「文法」の必要性
読解するためには、まずは一文一文を丁寧に理解していくこと、いわゆる「精読」が大切である。(代ゼミの酒井敏行先生などは、その重要性を説いている。)そして、一文を精読しようとしたとき、特に難しい一文であれば「主語・述語の対応関係」や「修飾・被修飾の関係」の確認が大切である。こういった、中学校の国文法で学習するような内容を疎かにして大学入試の現代文を読むわけにはいかない。
もちろん、こうした内容を「多読」によってまかなうことも可能であろう。しかし、多くの受験生は短期間(基本的には1年)で受験勉強するわけであるから、そうした「量をこなす」方法は現実的であるとは言えない。
だから、文法を「体系的に」学習することが必要なのである。しかし、かといって「中学校の国文法のテキストを引っ張り出して、しっかり復習しよう!」とアドバイスするのも滑稽な話である。中学校の国文法をすべて復習しようとすれば、動詞・形容詞・形容動詞の活用や、助詞・助動詞の用法まで復習することになるわけで、さすがにそこまでは大学入試問題の読解には基本的に不要である。そう、「文法のための文法学習」に陥ってはならない。
とすれば、読解のために必要な文法を体系的に整理したものがあれば、学習者としては非常に学びやすい。このページでは、大学入試に出てくる文章を読解するために、何をどのように学んでいくべきか提示していきたい。
何を学ぶべきか?
主語・述語、修飾語、並列、呼応の副詞、指示語・接続語、文末表現、助詞・助動詞、敬語、連用形の用法
文節分けの方法
①「ネ」で分ける
②必ず切れ!:「この」「~て(で)」「~く」の後ろ、「こと」の前
③切るな!:「ようだ」「そうだ」「らしい」「だろう」の前
(例)彼は、あの人に会わなかったことを悔やんでいる。
単語分けの方法
①最小単位で分ける
②切れ!:「て(で)」「た(だ)」の前後
③切るな!:「○○する」
文の成分の見つけ方(判断法)
ここでは、連文節のない文、なおかつ単文に限定して考えることにする。
①まず、文節に句切る。
②述語を見つける。→原則、文末に来る。(例外:倒置「きれいだね、君の瞳は。」)
③主語を見つける。→述語に対して「何が?」「誰が?」と突っ込む
④独立語を見つける。→(1)文頭にある、(2)直後に「、」がある、(3)感動・あいさつ・応答・呼びかけ・提示の働きをしているもの。
⑤接続語を見つける。→「~と」「~ので」「~が」など、接続の働きを持つもの(or接続詞に変えられるもの)
⑥残ったものが修飾語。
※「他の場所に動かせたら修飾語」という判断法もあり
文の成分がすべて入った例文
- えっと、僕は千葉県の出身だけど、東京都在住だよ。
- はい、忘れたので私は家に帰ります。
- ああ、悲しいから私はもう泣きます。
- こら、ほめられたからってお前は調子に乗るな。
- ねえ、勉強って、楽しいととてもはかどるよね。
- さあ、頑張ってみんな志望校に受かろう。
- うん、そうだけど、なんか問題でもある?
