解答例
設問1
「人を喜ばせるために生まれてきた」が筆者の答えだ。筆者は、五歳の頃に父と死別し、小学生の頃には自殺したくなり、兵隊にとられてからも絶望感しかなく、漫画家になってからも劣等感と多病で前途多難ながらも楽天的な心でなんとなくピンチを脱出し、生き延びてきた。そんな筆者は、「なんのために生きているのか」よく分からなかったが、六十歳を過ぎてから欲がなくなり、人を喜ばせるのが人生最大の喜びだと悟るようになった。(200字)
設問2
小学校三年生の頃、学年行事で高尾山に登
った。登っている途中は本当に足が痛く、足
を動かし続けているうちに疲労感も高まり、
諦めたくもなった。だが、無事頂上にたどり
着き、周りの景色を見ると、非常に清々しい
気持ちになり、それまで頑張って歩き続けた
自分に「よくやった」と言いたくなった。こ
の達成感は今でも忘れられない。
この経験から私は、苦労や我慢することの
大切さを学んだ。暗い山道を歩き続けること
それ自体は幸福とは言えないが、登りきった
後の達成感は登り続けた者にしか分からない。
仮にロープウェイで登っていたら間違えなく
味わえなかったものである。素晴らしい景色
を見るためには歩き続けるという地道な努力
が必要だったのである。筆者が「不幸になら
なければ幸福はわからない」と述べていたよ
うに、「不幸」の象徴としての「苦労の過程」
があったからこそ、「達成感」は「幸福」に
置き換わるのだということを、私は学んだ。(400字)
最終更新:2024年02月02日 15:34