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クリフォト・ヴェクセニオン Qlippoth, Vexenion

この血のように赤い腫瘍の塊は、その不定形な姿から波打つような触手の山が生えており、その体は恐ろしい生命力で脈動している。

ヴェクセニオン CR 6 Vexenion

出典 Pathfinder #134: It Came from Hollow Mountain 86ページ
XP 2,400
秩序にして悪/大型サイズの来訪者混沌クリフォト他次元界
イニシアチブ +8;感覚 暗視60フィート、シー・インヴィジビリティ〈知覚〉+12
防御
AC 19、接触13、立ちすくみ15(+6外皮、-1サイズ、+4【敏】)
HP 76(8d10+32)
頑健 +10、反応 +6、意志 +9
防御能力 全周囲視覚不定形ダメージ減少 5/冷たい鉄あるいは秩序;完全耐性 [強酸]、[氷雪]、[精神作用]効果、毒;抵抗 [雷撃]10、[火炎]10;呪文抵抗 17
攻撃
移動速度 30フィート、登攀30フィート
近接 触手×4+11(1d6+3、加えてつかみ)
接敵面 10フィート;間合い 10フィート
特殊攻撃 吸収 (2d6[強酸]、AC 13、7HP)、身の毛のよだつ姿(DC 17)
擬似呪文能力 (術者レベル6;精神集中+9)
常時―シー・インヴィジビリティ
3回/日―アシッド・アロー
1回/日―スロー(DC 16)
一般データ
【筋】16、【敏】18、【耐】19、【知】11、【判】12、【魅】17
基本攻撃 +8;CMB +12(+16組みつき);CMD 26(足払いされない)
特技 《イニシアチブ強化》《鋼の意志》《渾身の一打》《武器熟練:触手》
技能 〈軽業〉+15、〈登攀〉+22、〈知覚〉+12、〈手先の早業〉+15、〈隠密〉+11、〈生存〉+12
言語 奈落語(話せない);テレパシー100フィート
その他の特殊能力 収縮、石の姿、多用途の触手
生態
出現環境 どこでも(アビス)
編成 単体、ペア、飢餓(3~6)
宝物 標準的
特殊能力
 吸収(超常)/Absorption:ヴェクセニオンは飲み込むための開口部が無いが押さえ込まれた状態の目標を即行アクションとして直接吸収することができる。ほとんどの点で、この能力は飲み込みと同様であるが、クリーチャーが脱出路を切り開いた後、クリフォトの体に穴が残っていないことを除く。ヴェクセニオンは一度に大型あるいはそれより小さいクリーチャーしか吸収できず、自身より大きいクリーチャーを吸収することはできない。クリーチャーがヴェクセニオンに吸収されている間に死亡した場合、クリフォトは所有物とともに死体を即座に吐き出し、3d6ポイントのダメージを回復する。

 収縮(変則)/Compression:ヴェクセニオンは無理矢理入り込むことなくマスの4分の1、あるいは無理矢理入り込むときに8分の1の小さな範囲を移動することができる。ただし、その移動は吸収したクリーチャーのサイズによって制限される。

 身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance:ヴェクセニオンの身の毛のよだつ姿に屈したクリーチャーは2d4ラウンドの間不調状態となる。これは[精神作用]の凝視攻撃である。

 石の姿(超常)/Stony Form:1分間精神集中することで、ヴェクセニオンは触手と目を引き抜き、体の周りに石の殻を形成することができる。この姿では外皮に+6の強化ボーナス、DR 10/殴打を得るが、移動したり、身体的なアクションを行うことはできない。全ラウンド・アクションとしてこの姿から元の姿を出現させることもできるが、そうすると、1ラウンドの間よろめき状態となる。

 多用途の触手(変則)/Tentacular Versatility:ヴェクセニオンの触手は主要攻撃として扱われる。ターン開始時に即行アクションとして、ヴェクセニオンは4本の触手のうち、1本あるいは複数を移動あるいは防御に専念させることができ、そのラウンドで行うことができる触手の攻撃回数を減少させる。移動に専念する各触手は、ヴェクセニオンの地上移動速度と登攀移動速度を5フィート増加させる。防御に専念する各触手は、1ラウンドの間ACに+1の回避ボーナスを与える。