修飾語の修飾先
(例)下線部の語がかかる文節を答えなさい。
自動車で父が駅まで送った。→答え「送った」
①原則、下の文節にかかる
②(下に文節が複数ある場合は)1つ1つ、つなげる→つながるものを探す
※上の例で言えば… 自転車で→父が、自転車で→駅まで、自転車で→送った、と試す(どれもよさそう…)
③(候補が複数ある場合は)その修飾語を用いた例文を考える
動詞
(例)ぶつ、撃つ、叩く、ビンタする、蹴る、殴る、刺す、殺す
助詞・助動詞
「は・も」…対比(は)と類比(も)
「こそ」…強調表現(同値表現で、強調している箇所を探す)
「ぐらい・など」…比喩表現なので読み飛ばす。
・過去と現在と未来で意味が反対になることが多い。
過去 ⇔ 現在
未来は、基本的に主張が多いので、強調している箇所や今まで述べた内容をまとめると、
類推できそう。
敬語
敬語の知識がなぜ必要か。
- 小説や評論のネタとして使われやすいから。
- 古文の学習に役立つから。
- 知識が直接問われることがあるから。(例:センター試験2015年本試第1問の問6
連用形の用法
長い文を読解する際にしばしば役に立つのが、連用形の用法である。
連用形には、
①因果関係 ②並立 ③修飾語句 ④対偶法
といった用法がある。
④の「対偶法」とは、連用形の表現が特定の文末表現を詳しく説明する用法である。
(例)廊下を走って、騒いではいけない
→「走る」と「騒ぐ」が「いけない」を説明する。
①~③は、原則「連用中止法」の形のときに生じる用法である。
連用中止法とは、連用形(「~て」「~た」「~ます」に続く形)で文を句切る方法のことである。
もう少し分かりやすく説明しよう。
普通、連用形は、「て」「た」「ます」などの語に続くが、
例えば、「よく食べ、よく寝る。」という文において、「食べ」という連用形はどこにも続いていない。
つまり、「よく食べ、」で一旦文が句切れているわけである。
このように、「連用形」で文を句切る方法のことを連用中止法というのである。
この例文では、「よく食べ」と「よく寝る」が並列されているので、②の用法になる。
基本的に、「動詞」+「、(読点)」の形が来たら連用中止法である。
自動詞と他動詞
他動詞=「何かを」「誰かを」がつけられる。「どこかを」はつけられない。
(例)折る→他動詞、折れる→自動詞、流す→他動詞、流れる→自動詞
※「流れる」は、「どこかを流れる」とは言えても「何かを流れる」とは言えない。
品詞判別
(「下線部の品詞を答えよ」という問題の解法。下線部は一単語に引かれているとする)
①名詞、接続詞、感動詞ははじく(瞬殺)
※転成名詞は少し難しい
※感動・呼びかけ・応答・あいさつ→感動詞
②言い切りにもどす
③自立語か付属語か
※付属語なら「助詞」か「助動詞」
助動詞は歌で覚える!
せる・させる、れる・られる、
たい、ない、らしい、そうだ、ようだ、
です、ます、た、だ、ぬ、う、よう、まい、たがる
(『助動詞の唄』)
④活用の有無
※活用するなら「動詞」「形容詞」「形容動詞」「助動詞」のどれか
※活用しないなら「副詞」「連体詞」「助詞」のどれか(①ではじいたものは除く)
⑤語尾で決める
※活用し、語尾が「ウ段」=動詞、「い」=形容詞、「だ」=形容動詞
※活用せず、語尾が「の・な・た・る・が」→連体詞
(例題1)①そして②全く③動か④ない⑤静かな⑥この⑦貧しい⑧老婆⑨に⑩こんにちは。
(例題2)自分の①ために、②いや、みんなのためにも、④つまり利己的にも利他的⑤にも私は生き⑥たい。⑥このポリシーをこれからも⑦ずっと⑧持ち続け、⑨楽しく⑩元気に生きていこう。
その他
実際に三木が指導していたときの指導案
1 国文法の可能性
文法=ことばのルール(きまり)
◎ポイント
①聞く・話す・読む・書く力の向上
②「なんとなく」分かっていることを言語化しよう!
(例1)「寝る」→寝ない、寝られない
(例2)「練る」→練らない、寝れない
(例3)「味わう」→味わわない、味わえない
(余談)
→「文法」=ことばのルール
①読み書きしやすくなる。誤読、間違った言い方などが減る。
②高校で習う古文にもつながる。
- この授業では、文法のみならず、四字熟語やことわざの意味なども扱っていく。
2 ことばの単位
◎ポイント
ことばの単位
↓
①文章 ②段落 ③文 ④文節(×5=文の成分) ⑤単語(×10=品詞)
※読解で扱うのは主に①~③
※文法で扱うのは主に④⑤
(余談)
→「次の文」ではダメ
- 「一文で書き抜きなさい」という問題→抜き出す範囲はどこ?
3 文節分け①
文節=文を意味の分かる範囲で細かく切ったもの
◎ポイント
①「ネ」を入れて分ける
②「て・く・じゃ・の」→直後で切れ!
問 以下の各文を文節分けしなさい。
(1)今日は夕方から雨が降る。
(2)この駅まで歩いてきた。
(3)そんなに大きくはないんじゃないかなあ。
4 文節分け②
③形式名詞(こと・もの・とき・ところ)→直前で切れ!
④「そうだ・ようだ・らしい・だろう」→直前で切るな!
