この妖艶な女性の髪を構成する蛇が蠢いて絡まる。彼女の目は押さえきれないほどの怒りで燃え上がる。
メドゥサのアニムス・シェイド CR9
防御
AC 16、接触16、立ちすくみ14(+4反発、+2【敏】)
HP 68(8d8+32)
頑健 +6、
反応 +8、
意志 +7
防御的能力 エネルギー放出に対する抵抗+4、
精神細断、
全周囲視覚、非実体;
完全耐性 アンデッドの種別特性
攻撃
一般データ
生態
出現環境 温暖/湿地および地下
編成 単体
宝物 なし
特殊能力
全周囲視覚/All-Around Vision(変則) 蛇の髪により、メドゥサはすべての方向を見ることができる。メドゥサのアニムス・シェイドは
〈知覚〉判定に+4の種族ボーナスを得、挟撃されない。
石化の凝視/Petrifying Gaze(超常) 永続的に石に変える、30フィート、頑健・無効、DC18。セーヴDCは【魅力】に基づく。
典型的な知的な精神は、知的な理性及び気高い目標と、それに対立する原始的な生存衝動及び基本欲求との対立の一面として存在している。それらの側面のいくつかは心を支配し、クリーチャーの人格を定義しているが、他の側面は束縛されている。時に心の傷がこれらの束縛を弱め、通常であればクリーチャーが制御し抑制しているであろう側面を明らかにすることもある。心の傷で死んだクリーチャーは、意識が剥がれ落ちて、潜在意識にある対立人格、アニムスだけが残ってしまうことがある。アニムス・シェイドと呼ばれるこのような霊的なアンデッドは、獰猛な怒りに支配され、生きているものに怒りをぶつける。精神的な戦闘に関わる人物は特にこの種のアンデッドへと変じることが多い。このようなアニムス・シェイドはかつての敵を探し出し、殺害されるまで満足することがない。
アニムス・シェイドは常に元の生きていた姿と一見すると似た姿をしているが、死の中で野生のけだもののように発現しており、怒りと長い苦しみによって強力な存在となっている。アニムス・シェイドの姿は支配な精神の重圧の下で押しつぶされてきた一生の後、せむしで歪んだ姿で現れる。捻じくれた爪、長すぎる手足、ひび割れた肉、その他悪夢のような奇妙な姿を持つことがあり、それは彼ら自身が生前抱いていた心の暗い隅についての恐怖を反映している。このクリーチャーが持っていたあらゆる装備やアイテムは腐り、ひび割れ、引き裂かれたように見えるが、生前に使用していた武器の霊体としての姿を持っていることもあり、それは生きているものを傷つける能力を備えた恐ろしいものであるかもしれない。
ほとんどの場合、アニムス・シェイドはその死の場所の近くに残るか、特定の目的を持たずさまよう。多くの心理的な事柄が心象風景、もしくは遠く離れた神秘の次元界で起こるように、アニムス・シェイドは頻繁にそのような領域を歩きまわり、終焉をもたらした何百年も昔の敗北に対して終わりなき怒りをいだき続ける。このような損失によって消耗していない場合でも、アニムス・シェイドは一般的に、支配人格が生前に弾圧された場所をさまよい、偶然思い出したものを標的とする――それは物理的な外見、人格、行動のいずれかが似ているからかもしれない。しかし、珍しいことではあるが、はっきりと専心する思いを持って、かつて愛したものや誇りに思っていたものを破壊することに喜びを抱き、生前に獲得したものを元に戻そうという思いに囚われたアニムス・シェイドもいる。
念術的な暴力によって生み出されたため、アニムス・シェイドは通常、知的な種族やオカルトの力を身につけた者たちの中で見られる。そうした種族の中でさえ、この種のアンデッドは念術の力を培う文化や集団の中で、遥かに一般的に見られる。彼らは
ゴーストや他のアンデッドと間違われることが多く、しばしば悲劇的な最後を迎える。幸いなことに、精神的な強さよりも肉体的な強さを重視する土地や、特に武術を重視する文化の中では、アニムス・シェイドはほとんど知られていない。
ホブゴブリン、
コボルド、
オークのような種族には精神的な才能を持つ個体はほとんど生まれないため、アニムス・シェイドとして戻ってくることもほとんどない。
自分を生じさせた念術的な暴力がために、アニムス・シェイドたちは、ほとんど、いやめったに協力することがない。死ぬ際に、同じ敵に惨殺されたかつての仲間から生み出されたアニムス・シェイドたちでさえ、互いに食って掛かる。彼らの心を満たしている、彼らをこの世界に繋ぎとめている精神的なトラウマは、このアンデッドを深く傷つけているが、究極的には彼らを自分自身に最も怒りを抱かせるようにする――彼らは、死の原因となったのは自分の弱さや集中が途切れたことにあると知っているがために。その怒りの多くが内側に向けられており、悪意を持って自分に似ている人々に憎悪を解き放つことで、一時的な満足感を得ている。
