アットウィキロゴ

平成30年度(2018年度)

【4】國分功一郎「中動態の世界」

〔問1〕
一般論と筆者の主張のギャップを埋めるパターン!
傍:しかし、〈「自分で」がいったい何を指しているのかを決定するのは容易ではない〉し、「意志」を行為の源泉と考えるのも難しい
①「〈 〉と筆者が述べたのは【なぜか】」
②接続語「しかし」に注目
 →文章構成:「意志をもって行為を遂行」(一般論)←Φ→「『自分で』の指すものがあいまい」(主張)
 →方針:一般論を打ち消すような話、なおかつ主張につながるような話が後ろに来るはずなので、それを追いかける
③具体例をカットし、主張を押さえる:「自分で意志をもって遂行しているとは言いきれない」
④○ イ「思い通りに操作できないものがある」
 × ア「他者と関わる行為では」(限定)
   ウ「心の中で起こる行為は」(限定)
   エ「集中することは難しい」(なし:言い過ぎ)

〔問2〕
傍:われわれは、〈「私が何ごとかをなす」という文がもつ曖昧さ〉を指摘した。
①「〈 〉とは【どういうことか】」
②ターゲット:「曖昧さ」(形容動詞的表現。どう曖昧?)
③○ エ「能動の概念に当てはまらない」
 × ア「受動の行為も含まれており」(逆)
   イ「受動の形式で表すと」(逆)
   ウ「『私』を省略することができる」(なし)

〔問3〕
①「第十二段の【役割】」
②接続語:「では」(転換)、「だろうか」(問題提起)
③中心文:「この二つは、いったいどこがどうずれているのだろうか」→整理
④○ ウ「改めて問題点を整理」
 × ア「反対」
   イ「根拠」
   エ「新たな視点」「詳しい説明」

〔問4〕
「矛盾」なので、「対応する対比」を探すパターン!
傍:意志は自分以外のものに接続されていると同時に、そこから切断されていなければならない。
①「筆者がこのように述べたのは【なぜか】」
②接続語「同時に」(並列)
 →並列の場合、対比なのかどうかも押さえる
 →今回は「接続」←→「切断」という対比(矛盾)
 →矛盾の理由説明なので、そこにリンクするようにそれぞれの説明を探す
③根拠1「自分以外のものから影響を受けている」
 根拠2「独立していなければならない」
④○ ア「影響を受ける」「主体的な判断」
 × イ「目的が変化」「実現することは変わらない」(なし)
   ウ「自分の意識から"も"制約を受けることのない」(逆)
   エ「客観的な判断力も必要」(なし)

平成29年度(2017年度)


【4】原田信男「日本人はなにを食べてきたか」

〔問1〕
一般論と筆者の主張のギャップを埋めるパターン!
傍:ただ細かな絶対年代の決定は難しいが、〈これは必ずしも生活史研究にとっての致命的な欠陥ではない〉。
①「〈 〉と筆者が述べたのは【なぜか】」
②接続語「が」に注目
 →パターン:「絶対年代の決定は難しい」(一般論)←→「致命的な欠陥ではない」(主張)
 →このギャップを埋めるためのヒントは「生活史研究にとって」(選択肢を見て気付いてもよい)
 →生活史研究→《 ? 》→「細かな絶対年代の決定」が「難しい」のは「欠陥ではない」
③「生活史の立場からすれば」
 「過去の人間がどのように生活していたのか、ということを追究しようとする努力が重要」「想像力を総動員してでも真実に近い判断を下す必要」
※大前提として、「歴史研究」の中に「考古学」「文献史学」があるという理解が必要。
④○ ア「当時の人間の生活のあり方を探究」
 × イ「作品の真偽を明確にする」(なし:無関係)
   ウ「よりも」(なし)、「食生活の変化を解明する」(なし:無関係)
   エ「年代を確定することが目的」(逆)

※オマケ
歴史研究 ― 歴史学(文献史学)・考古学・民俗学
(生活史研究は、この3学問どれにも該当する)

〔問2〕
①「第十段と第十一段との【関係】」
②接続語:「すなわち」(要約)、「したがって」(因果)
③中心文:「食料の生産や配分の問題までも視野に入れる必要」→要約
④○ ウ「要点を整理」
 × ア「根拠」
   イ「対照的」
   エ「具体的な事例を列挙(→複数挙げる)」