問 以下の各文を文節分けしなさい。
(4)グアムに行ったことがある。
(5)あの子はかわいいらしい。
5 単語分け①
単語=意味をもった言葉の最小単位
◎ポイント
①意味の分かる語(自立語・主役)と分からない語(付属語・脇役)で区切る
問 以下の各文を単語分けしなさい。
①今日は夕方から雨が降る。
②放課後、学校で友達とサッカーをする予定だ。
6 単語分け②
◎ポイント
①た・て・ます・です・ない・ば・うは直前・直後で切れ!
②複合語は切るな! 1単語! 例 勉強する 立ち去る
問 以下の各文を単語分けしなさい。
①学校で友達と仲直りをした。
②駅まで歩いて行きます。
③駅前でおいしいラーメンを食べた。
7 文の成分①(主語・述語)
=文節の役割
=①主語 ②述語 ③修飾語 ④接続語 ⑤独立語
◎ポイント
①まず、述語から決めろ!
☆述語は文末 ※例外:倒置
②主語=「誰が?」「何が?」にあたるもの
※省略されることもあり
問 主語、述語を答えよ。
(1)日本には 大きな 川が たくさん ある。
(2)明日は 雨が 降るだろう。
(3)明日は 雨が 降ると 思います。
(4)きれいだなあ、今日の 月は。
8 文の成分②(修飾語)
指導方針:修飾語の感覚(下に被修飾語がほしい感覚)、連体と連用の感覚を身につけさせる。
◎ポイント
①修飾語=他の文節をくわしくする語
→何を・何に、どのように、どれくらい、どこ・いつ、どんな、何の
②名詞(「何」にあたるもの)につながる=連体修飾語
名詞以外(「どうする」「どんなだ」にあたるもの)につながる=連用修飾語
問 修飾語に――を引きなさい。
(1)私は 昨日 友達と 東京駅で カレーを 食べた。
→「昨日」(いつ)、「友達と」(誰)、「東京駅で」(どこ)、「カレーを」(何を)が修飾語
問 ――の修飾語が修飾している文節を答えよ。
→意味のつながる文節を下に探す
※候補が複数→一番下のものを!
(1)大きな 岩が そこに ある。
(2)そこに 大きな 丸い 岩が ある。
(3)山の 上に 丸い 岩が ある。
(4)そっと 小鳥を 手のひらに のせる。
※修飾先=被修飾語!
9 文の成分③(接続語・独立語)
◎ポイント
□ 接続語→①接続詞(そして、だから、つまり等)
②接続助詞のついたもの(ので、から、ため、ば、と、が等)
□ 独立語→①文頭
②直後に「、」
③感動[ああ、おお、わあ]、応答、あいさつ、呼びかけ[もしもし、ねえ]、提示
問 接続語、独立語を抜き出せ。
問 接続語か独立語に――を引きなさい。
(1)うん、やっぱりランニングは疲れるが、楽しい。
(2)はい、忘れたので私は家に帰ります。
※接続語、独立語以外の文節が何語なのかも触れる
10 連文節
→2つ以上の文節をひとまとめにしたもの=連文節
◎ポイント
①「~語」ではなく「~部」!
②考え方は今までと一緒!
問 次の各文の主語(主部)に――、述語(述部)に==を引きなさい。
(1)山は きれいだ。
(2)山も 川も きれいで 美しい。
11 文節の関係
→①主語・述語の関係 ②修飾・被修飾の関係 ③接続の関係
④並立の関係 ⑤補助の関係
◎ポイント
1文節目が
- 「~が」にできるもの → ①
- 修飾語 → ②
- 接続語 →③
問 以下の各文の下線部同士の文節の関係を答えなさい。
(1)激しい 雨が 降ったので、雨宿りした。
(2)激しい 雨が 降ったので、雨宿りした。
(3)激しい 雨が 降ったので、雨宿りした。
◎ポイント
①入れ替えてもOK→並立
②上がメイン、下がサブ(つけ加え)→補助
※上の文節=~て、く、じゃ
※下の文節=みる、おく、いる、ある、ほしい等
→ひらがな
問 以下の各文の下線部同士の文節の関係を答えなさい。
(4)おもしろくて 優しい 先生が 授業して いる。
12 品詞①(自立語と付属語、活用の有無)
駅前でおいしいラーメンを食べた。
13 品詞②(品詞分類表、用言と体言)
品詞分類表の紹介
14 品詞③(品詞判定)
◎ポイント
①名詞、接続詞、感動詞は先にはじく
②言い切りの形に戻す ※「な」は「だ」にしかできない
③文節分け→自立語(×8)か付属語(×2)か
④活用の有無 (付属語の場合、これで助詞・助動詞が決着)
(自立語の場合、活用有なら用言[×3]、無なら修飾語[×2])
⑤語尾で決める
活用有:ウ段→動詞、い→形容詞、だ→形容動詞
活用無:の・な・た・る・が→連体詞 それ以外→副詞
※副詞・連体詞は修飾語!下に何かが来る!
