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セーヴィング・スロー

 通常、有害な呪文に対して目標はセーヴィング・スローを行なうことができ、成功すれば呪文の効果の一部あるいは全部を免れることができる。呪文の解説にあるセーヴィング・スローの項では、その呪文に対してどのタイプのセーヴィング・スローができるのかが定義され、その呪文に対してセーヴィング・スローにどのような効果があるのかが説明されている。
 無効:この呪文は、セーヴィング・スローに成功した対象に対しては効果がない。
 不完全:この呪文は、対象にある効果を及ぼす。セーヴィング・スローに成功すれば、それより弱い何らかの効果が与えられることになる。
 半減:この呪文はダメージを与える。セーヴィング・スローに成功すれば半分(切り捨て)のダメージを被る。
 不可:セーヴィング・スローは行えない。
 看破:セーヴに成功すれば、対象は効果を無視できる。
 (物体):この呪文は物体に対して発動することができる。物体は魔法の力を持っているか、呪文に抵抗しようとしているクリーチャーが装備中(手に持っている、着用している、握りしめているなど)である場合にのみ、セーヴィング・スローを行なうことができる。後者の場合、物体は自分自身のセーヴィング・スロー・ボーナスの方が大きくない限り、そのクリーチャーのボーナスを使用する。この注意書きがあるからといって、この呪文が物体にしかかけられないということはない。この種の呪文の中には、クリーチャーにも物体にもかけられるものもある。魔法のアイテムのセーヴィング・スロー・ボーナスは(2+そのアイテムの術者レベルの半分)に等しい。
 (無害):この呪文は通常、有益であって害はないが、目標クリーチャーがセーヴィング・スローを試みたければ試みてもよい。
 セーヴィング・スロー難易度:呪文に対するセーヴィング・スローのDCは(10+呪文のレベル+術者の関連能力値ボーナス)である。関連能力値はウィザードの場合は【知力】、ソーサラー、バード、パラディンの場合は【魅力】、クレリック、ドルイド、レンジャーの場合は【判断力】である。同じ呪文でも、クラスによって呪文レベルが変わることもある。常に術者のクラスに対応した呪文レベルを使用すること。
 セーヴィング・スローに成功する:明らかな物理的効果のない呪文に対するセーヴに成功したクリーチャーは敵対的な力や“うずき”を感じるが、その攻撃の性質を正確に推測することはできない。同様に、目標型呪文に対してクリーチャーがセーヴィング・スローに成功した場合、術者はその呪文が失敗したことを感知する。クリーチャーが効果型及び効果範囲型呪文に対してセーヴに成功した場合、術者がそれを感知することはない。
 自動失敗と自動成功:セーヴィング・スローでダイスの目が1だった(1d20の結果が1になった)場合は常に失敗となり、その呪文にさらされたアイテムはダメージを受ける可能性がある(後述の『セーヴィング・スロー後にアイテムが助かったかどうか』参照)。ダイスの目が20だった(1d20の結果が20になった)場合は常に成功となる。
 自発的にセーヴィング・スローを取りやめる:クリーチャーは自発的にセーヴィング・スローを差し控え、呪文の結果を進んで受け入れることもできる。魔法に特別の抵抗力を持つキャラクターでさえ、望めばそれを抑えることができる。

表:魔法攻撃の作用を受けるアイテム
順番 アイテム
1
2
3 魔法のヘルメット(兜)、ハット(帽子)、ヘッドバンド(額環)
4 手に持ったアイテム(武器、ワンドなどを含む)
5 魔法のクローク(外套)
6 背負ったり、鞘に収めるなどした武器
7 魔法のブレイサー(腕甲)
8 魔法の衣服
9 魔法の装身具(指輪を含む)
10 それ以外
順番:作用を受ける可能性の高い順。