〔問3〕
傍:その社会に適合した食料生産の技術は、間違いなく文化の一部であり、どのように食べるか、という〈調理の技術や食事の方法も、同様に価値観の基礎を形成している〉
①「〈 〉とは【どういうことか】」
②ターゲット:「同様に」(イコール表現)
※イコール表現が出てきたら、「AもBもC」の図式に!
③A「食料生産の技術」も
 B「調理の技術や食事の方法」も
 C「価値観の基礎を形成」=「文化の一部」
④○ エ「文化を形づくる基本の一つ」
 × ア「よりも」(なし)
   イ「によって」(なし)
   ウ「食生活のあり方は人類の歴史文化の根本」(なし:無関係)

〔問4〕
「AによってB」→Aの説明!パターン!
傍:したがって饗宴や儀式などの場で、歴史的に行われる共食の意味を問うことによって、その〈背後にある社会関係を探ることも可能となる〉。
①「〈 〉と筆者が述べたのは【なぜか】」
②「AによってB」→Aの説明を探し、Bにつなげる
 Aの中の「共食の意味」を掘り下げる。(「~の意味」→その中身を探せ)
 共食の意味を問う→《 ? 》→社会関係を探ることも可能
③「同じものを同じ場所で同時に食する行為を通して、人間としての共同性を確認する」
④○ イ「同じ集団に所属することを確認する」
 × ア「ひとりでの食事を避けてきた」(なし)
   ウ「固有の文化となって現代に残っている」(なし:無関係)
   エ「食事を行う"本来"の理由である」(なし:言い過ぎ)

平成28年度(2016年度)


【4】名児耶明「書の見方」

〔問1〕
傍:〈書は美術からみてその外側のものとしてとらえられる〉ようになってしまった。
①「〈 〉とは【どういうことか】」
②ターゲット:「その」(指示語)、「外側」(否定→対比表現)、ようになってしまった(変化→対比表現)
※否定が出てきたら、○×の図式に!
※変化が出てきたら、矢印の図式に!
③〈明治以前〉書=美術(×)
  ↓
 〈明治以降〉書=実用(○)
※接続語に注目するなどして、対比を整理!
④○ エ「書は実用のもの」「美術という概念に当てはまらない」
 × ア「明治時代に中国の影響を受け」(逆)
   イ「実用の範囲から外れる」(逆)
   ウ「仏教美術と同じように」(逆)

〔問2〕
傍:また、〈文字に芸術性を感じさせるようになるには、文字そのものの造形の美しさが不可欠である〉。
①「〈 〉と筆者が述べたのは【なぜか】」
②パターン:間を埋める。造形の美しさ→《 ? 》→芸術性
③「それ(造形美)があれば、第一印象で美しいと感じる」
④○ ア「第一印象で美しさを感じることができる」
 × イ「誰でも読むことができる」(逆)
   ウ「実用性がそなわるよう」(逆)
   エ「感覚や個性を反映できる」(なし:無関係)

〔問3〕
①「第六段の【役割】」
②接続語:「こうした」→まとめ、「さらに」→追加
③中心文:「再現しながら鑑賞できる」→発展的展開
④○ イ「鑑賞に至る過程」
 × ア「要約」
   ウ「根拠」
   エ「反対する立場」

〔問4〕
傍:古典に立脚しない思いつきによる表現をしても、それは、簡単に崩れ去る可能性が高い。
①「筆者がこのように述べたのは【なぜか】」
②パターン:間を埋める。古典に立脚しない思いつき→《 ? 》→崩れ去る
③「徹底した制約での鍛錬を乗り越えた時は、それまでの基本をすべて身につけているため、そこに生まれた新しさは堅固なものとなり、時代が進んでも生き残る強さを獲得する」(傍線部と逆の内容)
  ↓要約
 「制約○→基本○→堅固・強さ○」
  ⇔「制約×→基本×→堅固・強さ×」
④○ ウ「制約を無視」「堅固さがない」
 × ア「古典にとらわれないまったく新しい書表現が生み出されることは→まれ」(逆)
   イ「制約を守るだけでは→新しさが加わる余地はない」(逆)
   エ「古典の造形美を踏まえて→新しい美をつくることはできない」(逆)
 ※選択肢が因果関係で書かれているので、つながりをしっかり確認!