(例)そして全く動かない静かなこの貧しい老婆にこんにちは。
15 品詞④(紛らわしい単語)
- 「~ない」→形容詞・助動詞
- 「~だ・で・に・な」→形容動詞・連体詞・助動詞
16 動詞①(活用表)
→①言い切りの形がウ段 ②動作・状態を表す
(例)走る
① ② ③ ④ ⑤ ⑥
語幹 未然 連用 終止 連体 仮定 命令 ←活用形(×6)
走る || 走 || 走ら | 走り | 走る | 走る | 走れ | 走れ
→ラ行五段活用 ←活用の種類(×5)
◎ポイント
①語幹=変わらない部分
活用語尾=変わる部分
②活用形 → 「~形」
活用の種類 → 「~行~活用」
③続く形は「内容だますことば!」
①①② ② ④ ⑤
※動詞を抜き出す問題で、「続く形」を含まないように注意。
17 動詞②(活用形)
→続く形を見て判断(下を見ろ!)
→①未然形 ②連用形 ③終止形 ④連体形 ⑤仮定形 ⑥命令形
◎ポイント ※ここに並んでいるものは動詞には含まない!
未:[助動詞の]ない(ず・ぬ)、よう(う)、せる・させる、れる・られる
用:だ(た)・ます・て・用言・、(読点)
終:。(言い切りの形)
体:こと→体言、の
仮:ば
命:!(命令の意味)
※終止か連体かで迷ったら形容動詞(静かだ、きれいだ)を代入!
→「~だ」=終止、「~な」=連体。
問 動詞を抜き出したうえで、活用形を答えよ。
(1)書きます →「書き」、連用形
(2)読めば →「読め」、仮定形
(3)食べられる →「食べ」、未然形(※「れる・られる」の存在から先に未然形と分かり、次いで、「食べない」など他の形に続けさせることで動詞の範囲がわかる)
(4)降るそうだ、降るのに →「降る」、終止形(※「降る。」「降ること」と言えることから終止か連体。この2つで迷ったら形容動詞を代入。静かだ(終止)そうだ、静かな(連体)そうだ。前者のほうがしっくりくるので終止形。)
18 動詞③(活用の種類)
指導方針:五段・上一段・下一段の未然形がすべて異なっているという性質に着目させ、そこから活用の種類の判別をできるようにさせる。
→①五段 ②上一段 ③下一段 ④カ変 ⑤サ変
│ (来る) (する)
↓ ※最初にはじく
◎ポイント(①②③の判定)
①「ない」をつけて活用させる(=未然形を調べる)
②活用語尾に注目
ア段→五段、イ段→上一段、エ段→下一段
問 活用の種類を答えよ。
(1)降る (2)来る (3)見る (4)捨てる (5)勉強する
19 動詞④(その他)
→可能動詞と補助動詞
◎ポイント
[可能動詞] ①五段しか直せない
②「エ段+る」に!
[補助動詞] ①「~て(で)・く・じゃ」の直後
②みる、おく、いる、ある等(すべて平仮名表記)
※語呂「青いミルク、しまってやる!」(ある、おく、みる、くる、しまう、やる)
問 可能動詞に直せ。直せないものは×と答えよ。
(1)読む (2)見る (3)話す (4)勉強する
問 補助動詞を抜き出せ。
(1)捨てておいたパンを食べてしまった。
(2)書いてある通りにやってみる。
20 形容詞・形容動詞①(発見)
→物事の状態・性質を表す
◎ポイント
①形容詞は「~い」
※「とても~い」「~い+もの」と言えれば形容詞
②形容動詞は「~だ[です]」
※「とても~だ」「~な+もの」と言えれば形容動詞
問 形容詞・形容動詞をすべて抜き出せ。
①誰もいないので、孤独で寂しくなる。
②ここは静かで規模の小さな町だ。
※「小さな」は形容詞ではない(「な→だ」の原則)
※「町だ」は形容動詞ではない
21 形容詞・形容動詞②(活用表)
指導方針:動詞と違って、活用の種類は1種類しかないことを伝達し、完全に暗記させる。
①形容詞
かろ|かっ・く・う|い|い|けれ|○
②形容動詞
だろ|だっ・で・に|だ|な|なら|○
◎ポイント
①活用形を思い出す(連用形は3つあるので注意)
②下を見る(①で決まらない場合) ※形容詞の「~い」が出てきたとき
問 形容詞・形容動詞を抜き出し、活用形を答えよ。
①美しかった ②きれいならば ③楽しくない ④健康な人
22 形容詞・形容動詞②(その他)
→補助形容詞
◎ポイント
①「ない」「ほしい」が頻出
②考え方は補助動詞と一緒!
