イラナイツ(FE)

登録日:2014/11/02 Sun 03:26:47
更新日:2025/04/22 Tue 15:22:04
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\テーテテテテー♪/
LEVEL UP!


\・・・/
(0ピン)



概要

イラナイツとは、ファイアーエムブレムシリーズにおいてプレイング面で不遇な境遇にあるユニットの事を指す。
ストレートに言えば プレイヤー(あなた)が特に使わない、出番がないユニット の事。
つまり主観によって変わってくる用語である。

語源は いらない+騎士たち(ナイツ) 辺りか。



そもそもイラナイツとは何なのか

ファイアーエムブレムには多数のユニットが登場し、それぞれがクラス・武器・成長率・支援・キャラ性などで差別化されている。
が、このゲームは非常にユニットが多いため、相対的に埋もれてしまう性能のユニットも珍しくない。
登場人数に対して出撃制限が厳しいケースもあり、レギュラーを勝ち取れないユニットは倉庫の肥やしの如く忘れられていく。
FC~SFCの頃では特にナイト系の仲間が多く、その中でも特に弱い数人を動画サイトで「イラナイツ」とひとまとめに扱うネタが生まれた。現在は必ずしもナイト系だけを指す用語ではなくなっている。

それがプレイヤー個人の感覚というだけであれば、
  • あまり強くない
  • 役割が被ってる
  • 出撃枠が足りない
  • 今の主力で間に合ってる
  • 育てるのがメンドイ
…辺りがよくある理由になるだろう。優秀な性能でも必ずしも出番があるとは限らない。
しかし「多くのプレイヤーがイラナイツ扱いをしているキャラ」となると、それは自然と 性能面で劣るユニット が該当しやすくなる。

特に作品黎明期の紋章まで(およびDSアカネイア作品)のイラナイツの大半は ただただ純粋に弱すぎて、ドーピングを使わねばどうにもならないキャラが多い。
そしてわざわざ希少なドーピングアイテムを使うくらいなら一軍メンバーに使った方が良いとなり結局使われない。


いくらイラナイツと呼ばれていても、「俺の○○は強く育ったよ」と言う場合もあったり、弱くてもドーピングや成長吟味次第ではどうとでもなるが、あまりこの2点は考慮されない。
前者の場合は一部例外を除いてFEの成長は基本的にランダムであり、後者はそれを使えばどんなユニットでも強くなるためである。
かと言って、個人的に弱く育ったキャラクターをイラナイツ認定したりするのは良くないし、そもそもこの呼び方を良く思わないプレイヤーもいるので使いどころには注意すべきだろう。

作品によってはフリーマップ(外伝/聖魔/覚醒以降)や拠点育成(蒼炎/暁)、別系統兵種へのクラスチェンジ(新暗黒竜以降)やレベルリセット(覚醒/エンゲージ)が可能なため、手間さえかければどんなに成長率の低いキャラでもステータスを限界まで引き上げることができるようになっている。



イラナイツと呼ばれるユニットの特徴


  • :成長率、またはレベルがカンストした時の能力期待値が低い
このゲームではキャラ毎に各ステータスの成長率が設定されている。
極端な話、最初はどれだけザコでも成長率さえ平均的なら、鍛えれば何とかなるのである。
しかし、このゲームにはその成長率に愛されなかった者が多く、FC~SFC時代の多くのイラナイツがこれに入る。
「全体的にまんべんなく低い」「兵種的に重要な能力が低くて使いにくい」等により、育ち切った時の能力期待値が低いという事態が必然的に起きる。
期待値は「成長しきった時に大体この位の能力になる平均値」という意味で、期待値が低い場合、6割位は成長率が低いせいである事が多い。
そのため、能力期待値が明らかに低いユニットは何らかの特別な能力でもない限り、必然的にイラナイツ筆頭候補になる。
但し、初期値やレベルアップの回数も期待値に絡むため、成長率が低い=即イラナイツという訳ではない。


  • :初期値が低い
能力の上限が上昇していった頃のシリーズで見かけるパターン。GBA頃に顕著。
平均的な成長率があっても、初期値に恵まれないと育成自体に苦労する上、初期値に引っ張られ期待値もあまり高くならないというケースも少なくない。
物語が進むにつれ初期値の高さも求められやすくなるため、後半加入の初期値が低いユニットは使い物にならず、よりイラナイツの対象として選ばれやすい。
高難易度が選択できるタイトルだと、中盤や終盤における敵ステータスのインフレに追い付けないケースが多い。特にDS新・紋章の謎ルナティックで顕著。