 セーヴィング・スロー後にアイテムが助かったかどうか:呪文の説明文で特記されていない限り、クリーチャーが運搬しているか着用している全てのアイテムは魔法による攻撃から助かったと見なす。しかし、クリーチャーのセーヴィング・スローのダイスの目が1だった場合、魔法にさらされたアイテムは害を受ける(その攻撃が、物体に害を与えるものであれば)。表『魔法攻撃の作用を受けるアイテム』を参照すること。そのクリーチャーが運搬しているか着用している物体のうち、どの4つがもっとも呪文の作用を受ける可能性があるかを調べ、その中からランダムにロールして決定する。ランダムに決定されたアイテムはその攻撃に対してセーヴィング・スローを行なわなければならず、その攻撃によるダメージを何であれ被る。
 クリーチャーが運搬しているわけでも着用しているわけでもなく、魔法の力もないアイテムは、セーヴィング・スローを行なうことはできない。たんにしかるべきダメージを受けるだけである。

呪文抵抗

 呪文抵抗は特殊な防御能力である。呪文抵抗を有するクリーチャーに呪文が抵抗されてしまったなら、そのクリーチャーに呪文を作用させようとする術者は術者レベル判定(1d20+術者レベル)でそのクリーチャーの呪文抵抗値以上の値を出さなければならない。防御側の呪文抵抗値は魔法攻撃に対するACのようなものである。この術者レベル判定には、術者レベルに対する全ての修正を含めること。

 呪文抵抗が呪文からそのクリーチャーを守るかどうかについては、各呪文の呪文抵抗の項と説明文に記載がある。多くの場合、呪文抵抗は抵抗するクリーチャーが呪文の目標になった場合にのみ適用され、抵抗するクリーチャーが既に効果を表している呪文に遭遇した場合には適用されない。

 “物体”と“無害”の記載はセーヴィング・スローの場合と同じ意味を表している。“無害”と記載のある呪文の効果を上記の術者レベル判定なしで受けるためには、呪文抵抗を有するクリーチャーは自発的に抵抗を止める必要がある(標準アクション)。そのような場合、術者は上記の術者レベル判定を行なう必要はない。

説明文

 呪文の解説のうち、この部分は、その呪文が何をし、どのように働くかを詳しく説明する。これ以前の項目で“本文参照”とあれば、その説明はここにある。

秘術呪文 Arcane Spells

 ウィザード、ソーサラー、バードは秘術呪文を発動する。信仰呪文と比べると、秘術呪文はより派手な効果のものが多い。

 呪文スロット:さまざまなキャラクター・クラス表を見れば、キャラクターが1日にそれぞれの呪文をいくつ発動できるかが判る。1日に使用できる呪文を入れる、この“空き”のことを“呪文スロット”と呼ぶ。低いレベルの呪文を高いレベルのスロットに入れるという選択肢は常にある。呪文の使い手の能力値が足りず、能力値がもっと高ければ使えたはずの呪文が使えない状態でも、スロット自体は得られる。ただし、そのスロットにはより低いレベルの呪文しか入れることができないのだ。

ウィザード呪文を準備する

 ウィザードのレベルによって、そのウィザードが準備し使用できる呪文数は制限される。【知力】が高ければ、ウィザードはいくつか余分に呪文を準備できるようになる。ウィザードは同じ呪文を2回以上準備できるが、その呪文1つ1つがそのウィザードの1日の呪文数にカウントされる。呪文を準備するためには、ウィザードには少なくとも(10+その呪文の呪文レベル)の【知力】がなければならない。

 休息:その日の呪文を準備するには、ウィザードはまず8時間眠らなければならない。ウィザードはその時間の間、片時も欠かさず熟睡状態にならなければならないというわけではないが、休息時間の間は移動も戦闘も呪文の発動も技能の使用も会話も、その他の肉体的精神的な努力を必要とするいかなる作業も控えなければならない。ウィザードの休息が中断されたら、中断1回ごとにそのウィザードが精神をはっきりさせるために休息しなければならない合計時間に1時間が加算される。また、呪文を準備する直前、少なくとも1時間は中断されることなく休息を取らねばならない。キャラクターが何らかの理由で眠る必要がない場合でも、呪文を準備する前に8時間の安静な休息を取らねばならない。

