもあるし、その修正値は技能や特殊能力のほとんどに影響する。能力値は通常3から18であるが、種族ボーナスやペナルティなどで変わることもある;平均的な能力値は10である。
能力値の決定にはいくつかの方法がある。これらの方法はキャラクター作成にそれぞれ異なった自由度とランダム性を与える。
種族修正(キャラクターの種族により、君の能力値には調整が加えられる――種族の章参照)は能力値を決定した後に適用される。
標準型:4d6をロールし、一番低い目を捨て、残った3つのさいの目を合計する。結果を記録し、これを繰り返して6つの値を作成する。これらの値を、それぞれ望む能力値に割り当てる。この方法は“旧式”と比べランダム性に乏しく、平均より高い能力値を持つキャラクターができる。
旧式:3d6をロールし、合計する。結果を記録し、これを繰り返して6つの値を作成する。これらの値を、それぞれ望む能力値に割り当てる。この方法は全くのランダムなものであり、一部のキャラクターはずば抜けた能力値を持って生まれる。1ステップで能力値を決めるなら、ロールした順に上から決めていく、ということでもよい。しかしこうして作成されたキャラクターは、キャラクター作成時に決めたコンセプトに適合しないだろう。その能力値はクラスや特徴を支えるよう最適化されたものではないからだ。
英雄的:2d6+6をロールし、合計する。結果を記録し、これを繰り返して6つの値を作成する。これらの値を、それぞれ望む能力値に割り当てる。この方法は“標準型”と比べランダム性に乏しく、より能力値が高めのキャラクターになる。
ダイス・プール型:各キャラクターは24d6を行い、プールとして持つ。そして、これを各能力値に当てはめていく。ダイスを振る前に、プレイヤーはどの能力値に何個のダイスを割り当てるかを決めておくこと(最低でも1能力値に付き3d6を割り振ること)。割り当てが終わったら、プレイヤーは各能力値についてダイスをロールし、高い順に3つを選んでその値の合計を能力値とする。もしよりハイパワーなゲームを行うなら、ダイス・プールの総ダイス数を28にする。この方法は標準型と同程度のキャラクターとなる。
能力値購入:各キャラクターは基礎能力値を増加するためのポイントを得る。この方法では全ての能力値のベースを10として開始する。キャラクターはそれぞれの能力値を得たポイントを消費して向上させる。能力値を低くしてさらなるポイントを得ることもできる。ただし、この方法では能力値は7より小さく、あるいは18より大きくすることはできない。“表:能力値ポイントと能力値”には能力値の値に対応するコストが示されている。全てのポイントを使用した後、種族修正を加えること。
表:能力値ポイントと能力値
能力値 |
ポイント |
能力値 |
ポイント |
7 |
-4 |
13 |
3 |
8 |
-2 |
14 |
5 |
9 |
-1 |
15 |
7 |
10 |
0 |
16 |
10 |
11 |
1 |
17 |
13 |
12 |
2 |
18 |
17 |
この方式で得られるポイントはプレイするキャンペーンにより異なる。標準的なポイント数は15である。標準的なNPCは3ポイント以下で作成される(詳細はNPCの詳細の章を参照)。購入方式はプレイヤーの選択が重視され、平等なバランスのキャラクターが作成できる。このシステムはイベントなどでのキャラクター作成―たとえば
パスファインダー協会(詳細は
http://paizo.com/pathfinderSocietyまで)のような―でよく用いられている。
表:キャンペーンタイプ別能力値ポイント
キャンペーンの種類 |
ポイント数 |
ロー・ファンタジー |
10ポイント |
標準的なファンタジー |
15ポイント |
ハイ・ファンタジー |
20ポイント |
英雄的ファンタジー |
25ポイント |
種族による能力値修正を行った後の各能力値からは、-5から+5の範囲をとる修正値が求められる。表:能力値修正とボーナス呪文には、能力値の値に対応した修正値を示す。修正値は君のキャラクターがある能力値に関連した行動を取る際に、ダイス・ロールに加算される数値だ。またダイス・ロール以外の数値に適用される場合もある。正の値(プラスの値)のものを“ボーナス”、負の値(マイナスの値)のものを“ペナルティ”と呼ぶ。表にはボーナス呪文の数も記されている。君のキャラクターが術者なら、この値を知っている必要がある。
どの能力値をもとにしてボーナス呪文数を決定するかは、君のキャラクターがどのタイプの呪文の使い手であるかによって異なる。
ウィザードなら【知力】、
クレリック、ドルイド、
レンジャーなら【判断力】、バード、パラディン、
ソーサラーは【魅力】を用いる。加えて、高い能力値を持つ呪文の使い手は求める高い呪文レベルの呪文を使うために、十分なレベルを稼がなければならない。詳しくは
クラスの章を参照。
表:能力値修正と1日毎のボーナス呪文数
能力値 |
修正 |
ボーナス呪文レベル |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
