Twitterにて現代文に関してさまざまな方法論をつぶやかれている小池陽慈先生(@koike_youji)のツイートを、まとめました。

メニュー

現代文について/読解力について:現代文という科目の特質、現代文が苦手な原因、現代文で問われている能力、読解力とは?、「読む」と「解く」の関係、語彙力の重要性、背景知識の重要性、本文へのマークについて、内言について
語彙解説の実例(01~09)
読解訓練の実例(01~23)
大学受験のための小説学習法(01~14)
大学受験のための読書案内(01~31)
読み聞かせたい傑作絵本(01~14)
新学期開講までにやるべきこと(01~07)
医学部受験の現代文対策(01~07)
小池的現代文復習法(01~05)
さまざまな本
その他

現代文について/読解力について

現代文も一緒。
理性から生まれたものではないはずの言語なるものを、理性により分節化していこうとする。そんな不可能性を前提とした科目が、現代文なのだ。
現代文が苦手な人へ。
次の3点のどれかが要因。
1、本文の誤読
2、設問要求の誤解
3、選択肢の誤読
特に、2、3の誤読は自分ではなかなか気がつかない。
2は理由説明なのに、内容一致の頭で解いている等
3は選択肢の趣旨を誤読してる等。センター苦手な人は大抵3。
「先生ー!本文は〇〇なのに、選択肢2はなぜダメなんですか?」という質問でありがちなのは、「本文は〇〇なのに」は正しく、「選択肢2」の解釈がおかしいパターン。
早稲田は「本文は〇〇なのに」の部分に誤読がなければほぼ正解する。
センターは「選択肢」の解釈で勝敗が分かれる。コレ重要!
まともに文章読んだ経験ない人が「論理」とか「解法」学んだって意味ないの! そーいう道具を駆使するためには、まずは圧倒的な言語経験値が必要なの! ホントは皆、うすうす気づいてるはずよ? 方法論に悩む暇あったら、一本でも多く文章読みなさいって。ここでも本とか記事とか、紹介してくからさ。
「国語モンスター」みたいな子も、何かの方法論を意識してるわけじゃない。ちっちゃな時から本読んできたから、読めちゃうし解けちゃうの! 「論理」なんか意識してないのに、書かれた答案は、結果として「論理」的になってるの! きちんと文章読んできたなら、必然的に思考も「論理」的になるのよ。
「侖」って、「ノンブル通りに綴じられた木簡が建物内に整頓されてある状態」を表すの。そこに「言」がくっついて、「論=言葉と言葉の秩序だった繋がり」。で、その「理」が「論理」でしょ? だからそれを体得したけりゃ、その「繋がり」を体現したもの=文章を、とことんじっくり読みまくることさ!
でも、言葉において論理って、万能じゃないのよ。
僕は野球が好きだ。〔 〕サッカーも好きだ。
空欄前後の論理を限定してみ?
……逆接「でも」も、添加「また」も、補足「ただし」も入りうるんじゃない? 「両方とも同じ運動だから」って観点考えれば、順接「だから」も入りうるよ?
ね?
そもそも「論理」は、言葉からその法則性を《抽象》することで生まれた概念。当然そこからは、言葉そのものが有していた他の側面が捨象されることになる。
蝶が〔 〕舞っている。
空欄に入るのは「ひらひら」だよね?じゃ、なんで「もきゅもきゅ」じゃアカンの?
「論理」で説明してみてよ。
っていうか純粋に論理的思考を試したけりゃ、理数科目で問えばいいじゃん! それじゃ問えないことも問いたいから、「現代文」なんて訳わからんもんも試験するわけよ。
じゃ、理数科目じゃ問えないことって何?
簡単に言えば、読書量だよ。
大学は、本読んできた生徒が欲しいの!
だから読むの!
これが真理ですよ。
真理なんて言うと逆に胡散臭くなっちゃうことなど百も承知で、もう一度。
これが真理。
読解力って、そんな単純化できるものじゃないです。
語彙、論理的思考力、一般常識、背景知識、人生経験、気合と根性、その他諸々。
それら全てが総合的に働いて、初めて機能する力なのです。
「本文読めても設問が読めなければ解けない」というのは、理屈としては正しい。が、本文を正確に読める子が「設問を読めない」などということは、現実問題としてありえるのだろうか? 本文精読の訓練を継続し、確実な言語能力を手にすれば、結局は設問も読めるようになっているというのが僕の意見だ。
  • 「読む」と「解く」の関係②:
https://twitter.com/koike_youji/status/976311890614788096 3/21
「本文読解の訓練だけでは不十分。問題を解く訓練も大切だ」という指摘も間違いなく真実。だが、現代文が言語を扱う科目である以上、「インプット=精読、読書」が足りてない子(←大多数!)を、いきなり「アウトプット=問題を解くこと」に志向させることの意義が、僕にはちょっとわからない。
語彙の増強は必須だ。語句ノートは必ず作ろう。が、そこに「逃げ」てはならない。用語集を完璧に覚えても、読解力は上がらない。とにかく毎日、真摯に文章を読むこと。そこで出会った未知の語を、丹念に調べること。本当に「入試頻出」であるならば、この学習の過程で、その語には必ず出会えるはすだ。
「背景知識」という概念に批判的な先生もいるけど、その主題をめぐって識者たちがどのような発言をしてきたのか、それをイメージできていれば、今読んでいる文章に対してより深く思考することができると思うのだがなぁ。「背景知識」って言い方がよくないのかも。「解釈共同体の既存のコード」とか。
背景知識さえあれば解けるという発想は論外だが、それが読解に無用だという発言も浅薄である。
背景知識とは、先人達がこの時代とどのように格闘してきたか、その軌跡の謂いだ。それを既得のコードとして新たな文章と対峙し、それによりそのコードを不断に読み換えてゆく。読みの本質は、そこにある。
背景知識ってのは、当該テクストに対する対比項なんだよな。既存のテクストと対照されればこそ、当該テクストの持つ固有性(=既存のテクストとのズレ)も明確に意識することができるのだよ。ちなみに、「その文章とだけ向き合っていればよい」などという考えは、とっくに言語学的に否定されております。
マークするのもいいけど、まずは考えろ、ていう。
接続詞の示す(?)論理に着目しているのに、それと同等の働きをするある種の副詞や名詞は無視する、とか、たとえそれらの語で示されてなくとも文と文の間には論理が潜在するはずなのに、そこは考えない、とか、なんかおかしくないすか?
僕が「接続詞にマーク」という作業法に懐疑的な理由は、そこ。
なんかやたらと接続詞に◯とか△とか付けてる生徒見るけど、なんか作業のための作業に堕している子が多い気がするんですよね……。
「接続詞」と「接続語」という表記の誤用を見ると、モヤる。「◯◯詞」は「単語」の機能に付される名称で、「◯◯語(部)」は「(連)文節の文中での役割=文の成分」に対して付される名称。英語でいう条件節(例「雨が降ったので」)なども、国文法では「接続語(部)」と呼ばれる。
学校文法(中学)の範囲。
「内言」という概念は、現代文の精読についても多いに駆使されるべきだ。字面を眺めるのみならず、頭の中で解釈したり要点をまとめたりしながら読み進めること。
国語の音読の際には、「意味のまとまり」を捉えて読んでいるかどうかが大切。噛むことなんて、まったく気にする必要はありません。では、「意味のまとまり」とはなにか? そのもっとも端的な指標が、「文の組み立て」などに代表される、文法的な構造。詳細は、拙ツイ【読解訓練の実例】の前半を参照。