 Sekatar-Seraktisのアビスの領域は混沌の代名詞であり、13柱の異なる潜在的な支配者が、バロール・ロード、ヴァヴァキア、ヴロリカイと争っているが、全てがクリフォト・ロード、ヤマソスの主張する部分だけを残している。Kingdom of New Fleshには、クリフォト・ロードの邪悪な実験体、お互いを食べ合う貪欲な怪物、そしてこの呪われた場所にたどり着くほど愚かで不運な他の存在によって占められている。これらの実験の中で最も繁殖力の強いものはヴェクセニオンと呼ばれアビス全域で繁殖している。この忌まわしきものは、巨大な膨満感のある脈動する腫瘍の外観を持ち、口がなく、輝く形から発芽する筋肉の触手で武装し、体から突き出て震える濡れた肉にすぐに消えることができる膨らんだ目がある。
 ヴェクセニオンは、膜状の皮膚を通してクリーチャーを物理的に吸収し、自身の不定形の姿煮することで肉を食べる。摂取したクリーチャーはクリフォトの酸によってゆっくりと溶かされる。肉が食べられると犠牲者の骨やその他の消化できない部分は吐き出され、ヴェクセニオンは次の食事に移り、永遠に狩りをし、永遠に空腹である。
 ヴェクセニオンはしばしばグリフォト軍の突撃部隊としての役割を果たし、攻撃の前衛として送り込まれ、前進する部隊の陣形を崩し、行く手にいる敵の兵士を掴んで吸収する。ヤマソスはこの気持ちの悪いものを使って独自の無限の実験のための材料を集めると信じているが、クリフォト・ロードはヴェクセニオンがどこに行こうとも気にしていないようである。そのため、このクリーチャーはアビスの中を疫病のように増殖している。これがヤマソスの究極の目的なのかもしれない。
 ヴェクセニオンは獲物を待ち伏せしやすい場所に潜んでることが多いものの、餌となる肉を見つけることができる場所であればほぼすべての環境に住んでいる:悪魔の十字路、廃墟、爆破された森など、高い枝や枯れた木の幹を利用して何も知らない獲物の上空を歩き回ることができる。実際のところ、これはクリフォトが獲物を追跡するための好んで用いる方法である。見事な登攀技能を使って木から木を移動し、鍾乳洞や廃墟となったデーモンの街の柱などは同じ目的を果たすために利用されている。
 粘体のような醜い外見にも関わらず、ヴェクセニオンは知的なクリーチャーである。言葉を発する器官を持たないが、テレパシーで空腹と食べ物の味を周囲の者と共有し、犠牲者の好みの味や食事について熱心に尋ねることに喜びを感じている。食べたクリーチャーの味を消化するときに共有するというヴェクセニオンの不穏な習性は、クリフォトの最もサディスティックな特徴であろう。
 ヤマソスの寺院やHollow Mountainの深淵部などヤマソスの異世界的で悪意のある存在が世界に浸透している場所では、ヴェクセニオンの捕食が無縁の場所ではない。ダンジョンは彼らのお気に入りの場所であり、その巨大な体にも関わらず、柔軟な体は狭い場所でもヌルヌル動くことができる――彼らの体が現在まだしっかりとした、そしてまだ苦しんでいる食事に夢中になっていなければの話であるが。

生態
 ヴェクセニオンは無性生殖を行う。十分な量の肉を食べた後、隠れ家を見つけて感覚を持たない幼生状態となり、目や触覚を自分の中に引っ込める。外側の肉はすぐに固まって石のようになり、この状態では周囲の岩とと見分けがつかない。24時間後、2体の完全に成長したヴェクセニオンが殻から呼び出し、各々が元の記憶を保持している。この殻の中で妊娠している間、ヴェクセニオンは真帆の液体を作成するときに追加の構成要素として使用すると、ポーション、エリクサー、あるいは類似の魔法のアイテムに影響を与える羊水の悪臭を放つ泥漿で煮込む(単に液体を既に作成したポーションやエリクサーと混合するだけで、魔法の飲み物を台無しにする)。キャラクターは、DC 21の〈生存〉判定に成功すると、妊娠中のベクセニオンの液体を収穫できる。その後DC 20の〈製作:錬金術〉判定に成功し、錬金術実験道具で8時間をかけて液体を精製する必要がある。この方法でヴェクセニオン1体で1回分の液体を供給することができる。ポーションやエリクサーを作成する際の追加の材料として使用すると、50%の確率で、出来上がったポーションやエリクサーは通常よりも2レベル術者レベルが高いものとして機能し、50%の確率でポーションやエリクサーの機能は正常だが飲んだ後1ラウンドの間吐き気がする状態となる。ヴェクセニオンの調合液の1回分の価値は1,000GPである。
 ヴェクセニオンはしばしばナイオゴスと混同され、一緒にいることがある。ただし、ヴェクセニオンのほうが知性が高く、待ち伏せや罠を仕掛けて無防備な獲物を捕らえるのに長けている。幸いなことにナイオゴスは、ヴェクセニオンが苦手とする唯一のクリーチャーであり、大いなる彼方でヴェクセニオンが口に合わないと感じる唯一のクリーチャーの1種である。
最終更新:2023年07月31日 21:02