問 補助形容詞を抜き出せ。なければ×と答えよ。
①この本がほしい。
②この本を読んでほしい。
③お金がない。
④お金は大事ではない。
23 名詞
→普通名詞、固有名詞、数詞、代名詞、形式名詞
◎ポイント
①人、物、事を表す
②「が」をつけて主語になれる
③固有名詞はこの世に一つ
④形式名詞は(1)本来の意味が薄れ、(2)連体修飾語が上についたもの
※原則平仮名
問 名詞をすべて抜き出し、種類を答えなさい。
(1)小学生のとき、私はグアムに三回行った。
(2)三木先生は、若さを全力でアピールする。
24 指示する語句
◎ポイント
指示内容は原則直前!
問 下線部の言葉が指す内容を書け。
①お年玉をもらった。それで本を買った。
②クラス全員で合唱した。それが一番の思い出だ。
③いちごとバナナなら、私は前者を選ぶ。
④彼はこう言った。君は必ず受かる、と。
25 副詞
[特徴] ①自立語 ②活用× ③主に用言にかかる
[種類] ①状態の副詞 ②程度の副詞 ③呼応の副詞(決まった言い方を下に呼ぶ)
◎ポイント
①「どのように」=状態
「どれくらい」=程度 ※手ぶりで表現できる
②擬音語・擬態語 = オノマトペ→状態
③程度の副詞は副詞・名詞にかかることあり
④呼応の副詞は解いて慣れよ!
※否定表現(決して、少しも~ない)、推量表現、仮定表現、希望・命令表現(どうか、ぜひ~したい・してください)、疑問表現(なぜ~か)、比喩表現(まるで~ようだ)
問 副詞を抜き出し、種類を答えよ。また、その副詞が修飾している文節に波線を引け。
①はるばる遠くからやってきた。
②太陽がやや傾くと、空は明るく映えた。
③ザーザーと雨が降る。
④おそらく彼は合格するだろう。 ※推量表現:たぶん、さぞ、きっと、まさか
⑤それはかなり前のことだ。
⑥たとえ一人でも、最後まで頑張るぞ。 ※仮定表現:もし~なら
26 連体詞
→①自立語 ②活用× ③体言にかかる
◎ポイント
①語尾は必ず「の・な・た(だ)・る・が」!
②「ある」(=何らかの)、「去る」、「来(きた)る」は動詞とのかけもち!
問 連体詞を抜き出せ。
この人は我が家の中では大きな存在だ。
さる八月十日、ある町でとんだ災難が起こった。
27 接続詞・感動詞
今日は雨が降っている。(だから)、外で遊べない。→順接
今日は雨が降っている。(しかし)、外で遊んだ。→逆接
28 助詞① 助詞の種類
[特徴] ①付属語 ②活用×
[種類] ①格助詞 ②接続助詞 ③副助詞 ④終助詞
◎ポイント
①判別は、終→格→接→副の順で
②格助詞の条件
(1)を・に・が・と・より・で・から・の・へ・や
(2)直前が(主に)体言
(例)私、アイスが好きすぎていつもそればかり食べるの。
29 助詞②(格助詞「の」)
30 助詞③(接続助詞)
→「仮定」「確定」、「順接」「逆接」の区別を確認
※雑談ネタ:「する」と「なら」は全然違う。しかし携帯のキーボードだと。「か」と「な」が隣り合っているので相当危険。(例)「明日早いから早く寝なさい」「明日早いなら早く寝なさい」。優しい人ほど後者を多様する。三木もそう。(安易に確定・断定しない。)
31 助詞④(副助詞・終助詞)
32 助動詞①(発見)
[特徴] ①付属語 ②活用×
◎ポイント(助動詞の学習の全体像)
「助動詞の唄」で覚える ※YouTubeで検索!