~別の解説~
【四】
〔問1〕
 「どういうことか」と聞かれていますから、「言い換え」の問題です。傍線部には「書は美術からみてその外側」とありますから、簡単に言うと「書は美術ではない」ということでしょう。これに関する説明を探そうと思いながら第三段を読むと、3行目に「実用の文字からはじまり、その先に芸術性をそなえていく」とあります。つまり、「書は美術ではない」→「書は芸術性をそなえてない」→「書は実用の文字でしかない」ということになり、「実用」がキーワードとして拾えます。そして、5行目で、「実用の範囲に留まっていた」ときれいにまとめられます。この単純作業で、選択肢は一発でエに絞れます。
〔問2〕
 「理由」の問題です。傍線部を読めば、「造形の美しさ」=「造形美」が「不可欠」だと言っていることはすぐに分かります。では理由はどこにあるかですが、この傍線部は「また」という接続語ではじまっているので、明らかに根拠は傍線部より後ろにあるはずです。


[46] 黒田玲子「科学を育む」

〔問1〕なぜか
→傍線部が「Aだけでは不十分」という構文なので、「本来必要なもの」を探す!
①「しかし」
 →逆接(一般論→筆者の主張)
 →後ろが筆者の主張
②「どんなに正確な情報が得られても」「お腹は満たされない」
 →「情報だけでは不十分」という内容。
 →「では、本来は何が必要なの?」と考える
③【構造】傍線部「Aだけでは不十分」→→具体例→→まとめ「ともかく」「Bが不可欠」
 「傍線部の内容を、後ろで詳しく説明し、読者に納得させる」パターン
 →傍線部よりも後ろから根拠を拾えばよい
③「情報だけではなく」「食糧という物質がなくては、われわれは生きてはいけない」
 →「食糧」「物質」が必要!それを踏まえている選択肢を探す


〔問2〕第五段の役割
→第五段を強弱を意識して読む&選択肢の共通フレーズが何を指すか考える
①第五段の要約
 →「このように」以下をまとめればよい
 →「石油はエネルギー源&物質の原料という2つの用途を考えて使いたい」
②全選択肢に共通するフレーズ「それまでに述べてきた三つの観点」
 →情報、エネルギー、物質

〔問3〕どういうことか
→指示語問題!
①「それ」=(短い間に、われわれが)地球環境を変え、他の生物との関係も人間同士の関係も変えつつある
 →最もダイレクト(ストレート)に反映しているのはア
②一応、「光」=「恩恵」、「陰」=「悪影響」という言い換えも確認

〔問4〕なぜか
→事実上、ただの指示語問題!
①「こうした座標」の指示内容は?
 →直前は具体例なので前にさかのぼり…
 →「時間軸と空間軸の座標」
 →これだけで答えはエと決まる!
②一応、もう少し厳密にいくなら…
 →傍線部を要約「こうした座標の中に置かれて初めて、知恵が得られる」
 →「こうした座標→知恵」という因果関係
 →両者の関係を明確化する必要がある
 →「こうした座標」、「知恵」についての情報を集める
 →①と同じ結果に

[47] 酒井邦嘉「科学者という仕事」


〔問1〕どういうことか
→素直に傍線部の言い換えを選択肢から探す!
①部分の言い換えであることに注意。
 →「『何が科学でないか』を理解することも大切だ」を言い換える!
 →これだけで解けてしまう→エ!
②傍線部全体を視野に入れて考えてもよい。
 →視野は常に広く持つこと!問題文の条件は、解答するときに活かすこと。
 →今回なら、「逆に」という接続語があり、エにはこれの言い換え「むしろ」がある

〔問2〕なぜか
→傍線部の主語が理由になっており、そこにある専門的な(難解な)語句を掘り下げればおしまい。
①「逆説めいていて面白い」と述べたのはなぜか
 →部分に対して聞いている点に注意
 →「どこが逆説めいていて面白いの?」「何に対して逆説めいていて面白いと言っているの?」という問いにも置き換えられる
 →傍線部に書いてある!「反証できるかどうかが科学的な根拠となるというのは」。
  (「AするのはC」の構文→「AするとBだから」の形にもっていく、という問題だと考えてもよい)
②「反証」の定義確認
 →「反証」が初めて出てくるところを探す
 →「間違っていることを証明すること」
 →これで決まり!

〔問3〕なぜか
→「スタートとゴールを埋める」タイプの典型問題。直後に「これではこうなってしまう」とあるので理由も押さえやすい。
①傍線部が「AならばC」の構文→「AだとBだから」の形にもっていく
②A=「アポステリオリな知識しか科学的と認めない」
 →「アポステリオリ」という専門用語の定義を探す
 →「経験を根拠としていて反証できる」
③そのどこが「極端」なのか?
 →「極端」なので、マイナスな内容を理由として採用すればいいんだろう、ぐらいは意識する。
 →後ろに「これでは」と続いているため、そこが理由。
 →「果たして科学は進歩するのか」(反語というレトリック)
 →「科学は進歩しない」

〔問4〕第十一段と第十二段の関係
→第十二段をしっかり押さえられたか。
①2段落分をざーっと振り返ったうえで、第十二段に注目
 →「科学的な仮説に対しては、疑ってみることが、科学的な思考の第一歩」
 →イorウ
 →比較してやれば、ウの「まとめた」は、第十一段冒頭の「しかし」に対応しないとわかる