 最近発動した呪文による制限/休息の中断:ウィザードがごく最近呪文を発動した場合、力が流出してしまうため、新たに呪文を準備する能力が下がってしまう。次の日の呪文を準備する際に、ウィザードがその時から8時間前までに発動した呪文はすべてその日の呪文数にカウントされてしまう。

 準備時の環境:呪文を準備するためには、ウィザードにはちゃんと精神を集中できるだけの平穏さ、静寂さ、快適さが必要である。ウィザードの周囲の環境が贅沢なものである必要はないが、近くで戦闘が行われていたり、その他の大きな騒音がするなどの気を散らすものがあってはならない。荒れ模様の天気にさらされていれば必要な精神集中は妨げられるし、学習中に負傷したりセーヴィング・スローに失敗しても集中は妨げられる。また、ウィザードは学習に必要な自分の呪文書が手元になければならず、読むのに必要な十分な明りも要る。大きな例外が1つ:ウィザードは呪文書なしでリード・マジックを準備できる。

 呪文準備時間:休憩した後、ウィザードは呪文書を熟読してその日の呪文を準備しなければならない。キャラクターが全ての呪文を準備しようとするなら、それには1時間かかる。1日の呪文数のうち一部だけを準備しようとするならその割合に比例して短い時間で済むが、常に少なくとも15分はかかる。これは適切な精神状態を達成するのに必要な最短の時間である。

 呪文の選択と準備:呪文書から呪文を準備するまで、ウィザードが発動できる呪文はすでに前日に準備してあって、まだ使っていない呪文だけである。学習時間の間、ウィザードはどの呪文を準備するか選択する。すでに(前日の)呪文を準備しており、まだ発動していない場合、ウィザードはそのすべて、あるいは一部を捨てて、新たな呪文のための余地を作ることができる。

 その日の呪文を準備する際に、ウィザードは呪文スロットをいくつか空けたままにしておくこともできる。それ以降、その日のうちに、ウィザードは時間と状況が許せば、望むだけ何度でも準備のプロセスを繰り返すことができる。ただし、以前準備した呪文を捨てて別の呪文に置き換えたり、それまでに発動したために空いたスロットに呪文を準備することはできない。こうした準備には、休息によって精神をリフレッシュする必要がある。その日の初めに行った準備と同様に、この準備には少なくとも15分がかかり、ウィザードが1日の呪文数の1/4より多くの呪文を準備するならそれより長くかかる。

 準備した呪文の保持:ウィザードが呪文を準備してしまうと、定められた構成要素を用いて完成させ発動するか、あるいは捨てるまで、ほとんど発動済みの状態としてそのウィザードの精神の中に留まる。魔法のアイテムの効果やモンスターの特殊攻撃など、一部の出来事によって準備された呪文がキャラクターの精神から消されてしまうということもあり得る。

 死と準備した呪文の保持:呪文の使い手が死んだ場合、その精神に蓄えられていた呪文はすべて消えてしまう。ただし(レイズ・デッドレストレーションリザレクションなどの)強力な魔法は、キャラクターを生き返る際に失ったエネルギーも回復させることができる。

秘術魔法の文書

 秘術呪文を文字の形で記録するために、キャラクターは呪文に関わる魔法の諸力を書き記す複雑な表記法を使用する。この表記法で書くものは、母国語や出身文化圏がどのようなものであれ、同じシステムを用いる。とはいえ、キャラクター個人個人はこのシステムを独自の方法で用いる。他人の書いた魔法の文書は最も強力なウィザードにとってさえ、学習と解読に時間をかけねば理解できないものなのである。