語彙解説の実例

https://twitter.com/koike_youji/status/966323038974238720
語彙解説の実例①
熟語なら、個々の漢字の意味、訓読み、その漢字を使った他の熟語、等を問う。
例)偏在→偏る&在る/偏屈&存在
答えられない場合、
「偏る」と板書して読ませたり、「偏クツ」と板書して「クツ」を書かせる。無理なら辞書、
等の工夫を。
最後は、分析情報からの語義類推。

https://twitter.com/koike_youji/status/966324265678065664
語彙解説の実例②
当然、文脈から類推させてみる。答えられない場合は、講師がいくつかの例文を提示し、そこから意味内容を抽象させる。
逆に、意味内容は答えさせずに、講師がいくつか例文を提示し、その上で生徒にもその語を用いた例文を作らせてみる。この際、語義は、最後に講師が板書する。

https://twitter.com/koike_youji/status/966326182705704962
語彙解説の実例③
①にも②にも対応できない生徒には、講師がまず語義を板書し、それを音読させる。その上で、
「○○は、○○地方にのみ偏在する風習だ」
等の穴埋め例文を板書し、○○に当てはまる言葉を一単語レベルで答えさせる。
主体的に授業に参加できた、という実感を持たせることが肝要。

https://twitter.com/koike_youji/status/966499633261305857
語彙解説の実例④
授業でとるノートは、あくまでもメモ。ノートは家で完成させるもの!
【構成】
○語句
○語句の意味
○例文
○派生知識
例文は、本文の使用例をそのまま転写。これ重要。
派生知識は、類義語対義語、その漢字の意味、その漢字を使った他の熟語、授業で講師が言及した内容、等。

https://twitter.com/koike_youji/status/966713983062306816
語彙解説の実例⑤
語彙は重要だが、語彙さえ充実すれば読解力が上がるという考えは甘い。「語彙レベルはきわめて平易なのに、読み難い文章」など無数に存在する。
「意味調べノートは必ず作れ。でもそれはあくまでサブ。メインは読解訓練だ!」
この点は、生徒に対して、強く念押ししておきたい。

https://twitter.com/koike_youji/status/966717261749735424
語彙解説の実例⑥
学問的文脈における日本の近代化とは、西欧思想の翻訳を意味した。その過程で、日本語にない概念は、カタカナ語として、もしくは二字熟語を造語することで受容されたのである。したがっていまだ、学術用語の大半は、カタカナ語か熟語ばかりなのだ。解説も、この二種を中心に。

https://twitter.com/koike_youji/status/966719172926365696
語彙解説の実例⑦
読解初心者に、『評論用語集』的なものを学ばせることの弊害は、
それなりに時間を食うので、生徒は勉強した気になり、文章を読む、という最も大切な学習に割く時間が減ってしまう
という点。
まずは、平易な文章を精読、多読させ、その中で出会った語の意味調べを徹底させる。

https://twitter.com/koike_youji/status/966721059809476609
語彙解説の実例⑧
『評論用語集』的なものは、ある程度の数を紹介したり、使用例に言及する必要から、個々の語に割く説明の分量が限られることになる。結果、それなりの読解経験を持たない子には、きちんとは理解できない内容になってしまう。逆に言えば、上級者が学習するツールとしてはかなり有効。

https://twitter.com/koike_youji/status/966722548351213568
語彙解説の実例⑨
文中で出会った語を調べる、という方法以外で使えるのは、漢字ドリル。
特に二字熟語を中心に、個々の漢字の意味、訓読み、熟語全体の意味を調べてノートにまとめる。かつ、ドリルの例文を、そのまま転記する。
これ、その昔、小学生や中学生にやらせてた。記述力もついたりする。

読解訓練の実例

https://twitter.com/koike_youji/status/967706947175632896
読解訓練の実例①
日本語の文は、周知の通り、
⑴何がーーどうする。
⑵何がーーどんなだ。
⑶何がーー何だ。
の3つの型に還元される。
すなわち、現代文において「文が読める」とは、まずは、当該の文に対し、この3つの型の識別がスムーズにできる状態を言うわけだ。

https://twitter.com/koike_youji/status/967708911443763200
読解訓練の実例②
日本語には元来、主語という意識はなかった。が、
⑴どうする。
⑵どんなだ。
⑶何だ。
の3つは、省略がない限り明記される。これが、「述語(部)」。
主語、(連用)修飾語という、文の成分の中でも重要な要素は、原則、述語との関係性において把握される概念。これ、超重要。

https://twitter.com/koike_youji/status/967710491794485248
読解訓練の実例③
日本語の述語における3つの類型のうち、
⑴どうする。
は、動詞を軸に、
⑵どんなだ。
は、形容詞、形容動詞を軸に、
⑶何だ。
は、名詞を軸に構成される。
よって、動詞、形容詞、形容動詞(=用言)と、名詞(=体言)についての文法的理解を深めることが、大切になる。

https://twitter.com/koike_youji/status/967770750387015680
読解訓練の実例④
日本語の述語は、かなりの確率で付属語(助動詞、助詞)がつく。
もうね、常々思ってるんだけど、「付属語」て名前よくない!
なんか「オマケ」みたいじゃん?
ちがうのよ。
こいつらが、往々にして文意決定します。最重要語です。
だから古典文法とかも、付属語がメインなのよ!

https://twitter.com/koike_youji/status/967773892600242176 2/25
読解訓練の実例⑤
文が読めない生徒の大半が、「複文」構造でコケている。
複文は、辞書的には、複数の主述関係があり、かつ、それらが対等の関係にない文、と定義される。
その通り。
が、分かりやすく言うと、
英語における従属節
を含む一文と考えればいい。
ちょっとブレるとこはご愛嬌

https://twitter.com/koike_youji/status/967774642797666304 2/25
読解訓練の実例⑥
複文の理解。
英語の従属節が含まれる文と、とりあえずは理解しておこう。
英語でも、that節以下の主語や述語が、主節の主語や述語にかかっていくことはないよね?
それが、
主述の関係が対等ではない、
ということです。

https://twitter.com/koike_youji/status/967789074491719681 2/25
読解訓練の実例⑦
一文の読解がままならない場合は、とにかく、述語(部)を押さえよう。基本それは、文末にある。
ただし、
述語(部)の省略
倒置
がある場合は、その限りではない。
また、
重文においては、主節の述語が、文末だけでなく文中にもくるので要注意。

https://twitter.com/koike_youji/status/967790023322947584 2/25
読解訓練の実例⑧
重文というのは、主述の関係が複数あり、かつ、それらが対等である文、ということになるが、簡単に言えば、
僕は食べ、弟は飲む。
みたいな文。
「僕は食べ」という主述と、「弟は飲む」という主述は、
弟は飲み、僕は食べる。
とひっくり返しても、文意は同じ。
これが重文。

https://twitter.com/koike_youji/status/967791791322759169 2/25
補足
ちなみに漢文用語としての「重文」は、文法用語のそれとは違い、
同じ意味の漢字が組み合わさった熟語
という概念になります。
たとえば、
道路とか、鋭利とか、開発とか。
ここは一応、注意です。
でも、違う名称考えるべきですよね

https://twitter.com/koike_youji/status/967792996077920257 2/25
ちなみにちなみに、漢文でいう重文においては、訓読の際、片一方の読みは、もう一方の漢字の読みに当てていい、というルールがあります。
たとえば、開発の場合、
「開」は当然「ひらク」と読めますが、それと等価の関係にある「発」も、「ひらク」と読めます。
知っとくと、便利です♪

https://twitter.com/koike_youji/status/967802798078177280 2/25
読解訓練の実例⑨
格助詞という概念を理解したい。
格助詞の「格」というのは(もと準体助詞の「の」以外)、原則、それが含まれる文節が述語に対して有している「資格」を表しています。
例えば、現代語においての「が」は、述語に対して「主語」の「資格」を有している、「主格」の格助詞、てこと。

https://twitter.com/koike_youji/status/967804497589252097 2/25
読解訓練の実例⑩
「は」は格助詞ではなく、副助詞(古文では係助詞)。
格助詞ならば、述語に対し、主格か目的格(連用修飾格)かを明示できるが、「は」は、
魚は食べる。
という例文で分かるように、「魚は」は、「食べる」の主語とも目的語(連用修飾語)ともとれる。逆に言えば、格を明示できませんね?