[48] 石川九楊「書に通ず」


〔問1〕どういうことか
→指示語以外が解答の決め手になる、やや面倒な問題。中身を補うべき言葉に気付き、その言い換えを図る!
①指示語「この」があるが、拾う必要はない。
 →だって、この「規範+美的工夫」、と既に具体化されているから。
②今回のポイントは「落とし穴」の中身。
 →段落末尾「無理があるようです」
 →「この事実を考慮に入れると」
 →指示語「この」
 →「実際には文字は歴史的にどんどんその姿を変えてきました」
 →【まとめ】文字は変わってきたのだから、規範を守るなど無理!

〔問2〕第七段と第八段の関係
→2段落目(2文構成)を読み、反復表現をキーワードとして押さえればおしまい!
①ざっとまず2段落分読む
 →ざっとまとめると…
 →「書は文字の美術」という井島勉の論に「致命的な欠陥」があることが、吉川幸次郎により指摘された。
②キーセンテンスは2段落目2文目
 →2段落目は「具体(引用)→抽象」となっているため
 →主述は「『書は文字の美術』という説は」「致命的な欠陥です」
 →可能なら、反復表現「欠陥」(=「脱け落ちている」)を強く押さえる
 →「問題点を指摘」のアが答え!

〔問3〕どういうことか
→否定語句の後ろを押さえてチェックをかければ解けてしまう!
①「AではなくB」のパターン
 →「点や線」ではなく「言葉そのもの」
 →「ではなく」は前を打ち消す表現なので、「言葉そのもの」を押さえる
 →この段階で選択肢に行ってもよさそう
 →アとエ:「AだけでなくB」なのでたぶん×
  ウ:「美をきめ細かく」 → 「線の美」を否定する文脈(問2でも確認済)だとわかれば、消去できる
②可能であれば、「言葉そのもの」を含む、というレトリカルな表現をしっかり前後で補充すべき
 →「切実な理由」があって書かれるもの
 →「切実な理由」の込められたもの→イ!

〔問4〕なぜか
→前提となる主張を見つければ早いが、厳しくても消去法で対応可能
①傍線部を読む
 →「書」とは「書く」ことだ、というのを強調している文。 「AとはB」の構文。
 →「書」についての説明でなおかつ「書く」につながりそうな内容を探す
 →直前の「言葉を出発点に考えるべき」「言葉を生み出すのは『書く』という行為」を押さえる
 →「『文字』を出発点に措いたところが誤り」という箇所から、対比も押さえる
 →一発でエ
②消去法も有効
 →ア:「芸術的な美」 → やはり「美」を肯定しているため、消去
  イ:「書道家」 → 傍線直後でその言い方を否定しているため、消去
  ウ:「見づらいものだ」 → 書いてないし、第十三段の内容と合わない

[49] 金沢創『他人の心を知るということ」


〔問1〕「この考え方」とはどういう考え方か
→シンプルな指示語問題
①指示語問題!
 →直前を押さえる
 →「他者の心の世界を、いかに意図的に変化させるのか。それこそがコミュニケーションなのである」
②傍線部が「この考え方は、~と真っ向から対立する」
 →対比になっている
 →対比も押さえる。つまり「~」の内容=「『意味』を伝達することがコミュニケーション」、という方向性の選択肢は切る

〔問2〕「筆者が述べようとしたこと」
→具体に対する抽象を探す問題
①傍線部以降を読む
 →「このように」でまとめられる
 →「前後の文脈や状況がはっきりとしていれば」
 →これで決まり!

〔問3〕なぜか
→傍線部中の指示語を明確化したうえで、方向性を意識して理由を後ろから追いかける!
①傍線部「決してそうではない」
 →指示語「そう」の内容を確認
  =「事例2は、事例1よりも、『あいまいな』コミュニケーション」
②傍線部=「事例2は、事例1よりもあいまいではない」
 →「AはC」の構文!→間を埋める
 →「事例2」についての説明で、なおかつ「あいまいではない」という方向性を持つ説明を探す
 →「事例2のBの発話が、明確な意図、意志をもって発言されている」
③一応、「明確な意図、意志」の内容がさらに次の段落で具体化されている
 →「相手の認知環境を変化させることをねらった」
 →ここを押さえても問題なし

〔問4〕第九段の役割
→中心文を探して、「前の内容の要約」だと気付けるか。
①中心文(段落のなかで、その段落の内容をもっともよく表している文)を探す
 →「しかし大事なことは、…Aの認知環境が劇的に変化している、という点だ」
 →ここを押さえて選択肢へ
 →明らかにここを押さえていないイは×、前の内容の要約であることからウやエも×