 (他人の呪文書や巻物に文書で記された呪文など)秘術魔法の文書を解読するためには、キャラクターは〈呪文学〉判定(DC20+その呪文の呪文レベル)に成功しなければならない。この技能判定に失敗した場合、そのキャラクターは次の日になるまでその呪文を読もうとすることはできない。リード・マジック呪文を使用すれば、技能判定なしで自動的に魔法の文書を解読できる。その魔法の文書を作成した人がその場にいて読み手を助けてくれる場合も、自動的に成功する。

 キャラクターがある魔法の文書を解読したなら、そのキャラクターはその文書を再び解読する必要はない。魔法の文書を解読すれば、読み手は呪文を識別し、その効果がどんなものかだいたい判る(呪文の解説にある情報を得る)。魔法の文書が巻物で、読み手が秘術呪文の使い手なら、そのキャラクターはその巻物を使おうと試みることができる。

ウィザード呪文と借りた呪文書

 ウィザードは、既に知っており自分の呪文書に記録してある呪文を準備するために、借りた呪文書を使用できるが、準備が成功するか否かは確実ではない。まず、ウィザードはその呪文書を解読しなければならない(上記の『秘術呪文の文書』を参照)。他人の呪文書にある呪文を解読したら、その呪文を準備するために読み手は〈呪文学〉判定(DC15+呪文レベル)に成功しなければならない。この判定に成功したら、そのウィザードはその呪文を準備できる。以前にその呪文を準備したことが何度あろうと、借りた呪文書で呪文を準備する場合、そのたびに判定を行わなければならない。判定が失敗なら、そのウィザードは次の日になるまで同じ書物から再びその呪文を準備しようとすることはできない(しかし、前述のように、その書物を解読するために判定を繰り返す必要はない)。

ウィザードの呪文書に呪文を追加する

 ウィザードはいくつかの方法で、自分の呪文書に新たな呪文を書き加えることができる。ウィザードはウィザード呪文リストに含まれる呪文しか学ぶことはできない。

 新しいレベル時に獲得する呪文:ウィザードは冒険と冒険の間に、ある程度の時間を割いて呪文の研究を行っている。ウィザードのクラス・レベルを上げるたびに、ウィザードは自分の選んだ2つの呪文を獲得し、呪文書に書き加えることができる。ただで得られるこの2つの呪文は、そのウィザードが発動できるレベルのものでなければならない。

 他人の呪文書や巻物から写した呪文:またウィザードは、魔法の巻物や他のウィザードの呪文書に新たな呪文を見つけた時に、その呪文を自分の呪文書に書き加えることもできる。呪文の出所に関わらず、そのウィザードはまずその魔法の文書を解読しなければならない(上記の『秘術魔法の文書』を参照)。次に、ウィザードはその呪文の学習に1時間を費やさなければならない。その時間の終わりに、そのキャラクターは〈呪文学〉判定(DC15+呪文レベル)を行わなければならない。魔法の系統に専門化しているウィザードは、その新しい呪文が自分の専門系統のものであれば、この〈呪文学〉判定に+2のボーナスを得る。判定に成功すれば、そのウィザードはその呪文を理解し、その呪文を自分の呪文書に書き写すことができる(下記の『呪文書に新たな呪文を書く』を参照)。この作業によって、コピー元の呪文書が害を受けることはないが、コピー元が魔法の巻物の場合、書き写すのに成功した呪文は羊皮紙の上から消えてしまう。

 判定に失敗すれば、そのウィザードはその呪文を理解したり書き写したりすることはできない。1週間が経過するまでは、その呪文を再び学んだり書き写したりすることはできない。判定が失敗だった場合、書き写そうとしていた呪文が巻物から消えることはない。

 ほとんどの場合、ウィザードが自分の呪文書の呪文を書き写す権利を他のウィザードに与える際には、料金を取る。この料金は通常、呪文を呪文書に記録するための費用の半分である(『呪文書に新たな呪文を書く』を参照)。珍しく他にない呪文はより高い価格となるかもしれない。

