「神話級ヴァンパイア」は
ヴァンパイア・テンプレートを持つどのクリーチャー(以下、これを“基本ヴァンパイア”と呼ぶ)に付加することもできる後天性テンプレートである。神話級ヴァンパイアは以下の点を除き、基本ヴァンパイアの
データと能力を持つ。
(神話)の副種別:神話級ヴァンパイアは
(神話)の副種別を得るとともに、基本ヴァンパイアの脅威度の半分に等しいランクを得る。神話級ヴァンパイアはランクで本来得られるはずだった神話能力の代わりに、基本ヴァンパイアの脅威度に基づいて追加の能力を得る。神話級ヴァンパイアは
(神話)の副種別により得られる他の全ての利益を得る。すなわち、能力値ボーナス、ボーナス・ヒット・ポイント、神話特技、神話パワー、外皮ボーナス、呪文抵抗の増加(もしあれば)である。
脅威度:基本ヴァンパイアの脅威度を神話ランクに従い調整する(このテンプレートは神話ランク以外で基本ヴァンパイアの脅威度を増加させることはない)。表6-2に従い神話級ヴァンパイアの能力を決定する際、最終的な脅威度は使用せず、基本ヴァンパイアの脅威度を用いることに注意すること。
階梯:神話階梯を持つヴァンパイアが神話級ヴァンパイアになると、その階梯(および階梯により得られる全ての能力)は失われる。その後、神話級ヴァンパイア・テンプレートによる能力を基本ヴァンパイアの脅威度に従って得る。
負のエネルギー熟練(超常)/Negative Energy Focus:神話級ヴァンパイアの
生命力吸収能力は、近接武器もしくは
肉体武器を用いた近接攻撃が成功するたびに1回起動する。この能力は、ラウンド毎に最大で神話級ヴァンパイアが持つ2神話ランク毎に1回まで使用することができる。
弱点克服/Overcome Weakness:神話級ヴァンパイアが直接太陽の光を受ける範囲でターンを開始すると、(
よろめき状態ではなく)
吐き気がする状態になり、10ポイントのダメージを受け、そのラウンドの間、
高速治癒能力を失う。神話級ヴァンパイアは2ラウンド目になると、通常通り破壊される。より高いランクになると、神話級ヴァンパイアは以下のように、その他のヴァンパイアの弱点や苦手なものを克服したり無視することができるようになる。ニンニク(第4ランク)、鏡と聖印(第6ランク)、家屋への招待(第8ランク)、流れる水(第10ランク)。
ざらつく爪(超常)/Scabrous Claws:割り込みアクションとして、神話級ヴァンパイアは神話パワーを1回分消費することで、手の爪を成長させ、爪による攻撃か叩きつけ攻撃を行えるようにすることができる。この爪攻撃は叩きつけと同じダメージ(と
生命力吸収)に加え、1d6ポイントの出血ダメージを与える。この爪は1時間が経過するか、フリー・アクションとして神話級ヴァンパイアが解除するまで持続する。
エネルギー放出への抵抗(超常):第3ランクの時点で、神話級ヴァンパイアの
エネルギー放出への抵抗は+8に増加する。第6ランクの時点で、この値は+12に増加する。第9ランクの時点で、この値は+16に増加する。
蝕の子供たち(超常)/Children of the Eclipse:第4ランクの時点で、神話級ヴァンパイアは夜の子供たち能力を使用して、
バット・スウォーム、
ラット・スウォーム、
ウルフのいずれかを1日に1回ではなく、1時間に1回喚び出すことができる。1日1回、神話級ヴァンパイアは夜の子供たち能力を使用して、2d6体の
グールもしくは1d6+1体の
シャドウを喚び出すことができる。第7ランクの時点で、1日に1回、神話級ヴァンパイアは夜の子供たち能力を使用して、1d6体の
モーグもしくは
レイスを喚び出すことができる。
霧変化(超常)/Mist Shapes:第5ランクの時点で、神話級ヴァンパイアは霧を喚び出し、
メジャー・イメージ呪文のような現実と見まごうような形に変えることができる。このようにして作り出した姿は、神話級ヴァンパイアが見ており、精神集中している限り持続する。特に霧の濃い場所では、この能力は
メジャー・イメージではなく
ミラージュ・アーケイナとして働く。
五感の支配(超常)/Mastermind:第6ランクの時点で、神話級ヴァンパイアは標準アクションとして、支配したクリーチャーの肉体を通してものを見、音を聞き、会話することができるようになる。神話級ヴァンパイアはこの能力を一度にクリーチャー1体に対して、永久に使用することができる。ただしそのクリーチャーが支配下にあり、かつ同じ次元界にいなければならない。この能力を使用している神話級ヴァンパイアは移動することができないが、それでも周囲を警戒しており、フリー・アクションでこの能力を解除することができる。
テレキネシス (擬呪):第6ランクの時点で、神話級ヴァンパイアは神話パワーを1回分消費することで、
テレキネシス呪文を使用することができる。その術者レベルは神話級ヴァンパイアの脅威度に等しい。
飛行能力(超常)/Flight:第7ランクの時点で、神話級ヴァンパイアは割り込みアクションとして神話パワーを1回分消費することで、自身の基本移動速度の2倍に等しい飛行移動速度(完璧な機動性)を1時間の間得る。この能力を起動している間、神話級ヴァンパイアは蝙蝠のような翼を生やすか、不自然に浮かぶかを選択する。翼を生やす場合、
〈威圧〉判定に自分のランクに等しいボーナスを得る。浮かんでいる場合、
〈隠密〉判定に自分のランクに等しいボーナスを得る。
神話級同族作り/Create Mythic Spawn:第8ランクの時点で、神話級ヴァンパイアは同族を作成する際に神話パワーを1回分消費することで、1d4日後ではなく1時間後に犠牲者をアンデッドとして蘇らせることができる。神話級ヴァンパイアはスポーンを作成する際に神話パワーを2回分消費することで、ヴァンパイア・スポーンや非神話級ヴァンパイアを作成する代わりに、神話級ヴァンパイアを作成することができる。
禍つ血(超常)/Blood Omen:第9ランクの時点で、神話級ヴァンパイアは標準アクションとして神話パワーを2回分消費することで、30フィート以内にいる全てのクリーチャーに吸血を行うことができる。各クリーチャーは頑健セーヴィング・スロー(DC 10+神話級ヴァンパイアのHDの1/2+神話級ヴァンパイアの【魅】修正値)を行わねばならず、失敗すると神話級ヴァンパイアの吸血能力の効果を受ける。神話級ヴァンパイアはこの方法で行った全ての吸血について、通常の利益を得る。
日蝕(超常)/Eclipse:第10ランクの時点で、神話級ヴァンパイアは神話パワーを1回分消費することで、半径1マイルの陽光を遮ることができる。この範囲は1時間の間、
ディーパー・ダークネス呪文の効果を受ける。この能力を使用した神話級ヴァンパイアは、この暗闇を見通すことができる。