1 |
-5 |
この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない |
2~3 |
-4 |
この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない |
4~5 |
-3 |
この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない |
6~7 |
-2 |
この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない |
8~9 |
-1 |
この能力値に対応したクラスの呪文は発動できない |
10~11 |
0 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
12~13 |
+1 |
― |
1 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
14~15 |
+2 |
― |
1 |
1 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
16~17 |
+3 |
― |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
18~19 |
+4 |
― |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
― |
― |
― |
20~21 |
+5 |
― |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
― |
― |
22~23 |
+6 |
― |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
― |
24~25 |
+7 |
― |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
26~27 |
+8 |
― |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
28~29 |
+9 |
― |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
30~31 |
+10 |
― |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
32~33 |
+11 |
― |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
34~35 |
+12 |
― |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
36~37 |
+13 |
― |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
38~39 |
+14 |
― |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
40~41 |
+15 |
― |
4 |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
42~43 |
+16 |
― |
4 |
4 |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
44~45 |
+17 |
― |
5 |
4 |
4 |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
各能力値は個別に説明されている。また、彼の行動の一部にも影響を与える。
【筋力】はキャラクターの筋力や体の力を表す。この能力は
ファイター、
バーバリアン、パラディン、レンジャー、
モンクのような至近距離で(あるいは“近接”で)闘うクラスにとってにとって重要である。【筋力】はキャラクターが持ち運ぶことのできる装備の量を決めるためにも用いられる。【筋力】の値が0まで低下したキャラクターは、移動するには衰弱しすぎており、気絶状態となる。一部のクリーチャーは【筋力】の値を持たず、よって全ての【筋力】ベースの技能や判定に修正が入らない。
キャラクターの【筋力】修正値は以下のものに適用される:
- 近接攻撃ロール。
- 近接武器および投擲武器(スリングを含む)のダメージ・ロール(例外:利き手でない手による攻撃のダメージ・ロールには【筋力】ボーナスの半分しか適用されない。一方、両手での攻撃には【筋力】ボーナスを1.5倍して適用する。コンポジット・ボウ以外のボウで攻撃する場合、ボーナスは適用されないが、ペナルティは適用される)。
- 〈登攀〉、〈水泳〉判定。
- 【筋力】判定(ドアを打ち壊す場合など)。