https://twitter.com/koike_youji/status/967808764068880384 2/25
読解訓練の実例11
A 僕が運転する時には注意する。
B 僕は運転する時には注意する。
元来、助詞の「が」は、主格で働く場合、従属節中の述語に係る語でした。だからAでは、「僕が」は「運転する」に係ります。
「は」は元は係助詞。だから文末に係る。で、「僕は」は「注意する」に係るわけです。

https://twitter.com/koike_youji/status/967935333722554368 2/26
読解訓練の実例12
「彼が若き日に唱えた主張のその大半は、晩年を送る彼の心象においては一つの灯火だった。」
述語「灯火だった」
何が「灯火だった」? →「大半は」
何の「大半」? → 「ガキ時代の自分の思想」
などと、述語を中心に、要素を一つずつ整理する。
これが、文の「精読」。

https://twitter.com/koike_youji/status/967942976583319552 2/26
読解訓練の実例13
文の要素を解体し、述語を中心に、一つずつ意味を整理し直す。
文が読めないという人は、この作業を疎かにしてはならない。複雑かつ長めの文字情報を即時に解析する回路が仕上がっていないのだから、まずはその回路をコツコツ構築していく必要があるのだ。
一文一文を、丁寧に。

https://twitter.com/koike_youji/status/967944422791962624 2/26
読解訓練の実例14
ちなみにここまで言及してきた「語彙学習の実例」および「読解訓練の実例」は、そのまま、【記述力】の養成にも直結します。
来たるべき入試改革の要、【記述力】構築のためにも、中学生にもぜひとも実践してもらいたいと思うわけです。

https://twitter.com/koike_youji/status/968328259124547584 2/27
読解訓練の実例15
一文ごとの精読を訓練しつつ、今度はある程度のまとまりを全体として総括する視点を養いたい。具体的に言えば、
形式段落ごとに、要点を整理する
という作業。
したがって、この段階でチャレンジすべき課題文は、「形式段落」の構成を持つ、「評論文」ということになる。

https://twitter.com/koike_youji/status/968330008161914886 2/27
読解訓練の実例16
形式段落ごとに要点を整理する、という作業が難しい場合には、
その段落が何について語っているのか
を、「小見出し」にしてみるとよい。
なお、一段落内に複数の話題が語られることもあるので、「小見出し」は別に、一つに限定しなくても大丈夫。

https://twitter.com/koike_youji/status/968331056880472065 2/27
読解訓練の実例17
段落の「小見出し」も作成しにくい場合は、その段落の「話題の中心」にあるキーワードを抜き出すだけでもよい。
これも、複数ある場合は複数指摘して大丈夫。
話題を把握することなしに文章を読めることなどありえない。そのことを常に意識しましょう。

https://twitter.com/koike_youji/status/968332583045156866 2/27
読解訓練の実例18
形式段落の「小見出し」もしくは「キーワード」を整理したら、それらの「話題」についての、当該段落での説明、分析の内容をまとめる。文章化するのが難しい際は、箇条書きや、自己流の図示でもかまわない。なんであれ、これで、「形式段落の要点を整理する」という作業は完結です。

https://twitter.com/koike_youji/status/968334925870043138 2/27
読解訓練の実例19
例えば15~18の内容を一つの形式段落と想定するなら、
□形式段落の要点整理の方法
①小見出しやキーワードの整理
②小見出しやキーワードについての分析内容の整理
※小見出しやキーワードは複数あっても大丈夫
※評論文で実践
※箇条書きや図も活用
などとまとめるわけです。

https://twitter.com/koike_youji/status/968461944867844096 2/27
読解訓練の実例20
一つの形式段落の要点整理が完了したら、次の段落でも同じ作業をする。ただし、作成後、《直前段落との関係性》を考察→記述したい。
抽象/具体 原因/結果 対比 添加 要約 転換
など。
いかんせんそこらへんが不明瞭な文章も多いので、分かる範囲でかまいません。

https://twitter.com/koike_youji/status/968463529366835200 2/27
読解訓練の実例21
20までの流れを、最終段落まで完遂する。これで、
本文全体の論旨展開
を把握したことになります。
《難関大、センター、難関中高》の評論は、ずばり、「論旨展開が理解できているかどうか」を問うてきます。そのための訓練なわけですね。
※作業は複数の日に分けて大丈夫です!

https://twitter.com/koike_youji/status/968466901297807360 2/27
読解訓練の実例22
○補足1
訓練に用いる文章は、前述の通り、「形式段落の構成を持つ評論文」。具体的には新聞記事が手頃だが、「天声人語」系はたぶんに修辞的表現に過ぎることがあるし、「社説」は話題についての背景知識が必要な場合が多く、難しいことも。おすすめは、「読者投稿欄」と「書評」。

https://twitter.com/koike_youji/status/968469444828708864 2/27
読解訓練の実例23
○補足2
初学者の「要約」は、
単に「本文の大切な記述」をいくつか羅列してるだけ
とか、
主張文をほぼそのまま抜き出しているだけ
になりがち。
大切なのは、《どのように主張が帰結されていくのか》という、その「論旨の展開」の把握です。
まずは1~21で紹介した方法を。

大学受験のための小説学習法

https://twitter.com/koike_youji/status/970274431087009792 3/4
大学受験のための小説学習法01
大学受験の現代文は、評論文中心の出題になる。ゆえに受験生が評論文を中心に学習していくのは当然だ。
が、国公立や難関私大で小説が出題されるのはレアなことではないし、センターなど、現代文100点のうちの50点が小説だ。後継の新テストでも、小説は出題される。

https://twitter.com/koike_youji/status/970276781952352257 3/4
大学受験のための小説学習法02
「小説」とは本来、中国語で、《くだらねーお話し》程度の意味の言葉だった。昔は文学といえば、漢詩か戯曲だったから。対して我々が「小説」と呼ぶところの文章は、主として西欧近代において確立された、「芸術」としての散文形式の文学を指す。

https://twitter.com/koike_youji/status/970277908416622592 3/4
大学受験のための小説学習法03
「文学」としての「小説」は、西欧近代において確立されたメディアだ。そして西欧近代は、人々が「自我」に目覚め、人間の「内面性」に着目した時代だった。したがって、近代的メディアとしての「小説」が、「自我」や「人間の内面」を主題とするのは、当然なのである。

https://twitter.com/koike_youji/status/970279571605004288 3/4
大学受験のための小説学習法04
「小説」が「自我」や「人間の内面」を主題とする以上、読解力を問う入試問題の「小説」において、登場人物の「内面」すなわち「心情」や「性格」が問われるのも、必然なのである。
小中高の国語で物語が扱われる際、人物の「気持ち」ばかり問われる理由もここにある。

https://twitter.com/koike_youji/status/970282006989873153 3/4
大学受験のための小説学習法05
「小説」を得点源にするためには、具体的な記述内容から、その人物の内面(=心情、性格)を抽象化する能力を鍛えなくてはならない。そしてそのために必要な媒体は、まずは問題集ではなく、ずばり、小説そのもの。実際の文学作品を精読する以上の学習など、存在しない。

https://twitter.com/koike_youji/status/970283237988646913 3/4
大学受験のための小説学習法06
とりわけ読んでほしいのが、明治〜昭和中期くらいまでの、いわゆる「古い小説」。
なぜか?
一つ、漱石やら藤村やら、大学入試で「古い小説」は頻出する。
一つ、「古い小説」は、文体も描かれた世相もとっつきにくい。つまり、読み慣れておかなきゃ読めない。

https://twitter.com/koike_youji/status/970285364999987202 3/4
大学受験のための小説学習法07
読み慣れなておかなきゃ読めない、いわゆる「古い小説」に読み慣れるための最高のテクストが、『少年少女日本文学館』(講談社)。
ポイントは、
すべての漢字にルビ
注が丁寧
写真や図像などが豊富で、かつての生活様式なども理解できる
小中学生も、むしろぜひ!

https://twitter.com/koike_youji/status/970472044952350720
大学受験のための小説学習法08
人物の「心情」は、概ね、
○直接描写(嬉しい、悲しい等)
○言動による間接描写(〜は青ざめた、等)
○情景描写による間接描写(空はどんより曇っていた等)
に分類される。
まぁここらへんは、それこそ小学生の時から耳にタコができるほど聞いてきたとは思うが、一応。

https://twitter.com/koike_youji/status/970475619912830978
大学受験のための小説学習法09
心情を直接描写する表現については、そのまま素直に理解しておけばよい。が、間接描写に関しては、
「空がどんより曇っていた。」