  • :初期上級職
最初から上級職のユニットはそこそこ初期ステが高いものの、兵種の短所にあたる部分の初期値や成長率に不安を抱えており、幅広く活躍させるのは難しいことが多い。
対して下級職からのユニットは初期ステが低い代わりに、成長率はそれなりにあり、レベルアップ回数やCCボーナスもあるので、大事に育てると色々な使い方ができる。
つまり、初期下級職を育てた方が強いユニットが生まれるのである。
そんな訳で初期上級職の多くは、下級職が順当に育ったならまず使われないのでイラナイツ扱いされる事が多い。
特にSFC紋章の謎までの上級職は初期値がたいして高くない事が多く、なおの事イラナイツに拍車をかける。

但し、初期上級職のキャラはあくまでお助けキャラ・即戦力・キャラクターロスト時の補充要員という要素を秘めている事が多い(いわゆるお助けキャラ、ジェイガンポジ)。
代表格のジェイガンとて、メディウス戦にはとても連れていけないが、序盤の終わり位までは銀の槍を駆使すれば戦力にはなれたりする。
また、全ての初期上級職が成長率や成長回数に難を抱えている訳でもない。終盤頃にはそんな例外が紛れているケースだってある。
時には専用武器などによって、叩き上げには得られない立ち位置で存在感を示してくれる。

後のシリーズになるほど初期上級職ユニット達は場面にあった初期値を得たり、経験値が入っても嬉しいように成長率も上昇傾向にあるが、
たまーに新・暗黒竜のアランとサムソンの様に初期値はそのまま、初期レベルが上がった謎調整のせいで絶望的に成長の幅が狭まったと言う例もあるが…


  • :ウリにしている能力が微妙、または不釣り合いで活かせてない
同じ数値であってもステータスの価値はそれぞれ異なる。
作品やユニットの兵種にもよるが、移動力以外では攻速と回避率の両方に関わる速さが最も重要であるとされる事が多い。
次いで戦闘ダメージや杖の効果に直結する力or魔力。ここまでは全作品、全ユニットで重要視されやすい。
他は作品のバランスにもよるが、重要性が低いケースでも低すぎると流石に辛いケースは多い。

他の能力が低すぎるせいで長所すらロクに活かせないこともある。
よくある弱キャラの例として、

  • 力は高いが技と速さが低いため、空振りが多い上に追撃が出せずダメージ効率で劣る&敵の追撃で死にやすい
  • HPが高いが速さ・守備・魔防が低いため一発毎の被ダメージが多く、追撃で更に削られる。または幸運が低いため敵の必殺で呆気なく事故死することがある
  • 体格はあり重い武器と相性が良いが元が鈍足なため、素早くて小柄なキャラよりも攻撃速度で劣り、救出を受けるのが難しい
  • 技と武器レベルが高いが鈍足なため、素早く追撃しやすいキャラの方が敵にダメージを与える機会が多く武器レベルでも追い抜かれる

などがある。そして上3つを満たしているのが(主にGBAの頃の)パワー型戦士である。


  • :下位互換/見劣り
そのユニットの性能がよかろうが悪かろうが、同じクラス・役割、加入タイミングなどほとんどの点でそのユニットを上回るユニットが存在し、明らかに見劣りしてしまうケース。
例えば暗黒竜では、ビラクハーディンの、ミシェランはトムスの下位互換。
暁ではあまりにも優秀なラグズ王族により、竜鱗族以外の全ての一般ラグズはその性能問わず大きく割を食っている。
極端な例だが、新暗黒竜や新紋章では兵種変更によって緩い制限で好きなクラスになれるため同性すべてが比較対象になり得る

とはいえ、「上位互換側をロストした時の補充要員」という出番がありうるFEでは、これだけの理由でイラナイツ扱いとはなりにくい(兵種が強力だったり、他の兵種では代えのきかない要素がある場合)。いくら下位互換だ見劣りだといっても、育ててれば最低限の活躍をしてくれる者もいる。
多くのプレイヤーが認めるイラナイツとなれば、他の要因との合併症を起こしている場合がほとんど。


