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ブロートメイジ Bloatmage


血操術師は俗にブロートメイジと呼ばれ、「魔法は血に流れる」という古い格言に文字通りの真実があると信じる秘術使いである。ブロートメイジは体の安全装置を魔法で無効にし、必要以上の血液を生成することで魔法の能力を飛躍的に向上させることができるが、その代償として醜悪な肥大した肉の塊になってしまう。外観上の変化よりも重要なのは、ブロートメイジの体にかかる負荷が本人や周囲の者にとって危険なものであるということだ。ブロートメイジの脳に掛かる脳圧が高くなり過ぎると、殺人的な怒りに駆られ、その後に意識を失って直ぐに出血してしまう。このような明確な欠点があるため、多くの者はブロートメイジの道を歩むことを選ばないが、ブロートメイジたちは自分たちの足跡を辿る勇気もなく反対する者たちを退ける。彼らは力と自己完成の追求のためには、他のすべての問題は二の次であると指摘する。

役割:ブロートメイジは申し分ない呪文の使い手であり、戦闘では重砲として重宝する。しかし、緊張が高まると暴走する可能性があるため、敵だけでなく味方にとっても危険な存在とも成り得る。

属性:ブロートメイジには特定の属性はないが、より大きな魔法の能力を得るという目標への一途な関心(一般の人々は彼らの行う儀式的な自傷行為を嫌う)により、少なくとも部分的には中立となる傾向がある。

必要条件

ブロートメイジになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。

特技: 《ブロートメイジ継承者》《呪文熟練:いずれかの系統》
呪文:3レベルの秘術呪文を発動する能力

クラス技能

ブロートメイジのクラス技能は次の通り:〈飛行〉【敏】、〈治療〉【判】、〈知識:すべて〉【知】、〈呪文学〉【知】、〈魔法装置使用〉【魅】。

レベル毎の技能ランク:2 +【知】修正値

ヒット・ダイスの種類:d6

クラスの特徴

レベル 基本攻撃ボーナス 頑健セーヴ 反応セーヴ 意志セーヴ 特殊 1日あたりの呪文回数
1 +0 +0 +0 +1 蓄血、血液膨張 (1回/日、1d4)、血液凝固異常 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1
2 +1 +1 +1 +1 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1
3 +1 +1 +1 +2 肥満 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1
4 +2 +1 +1 +2 血液膨張 (2回/日、2d4) 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1
5 +2 +2 +2 +3 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1
6 +3 +2 +2 +3 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1
7 +3 +2 +2 +4 肥満 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1
8 +4 +3 +3 +4 血液膨張 (3回/日、3d4) 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1
9 +4 +3 +3 +5 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1
10 +5 +3 +3 +5 血脈吸収 秘術呪文が発動できるクラスのレベルに+1

ブロートメイジの上級クラスの特徴は以下の通り。

武器と防具の習熟:ブロートメイジは武器や防具の習熟を新たに得ることはない。

1日あたりの呪文回数/習得済の呪文:ブロートメイジのレベルを得た時に、キャラクターは自分がこの上級クラスを取得する前に属していた、秘術呪文が発動できるクラスいずれか1つのレベルが上がったかのように、1日あたりの呪文回数が増加する。しかし、追加の1日あたりの呪文回数、追加の修得呪文数(任意発動できる呪文の使い手の場合)、呪文を発動する際の有効レベルの上昇以外に、そのクラスのレベルが上がっていたなら得られたはずの他の利益を得ることはない。キャラクターがブロートメイジになる前に秘術呪文が発動できるクラスを複数取得していた場合、レベル上昇毎に1日あたりの呪文回数を決定するために、その新たなレベルをどのクラスに適用するか決定する必要がある。

蓄血/Blood Pool:1レベルの時点で、ブロートメイジは蓄血ポイントを獲得する。このポイントにより、ブロートメイジの体内に過剰な血液を供給することで、秘術能力を通常のレベルよりも増大させることが可能となる。ブロートメイジの通常の蓄血ポイントはブロートメイジ・レベルに等しい。蓄血ポイントを呪文発動時に消費することで、その呪文スロットを使用せずに発動させることができる。任意発動できる呪文の使い手の場合は呪文スロットは未使用のままとなり、呪文の準備が必要な使い手の場合は発動しなかったかのように即座に思い出す。この方法で呪文や呪文スロットを保持するには、その呪文のレベルに等しい数の蓄血ポイントが必要であり、これらのポイントは呪文を発動する際に消費される。蓄血ポイントによって、未修得の呪文や準備していない呪文が発動可能になることはない。