(「憂鬱」なんだろな…)
等、「心情」語で抽象化する。ただしその描写だけでは分からないこともあるので、できるかぎりで構わない。

https://twitter.com/koike_youji/status/970477065362276352 3/5
大学受験のための小説学習法10
直接描写であれ間接描写であれ、心情には、原則、《原因》があるということを意識する。
「メロスは激怒した」
という文を読んだら、即座に、(え?なんで?)と思える思考回路を作っておこう。
《原因→心情》のフローを整理していくこと。これが小説読解の基本。

https://twitter.com/koike_youji/status/970480243487096833 3/5
大学受験のための小説学習法11
《原因》との絡みで「心情」を捉える視点は、とりわけ間接的に描写される心情を抽象化する際に、必須。
「彼は涙した」
という描写も、《原因》が「彼女ができた」なら「歓喜」という心情、《原因》が「フラれた」なら「絶望」という心情を、表しているはずだ。

https://twitter.com/koike_youji/status/970658633028534272 3/5
大学受験のための小説学習法12
《原因→心情》のフローを整理しながら、小説を読む。脳内作業でもいいが、できれば、ノートにまとめたい。遅々とした作業でいいが、作品の冒頭から結末まで読み切ると、ストーリー把握の非常に良い訓練になります。ゆえに、短編がおススメ。太宰とかの(個人的趣味w)。

https://twitter.com/koike_youji/status/970660521694253056 3/5
大学受験のための小説学習法13
僕は講談社の回し者ではない。が、こればかりは何度も宣伝(?)したい! 小説トレーニングにおいて最高の教材です。古風な言い回しとかも、赤字で解説つき。「センター語彙問題のための企画じゃね⁉︎」てくらい使える。全国小中高の各教室への配架を義務化してほしい。

https://twitter.com/koike_youji/status/970663102755713025 3/5
大学受験のための小説学習法14
他の勉強と同じく、一連の学習法も、ある程度「時間」と「量」を確保することが大切です。が、小説は、一度力がつくとブレにくくなる単元。現代文が不得意な子が、小説で国語をクリアするという事例を数多く見てきました。
非受験生も受験生も、いますぐ始めるが吉!

大学受験のための読書案内

https://twitter.com/koike_youji/status/969036377756073984
大学受験のための読者案内01
生徒に勧めた本の中で、最も反応の良かった一冊。国民国家批判、ナラトロジーなど、入試頻出のテーマを扱うが、文体は明瞭。読破した生徒の偏差値が、40→70に爆上げしたこともw 模試で同じテーマの評論が出題されたわけですな。入試本番でも、同じことは起こりえます。

https://twitter.com/koike_youji/status/969042021145980928
大学受験のための読書案内02
先日ツイートした、僕が心の底から感動した記事。国際関係論、NGO、メディア論などを学ぶ学部を目指す人、必読。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13377912.html
(インタビュー)憎しみの連鎖を越えて JVC人道支援・平和構築グループマネジャー、今井高樹さん:朝日新聞デジタル

https://twitter.com/koike_youji/status/969172436980609029 3/1
大学受験のための読書案内03
姜尚中氏へのインタビュー記事。政治家や官僚が民を恐れない国においては、民主主義は形骸化する。国民国家や民主主義、ポピュリズムなど、入試頻出テーマへの入り口として、ご一読を。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180301-00100507-playboyz-soci

https://twitter.com/koike_youji/status/969196926489935873 3/1
大学受験のための読書案内04
メディア論、権力論(フーコー的主題)を学ぶ一冊として、是が非でも読んでおきたい。筆者を招いて実施された、とある高校の読書会を下敷きに著された本。僕の生徒で、3ヶ月くらいかけてこの本の内容をまとめてきて、偏差値30から最終的にセンター現文8割とった子がいます。

https://twitter.com/koike_youji/status/969235744823820288 3/2
大学受験のための読書案内05
古代の哲学から現代思想にいたるまでの展開を、「生」というコードから俯瞰する一冊。背景知識の学習にも吉。筆者はフーコーやアガンベンの「生政治学」「生権力論」という、大学受験でもこれから間違いなく流行るテーマを研究する哲学者。でも、語り口は非常に明瞭です。

https://twitter.com/koike_youji/status/969478251348344832 3/2
大学受験のための読書案内06
大学受験などに「矮小化」していい問題ではないと熟知しつつ、あえて。
政治的文脈における《表象=代表》の不可能性、メディア論における《表象=再現》の不可能性。どちらもここ十数年来の頻出テーマだ。この記事から多くのことを学べるだろう。
https://gardenjournalism.com/feature/jvc_palestine/

https://twitter.com/koike_youji/status/970854183581597696
大学受験のための読書案内07
評論、小論文の頻出テーマに対応するには、「世界」へのまなざしが欠かせません。今、世界で何が起きているのか。そして我々は、何を知っていて、何を知らないのか。
それを教えてくれる、素晴らしい方々がいらっしゃる。
最大限の感謝と敬意をもって、リツイートします。

https://twitter.com/koike_youji/status/970899267228385280
『資本論』ならこちらもおすすめ。が、高校生にはまだキツいと思うので、大学入ってある程度勉強してからの挑戦(→挫折→挑戦)を推奨します。

https://twitter.com/koike_youji/status/970963067264688129
大学受験のための読書案内08
「読書は苦手」「何を読んでいいかわからない」という中高生におすすめ。メディア論、表象論の入門書として強く推します(^^)

https://twitter.com/koike_youji/status/970964740175413250
大学受験のための読書案内09
あまりにも有名な一冊なので紹介するまでもないかもしれないが、現代思想、ポストモダン思想の入門書としての、古典的名著。筆者は、「意識高い中高生なら読めるはず!」と、君たちのことをガンガン煽っていますよw 挑戦すべし!

https://twitter.com/koike_youji/status/971197751970050048
大学受験のための読書案内10
こちらもあまりに有名。
「分子生物学」の歴史を題材に、「生命」の定義に挑む野心的名著。
科学系エッセイではあるが、「物語」としての面白さこそがこの本の核心である。筆者は、寺田寅彦以来の、「文理の壁を知らない哲人」だと思う。

https://twitter.com/koike_youji/status/971555035954860032 3/8
大学受験のための読書案内11
カルチュラルスタディーズや言説分析という手法が、決してお遊びでもゲームでもないことを教えてくれる一冊。かつては入試でも頻出した。
重厚なテーマだが、明快な記述、論理的な構成を持つ文章であり、評論の読解力を鍛える上で最適。

https://twitter.com/koike_youji/status/971724252196913152 3/8
大学受験のための読書案内12
戦後の日本の歩みを主題とした文章が、しばしば入試で問われる。ところが受験生は、読めない。自分の生きた時代じゃない時代についての出来事が、さも常識であるかのように記述されているから。だったらこの本で、「常識」をゲットしよう!

https://twitter.com/koike_youji/status/971925347624079360 3/9
大学受験のための読書案内13
「第三世界フェミニズム」を研究する著者の代表作。独特の文体で慣れるまでに時間はかかるかもしれないが、ぜひとも挑戦してほしい。入試頻出の「表象論」の核心を学ぶことができる。僕の思想的立場は、この一冊を契機として構築されました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4150502226/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_mPWPAbFFTM36A

https://twitter.com/koike_youji/status/972337299118743552 3/10
大学受験のための読書案内14
先日他界した著者の講演録、対談集。代表作『苦海浄土』への導入として推し。また、前掲の岡真里『記憶/物語』とあわせて読めば、思考はより深化されるはずだ。他者のリアルは自己の想像を常に凌駕する。我々はそこにどう繋がっていくのか。

https://twitter.com/koike_youji/status/973153590071107584 3/12
大学受験のための読書案内15
重田園江『社会契約論』(ちくま新書)
民主主義の根幹が動揺し、その再構築が課題となる現代社会において、ルソーらの「社会契約論」を理解することは必須の作業だ。で、この一冊。これをとことん読み込むことで、多くの入試評論文が読みやすくなること、間違いなし!