[50] 三井秀樹『形の美とは何か』


〔問1〕どういうことか
→レトリックを押さえられたかどうか
①「その美しさ」(指示語)
 →「自然の美しさ」
 →これだけで選択肢を見ても答えは選べなさそう(指示内容が薄いため)
②「二重写し」「複製」というレトリック(比喩)を押さえる
 →「テレビやメディアで見る自然と同じ」
 →この言い換えを含んでいる選択肢は1つしかない

〔問2〕なぜか
→長い傍線部を圧縮したうえで、理由を「それゆえ」の前から探す!
①傍線部が長いので、大事な箇所を押さえる
 →「自然が作り出した形や色・テクスチャから形の美を探るべき」(自然をもっと頼れ)
 →「自然こそ大切」  Aこそ大切の構文
②「それゆえ」とあるので素直に直前を押さえ、「自然」のメリットを探す
 →「自然が作り出す形が美しいのは」「結果的に無駄のない形となるから」
③段落冒頭に「つまり」があるからさらに戻ってもよいが、
 ②が根拠としては十分濃い(エッセンスは十分拾い切った)
 →ひとまず選択肢へ!

〔問3〕第八段の役割
→段落冒頭の表現を押さえ、前の段落との違いを考えるだけ!
①段落冒頭「二十世紀に入って」
 →過去から現代へと話が転換
②「忘却」(マイナス)→問題点

〔問4〕どういうことか
→傍線部単独で考えて答えが出せてしまう
①傍線部「襟を正して」「自然に畏敬の念をはらうべき」
 →この内容を素直に言い換えているのはエのみ!

[51] 沢田允茂『哲学の風景』


〔問1〕どういうことか
→指示語問題だが、指示内容を押さえるのにわりと苦戦する。
①「その/ほかの場所」
 →指示語
 →直前「同じこの世界のほかの場所」→「それは」→「同じ地平の彼方」→「水平線」
 ※一文が長いので、主述をきちんと捉えること!
 →これだけで答えは一目瞭然!

〔問2〕なぜか
→対比を意識し、傍線部の省略を補ったうえで、根拠を拾いにいくというやや手間のかかる問題
①傍線部に省略があることに気付く
 →「海では」を補う
 →「海では」「懼れ」や「従う」という感情は生まれない(+) 「AではB」の構文!
 →「山」との対比も意識すること!(山の前では、「従う」という感情は生まれる)
②「海」についての「プラス」な説明(「従う」とは逆の方向性の説明)を探す
 →直前の整理
 →「このように」以降を押さえる
 →「人間の生活に利用」「知性を働かさなければ」
 →これで一本釣り!

〔問3〕「どういう点で違っているというのか」
→事実上対比の整理が求められた問題
①「通路として利用」=新しいものに憧れる、という傾向(革新)
 「漁業や農業に従事」=過去の経験の中から学んだものを大切にする、という保守的傾向(保守)
②選択肢が「~という考え方に対してをもつという点」となっている
 →前半に「保守」、後半に「革新」という内容が来ればいい
 →イが答え

〔問4〕なぜか
→正直難問。傍線部を分析し、飛躍補充のパターンだと気付いてしっかり間を埋められれば正解できる。
①傍線部の分析が命
 →「川の流れを見ることは/人間に…哲学的な時間の観念に気づかせる唯一の機会」
 →「川の流れを見ることによってのみ、人間は時間の観念に気づく」 AによってBの構文!
 →「川の流れ」を見ると、どうして「時間の観念」に気づくのだろうか?
 →この、途中のプロセスを埋めればよい
②「川の流れ」についての説明を探す
 →「定まった一方向への推移」
 →これを踏まえているアが答え
③消去法も有効
 →イ:「感じることさえできない」→逆!
  ウ:「把握することは難しい」→逆!
  エ:「役割が変化」→なし
 →エは的を外しすぎているのですぐに切れるだろう。
  問題は、イとウを瞬殺で消せるだけの読解ができたかどうかである。
  たしかに傍線直前に「私のカメラでは…時間の姿…を再現することはできない」とあるが、
  これは裏を返せば「時間は目では見えないので、結果的に頭でイメージすることになる」ということ。
  その直前にも「イメージを与えてくれる」とあるので、そことの関連でつかんでほしいところ。
 →また、イは「実際の川を見ずに」という前提も本文不在なのでおかしい。