せる・させる、れる・られる、
たい・ない・らしい・そうだ・ようだ、
です・ます・た・だ・ぬ・う・よう・まい・たがる
33 助動詞②(重要な助動詞①)
「れる・られる」=受身・可能・自発・尊敬
「た(だ)」=過去・完了・存続(~ている、てある)・確認
「う・よう」=推量(主語が自分以外)・意志(主語が自分)・勧誘(主語が自分+相手) ※「まい」
「そうだ」=伝聞(上が終止形)・様態(上が終止形以外)
※これ以外の助動詞の意味は、直感で覚えられるものが多い
34 助動詞③(重要な助動詞②)
あ
35 助動詞④(他の品詞との識別)
◎ポイント
- 「ない」の形容詞との識別
- 「らしい」の形容詞との識別
- 「な」「に」「で」「だ」の形容動詞との識別
36 敬語①(種類と作り方)
=相手を敬うときに使う言葉
=尊敬語、謙譲語、丁寧語(礼儀感を出す=です、ます、ございます)
◎ポイント
[尊敬語] ①動詞を「お」と「になる」で挟む
②動詞の下に「れる・られる」をつける
※①と②のかけもちはNG (例)「お読みになられる」は×
[謙譲語] 動詞を「お」と「する」で挟む
※特別な言い方
いる、する、見る、食べる、言う
37 敬語②(判別)
◎ポイント(形以外の判断)
主語に注目!
①主語・所有者が自分以外の敬うべき人=尊敬語
②主語・所有者が自分や身内(自分の側の人)=謙譲語
(例)御社、貴校、弊社、私ども
※お酒、ご挨拶 → 美化語(上品な言葉遣い)
38 敬語③(間違った使い方)
◎ポイント
①尊敬語←→謙譲語
②二重敬語はNG
③身内に尊敬語はNG
問 誤りを正しく直しなさい。
(1)校長先生が私たちに申し上げた。
(2)どうぞお菓子をいただいてください。
(3)校長先生が明日おいでになられます。
(4)お書きになられましたか?
(5)お父さんが参ります。
39 部首
=漢字の中のパーツ
①種類:へん、つくり、かんむり、あし、にょう、たれ、かまえ
②意味 cf,聞、問 →もんがまえではない!
40 類義語・対義語
類義語=似た意味のことば (例)真実=真相 加勢=形勢 節約=倹約 有名=著名
対義語=反対の意味のことば (例)過失・故意 需要・供給 主観・客観
41 音読みと訓読み①
中国風 日本風
※音読みは中国語から伝わった読み方(外国語なのでカタカナ表記)
訓読みは漢字のもつ意味を日本語に翻訳した読み方(ひらがな表記)
◎ポイント(Lv1)
①それだけでは意味不明 → 音読み
②それだけで意味が分かる → 訓読み
③送り仮名が必要 → 訓読み
(例)山(サン・やま) 川(セン・かわ) 海(カイ・うみ) 桃(トウ・とう)
打(ダ・う-つ) 忙(ボウ・いそが-しい) 企(キ・くわだ-てる)
会(カイ・あ-う) 夕(ゆう-べ) 野(ヤ・の) 貝(かい)
内(うち) 間(カン・ま・あいだ)
生(ショウ・う-む)
→「生(ショウ)じる」と言えるが、送り仮名が必ず要るわけではない
(例外)絵(エ・カイ) 図(ズ・ト・はか-る) 路(ロ・じ) 場(ジョウ・ば)
42 音読みと訓読み②
◎ポイント(Lv2)
①2音で語尾が「うんちくきつい」 → 音読み
②2音で語尾が「うんちくきつい」以外 → 訓読み(100%!)