https://twitter.com/koike_youji/status/973339748755415041 3/12
大学受験のための読書案内16
コンラート・ローレンツ『ソロモンの指環―動物行動学入門』早川書房
読書が苦手な中高生に推奨。動物との意思疎通を真剣に試みる筆者のエッセイ集。しっかり読むと、現代社会への痛烈な批判の書であることがわかる。

https://twitter.com/koike_youji/status/973389919224672256 3/17
大学受験のための読書案内17
森達也『世界を信じるためのメソッド』(理論社→イーストプレス)
「よりみち パン!セ」シリーズは、全漢字ルビ付き、平易な語り口、文字大きめの、評論入門書。読書ムリ!という中高生は、ここからスタートしてみよう。なかでもこの本は超オススメ。メディア論です。

https://twitter.com/koike_youji/status/973426250386522114 3/13
大学受験のための読書案内18
山川出版社の「世界史リブレット」シリーズ、ほんと好き□
電車でこれ読んでるモヒカン(現時点)いたら僕です。
世界史の勉強ってだけじゃなく、評論文の読解力を鍛えるのにハンパなくいい! 今後、特にお気に入りのやつを、一冊ずつ紹介していくつもりです(^^)

https://twitter.com/koike_youji/status/973502213736640513 3/13
大学受験のための読書案内19
師岡康子『ヘイトスピーチとは何か』(岩波新書)
法律用語が頻出し、やや読みづらいが、ぜひ一読されたい。「ヘイトスピーチは被害者の心身に深刻なダメージを与える犯罪。全てはそこから考えるべき」という信念から、その法規制と「表現の自由」との問題を考察する。

https://twitter.com/koike_youji/status/973724886811099136 3/14
大学受験のための読書案内20
池田晶子『14歳の君へ』(毎日新聞社)
「哲学する」ことのエッセンスがぱんぱんにつまった、しかもそれを、中高生も読めるように表現する、奇跡のような一冊。
君たち一人一人が、この時代を未来へと導いていく、主人公なんだよ!
それが同書のメッセージです。

https://twitter.com/koike_youji/status/974076229342052352 3/15
大学受験のための読書案内21
桜井哲夫『知の教科書 フーコー』(講談社)
受験生はこの一年で、「パノプティコン」「エピステーメー」等、フーコーの術語化した概念を頻繁に目にするだろう。日本の学者にはフーコーのフォロワーが非常に多いのだ。この一冊は、読まなきゃマジで損。最良の入門書。

https://twitter.com/koike_youji/status/975904817708085249 3/20
大学受験のための読書案内22
『ちくま評論選』(筑摩書房)
現代文の教科書として、僕が知る限りでの最高傑作。この一冊を精読することで、読者の世界は、飛躍的に広がっていくことになる。「現代」と対峙し、格闘していく。それが「現代文」という科目の核なのだ。それを教えてくれる伝説の名著。

https://twitter.com/koike_youji/status/976819790131048448 3/22
大学受験のための読書案内23
竹田青嗣『現代思想の冒険』(ちくま学芸文庫)
現代思想入門として極めて良心的。マルクスの解釈と、デリダを「背理法」の一言で済まそうとする立場には賛同できないけど。でも、竹田の他の著作を含めて、フッサールをこれほど分かりやすく解説してくれるのは嬉しい!

https://twitter.com/koike_youji/status/978253328038555648 3/26
大学受験のための読書案内24
菅野仁『友だち幻想』(ちくまプリマー新書)
いわゆる「昭和」の「牧歌的共同体秩序」が崩壊した現代において、僕たちは「他者」とどう関わっていくべきなのか。中高生の社会学入門。かなり周到な論旨構成をとるので、評論の苦手な人が論理的読解力を鍛えるのに最適!

https://twitter.com/koike_youji/status/978635838941626377 3/27
大学受験のための読書案内25
岡真里『彼女の「正しい」名前とは何か』(青土社)
岡真里『アラブ、祈りとしての文学』(みすず書房)
他者との対話を遂行し、自己を、そして他者との絶望的懸隔を知ること。さらにその先の、分かち合いを模索し続けること。受験生には難しい内容だが、あえて紹介する。

https://twitter.com/koike_youji/status/978970693856448513 3/28
大学受験のための読書案内 26
辺見庸『もの食う人びと』(角川文庫)
貧困。戦争。放射能汚染。ここに描かれたすべての光景は、確実に、僕たちの日常とつながっている。けれども僕たちは、そこから目を背け、「豊か」な日常をひたすら飽食するばかりだ。この世界に、「対岸」などはないはずなのに。

https://twitter.com/koike_youji/status/979934449050660865 3/31
大学受験のための読書案内27
石原吉郎『石原吉郎詩文集』(講談社文芸文庫)
石原の詩も息をのむほどの鋭利な作品だが、受験勉強、という観点から紹介するなら、後半の散文の精読をオススメする。とりわけ「失語と沈黙のあいだ」の筆致は凄絶だ。シベリア抑留経験を持つ詩人の見た、人間の実存。

https://twitter.com/koike_youji/status/980591048241045505 4/1
大学受験のための読書案内28
本田和子『異文化としての子ども』(ちくま学芸文庫)
もはや紹介するまでもない古典的名著。「子ども」を大人の論理では把捉しえない「他者」として分節化し、その文化的コードを読み解いていく。文化人類学、記号論的解釈、言説研究の入門書としての、不朽の一冊。

https://twitter.com/koike_youji/status/980999124727119872 4/3
大学受験のための読書案内29
鹿野政直『近代日本思想案内』(岩波文庫)
明治以降、列島の知識人たちはどのように彼ら自身の「現代」を思索してきたのか。その概略を知ることは、僕たち自身の「現代」を対象化し、より深く理解することに直結する。入試でも頻出する主題をふんだんに扱う良書です!

https://twitter.com/koike_youji/status/981829405134667776 4/5
大学受験のための読書案内30
木村敏『心の病理を考える』(岩波新書)
決して平易ではない。だが、精神分析学や現象学、生政治学などを縦横に駆使しながら「人間の生」を捉えていこうとするその筆致は凄まじい。全てを理解する必要などない。「本物の知」と格闘することそれ自体に意義があるのだ。

https://twitter.com/koike_youji/status/982448949926608896 4/7
大学受験のための読書案内31
谷川健一『魔の系譜』(講談社学術文庫)
例えば東北の地に旅した民俗学者は、「地霊の叫び」にじっと耳を凝らし、時に淡々と、時に情熱的に、それをことばへとつむいでゆく。この列島が《均質的空間》ではありえないこと、それを読者はありありと知ることになる。

読み聞かせたい傑作絵本

https://twitter.com/koike_youji/status/973024493458223104 3/12
読み聞かせたい傑作絵本01
かがくいひろし『おむすびさんちの たうえのひ』(PHP)
対象:3才〜
リズムのいい文章は、子どもたちの反応もGood! 変に道徳のゴリ押しみたいな内容になっていないのも好感度高し。途中で出てくる田植えシーンのところは、勝手にメロディ作って読むと喜ばれます(^^)

https://twitter.com/koike_youji/status/973027621255577600 3/12
読み聞かせたい傑作絵本02
レオ・バスカーリア『葉っぱのフレディ』(童話屋)
対象:5才〜
「死」を主題とする不朽の名作。テーマも語彙も、難しい。幼児がきちんと理解できる絵本ではないが、彼らの胸に、強烈な印象を残すことだろう。理解など後からでいい。じっくり、丁寧に、読んであげたい。

https://twitter.com/koike_youji/status/973332038764789762
読み聞かせたい傑作絵本03
『くるみ割り人形』(大日本絵画)
バレエに夢中の娘のために購入。内容はいわずもがなのファンタジーで、バレエにはまったく興味のない弟も、大好きな一冊。各ページにボタンがついていて、押すと、そのシーンの曲が流れるのが嬉しい。どっちが押すかでケンカになる。

https://twitter.com/koike_youji/status/973335305016061952
読み聞かせたい傑作絵本04
『やさしい からだの えほん』シリーズ(金の星社)
対象:3才〜
いわゆる「お勉強」系絵本。「そんな堅苦しいの子どもって嫌いじゃない…?」と思われるかもしれないが、大丈夫。絵や写真も分かりやすく、構成も物語性が豊かで、面白い。ウチではリクエスト率1位かも。