 独自の研究:ウィザードは呪文を独自に研究することもでき、既に存在する呪文と同じ呪文を複製したりまったく新しい呪文を作り出したりできる。新しい呪文の研究にかかる費用と時間はGMの決定に従うが、最低でも1週間はかかり、研究する呪文のレベル毎に少なくとも1,000GPが必要となる。また、この研究には、複数回の〈呪文学〉と〈知識:神秘学〉の判定が必要になる。

呪文書に新たな呪文を書く

 新たな呪文を理解したら、ウィザードはその呪文を自分の呪文書に記録できる。

 時間:この作業には、呪文レベル毎に1時間かかる。初級秘術呪文(0レベル呪文)の場合、記録には30分かかる。

 呪文書のスペース:呪文は呪文レベル毎に呪文書の1ページを必要とする。0レベル呪文(初級秘術呪文)でも1ページは必要とする。呪文書は100ページある。

 材料と費用:呪文書に呪文を書き込む際の費用は、以下の表に示されている。新しいレベル毎にただで得られる呪文については、上記のような時間もかからず、費用も支払わなくてよいことに注意。

呪文レベル 記入コスト
0 5GP
1 10GP
2 40GP
3 90GP
4 160GP
5 250GP
6 360GP
7 490GP
8 640GP
9 810GP

呪文書の作り直しと複製

 ウィザードは失った呪文書を作り直すのに、呪文を学ぶ際の手順を使うことができる。すでに準備した呪文があるなら、ウィザードはそれらの呪文を呪文書に書き込むのと同じだけの費用で新たな呪文書に書き込むことができる。この作業によって、準備していた呪文はまるで発動してしまったようにウィザードの精神から消え去ってしまう。呪文を準備していなかったなら、借りた呪文書から呪文を準備し、しかる後に新たな呪文書に書き込むこともできる。

 既にある呪文書の複製を作るのは、作り直すのと同じ手順を踏むが、作業はもっと簡単である。必要時間とページごとの費用は半分になる。

呪文書の売却

 獲得した呪文書は、その中に書き込まれている呪文を購入して書き写すのに要する費用の半分の等しい価格で売却することができる。

ソーサラーとバード

 ソーサラーとバードは秘術呪文を使用するが、呪文書も持たないし、呪文を準備することもない。ソーサラーやバードのクラス・レベルによって、発動することのできる呪文数に制限がある(各クラスの解説を参照)。【魅力】が高ければ、ソーサラーやバードはいくつか余分に呪文を発動できるようになる。どちらかのクラスのメンバーも少なくとも(10+呪文レベル)の【魅力】がなければならない。

 その日の呪文の用意:毎日、ソーサラーとバードは呪文を発動する作業の心構えをしなければならない。ソーサラーとバードは(ウィザードと同様に)8時間休息する必要があり、その後、15分を費やして精神を集中させる(精神を集中させる際、バードは歌ったり、朗誦したり、何らかの楽器を掻き鳴らしたりしなければならない)。この期間の間、ソーサラーやバードは1日に使用できる数の呪文を発動するための心構えを行なう。こうしたリフレッシュの機会がなければ、そのキャラクターは前日に使ってしまった呪文スロットを回復させることはできない。

 最近発動した呪文による制限:リフレッシュの時から8時間前までに発動した呪文は、ソーサラーやバードのその日の呪文数にカウントされる。

 ソーサラーやバードのレパートリーに呪文を追加する:ソーサラーとバードは新たなレベルを獲得する度に呪文を修得する。それ以外の方法で呪文を手に入れることはない。新たなレベルを得たら、表『バードの修得呪文数』と表『ソーサラーの呪文数』を参照して、キャラクターは今では呪文をいくつ知っていることになるのか調べること。GMの許可があれば、ソーサラーとバードは自分たちが理解するに至った新たな珍しい呪文群の中から呪文を選ぶこともできる。