「アニムス・シェイド」は【知力】が8以上で【魅力】が6以上の生きているクリーチャーに付与できる、後天性テンプレートである。ここに示した点を除き、アニムス・シェイドは基本クリーチャーの一般
データと特殊能力をすべて保持する。
脅威度:基本クリーチャーのCR+2。
属性:常に悪。
種別:クリーチャー種別はアンデッドに変化する。基本攻撃ボーナス、セーヴ、技能ポイントは再計算しない。(非実体)の副種別を得る。
感覚:アニムス・シェイドは距離60フィートの暗視を得る。
オーラ:アニムス・シェイドは
従容自若のオーラを得る。
アーマー・クラス:アニムス・シェイドは(非実体)の副種別により、アーマー・クラスに【魅力】修正値に等しい反発ボーナスを得る。基本クリーチャーが持つ外皮ボーナスを失い、[力場]効果あるいはゴースト・タッチ特殊能力を持たないすべての鎧ボーナスと盾ボーナスを失う。
ヒット・ダイス:基本クリーチャーのヒット・ダイスをd8に変更する。クラスによるヒット・ダイスは変化しない。アンデッドであるため、アニムス・シェイドはボーナス・ヒット・ポイントを決定する際、【耐久力】修正値の代わりに【魅力】修正値を使用する。
防御的能力:アニムス・シェイドは、実体があることに基づくものでない限り、基本クリーチャーが持つすべての防御的能力を保持する。加えて、アニムス・シェイドはエネルギー放出に対する抵抗+4、非実体能力、アンデッドの種別特性から得るすべての完全耐性を得る。更に、アニムス・シェイドは以下の防御的能力を得る。
精神細断(超常)/Mental Schism:アニムス・シェイドの精神は、かつてそれを吸収した支配人格の、裁断された残骸がもたらす混沌としたもつれである。この変わりやすい状態は、属性に基づく効果を適用させるにはあまりにも断片的だ。アニムス・シェイドは属性に基づくすべての効果に完全耐性を持つ。
移動速度:アニムス・シェイドは元の移動速度をすべて失い、飛行速度30フィート(完璧)を得る。ただし、基本クリーチャーがこれより良い飛行速度を持つ場合、そちらを用いる。
攻撃:アニムス・シェイドは基本クリーチャーがすべての肉体攻撃と素手打撃を失う。
特殊攻撃:アニムス・シェイドは、実体があることに基づくものでない限り、基本クリーチャーが持つすべての特殊攻撃を保持する。更に、アニムス・シェイドは以下の防御的能力を得る。アニムス・シェイドの特殊攻撃のセーヴDCは10+アニムス・シェイドのヒット・ダイスの1/2+アニムス・シェイドの【魅力】修正値に等しい。これらは[精神作用]効果である。
アニムス中傷(擬呪)/Animus Insinuation:アニムス・シェイドがクリーチャーに接触する際、そのクリーチャーのアニムスが奮い立ち、その人格を覆してしまう。この効果は、アニムス・シェイドのCRが7以下の場合は
イド・インシニュエイションIIとして、CRが8以上の場合は
イド・インシニュエイションIVとして作用する。いずれの効果であっても、効果を受ける目標は接触したクリーチャー1体だけであり、持続時間はアニムス・シェイドのヒット・ダイス毎に1ラウンドで、精神集中の必要はない。
決意の腐敗(超常)/Corrupt Intent:アニムス・シェイドは敵の決意と意志力を腐敗させ、アニムス・シェイドの手中に収める疑念と相反する欲望で満たす。クリーチャーが近接攻撃や遠隔攻撃でアニムス・シェイドに攻撃したときはいつでも、そのクリーチャーは意志セーヴを行わねばならず、失敗すると1d4ラウンドの間、それ以降のアニムス・シェイドに対する攻撃に-1のペナルティを受ける。すでにこの効果を受けているクリーチャーがこの能力に対するセーヴに失敗するたびに、ペナルティは1ずつ増加し、効果が1ラウンド追加で持続するようになる。
魂引き裂き(超常)/Rend Psyche:標準アクションとして、アニムス・シェイドは30フィート以内のクリーチャー1体に闇のエネルギーの噴出を解き放つことができる。遠隔接触攻撃に成功すると、目標は精神的な苦痛に襲われ、そのアニムスが肉体的な形態から解き放たれようとする。この激しい争いはアニムス・シェイドのCR毎に1d4ポイントのダメージを与えるとともに、1d6ポイントの【魅力】ダメージを与える。意志セーヴに成功すればダメージは半減し、【魅力】ダメージを受けない。
能力値:【魅】+4。加えて、非実体クリーチャーであるため、アニムス・シェイドは【筋力】と【耐久力】を持たない。
最終更新:2023年06月06日 02:23