(例)
- 本(ホン)・円(エン)・悪(アク)・客(キャク)・肉(ニク)・席(セキ)・駅(エキ)・愛(アイ)→音読み
- 肉(ニク)・席(セキ)・駅(エキ)→音読み
読み方が一つ → 音読み
※理由:基本的に漢字は中国から来たものなので、音読みは必ず持っている
→日本で生まれた漢字(国字)は例外。畑・笹・塀・枠など。常用漢字2136字のうち77字のみ。
3音以上 → 訓読み 承る(うけたまわ-る)、著しい(いちじる-しい)志、公、緑
問 以下の読みは音読みか、訓読みか答えなさい。
(1)本(ほん)
(2)緑(りょく)
(3)物(もの)
(4)肉(にく)
43 漢字の成り立ち
→象形文字、指事文字、会意文字、形声文字(例:山/三/男/紙)
◎ポイント
(複数の漢字に)
分解できるか、できないか ※「魚」→分解NG
↓ ↓
できる(①②)できない(③④)
↓ ↓
形があるか? 全体の音読みと同じ読み方のパーツがあるか?
あり なし あり なし
象形 指事 形声 会意
問.漢字の成り立ちを分類して答えなさい。
(1)板
(2)中
(3)多
(4)山
44 熟語の組み立て
- まずはテキストを見させて、どんな分類があるのか一通り確認させる
①○=○ 同じ
②○↔○ 反対
③○→○ 上の語が下の語を修飾
④○→(が)○ 主述
⑤○←○ 上の語の対象を下の語が示す
◎ポイント
つなげて文に ━ ×(できない) ①○=○ ②○↔○
┗ ○(できる) ③○→○ ④○→(が)○ ⑤○←○
※その他:略語、打消の語(非・不・未・無+○)
三字熟語
市町村 後日談 諸事情 国公立
45 熟字訓
2つ以上の熟語に対して1語の訓読みをあてたもの
(1)大人
(2)昨日
(3)田舎
(4)五月雨
46 四字熟語①
古今東西
絶体絶命
馬耳東風
異口同音
画竜点睛
付和雷同
47 四字熟語②
49 慣用句
言い慣わされた言い回し
鼻であしらう=そっけない態度をとる
馬が合う=気が合う
足を伸ばす=予定より遠くへ行く
ふくろのねずみ=競争で数人を一気に抜き去る
問
開いた( )がふさがらない=おどろき、あきれること
( )を長くする=期待しながら待つこと
( )の歩み=進み具合の遅いこと
48 ことわざ
慣用句のうち、教訓を含むもの
①習うより慣れろ:人から教わるよりも、何度もやって身につけるほうがよい
②焼け石に水:手をつくしても効果がない
(そのままの意味)焼けて熱くなった石に少々の水をかけたところで、水は蒸発するので、石を冷ますことはできない。
③釈迦に説法:自分よりもよく知っている人に教えることの愚かしさを言う言葉
犬も歩けば棒に当たる=あまりでしゃばった行動をすると、思わぬ災難にあう
何か行動を起こせば、思ってもいないような幸運に巡り合える
花より団子=見栄えより実益を選ぶこと
50 故事成語
昔の出来事から生まれた言葉(ほとんどは中国での出来事)
①矛盾:つじづまが合わない
(例)君のたてた推理は矛盾だらけじゃないか。
(逸話)楚の国の商人が盾と矛を売った。「この盾は固いので、突き通せる武器はありません」「この矛は鋭いので、何でも突き通せます」→見物人「その矛で盾を突いたら?」→商人は返事できず……
②推敲:よりよい表現にするために、字句を練る
(例)作文は推敲して清書した後に提出すべきだ。
(逸話)ある人が詩をつくっていた→「僧は推す月下の門」の句をひらめいた→「推す」を「敲く」に変えるかで迷った→他の人の意見を聞いて、結果的に「敲く」になった
51 その他
①音声の仕組み
1)音節:例 しょうがつ 4音節
らっきょう 4音節
ハリーポッター 7音節
2)子音と母音:例 ぱ=pa(pは子音、aは母音)。
※母音=a、i、u、e、o。必ずどの文字にも含まれる
3)いろいろな音
例:ば(濁音) ぱ(半濁音) ちゃ(拗音) っ(促音) ん(撥音)
②表現技法
1)反語:言いたいことと反対の内容を疑問形で表現すること
(例)なんで勉強しないの?(勉強しろ!)、誰が得するのか?(誰も得しない)、どこが面白いの?(つまらない!)、そんなことあるのか?(そんなことない)、タバコはやめたほうがいいのではないか(タバコはやめたほうがいい)
穏やかな新芽がふりそそぎ、公園の新緑はとても美しく輝いて見えた。
最終更新:2023年12月06日 09:08