戦場の御手(超常) ヘカトンケイルが装備したすべての武器は、このティタンが手に持っている限り+3の強化ボーナスを得る。
ダメージ減少を通すことを目的とした場合、ヘカトンケイルの攻撃はエピックかつ悪として扱われる。加えて、ヘカトンケイルの無数の武器は攻撃を防ぐ際に有効に働くため、そのACに+8の鎧ボーナスを与える。
百腕の大旋風(変則) ヘカトンケイルはその無数の手に様々な種類の何ダースもの武器を手にしている。しかし近接攻撃を行う際には、それぞれを独立した攻撃として解決する必要はない。その代わりに、このティタンが手にした武器で攻撃する際、通常通り攻撃をロールし(1回の標準アクションとして1回の攻撃を行うか、1回の全ラウンド・アクションとして4回の攻撃を行うかのいずれか)、攻撃ごとに間合いにいて攻撃ロールがAC以上となったすべてのクリーチャーに攻撃が命中する。その攻撃ロールがクリティカル・ヒットとして有効なものであったなら、そのクリティカルはヘカトンケイルの選択するクリーチャー1体に適用される。ヘカトンケイルはその攻撃が殴打、斬撃、刺突ダメージのいずれを及ぼすのかを、それぞれの攻撃ごとに1回のフリー・アクションとして切り替えることができる。
次元跳躍(超常) ヘカトンケイルは物理的に次元界の境界を粉砕し、目標の次元界自身をあっさりと砕くことで次元界を行き来する。1年に1回、1回の全ラウンド・アクションとして、ヘカトンケイルは跳躍の一部として、他の次元界へ行くために
プレイン・シフトを(同名の呪文と同じように)することができる。このようにして移動する場合、ヘカトンケイルは自分自身とその装備品しか運ぶことはできない。ヘカトンケイルが目標の次元界に到達すると、空から落下し地面に衝突する。これにより轟音と炎を伴う壊滅的な爆発を生み出す。ヘカトンケイルが落下した場所から300フィート以内にいる全てのクリーチャー(このティタン自身も含む)は20d6ポイントの殴打ダメージと20d6ポイントの[音波]ダメージを被る(DC38の反応セーヴにより半減)。このセーヴDCは【耐久力】に基づいている。
朦朧化叩きつけ(変則) 1回の標準アクションとして、ヘカトンケイルは武器攻撃を好きな数差し控えることで、間合いにいるそれと同じ数のクリーチャーに対して1回ずつ叩きつけ攻撃を行える。その攻撃が命中したなら、その目標はダメージを受け、DC41の頑健セーヴを行わねばならない。それに失敗すると1d6ラウンドの間
朦朧状態となる。このDCは【筋力】に基づいている。
創られてすぐに神々に敬遠された恐るべき嫌悪の対象、ヘカトンケイルは存在するティタン族の中でおそらく最も力があり破壊的な種族であろう。ティタン――神々の神聖な力を妬む――が神格に対して反旗を翻した時、ヘカトンケイルは武器をとった最初の者たちの中にいた。彼らは自らに対して創造者が抱く嘲りにうんざりしていたのだ。エリュシオンのティタン族の裏切りにより、神々はヘカトンケイルを速やかに捕らえることになった。ヘカトンケイルの力は莫大なもので、その死の同胞とともにアビスに送ったとしても消滅させることはできないと神々は気づいた。その代わりに神々は、彼らが見つけることのできる多次元宇宙から最も遠い場所にヘカトンケイルを追放した。そこにヘカトンケイルは知るもののない永劫の時を、一面の無の中で漂流した。そして孤独から産み出された狂気が彼らの記憶を破壊した。しかし彼らの狂気により、その粉々になった巨体は世代交代のために破壊の探求の中で子孫を産み、強力な子孫たちが次元界の境界をぶち壊し、多次元宇宙を自由に彷徨う方法を見つけ出したのだ。
神は最初にヘカトンケイルを3体だけ創り出した。アビスへのゲートを見張らせる究極の戦士を作ろうとしたのだ。この3体の古代のティタンは次元界の間にある誰も知らない空間を、今なお漂っている。現在世界を闊歩するヘカトンケイルは、これらの低級な落とし子に過ぎない。しかし「低級な」ティタンと言われてなお、彼らは想像を絶するほどの力をその内に保ち続けている。彼らはそもそも、何故この忘れられた先祖たちが消滅することになったのかについての知識を持っていない。そのために彼らは世界すべてを破壊しながら、その答えを探して彷徨っている。彼らは歪められた暴力機関であり、その存在は命の破壊と、神に仇なす古来の戦争を思い起こすもの(彼らの先祖の記憶を持つ悪霊のみから受け継いだもの)に基づいている。
多次元宇宙に戻ってその姿を現したヘカトンケイルは異なる領域から現れる。そのためある落とし子が1体と会ったことがあっても他の2体の記憶はない。2体以上のティタンが協力した場合の力により生じたエネルギーを測ることは学者にはできないとはいえ、いつでもこの世界で遭遇するヘカトンケイルが1体だけだというのは幸運なことだ。彼らは次元界に1人でやってくる。はるか昔に生まれた時の目的が何だったのか思い出すまでは、いかなる仲間を連れることもない。
ヘカトンケイルは肉親である他のティタンと同程度に頭が良い。しかし彼らは一見した限りでは破壊的で、思慮のない素振りをしながら歩き回っている。彼らは他のクリーチャー、とりわけ慈悲を求める者たちとやりとりするために時間を費やすことはない。ヘカトンケイルは破壊のために創られた。そしてそれこそが彼らが望むこと全てである。その拳を振るって打ち砕き、武器の一撃で貫くことは彼ら自身との対話である。彼らは主を持つことはなく、真の名を呼ばれるまではその終わりない蹂躙をやめることはない。真の名を定命のものが知っていることはほとんど――あるいはまったく――ない。彼らの名を知るものがそれをただ囁くだけで、その単なる言葉によってその無限な力をもたらすようになる。
召喚術士がこのティタンが現在いる次元界を知っており、かつヘカトンケイルが呼ばれるのを待っている真の名を知っているのであれば、ヘカトンケイルを
ゲートのような強力な呪文によって喚び出すことができる。しかしそのような技法に挑戦することは狂気に満ちた邪悪なものでしかない。この特徴的な巨人の力はあまりに強力であるために操ることなどできず、例えかつていた場所からこの領域へと消えたとしても、ヘカトンケイルがこの世界を視界に収める前につかの間訪れることはほとんどない。例外は彼らがただこの地を破壊する、という欲望を満たすためという場合だ。
決して寝付くことのない見張りであるため、ヘカトンケイルは50の頭と100の腕を持つ。その100の手から投げられる岩は巨礫ほどに大きく、ヘカトンケイルがそのような岩を投げるところを見て生きていたものは、空から山まるごと1つが降ってきたようだったという話を伝えている。この様のものではない膂力に加えて、ヘカトンケイルは電光と雷鳴の力を巧みに制御することでも知られている。個々のヘカトンケイルの到来は、その地域における突然の荒々しい嵐が端緒となる。全てのティタン同様、ヘカトンケイルは不死なるものであり、討伐されるまで死ぬことはない。
ヘカトンケイルは全長50フィートで、重量は25トン。