https://twitter.com/koike_youji/status/973523634932219904 3/13
読み聞かせたい傑作絵本05
酒井駒子『よるくま』(偕成社)
大人が童話を読むことのヒーリング効果は、確実にあると思います。僕はこの『よるくま』を読むと、うまく表現できないけど、心の奥がじぃんとなります。なんだろう。「存在」の原風景へのノスタルジー? もちろん子どもにも大人気です。

https://twitter.com/koike_youji/status/973717520476618752 3/14
読み聞かせたい傑作絵本06
田中義行 野坂勇作『どろだんご』(福音館)
対象:2才〜
「子どものふりしたオトナ」が書いた童話はシラケるけど、この作者はたぶん、好きな時に子どもに戻れる人。同時に、ことばのチョイスやリズム、全体の構成が本当に秀逸で、良質な詩のような作品です。

https://twitter.com/koike_youji/status/974848329002532864
読み聞かせたい傑作絵本07
エレーヌ・ドゥルヴェール『世界で一番美しい切り絵人体図鑑』(X- Knowledge)
内容は題名の通り。読み聞かせるというより、「へー! 目の中ってこうなってるんだねー!」「いま君のココでさっきのコロッケ消化されてるのねー」などという、読みながらの会話が楽しい(^^)

https://twitter.com/koike_youji/status/975900376745484288 3/20
読み聞かせたい傑作絵本08
ドリュー・デイウォルト『クレヨンからのおねがい!』(ほるぷ出版)
対象:4才〜
各色のクレヨンが、手紙を通じ、その持ち主にあれこれと訴えていくというユニークな構成。各クレヨンのキャラの描き分けが見事です(^^)

https://twitter.com/koike_youji/status/976601068640485376 3/21
読み聞かせたい傑作絵本09
福音館「こどものとも」シリーズ
調べてみたら、1956年創刊! 半世紀以上の歴史をもっているのですね。こういうのが、まさに「文化」ってやつなんだろうなぁ。『ぐりとぐら』とか『じぷた』とか、僕も夢中になった本を子どもたちが楽しむ姿を見るのは、感慨深いです。

https://twitter.com/koike_youji/status/978690943405645826 3/27
読み聞かせたい傑作絵本11
ピーター・スピアー『せかいのひとびと』(評論社)
対象:6才〜
MLBのニュースを見ていた娘が、「あの人たちはたくさん日焼けしているの?」と問うてきた次の日に書店で見つけて購入した。世界中の人、生活様式、文化の多様性を、わかりやすいイラストで紹介する一冊。

https://twitter.com/koike_youji/status/979989100559179776 3/31
読み聞かせたい傑作絵本12
エリック・カール『ちいさいタネ』(偕成社)
とある哲学者は、日常に垣間見た「生の不条理」に対して小さな子が抱く、「なんで?」「そして?」という思い、それこそが哲学の本質だ、と述べた。同書を読み聞かせている際の子どもたちの表情に、僕は、それを感じる。

https://twitter.com/koike_youji/status/980589119398006784 4/1
読み聞かせたい傑作絵本13
レオ・レオーニ『どうする ティリー?』(あすなろ書房)
対象:4才〜
胸躍る「冒険譚」と読んでもいいし、「他者」をめぐる哲学的な主題を解釈したっていい。優れた童話とは、同書のような、その「テクスチュアリティ=解釈の無限性」を如何なく体現した文章を言う。

https://twitter.com/koike_youji/status/982444411635171328 4/7
読み聞かせたい傑作絵本14
マージェリー・カイラー『しゃっくりがいこつ』(セーラー出版)
対象:3才〜
ナンセンスこそ、笑いの本質。「信条」とか「道徳」とかにおもねらない、ただただひたすら「おもしろい」だけの本って、子どもも大好きですよね。ちょこちょこ描かれる小ネタも笑えます(^^)

新学期開講までにやるべきこと

https://twitter.com/koike_youji/status/972679254310711296 3/11
新学期開講までにやるべきこと01
現代文という科目でいうなら、それはずばり、
①多くの本を精読すること
②漢字ドリルの仕上げ
③意味調べノートの作成
の3点。
新学期が開講したら大量の問題を解くことになるのだから、問題集は大丈夫。むしろ「文章をきちんと読む」ための土台作りに励もう。

https://twitter.com/koike_youji/status/972680952857092096 3/11
新学期開講までにやるべきこと02
①多くの本を精読すること
一文一文を丁寧に読み取っていき、個々の章段を読み終えるたびに、それまで読んだ内容を必ず振り返る。再読してもよい。ただし、どうしても理解できない場合は、先に進んでかまわない。読む本は、 #大学受験のための読書案内 を参照。

https://twitter.com/koike_youji/status/972683668920528896 3/11
新学期開講までにやるべきこと03
②漢字ドリルの仕上げ
漢字は今のうちに仕上げておくと新学期以降の学習が楽になる。が、
漢字学習の目的は語彙力の増強!
であることを忘れずに‼︎
意味のわからない熟語があったら、必ず辞書で調べましょう。河合出版『漢字マスター1800+』がオススメ。

https://twitter.com/koike_youji/status/972685214680956928 3/11
新学期開講までにやるべきこと04
③意味調べノートの作成01
基本的構成は、
○語句……意味
      (例文)〜〜〜〜
      (派生知識)ーーーー
例文は本文や漢字テストでの使用例をそのまま抜粋。派生知識は、類義語や対義語、熟語を構成する個々の漢字の意味やそれらが作る他の熟語など。

https://twitter.com/koike_youji/status/972689453427732480 3/11
新学期開講までにやるべきこと05
③意味調べノートの作成02

○遍在……各地に存在すること。
    (例)全国に遍在する風習。
    (派生)・遍=訓読み→あまねク
                *あまねク=隅々に行き渡る
              ・普遍、遍歴
              ・在=ある
              ・対=偏在

https://twitter.com/koike_youji/status/972691871628632064 3/11
新学期開講までにやるべきこと06
以上の①〜③を、とにかく時間が許す限り、徹底する。断言するが、こういった地道な作業なしにテクニックや論理を意識しても、効果は薄い。まずは基礎体力作りの徹底を。ここでの努力は、現代文だけでなく、古文、漢文、英語や社会、小論文にも繋がっていきます。

https://twitter.com/koike_youji/status/984666469844713472 4/13
新学期開講までにやるべきこと07
さて、新学期なわけだが、皆さんはこの数ヶ月を有意義に過ごすことができただろうか? 黙してしまう人は、まずは、本当に貴重な時間をドブに捨ててしまったことを自覚せねばならない。そして、「二度と逃げない」という決意を、ノートの表紙に書きなぐりなさい。

医学部受験の現代文対策

https://twitter.com/koike_youji/status/976020443814510592
医学部受験において「国語は効率よく」なんて発想は甘い。センターで9割欲しいなら、文系超上位生と同レベルの時間を投資せねばならない。そんなことは、考えるまでもなく当然のはずだ。それが無理なら、主要教科での圧倒的な得点が必要。その場合、国語は140点を目標にするのが現実的だ。

https://twitter.com/koike_youji/status/976356407514619906 3/21
医学部受験の現代文対策01
まずは読書。
「そんな時間ないー!」なんて泣き言口にする人は、医師になっちゃいかん。隙間時間を駆使し、必ず毎日、文章を精読する。20分でもいいから。その際、
○評論→新書、新聞など。
○小説→短編がよい。
を並行して読んでいくことを忘れずに。

https://twitter.com/koike_youji/status/976359037070536705 3/21
医学部受験の現代文対策02
読書の際、可能な限り、意味調べノートを作成する。詳細は、 #新学期開講までにやるべきこと 参照。
ここでの努力は、小論文や志望動機書などの記述にも還元される。
なお、塾に通う人はそこで問題は解くわけだから、過去問などの問題演習は後回しでいい。

https://twitter.com/koike_youji/status/976360604276436993
医学部受験の現代文対策03
何読めばいいかわからないという人へ。
評論→講談社からブルーバックスシリーズという、理系医系の新書が大量に出版されている。そこから選ぶが吉。
小説→南木佳士『ダイヤモンドダスト』はかなりオススメ。医師を目指す君たちに、ぜひ読んでほしい。

https://twitter.com/koike_youji/status/976362047716798464 3/21
医学部受験の現代文対策04
読書は、面接や小論文の対策にも不可欠だ。実際昨今の医学部入試の面接では、しばしば、「最近読んだ本」について質問される。その際、その本の内容や感想について具体的に説明できないのは、おそらく致命的な傷となる。医学部合格のためにも、読書しよう。

https://twitter.com/koike_youji/status/976673477431255041 3/22
医学部受験の現代文対策05
大切なこと言うの忘れてた。防衛医大受ける受験生で、かつ、「国語(択一・記述)で高得点とらねばならない人」は、現代文・古文ともに東大レベルのガチの対策が必要。かつ、文学史が「災害レベル『鬼』」なので、国語便覧などでの学習を、即、始めましょう!