  • :仕様などに恵まれていない
たとえば、加入が遅いのにニノやミルラのような高成長率もなく、アトスカレルなどのお助け性能すらないために使いにくいとか。
他にも、CCがない兵種、バグ持ち、メリットがメリットになっていない等でこういった立場にあるキャラはいる。


  • :下級職なのに初期上級職に期待値で負ける
下級職限定 。GBA辺りから増えてきたパターン。
3でも述べた様に基本的に下級職は初期上級職キャラに期待値で勝つはずなのだが、逆に大部分で劣ってしまうというもの。
比較対象が極端に強い場合もあるが、イラナイツ扱いされるとなると本人が弱すぎる事が多く、勝る部分は大体HPや回避偏重な作品における守備、逆に受け偏重なら技といった重要度の低い能力。
これに該当するキャラは初期上級職が加入するとともに即乗り換えられる運命にある。

初見プレイの場合、しばらく経験値を与えてレベルを上げてみないと弱さに気づけないという点で、ある意味一番厄介な存在である。


  • :一時離脱する
特殊なケース。後に再加入した時にはもう見劣りしている事が多い。
それが顕著だった『暁の女神』より後の作品では、一時離脱がある場合にレベルとその分のステータスが引き上げられるなどの救済措置が取られている。



作品ごとの傾向


暗黒竜と光の剣/紋章の謎

シリーズ黎明期という事でバランス調整も大味かつ煮詰めきってない印象が強く、「まともに成長しない」「武器レベル以外ロクに伸びない」という悪い方向の個性を与えられたキャラが多く、「育てても伸びない」「敵の上級職よりはるかに弱い」というどうしようもないケースも。
名前はあれどモブキャラ枠な認識、死んだユニットの穴埋めポジションとして作られている傾向があるためか、ソシアルナイトが特に多い。

詳細は後述するが、初期2作は「イラナイツ」認定されるユニットが圧倒的に多い。
この理由は、「仲間の死亡」を前提として作られているため。ソシアル系が多いのも、騎馬というユニットの都合上真っ先に前線に飛び込み死亡する可能性が高いからである。
今でこそ「全員生存プレイ」はFEプレイヤーの中ではデフォというほどの認識となっているが、シリーズの生みの親の加賀氏は「想定していなかった」「普通のプレイではないとは思う」と過去に答えている。

外伝/Echoes

シリーズではかなり異色の存在であり、フリーマップの存在や終盤までは全員強制出撃というイラナイツ認定が特殊な作品。
分散配置されるため戦力にならないと困るマップもそれなりにある都合上、成長パターンが不味い、全く成長しない魔防の初期値が低い、等からイラナイツ議論に入るキャラはいるが、基本的には「他より弱い」というだけである。

しかし全員出撃ということは、たとえ戦力外でも容赦なく前線に立たされるということである。おかげで、弱いどころか敵に狙われて足を引っ張りかねない面子が数名おり、多くの人がイラナイツだと感じるのは大体その辺り。

リメイクのEchoesでは 主人公以外は任意に出撃禁止できるようになった ので、普通に使わない選択も取れる。だがこれでは本当にイラナイツ…。

聖戦の系譜

本作は全キャラ使ってもらいたいとの思いで作られており、全キャラ出撃可能。
ユニットは多ければ多いほど得なので原理上イラナイツは存在しない……はずなのだが。
  • ものすごく広大なマップを移動する作品なので、移動力の欠如はそれだけで不利
  • 唯でさえ移動力に勝る騎兵が「攻撃後の再移動」まで可能な為、歩兵の立場が弱い*1
  • どれだけ速くても「追撃」スキルが無いと追撃できないので、スキルあるいは追撃リングがなければ評価ガタ落ち
  • 避けゲーなので軽い武器が回せない、更に「速さ」「幸運」が見込めないと評価ガタ落ち
そもそも本作は神器や成長率、スキル、成長限界、クラスで固定化される武器レベルなどのお陰でキャラクター格差が激しい作品である。