最短距離解法


とにかく、ストイックに「速く正確に解く」ことを追求した結果、生まれた解法です。
(内容を深く理解しての確認は、解ききった後にやればよい)

枠組みをしっかり与えないと、生徒は解法を再現してくれません。
ごまさずに、きっちり教えましょう。

【アプローチ法3原則】
①文章構成(論理展開)からアプローチ→筆者の主張をむき出しにする(当然、そこが解答根拠になりやすい)
②設問要求(出題者の条件設定)からアプローチ
③選択肢からアプローチ(しかし、①②が精確にできていればここに一生懸命になる必要はない)

①について
ここに徹した予備校講師が板野先生。
  • AではなくB → A=一般論、B=主張
  • AつまりB → B=抽象ならそこを押さえる。B=具体なら前後両方押さえる
  • 幅広い指示語「このように」「こうして」
 →直後の抽象的内容と、その後の展開を押さえる
  • Aとは~ → 定義内容を押さえる
  • 傍線部前後の指示語 → 指示内容を押さえる。傍線部を受ける指示語にも注意!

【読み方に関して】
  • 100%の理解を目指す必要は全くない。
  • 基本線を捉えるような感覚で読もう。
  • まずテーマ(何について話しているか)がざっくり捉えられること。
  • 次に、論理関係を意識して読むこと。
 特に「抽象―具体」「対比」への気付きは非常に重要。
 →それだけで誤答選択肢が切れることも多い
  • 解きながら理解を深めていく、という観点も忘れない
 (もちろん、100%読める力のある人はそのスタンスで問題も全問正解してほしい)

【全解法に共通】
  • 選択肢内にあからさまな共通フレーズがあれば、それをもとに考える
 (それが本文のどこにあるのか探す)
  • 傍線部がわからない、その段落の中を精読してもわからない…
 →①頭の中で音読してみる。抑揚をつけて読んでみることで、雰囲気はつかめる。
  ②主語・述語を捉える。

【「どういうことか」「なぜか」に共通(傍線問題)】
→とにかく傍線部を分析!
 「傍線部から離れると正解から離れる。正解から離れると合格から離れる」
①傍線部を分析
1)長い一文は要約(場合によっては構文変換
 →述語を捉え、そこに係る必要な要素を付け足して理解
2)省略を補う
3)注目すべき表現を確認
 *まずは指示語接続語を確認
 *なければ、それっぽい言葉(カギカッコつきの言葉、専門用語、頻出語句、四字熟語、慣用句、ことわざ、故事成語、比喩)を確認
 *指示語→指示内容を明らかに
 *比較・逆接・否定の接続語→その前は打ち消して、後ろに焦点をあてて考える
4)対比の有無を確認(傍線部前後も見つつ)
方針を立てる
 →前後の文脈を見る必要の有無
 →ある場合、何を探せばよいのかイメージする
根拠を拾う
1)文章構成からアプローチ
 →傍線部がその意味段落内で前置なのか後置なのか。
 *前置=これから詳しく説明することを先にまとめている=オープン(これから開く)
 *後置=これまで説明したことをまとめている=クローズ(そこで閉じる)
 *よくある型として、以下の論展開を押さえておく。
  一般論→逆接→(問題提起)→主張A→具体例・理由→主張A(主張A’)
  ※「具体例・理由」の部分で、一般論と主張のギャップを埋めている。
2)対比は整理(ないしは対比相手の説明をカット)
 →選択肢の切り分けが容易になる
3)具体例はカット(ないしは抽象化)
4)シンプルに「探す」「追いかける」

〈「傍線部の構文→方向性」のパターン〉
→注目すべきところ(交通標識)に注目できるか!それができれば勝ち!

◎構文変換
  • 強調構文「~するのはAだ」→Aは~する。(例)残ったのは悔しさだけだった。→悔しさだけが残った。
  • 無生物主語構文「AはBにCさせる」→AによってBはC

◎注目すべき表現とそれへの対応
指示語→具体化
レトリック(主に比喩)や慣用句→一般化
筆者独自の表現、専門用語→定義を探す
中身が気になる言葉(Aの性質、本質、特徴、意味)→Aの中身を探す
形容詞・形容動詞的な表現(価値判断)「Aだ」→何がどうAなのか
露骨な類比表現(似ている、同じ)→共通点
露骨な対比表現(対立、違う)→相違点
否定表現(Aは誤り、間違い、Aでは不十
分、Aではない)→デメリットと本来のあり方(肯定)→「BはダメでAがヨイ」(〇✕の図式)
逆説表現(不思議、Aと同時にB)→「本来AなのにB」「AだがB」(対応する対比を別の箇所に探す)
変化(変化、変更、〇〇化、ようになる)→AからBへ(矢印の図式)

