現代文講師の皆さんに聞きます。
皆さんは、国語(現代文)の授業では、授業中に「例文」を取り上げることはありますか?
私(スイショウ)は、かなりあります。
しかし、いつも「その場の思いつき」で例文を考えるため、生徒にウケるときもあればウケないときもあります。(ちなみに集団授業です)
一番つらいのは、例文が思いつかないときです。
思いつかないときに無理やり考えると、結果的にぎこちない例文ないしはつまらない例文が出来上がります。
そうなるくらいなら、事前に「面白い」例文を考えておいたほうが100倍いいです。
「面白い」というのがポイントです。
集団授業であれば、生徒全員が爆笑し、クラスが湧き上がるぐらいのものを用意したいです。
もちろん、生徒の状況によって、その例文がウケるかウケないかも変わると思います。
だからこそ、「たくさん」の例文を用意したいです。
爆笑するほどの面白さがなくても、知的好奇心が煽れるような内容であることは必要です。
皆さんと協力しながら、いろんな例文を追加していければ、と考えています。
「この例文はどう?」みたいなのがあれば、どんどん私に言ってください。
※例文に限らず、「たとえ」なども一部あります。
読解で使える例文集
→「もちろん遊びも大事だ。しかし、勉強のほうが大事である。」
「選挙にはみんな行ったほうがいい。なるほど忙しい人もいる。だが、期日前投票に行け。」
「死刑制度は問題があると思う。たしかに廃止すれば犯罪が増えるかもしれないが、人権的な問題もあるので廃止したほうがよいと思う。」
心情表現(間接表現を中心に)
→「涙が出そうになる」、「顔が真っ赤になる」
表現技法系
→「○○先生は鬼のようだ」(=怖い、よく怒る)
「○○先生はマッチ棒みたいだ」(=やせている、細い)
→「○○は鬼だ」
「お前、カスだな」(=お前、つまらないやつだな)
→「空が泣いている」=雨が降っている
「花がほほえむ」→花の美しさ
「スマホが水におぼれた」=スマホが水に落ちた
→ワンワン
→ふわふわ、もくもく
→「暑いね、この部屋」
疑問:何をやってるの?
反語:なにやってんの?
文法系
- 文節分け&単語分け(接続助詞「て」などが入っている、やや難しめのものがよい)
- 文の成分〔主・述・修・接・独〕がすべて入った例文
→こんにちは、僕は、千葉県で生まれたけど、東京都在住だよ。
※生徒に出身地を聞いていき、(塾のある都道府県とは別の)都道府県を答えた子がいれば、その子の答えをうまく利用していく。例えば、東京都の塾で授業していて(ということは生徒の大半は東京在住)、生徒の中に千葉県出身の子がいたとすれば、上のような例文ができるわけである。
- 全品詞の入った例文!!(至急!短くて、なおかつ実感の湧きやすいもの!)
- 指示語(特に、「こ」「そ」「あ」の違いが理解しやすいような例文)
→この世(近い)とあの世(遠い)
これと関連する雑談を行う。古文・漢文が読みにくいという高校生が多い。もちろん読みにくい理由は①現代と常識が違う②一文の長さが長いなども含まれている。しかし実は、それらは主な要因ではない。古文・漢文が読みにくい根本的な要因は助詞の省略である。だから、助詞を正しく補うことが古文や漢文を正しく読むための一歩である。
これを踏まえたうえで、古文や漢文の読解力は現代文の読解力と関連性が強いものだと認識できれば、国語の得点率が上がるのではなかろうか。
→文構造の把握に役立つ。以下のツイートがいい例。
https://twitter.com/skbn999/status/999645688911679490
「教え子を働きすぎて自分を見失ってしまうような労働者にはしたくない」という日本語、すぐに理解できるだろうか?普通に前から読んでいると、「教え子を働き過ぎて」がひとまとまりに見えて、「教え子を働くってどういうこと?!」とパニックになるだろう。しかし、冷静に考えてみよう。「働く」という言葉は、「○○を働く」という言い方ができない。つまり、自動詞だ。ということは、「教え子を」という修飾語は、「働く」とう言葉にはかかっていない。別の、「他動詞」と言える動詞にかかっているはずである。それを探せば、「したくない」という言葉にかかることが分かるだろう。つまり、「働きすぎて自分を見失ってしまうような労働者」がひとまとまりであり、お私語をそういう労働者にしたくはない、と言っているのである。
→(例)「~ますなので…」と言う、外国人の店員さん。
→「な」は断定の助動詞「だ」(の連体形)。助動詞「だ」は、原則「体言・助詞」に接続する。
今回の例の場合、「ます/な/ので」となっており、断定の「だ」の前に助動詞が来てしまっている。
これは文法的におかしい。
したがって、
①「ます」をキープし、「な」を取り除く
②「ます」を何らかの体言・助詞に変える
ことが必要である。
い抜き言葉
背景知識系
幸せの定義は人それぞれ。例えば、悩みがない人は幸せだとよく言うが、それはあくまで相対的な幸福である。その人がもし「幸せではない」と思えば、幸せではないのだ。つまり、その人の主観が絶対化されるべきである。
接続語
(例)もちろん、出木杉君は優秀だ。しかし、出来ない子には冷たい。例えば、「こんな問題簡単だよね」と、普通に言ってしまう。
[+α]出木杉君は教育学的には問題児。人と共感できないから。
僕は動物が好きだ。つまり、犬や猫が好きだ。
「つまり」の前後は同一の情報(ポイント数は1つ) A=B
僕は動物が好きだ。だから、獣医を目指している。
「だから」の前後は別情報(ポイント数は2つ) A→B
誤答選択肢
- ラーメンの味にたとえる。(例)とんこつ、みそ、しょうゆ、塩
その他
①おばさんが優先席に来る
②そろそろ降りる駅が近づいてきたので、少年が立つ
③おばさんが「大丈夫です大丈夫です、座っててください」
④少年「降りるんだよ!!!」
国語(こと現代文)では、「探す」ことが多い。
具体的には、以下に示す「2つの『探す』」を我々は行っている。
①設問の要求・条件にしたがって、根拠を本文から「探す」。
②拾った根拠・ポイントを踏まえている選択肢を「探す」。
→こうした作業は、たとえるならば、
昔携帯で撮った写真をもう一度見直したいときに、
その写真を頭に思い浮かべながらアルバムをひたすらスライドして追っていくあの感じ。
頭の中に明確なイメージがあればあるほど、「素早く」発見できる。
また、「見逃す」ことがない。(他にも…LINEで友達のLINEを探すときも同様。アイコンが頭に浮かんでいれば、探しやすい。)
※一番まずいのは、「なんでアルバムを開いたんだっけ」であるが…。
コンビニのおばさん「ご一緒に袋でよろしかったですか?」(ドヤ顔)
→「よろしいですか」にすべき。また、これは文法的な話ではないが、購入した品物はヒヤヒヤしたアイスとあつあつのコロッケである。「よろしくねえよ!!」と突っ込みたい。
- 日本語を理解していない幼い子どもが言い間違える日本語の例。
①「気をつけ」なのに「きょーつけ」
②「ジャムおじさん」なのに「じゃもーじさん」
最終更新:2019年07月16日 06:42