信仰呪文 Divine Spells

 クレリック、ドルイド、高レベルのパラディンやレンジャーは信仰呪文を発動できる。秘術呪文と違い、信仰呪文は信仰の源から力を引き出す。クレリックは諸神格や信仰の諸力から呪文の力を得る。自然の持つ信仰の力がドルイドとレンジャーの呪文に力を与える。秩序と善の信仰の力がパラディンの呪文に力を与える。信仰呪文は治癒と守りに重きを置いており、秘術呪文と比べると華々しくも破壊的でもない。

信仰呪文を準備する

 信仰呪文の使い手はウィザードとほぼ同じやり方で呪文を準備するが、いくつかの違いがある。信仰呪文に関係する能力値は【判断力】である(パラディンは【魅力】である)。信仰呪文を準備するためには、キャラクターは(10+呪文レベル)の【判断力】(パラディンは【魅力】)がなくてはならない。同様に、ボーナス呪文数も【判断力】に基づいている。

 時間帯:信仰呪文の使い手は、ウィザードと同様に呪文をあらかじめ準備しておく。しかし信仰呪文の使い手が呪文を準備するためには休息期間を必要としない。その代わり、キャラクターは1日の特定の時間帯を選んで、祈り、呪文を授かる。こうした時間は通常、何らかの日々のできごとに関係している。何らかのできごとのために、キャラクターが決められた時間に祈ることができなかったなら、可能な限りすぐに祈らなければならない。最初の機会に呪文のため祈らなかった場合、呪文を準備するのに次の日まで待たなければならない。

 呪文の選択と準備:信仰呪文の使い手は、1日の特定の時間帯に祈り、瞑想することで、あらかじめ呪文を選んで準備する。呪文を準備するために必要な時間はウィザードと同じである(1時間)。準備を行なうために比較的平穏な環境が必要なのも同じ。クレリックはいくつかの呪文スロットを空けたままにしておくことができる。その日のうちに、クレリックは望むだけ何度でも準備のプロセスを繰り返すことができる。その追加の準備作業では未使用の呪文スロットを埋めることができる。ただし、以前準備した呪文を捨てて別の呪文に置き換えたり、それまでに発動したために空いたスロットに呪文を準備することはできない。その日の最初のものと同様、この準備には少なくとも15分がかかり、1日の呪文数の1/4より多くの呪文を準備するならそれより長い時間がかかる。

 信仰呪文の使い手は呪文書を必要としない。しかし、信仰呪文の使い手の呪文の選択は自分のクラスのリストにある呪文に限られる。クレリック、ドルイド、パラディン、レンジャーにはそれぞれ別々の呪文リストがある。クレリックの場合、キャラクター作成時に選択した2つの領域も利用できる。それぞれの領域はいくつかの特殊能力とボーナス呪文を与える。

 呪文スロット:キャラクター・クラス表を見れば、キャラクターが1日にそれぞれのレベルの呪文をいくつ発動できるかが判る。1日に使用できるこの“空き”のことを“呪文スロット”と呼ぶ。低いレベルの呪文を高いレベルのスロットに入れるという選択肢は常にある。呪文の使い手の能力値が足りず、能力値がもっと高ければ使えたはずの呪文が使えない状態でも、スロット自体は得られる。ただし、そのスロットにはより低いレベルの呪文しか入れることができないのだ。

 最近発動した呪文による制限:秘術呪文と同様に、準備の時点で、その時から8時間前までに発動した呪文は、準備できる呪文数にカウントされる。

 キュア系およびインフリクト系呪文の任意発動:善のクレリック(や善の神格のクレリック)は準備した同じかそれ以上のレベルの呪文の代わりに、キュア系呪文を任意発動できる。ただし、領域呪文の代わりに任意発動することはできない。悪のクレリック(や悪の神格のクレリック)は準備した同じかそれ以上のレベルの(領域呪文でない)呪文の代わりに、インフリクト系呪文を任意発動できる。中立の神格の中立のクレリックはキャラクター作成時にプレイヤーがどちらの選択肢を選んだかによって、善のクレリックのようにキュア系呪文を任意発動するか、悪のクレリックのようにインフリクト系呪文を任意発動するかのどちらかである。キュア系かインフリクト系の呪文に置き換えられた呪文の信仰のエネルギーは、キュア系かインフリクト系の呪文が初めから準備されていたかのように、それらの呪文へと変換される。