◎前提条件の発見→情報収集(掘り下げる)
A(キーワード)とはBだ→Aの説明かつBにつながる説明を探す
AするとBだ、AならばB、AしてもB→Aの結果かつBの原因を探す(途中を埋める)
Aにとって、Aにおいて→Aの立場・状況についての説明を探す
強い肯定表現(Aが[こそ]必要・大切・不可欠)→Aのメリット・目的を探す



【どういうことか】
①傍線部全体の言い換えか、部分の言い換えかを意識
 ※全体なら→部分に分けて言い換える
 ※部分なら→そこに集中!
②傍線部前後の確認が必要かを意識
 →「傍線部→選択肢」の直行型(単独で理解)か、「傍線部→前後→選択肢」の経由型(前後で補充)かを確認!
 ※経由型になるのは、「指示語」と「中身を補うべき言葉」があるとき。
  「指示語」なら指示内容を明らかにする。
  「中身を補うべき言葉」「レトリック(工夫された言い回し)」(レトリカルな表現)なら、中身を掘り下げる。
 ※「指示語」が決め手になる問題とならない問題(指示内容が薄いときなど)があるので、
  これは問題を訓練していく中で判別できるようにすること。

【なぜか】
ポイント:傍線部単独では、理由の説明が必要になる(=非自明性がある)場合に問われる。
     →したがって、「どういう前提を足せばそれが帰結するか」「何を補足すればスムーズにつながるか」といった方向で考えるのが基本。
     →ギャップを埋める(2つの要素を結びつける)のが基本解答方針、と言ってもよい

⓪文脈の確認
 →ここまで何の話をしてきて、これから何の話をしようとしているかを意識し、解答の方向性を掴む。
①結果を押さえる
:傍線部を分析し、論証責任が生じている言葉=結果Bをピンポイントで押さえる。
※結果をむき出しにする方法
  • 単文(AはB)の場合は、述語(B)を押さえる
  • 重文(「私はSがPだと考える」等)→埋め込まれたSPを押さえる
  • 複文で「一般論Aだが主張B」→主張を押さえる
  • 複文で「AならばB」「AしてB」「AするとB」「AしてもB」→Bを押さえる
※傍線部が「BためにA」の構文になっているときは、Bが結果(因果関係の倒置形)
 ただし、この構文の場合、「Bために」が省かれる場合も多い
 その場合はBを補うような意識で解く
②理由の条件を押さえる
:結果につながりそうな要素Aを、①で押さえた部分以外から探す
③根拠を拾う:Aの説明・結果、Bにつながる説明を探す
※基本的には、問い「筆者がこのように述べたのはなぜか」→答え「~と考えたから」と対応しているので、「筆者にどんな考え前提にあって、そのような判断が導き出されたのか」を問うている。
 したがって、筆者の主張を暴き出す・あぶり出すような意識で答えを探すとよい。
 つまり、対比相手や具体例をカットし、強調表現に注目する。
※文章の構造、情報の配置からのアプローチを大切に!
④因果関係の成立を確認:「だから」でつなげる
 →成立しない場合や、そもそも情報が存在しなかった場合:自分で補充




【段落の役割】
  • 句点のところに/を入れながら、その段落が何文構成か意識して、まずざっと読み直す
  • その段落のキーセンテンス(中心文)を探す
 →探し方① 具体をカットする
  探し方② 強調表現に注目する
 →一文が長いときは、骨組み(基本は主述)を取り出して理解する
  • そこに反復表現があれば、キーワードとして押さえる(これは可能ならやるでOK)
  • キーセンテンスとは、①他の文よりも強く、②反復表現のある文のことである。
 →したがって、「強い文を探す」という意識がかなり重要!
  • 2段落間の関係を聞いているときは、2段落目のキーセンテンスを取り出すとよい

【テクニック】
  • 都立の大問4の解答は、これまでずっと「1記号1使用」になっている
 →解答の確認にかなり使える!