https://twitter.com/koike_youji/status/976677347125379072 3/22
医学部受験の現代文対策06
センターではなく、防衛医大や帝京、埼玉医科などで現代文、小論文(という名の現代文)を受験する人は、熟語、故事成語、ことわざ、慣用句などの語彙知識や、一般常識も大切になります。「日々の読書&漢字練習 → 意味調べノート作成」という作業を徹底!

https://twitter.com/koike_youji/status/976685963899387904 3/22
医学部受験の現代文対策07
医学部受験に限らず、国語の学習に「効率」は求めないこと! 一昨年の教え子でセンター国語9割弱を達成した子は、僕の助言もなしに、漢文の予習課題の例文をすべてノートに書写してから授業に臨んでいた。僕の期待を上回る読書量で、駿台模試二桁順位を手にした子も。


小池的現代文復習法

https://twitter.com/koike_youji/status/980349192051744770 4/1
小池的現代文復習法01
学校や塾での現代文の授業、どう復習すればいいのか? 小池の私見を、数日に分けて、ぽつりぽつりとツイートしていきたいと思います。
周知の通り、現代文は、講師の数だけ教え方のある科目。あくまで「考え方の一つ」とお受け取りください。

https://twitter.com/koike_youji/status/980350913431785472 4/1
小池的現代文復習法02
【レベル☆】
○「意味調べノート」作成
授業でとったノートはあくまでメモに過ぎない。講師の解説があった語句や背景知識などは、家に帰ってから、もう一度ノートに整理する。もちろん、解説のなかった語句についても、自分で調べてまとめる。

具体的な作り方は、 #新学期開講までにやるべきこと 参照。
とくに、二字熟語やカタカナ語などの抽象的な評論用語は大切に! これらの語句は、単に本文のキーワードになることが多いのみならず、思考のためのツールとなるがゆえ。

https://twitter.com/koike_youji/status/980437310297657346
小池的現代文復習法03
【レベル☆☆】
○論旨展開の整理
本文冒頭に述べられる内容を端的にまとめ、その内容がどのように展開し、着地点に至るのか、「本文全体のフロー」を書き出す。時間がないときは頭の中で整理するだけでもいいが、なるべく書き出す。文章化はせずに、図示のみでよい。

そもそも「現代文の復習」で最も大切なのは、「本文の内容を、可能な限りとことんまで理解し直す」ということだ。テキストに選ばれるのは、「入試で問われやすいテーマ」を扱った文章ばかり。逆に言えば、テキストの精読は、「評論常識」を手に入れるうえでの、最良の方法なのである。模試も同じこと。

「評論常識」、それは、アカデミズムの側が生徒に身につけておいてほしいと望んでいる、学問的バックボーンのことだ。国民国家、ナショナリズム、民主主義、新自由主義、ポピュリズム、ジェンダー、etc...。君たちの目の前にあるテキストは、これでもか!というぐらい、それを語っている。

ただしこの復習を正確に実践するには、授業できちんとした「本文解説」が為されていることが前提となる。逆に言えば、体験授業などで講師を選ぶ際には、「本文解説の重視、およびそのわかりやすさ」を基準にするのがよい。徒らに「設問解説」にのみ終始し「解法」にばかり言及する授業は、危険だ。

かなり扇情的な発言になるのは覚悟の上だが、実は、「本文解説」と「設問解説」とでは、その授業準備において、圧倒的に前者がしんどい。かける時間も労力も、そして知識も、段違いのものが要求される。「本文解説」を疎かにする講師は、その労力を惜しんでいる可能性が高いのだ…あくまで私見ですが。

また、「本文解説」と「設問解説」とでは、圧倒的に、後者の方が生徒のウケがよい。淡々とした「本文解説」って、確かに眠いからねw でも「設問解説」など、良質な問題集を読めばそれで事足りるはずだ。自学自習しがたい、「本文のより深い理解」を求めてこそ、塾に通う意味もあるのではないかな。

https://twitter.com/koike_youji/status/980711075392860162 4/2
小池的現代文復習法04
【レベル☆☆☆】
○要約
冒頭の話題がどのように展開し、着地するのか。今度はそれを「文章」にしてまとめてみる。この復習は、文章内容をより深く理解し、かつ、表現力を鍛えていくうえで、かなり効果が高い。

注意すべきは以下の点。
★単なる「本文の大事な部分のコピペ」にしない!
例えば「大切な部分」が A B C の3つあるとしよう。初心者は往々にして、この3要素をそのまま貼り付けて、「要約」を作成したつもりになってしまう。大切なのは、A B C の3つなら、その3つが「どうつながっているのか」、

それを可能な限り明示することだ。例えば、
「A しかし B したがって C」
などのように。
どうしても繋がり方が分からない場合は無理に記述する必要はないが、ギリギリまで考えてみよう。

もう一つ、
★「主張文を抜き出しただけ」の答案にならないように注意!
復習としての要約を作成することの意義は、「主張とそれに至るまでの論証プロセス」を俯瞰できることだ。本文の全体像を意識した答案を心がけよう。
なお、字数については気にする必要はない。400字でも800字でもOKです(^^)

そして最後にもう一つ。
作成した要約は、できるかぎり(本当は「必ず」と言いたい)講師に添削してもらうこと!
添削→書き直し&再提出→添削…
と繰り返していくことで、思考力も表現力も鍛えられていく。
実際、「文章うまくなったなぁ」と講師が思った子は、びっくりするくらい偏差値もupします!

https://twitter.com/koike_youji/status/981842009915719680 4/5
小池的現代文復習法05
【レベル☆☆☆☆】
○精読
☆〜☆☆☆の復習を踏まえ、本文全体を丁寧に読み返す。何度読み返してもかまわない。書き込みのない本文と対峙し、授業での説明や復習内容を想起しながら読みたいので、可能なら、予習の段階でコピーをとっておくとよい。

大学受験、とくに評論文の学習においては賛否はあるが、「音読」も推したい。身体レベルで硬質な文体に慣れることは、評論文への執拗な恐怖感を払拭することにつながり、何より「表現力」の養成に直結する。どれほど論理的思考を鍛えようとも、表現力だけは、結局は「慣れ」が大きな要因となるゆえ。