 サモン・ネイチャーズ・アライ系呪文の任意発動:ドルイドは準備した同じかそれ以上のレベルの呪文の代わりに、サモン・ネイチャーズ・アライ系呪文を任意発動できる。サモン・ネイチャーズ・アライ系の呪文で置き換えられた呪文の信仰のエネルギーは、サモン・ネイチャーズ・アライ系呪文が始めから準備されていたかのように、それらの呪文へと変換される。

信仰魔法の文書

 信仰呪文は秘術呪文と同様、書き写したり、解読したりできる(『秘術呪文の文書』参照)。〈呪文学〉判定に成功することで、信仰魔法の文書を解読し、識別することができる。しかし、その呪文(の信仰呪文バージョン)が自分のクラスの呪文リストにあるキャラクターにしか、巻物から信仰呪文を発動することはできない。

新たな信仰呪文

 信仰呪文の使い手は以下の方法で新たな呪文を獲得する。

 新たなレベル時に獲得する呪文:信仰呪文を発動できるキャラクターは、冒険と冒険の間に信仰魔法の研究にある程度の時間を割いている。そうしたキャラクターが成長して新たなレベルの信仰呪文が使えるようになるたびに、そのレベルの新たな呪文を自動的に修得する。

 独自の研究:信仰呪文の使い手は秘術呪文の使い手と同じように、呪文を独自に研究することもできる。そうした呪文は作成者だけが準備し、発動することができる。ただし、作成者が他人と共有しようと思えば別である。

特殊能力 Special Abilities

 ある種のクラスやクリーチャーは特殊能力を獲得する。それらの多くは呪文のような効果を有する。

 擬似呪文能力:通常、擬似呪文能力は同名の呪文と同様に働く。擬似呪文能力には音声要素も動作要素も物質要素もないし、焦点具も必要ない。使い手はその能力を精神的に起動する。防具が擬似呪文能力の使用に作用することはない。例えその能力が動作要素のある秘術呪文に似ていたとしてもである。

 擬似呪文能力はその能力や呪文の解説に特に記載がない限り、1標準アクションの発動時間を有する。それ以外では、擬似呪文能力はまったく呪文と同様に働く。

 擬似呪文能力は呪文抵抗の対象となるし、ディスペル・マジックによって解呪されることもある。魔法が抑止されたり無効化される範囲では擬似呪文能力は働かない。擬似呪文能力は呪文の相殺のために使用することはできず、相殺されることもない。

 キャラクター・クラスが実際の呪文に基づかない擬似呪文能力を与える場合、その能力の有効呪文レベルはそのキャラクターがその能力を与えられたクラス・レベルの時点で発動することのできるそのクラスの呪文の最高レベルに等しい。

 超常能力:超常能力は戦闘中に中断されることはなく、たいていは機会攻撃を誘発しない。超常能力は呪文抵抗や呪文相殺の対象とはならず、ディスペル・マジックによって解呪されることもない。しかし、超常能力も、魔法が抑止されたり無効化される範囲では働かない。

 変則的能力:変則的能力は呪文とは違って戦闘中に中断されることはなく、たいていは機会攻撃を誘発しない。魔法を無効化したり停止させる効果や範囲は変則的能力には影響しない。これらの能力は解呪の対象にはならず、アンティマジック・フィールド内でも通常通り機能する。実際、変則的能力は物理法則を破っていることがあったとしても、魔法ではないのである。

 通常能力:この分類には、キャラクターが身体のつくりのおかげで持っている能力が含まれる。変則的能力でも超常能力でも擬似呪文能力でもないものは通常能力である。