また、ブロートメイジは血液膨張能力で自分を追い込むことで蓄血ポイントを増やすことができるが、その行使は危険な賭けとなる。ブロートメイジの現在の蓄血ポイントがクラス・レベルより大きく、クラス・レベルの2倍以下の場合には不調状態となる。蓄血ポイントがブロートメイジ・レベルの2倍を超えた場合、即座に殺人的な怒りに駆られ、1d6ラウンドの間、または蓄血ポイントが0になるまで(いずれか早い方)、最もダメージの大きい攻撃や能力を味方や敵に向けてランダムに繰り出す。怒りが収まると蓄血ポイントは0になり、ヒット・ポイントは-1となり瀕死状態に陥る。

日々、ブロートメイジが休息して呪文を回復する際にはクラス・レベルまで蓄血ポイントが回復するが、それ以上に回復することはない(ブロートメイジ・レベルのレベルが5で、現在8ポイントを持っている場合、余分なポイントを消費するまで8のままとなる)。

一部のブロートメイジは体の調子を整えるためにヒルを使ったり、血を抜くなどの儀式を常に行っている。これらの儀式は日々の呪文の準備中に行われなければならず、結果が判明した後に血液膨張のロール(下記参照)から1ポイントを差し引くことができる。ただし、その代償として【耐久力】への-2の累積しないペナルティが発生する。このペナルティは、ブロートメイジが1日儀式を放棄(呪文の準備も含む)した場合を除き、すぐに除去することはできない。

血液膨張/Bloat:ブロートメイジはフリー・アクションとして直ちに2d4の追加蓄血ポイントを得ることができるが、そうすることで大きなリスクを負うことになる。1レベルの時点でブロートメイジは1日に1回、1d4ポイントを獲得する。4レベルの時点で回数は1日に2回となり、ダイス・ロールは1d8となる。8レベルの時点で回数は1日に3回となり、ダイス・ロールは1d12となる。

血液凝固異常/Hemophilia:ブロートメイジは出血効果に対して特に弱く、出血効果を止めるための〈治療〉判定の難易度は通常より5高くなる。また、ブロートメイジは出血性の傷を受けると、蓄血ポイントを1失う。この蓄血ポイントの損失は、複数の出血攻撃に対して累積するが、同一の攻撃でダメージを受ける毎に発生するものではない。

肥大化/Corpulence:3レベルの時点でブロートメイジはかなりの巨漢になり、血を含んだ脂肪の付いた肉によって+1の外皮ボーナスを得る。7レベルの時点で外皮ボーナスは+2となるが、移動速度が10フィート減少する。このペナルティは《ブロートメイジ継承者》特技のペナルティと累積する。この速度低下は5フィートが下限となり、魔法の飛行効果にも影響しない。

血脈吸収/Absorb Bloodline:10レベルの時点でブロートメイジは、ソーサラーの血脈の力を一時的に利用することができるようになる。その血脈に関連する血を摂取することで、あたかも自分の秘術の合計術者レベル(ブロートメイジ・レベルを含む)に等しいレベルのソーサラーであるかのように利用できる。血脈を持つソーサラーまたはその血脈に属するクリーチャーの新鮮な血液(1ポイントの【耐久力】ダメージを与える)を1パイント飲むことで、ブロートメイジは1時間の間、自分のレベルに等しい血脈の力(ボーナス呪文や習熟などは含まない)を使用する能力を得る。この能力は1日に1回使用可能で、血液を飲むには通常1分を要するが、《ポーション作成》特技を持つブロートメイジは血液を蒸留してポーションとして保存することで、標準アクションで飲むことができる。

吸収した血脈は、ブロートメイジのソーサラー・レベルの元々の血脈に加えられる。血液を飲むことで肉体的な栄養を得ることはないが、ブロートメイジとヴァンパイアを結びつける話の多くは、この習慣によるものだろう。

ソーサラーの持つ血脈に加え、血脈に関係するクリーチャーの例を以下の表に示す。GMの判断で、同様に作用するものが他にも存在することもあるだろう。

異形:全ての異形
奈落の者:全ての混沌にして悪属性の来訪者
秘術:全ての秘術の術者、または3レベル以上の秘術呪文または擬似呪文能力を持つ全てのクリーチャー
天上の者:全ての善属性の来訪者
運命の子:占術呪文を発動できる全てのクリーチャー
:全てのドラゴンおよびドラゴン種別のクリーチャー
元素:肉体および血液を持ち、元素またはエネルギーの副種別 (風、冷気、地、火、水)を有する全てのクリーチャー (サラマンダーなどを指し、ファイアー・エレメンタルは該当しない)
フェイ:全てのフェイおよびノーム
地獄の者:全ての秩序にして悪属性の来訪者
アンデッド:肉体および血液を持つ全てのアンデッド・クリーチャー (ヴァンパイアやグールなどを指し、スケルトンは該当しない)
最終更新:2022年12月25日 11:23