【敏捷力】は素早さや反応性、バランスを規定する。この能力はローグにとって最も重要なものだが、軽・中装鎧、あるいは鎧を着ないものにとっても有用なものだ。また、ボウやスリングといった遠隔攻撃をうまく行うにも重要だ。【敏捷力】の値が0になると、動くことができなくなり、実質的に“動けない状態”になる(しかし意識は失わない)。
キャラクターの【敏捷力】修正値は以下のものに適用される:
- 遠隔攻撃ロール。これにはボウやクロスボウ、スローイング・アックスのほか、スコーチング・レイやシアリング・ライトといった遠隔呪文も含まれる。
- アーマー・クラス(AC)。ただしキャラクターが攻撃に対応できる場合に限る。
- 反応セーヴ。ファイアーボールのような攻撃は素早く動けることで避けることが可能となる。
- 〈軽業〉、〈装置無力化〉、〈脱出術〉、〈飛行〉、〈騎乗〉 、〈手先の早業〉、〈隠密〉技能判定。
【耐久力】はキャラクターの健康状態やスタミナを表している。【耐久力】ボーナスはヒット・ポイントを増加するので、この能力値は全てのキャラクターにとって重要であると言える。アンデッドや人造といった一部のクリーチャーは【耐久力】の値を持っていない。これらのクリーチャーが【耐久力】基準の判定を行わなければならない際にはボーナスが+0であるとみなすこと。【耐久力】の値が0になったキャラクターは死亡する。
キャラクターの【耐久力】修正値は以下のものに適用される:
- 各ヒット・ダイスにおけるhpロール(ペナルティにより0以下になっても、最低でも1は得られる点に注意。つまり、レベルが上がれば自動的にhpが1は増加する)
- 頑健セーヴィング・スロー。毒や病気といった危険に耐える。
キャラクターの【耐久力】の値が【耐久力】修正値まで変えるのに十分なほど変更した場合、キャラクターのヒット・ポイントもあわせて上昇や減少する。
【知力】はキャラクターの学習能力と論理的思考力を表す。この能力値は呪文発動能力に関わるため、ウィザードにとって重要である。動物なみの知性しかないものは【知力】の値が1か2しかない。会話を理解するには少なくとも【知力】の値3が必要である。【知力】の値が0になったクリーチャーは昏睡する。一部のクリーチャーは【知力】の値を持っていない。彼らが【知力】ベースの技能判定等を行う際には修正値が+0であるものとして行う。
キャラクターの【知力】修正値は以下のものに適用される:
- キャラクターの知るボーナス言語の数。これは共通語と種族言語に加えて獲得できるものである。もしペナルティがあっても、【知力】が3より低くない限り、種族言語の読み書き・会話は可能である。
- 各レベルで得られる技能ポイント数、しかしながらキャラクターは常にレベル毎に最低1ポイントは得られる。
- 〈鑑定〉、〈職能〉、〈知識〉、〈言語学〉、〈呪文学〉技能判定。
ウィザードのボーナス呪文数は【知力】の値により決定される。ウィザードが秘術呪文を使用するには最低でも10+呪文レベルの【知力】の値が必要である。
【判断力】(【判】)
Wisdom
(Wis)
【判断力】は意志力、常識力、思慮分別、直感力を表す。【判断力】はクレリックやドルイドにとってもっとも重要であり、パラディンやレンジャーにとっても重要度は高い。感覚の鋭いキャラクターを作りたいなら、【判断力】を高くするのが良いだろう。全てのクリーチャーが【判断力】の値を有している。【判断力】の値が0になったキャラクターは理性的な考えができず、気絶状態となる。
キャラクターの【判断力】修正値は以下のものに適用される:
- 意志セーヴィング・スロー(チャーム・パースンなどの呪文の効果を免れるための判定)。
- 〈治療〉、〈知覚〉、〈職能〉、〈真意看破〉、〈生存〉技能判定。
クレリック、ドルイド、レンジャーは【判断力】の値に基づいてボーナス呪文を得られる。クレリック、ドルイド、レンジャーが呪文を発動するには少なくとも10+呪文レベル以上の【判断力】の値を有していなければならない。
【魅力】はキャラクターの個性の強さ、人を惹きつける力、統率力、そして外見の美しさを表す。パラディンやソーサラー、バードにとって最も重要な能力値である。また、エネルギー放出に関わるため、クレリックにとっても重要な能力値である。アンデッドにとって【魅力】は彼らの超自然的な“生命力”を表している。全てのクリーチャーが【魅力】の値を有している。【魅力】の値が0になったキャラクターは自己主張ができず、気絶状態となる。
キャラクターの【魅力】修正値は以下のものに適用される:
- 〈はったり〉〈交渉〉〈変装〉〈動物使い〉〈威圧〉〈芸能〉〈魔法装置使用〉技能判定。
- クレリックやパラディンがアンデッドを傷つけるためにエネルギー放出を使用する際のDC。
バード、パラディン、ソーサラーは【魅力】の値に基づいてボーナス呪文を得られる。バード、パラディン、ソーサラーは呪文を発動するには少なくとも10+呪文レベル以上の【魅力】の値を有していなければならない。
最終更新:2015年03月25日 11:54