都立の論説文問題のパターン分類


■なぜか
→傍線部中に2つの要素を見つけ、それぞれについての情報を集める(充実させる)
  • 傍線部中の逆接「しかし」・文中「が」→「一般論←Φ→主張」(H30問1、H29問1)
 →一般論を打ち消す説明、主張につながる説明を探す
  • 傍線部中の並列表現→Aと同時にB(矛盾)→対応する対比を探す(H30問4)
  • 傍線部中の因果関係「AによってB」→①Aの説明or結果、②Bにつながる説明、を探す(H29問4)
  • 「BするにはAが必要」→「A→Φ→B」→①Aの説明or結果、②Bにつながる説明、を探す(H28問2)
  • 「AしてもB」→「A→Φ→B」→①Aの説明or結果、②Bにつながる説明、を探す(H28問4)

■どういうことか
  • 「AはBだ(形容動詞)」→AがどうBなのか(H30問2)
  • 傍線部中の類比表現「同様に」→何と何がどう同じなのか(H29問3)
  • 変化の表現「~ようになる」→対比を整理(H28問1)

要約練習問題

距離をいう制約を超えてコミュニケーションを可能とする情報テクノロジーは、社会構造を変えるほどの力をもっており、二一世紀の社会のあらゆる面で不可欠な要素であることは議論の余地はない。(黒田玲子「科学を育む」)

言い換えの訓練



理由説明の訓練

理由の方向性を意識しながら、好きなように解答を作ってみよう。
(例)機械は人間の職を奪う。
→「人間の職を奪う」が結果
→理由の条件として「機械」の説明が必要
→解答例:機械のほうが人間よりも効率的に仕事できるから。
(例)雨が降って、水たまりができた。
→「Aして→B」という因果関係になっているので、当然「水たまりができた」が結果
→理由の条件は「雨が降った」
→雨が降った結果を説明し、「水たまりができた」につなげればよい
→解答例:雨が降ることで、地面が濡れるから。
(例)人間は、持てる限りの知恵や技術を働かせて環境に適応してきた。
→考え方① 「知恵や技術を働かせて→環境に適応」という因果関係になっているので、「環境に適応」が結果
→解答例①:知恵や技術を働かせることで、環境を人間に合ったものに作り変えることができたから。
→考え方② 「知恵や技術を働かせ」が結果で、その理由の条件が「人間」
→解答例②:人間は、肉体的な面では環境に適応する能力は高くないから。
(例)太郎はお腹がすいた。
→「お腹がすいた」が結果。「太郎」が理由の条件
→解答例:太郎は部活で疲れたから。
(例)運動会が中止になったので、夕飯のおかずが増えた。
→解答例:運動会中止により、お弁当に入れようとしていたおかずが夕飯に加わったから。
(例)この店の料理は人気だ。
→解答例:安くておいしいから。
(例)私はパンが好きだ。
→解答例:安くておいしいから。
(例)テストの結果を母にほめられたことで、胸が苦しくなった。
→解答例:その結果はカンニングして出した点数だったから。
(例)日本では自分の利益になることは言わないで置いたほうがいい。
→解答例:日本では~~だから。
(例)東京旅行に上着は不要だ。
→解答例:今は夏で蒸し暑いから。(上着を着ても蒸し暑いだけだから。)
(例)小林秀雄は、青春については触れていない。
→解答例:小林秀雄は、何かを論じるのではなく生きて見せるタイプの人間であり、そのため青春が自明のもので、死角に位置していたから。
(例)バイキンマンと戦うには、アンパンが必要だ。
→「バイキンマンと戦う」(目的=結果)ためには「アンパンが必要」(手段=原因)
(例)「ムカツク」を使わない世代にとっては、「ムカツク」は、聞くだけでも不愉快になるような言葉である。「ムカツクと平気で人に言う子どもは、それを聞いた人間がどんな嫌な思いをするかをわかっていない、断罪するべし」という教師の意見も聞かれる。この世代間のギャップは、この言葉をあまり使わない世代が、この言葉を今の子どもより重く考えているところから生まれている。重くとらえる世代にとっては、ムカツクと相手に言うことは、「吐き気がするほど嫌いだ」と言うように、絶縁宣言のような重大事だと感じる。
→解答例:「ムカツク」を使わない世代は、「ムカツク」という言葉を、「ムカツク」を使う世代よりも重く考えているから。
(例)高校の卒業は、ムカツクを使う回数が減る一つの区切りになっている。使う頻度も減少するが、それ以上に、状況を見きわめて使う程度が高くなる。高校では、教師に向かっても日常的に「ムカツク」と言っていた子どもも、専門学校や大学の教師には言っていないのが普通だ。仕事場では、同僚同士の私語としては使われていても、面と向かって上司に言うことは考えられない。その意味では、「ムカツク」を吐き出すのは、甘えられる状況であると当人が考えていることを示している。高校は、甘えられる場所とされているのだ。
→解答例:高校を卒業すると、甘えられる状況がなくなってくるから。
(例)松尾芭蕉の句に詠まれるように、スミレは山道のやや明るいところによく生えている。しかし、山野に咲くイメージが強いスミレも、気をつけてみるとコンクリートの割れ目や石垣の隙間など、街のなかでも見ることができる

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2019年07月22日 17:13