さまざまな本

https://twitter.com/koike_youji/status/970245799765409793 3/4
浪人時代、小阪修平師に勧められて読み、質問もした。(ソクラテスの弁明)
贅沢な時間だった。
自分が浪人したからといって、浪人を美化するつもりはない。
でも、この一年を豊かな時間にすることは、可能だ。
今はまだ絶望のどん底にいることだろうが、力強く立ち上がって欲しい。
豊かな時間をつかみにいこう。

https://twitter.com/koike_youji/status/968754272635584513 2/28
★こと大学受験業界において、「口語文法」の参考書は目にしたことがない。私大ではけっこう出題されるし、読解や解法、記述答案作成における重要な観点ともなるのに。そこでおススメなのが、高校受験用の参考書。特に以下の本は、口語文法を自学する上で最良の一冊。まだ売ってるかな…? 絶版かなぁ…

https://twitter.com/koike_youji/status/964776111044358145
「国民国家批判」という入試最頻出テーマを真に理解するためには、「国民国家」が登場してきた歴史的文脈も知っておきたい。
入門にうってつけなのは、岩波ジュニア新書の『フランス革命 歴史における劇薬』。
また、山川世界史リブレット『国民国家とナショナリズム』は、簡単ではないが勉強になる。

https://twitter.com/koike_youji/status/964776744384278528
ちなみに僕が「国民国家」誕生の歴史的経緯を学ぶ上でいちばん参照したのが、以下の書籍。そこそこの厚みはあるが、小難しい書きかたがされているわけではないので、高校生にも読めるはず。

https://twitter.com/koike_youji/status/964773771407081472 2/17
早慶受験において、「国民国家」や「ナショナリズム」についての理解は武器になる。それ自体が頻出テーマだし、「グローバリズム」や「新自由主義」などの重要主題群も、ここから派生した問題なのだ。
これから受験生になる君たちに、今のうちに、ぜひ、挑戦してもらいたい。まだ難しいとは思うが。

https://twitter.com/koike_youji/status/964736513329086464 2/17
丸山眞男『日本の思想』や橋川文三『ナショナリズム』を読み終えたら、姜尚中『ナショナリズム』(岩波 「思考のフロンティア」)に挑戦したい。難解な文章ではあるが、「国体」という概念をめぐる言説分析の書として極めて良質。にしても、「思考のフロンティア」シリーズは画期的な企画だったなぁ。

https://twitter.com/koike_youji/status/964730137475391488 2/17
予備校に通う電車の行き帰りで、『日本の思想』、何度も読み返した。カタい文体だが、舐めるように丁寧に読めば、高校生にも読める(はずだ)。チャレンジしてほしい。
橋川文三『ナショナリズム』は、不朽の名著。『日本浪漫派批判序説』も。橋川は、大学入ってある程度学んでから挑戦すべきかな。

https://twitter.com/koike_youji/status/960468078894006273
さて、現代思想だ。
プラトン→デカルト等→ニーチェ、フロイト、ソシュール
以上を俯瞰したら、いよいよ、現代思想ずばりを扱った書物に挑戦!
が、デリダやらフーコーやらにいきなり突入すると、爆死可能性、99%
ここはやはり、入門書に頼ろう。
以下は、予備校時代の恩師、小阪修平先生の著作。

https://twitter.com/koike_youji/status/960471016089595906
恩師、石原千秋先生の授業の必読書。
向こうの高校生の教科書である。
これを読めば、
「はぇー、向こうの高校生って、頭良いのねー……」
と落ち込むこと必至である。
僕は未だに、
「高校生こんなん読めるとか、フカシっしょw」
と頑なに信じている。
だって悔しいんだもの涙
でも、超良書!

https://twitter.com/koike_youji/status/963388222641389568
僕たちが日常で何気なく口にする表現群も、発話者の意図に関係なく、権力や暴力を生産する言説となりうること。フーコー的主題の重要性は増すばかりだが、やはりフーコーは、専門外の人間には読みにくい。で、入門書に頼ることになるのだが、以下の書よりわかりやすいフーコー入門を、僕は知りません。

https://twitter.com/koike_youji/status/961194970660024320
デリダなら、
岡真里『記憶/物語』『彼女の「正しい」名前とは何か』

ジョナサン・カラー『ディコンストラクション』
と読破する。この時点で、「差延」という重要概念を、ざっくりとはイメージできるようになっているはずだ。
その上で、デリダの対談集『ポジシオン』に挑戦するのが吉です。

https://twitter.com/koike_youji/status/959815790378729472
〜18→19世紀〜
民衆「自由っていったいなんだぁーい?」
王様「うっせコロす」
民衆「wwwギロチンアターックwww」
王様「うぎゃー」
民衆「ヒャッハー! 自由、サイコー!」
〜20世紀〜
民衆「ワレワレハ、国家、民族ノ、忠実ナ犬デス……」

なぜなんだぜ。
を解き明かした、社会心理学の名著!

https://twitter.com/koike_youji/status/959701786591309826
裁判官「被告『ブタ』、人の子に害を為したるその所業、許すまじ。逆さ磔の刑に処す!」
ブタ「ぶっひーぃぃん(涙)」
司祭「被告『毛虫』、果樹園食い荒らしたる汝らの罪、許し難し。カトリック破門!」
毛虫「けむけむぅぅ〜ん(涙)」
近代論の入門書として、マジでガチの、
最・高・傑・作!

https://twitter.com/koike_youji/status/959657010663845888
近代性の構造。
ポストモダンを知るためにモダンを知る。本書ほどその目的に適った著作を、僕は知らない。
徹底的に精読、かつ三読四読!
僕は予備校講師なので受験に即して話すならば、本書をきっちり理解できれば、大学入試現代文で必要な背景知識は、かなりの割合カバーできてしまう。
スペック高すぎぃ!

※参考
https://twitter.com/koike_youji/status/969175877857587201 3/1
生徒に評論常識を学ぶ教材について質問されたら、迷わず今村仁司『近代性の構造』を三読四読することを勧めています。実は、先生もよくご存知の塾wで数学を担当なさっている先生が立ち上げた長野の塾で、同書を徹底的に読み込む、という授業をしたことがあります。楽しかったし、めっちゃ伸びました!

その他

  • 文節についての議論
  • 子どもの国語力に関する記事
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48516
LINEで子どもがバカになる!?受験専門塾のトップが見た「日本語崩壊の現場」(矢野耕平さん)
→青山学院中等部の修飾語の問題、子どもの語彙力が少なくなっている理由
https://twitter.com/campus_yano/status/968758327424495616
  • 抽象・具体について
https://twitter.com/hyhyd_stdtw/status/974871377386729473 3/16
「一般論と具体例」という言い方より、「抽象と具体の関係」といった方が誤解がないと思います(^^) 「一般論」は、「筆者の主張と対立関係をはらみやすい、世間一般の人々の持つ通念」を意味する概念として用いられることが多いので。
で、「抽象=具体」の「=」に納得がいかないとのことですが、(続く)

僕も同感です。
彼は天才だ。
例えば、数学も満点だし、国語も満点なのだ。
という叙述においては、「例えば」以下の内容は、前文に対しての《論拠》です。《主張》と《論拠》は、「=」にはなりえませんよね。
実際いわゆる「具体例」は、《論拠》として用いられるパターンも非常に多いです。

もっと厄介なのは、しばしば、
抽象記述に対する具体例が、最初は抽象記述を忠実に具体化していたのに、徐々にズレていってしまうパターン
がメチャクチャ多いことです。
僕はこの現象を、「具体例が論旨を次へと展開させるパターン」と呼んでいます。


優れた人物は、人の意見をよく聞く。
例えばA君は、誰もが羨む天才だが、彼ほど教師の助言に真摯に耳を傾けた人間はいないのである。かくして彼は若くして、様々な栄光を手にするに至ったのだ。
という叙述では、「例えば〜いないのである」までは、単純に前文を具体化しているだけだが、(続く)

「かくして」以降は、「彼」が「優れた人物」であることから生じた「結果」について言及している。この事例では、一文目の抽象記述を「例えば」以降で暫くは忠実に具体化していたが、最終的には、「抽象」と「=」のはずの「具体」が、その「抽象=具体」から生じる「結果」にまで言及しているるわけだ。

「言葉」なるものを「論理」あるいはカント的な「カテゴリー」の概念で説明しきれるという考えは、誤りだと思う。
というか、「具体的な言葉では表現しきれない抽象的観念体系としての論理」の追究に尽力してきた、理数系科目に対して、失礼であるとさえ思う。

理数系は文系が扱えない領域を扱うからこその理数系であり、文系は、理数系が扱えない領域を扱うからこその文系である。
それでよくないですか?
「文理の協同」も、この懸隔を互いに自覚して初めて、可能になると思います。



このページはまだ完成途上にあります。
 ①一つ一つの項目に黒ポチをつける
 ②大事なところを赤い太字(他の色や書式でもよい)にする
といった作業を今後やっていこうと思います。
もし、ご協力いただける方がいたら、スイショウまでご連絡ください。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2018年04月16日 00:35