親世代で女性キャラが相手となる男性がおらず結婚しなかった、ロストするなどで対応する子世代が生まれない場合、代替のキャラ(通称平民)が登場する。
平民は本来登場する子世代とは異なり、親のスキルや装備を受け継がず、ステータスも総合すれば見劣りするという劣化キャラとなりやすい。
彼らもイラナイツには当てはめることはできるが、実際は別の攻略法といった趣であって(ハードモードに近い)イラナイツとは別の組分けをされる。
ゲーム難易度的にちょうどよく手強くなる平民プレイにおいては「追撃」持ちが少ない上に、「速さ」と「幸運」を両立しているキャラはほとんどいないため、こちらではいうほど「避け」ゲーではなかったり上記特徴があてはまらなかったりする。
平民プレイはこうした事情からキャラを総動員してやりくりする必要が出るため、「イラナイツ」認定されるようなユニットはほぼいない

トラキア776

下馬すると武器種が変わるランスナイト、アクスナイトがイラナイツと言われる事が比較的多い。とはいえランスナイトのフィンがイラナイツ呼ばわりされることはないので、様々な要因によるものである…該当キャラで具体的に記述。
また中盤以降敵にハンマー持ちが多いため、足が遅めな上に特攻を受けがちなアーマーナイトも厳しい。魔法使いが多めなのに魔防も低い点も厳しいが、魔防は魔法使いとペガサスナイト以外は基本低いのでそこはまあ…。
反撃できない状況でもラウンド延長する「突撃」スキルはデメリットが多く否寄りの意見が多いが、上手く使えば一方的に攻撃したりアーチの弾数を素早く減らせるなど玄人が便利使いすることもあるスキルでいちがいに要らないとは言えない。
隠しパラメータの追撃必殺係数も高いほど一般的に高評価だが、逆にやっつけ負けがかなり起きやすいので結局慎重な采配が求められる。
体格システム導入で槍や斧の立場が改善、疲労値や配置の関係でユニットを手広く使ったり、ステータス上限が紋章時と同じく低く、必殺回避と成長率を補正するアイテムの聖戦士の書などがあるため、個人の感想レベルではともかくふところが広い作品になっていてイラナイツは意外と少ない。

封印の剣

紋章の謎同様、主力を失った場合の補充要員として想定されているユニットが多い。
封印の剣は難易度自体は旧作に比べると低く、よほどのことがない限り「吟味・ドーピングしないとこいつを使うと詰みかねない」という極端なのはいないし、
一部例外もあるが成長率%の合計はキャラごとの差はあまりない。(クラスチェンジ無組>下級職加入>上級職加入の3段階ぐらい)

ただ、兵種とかみ合ってない成長や敵の火力や初期値、 全体的に低すぎる武器の命中率 で使いにくいというキャラはいる。
避けゲーなのに避けられない奴は聖戦の二の舞である。

烈火の剣

前作よりユニット総数が減り、所謂クラス間でのライバルが減った作品。それに伴い、ユニット個人の性能は上昇している傾向にあるが、前作からCCボーナスが変動(ジェネラル以外は大体減少)した結果、下級職からの叩き上げが初期上級職に劣るケースも散見されるようになる。

魔力の終わっているレナート、強制CC+マップ条件も厄介なワレス、封印以前のダメな戦士の典型のドルカスなどが挙げられやすい。前作の反動で弱体化を受けた剣士勢は全員きつく、兄のカレルよりも弱いという設定に配慮したと思われるカアラは加入の遅さもあってかなりきつい。

一方で、ジェイガン枠のマーカスが最後までなんとか戦えるほど強くなるといった変化も。前作を踏まえたバランス調整を受けて明暗分かれた形となっている。

聖魔の光石

ユニットの総数が減少した事でより1人1人のスペックが重視されるようになり、それに応じるように誰もが概ね一軍でも扱える何かしらのセールスポイントを持つようになった。ジェイガン枠のゼトも最早イラナイツとは言わせない高い成長率を獲得し、攻略本「聖魔の光石のあるきかた」では「ゼト戦記」と称した単騎縛りプレイの実戦記事が作られた程。
また、クラスチェンジの際の分岐が初登場し、同じくクラスや武器でも差異をつけられるようになる。
しかし登場時期・初期値・成長率・支援相手の全てに於いて悉くセールスポイントを欠いたフォルデ、後半に差し掛かる時期での登場なのに初期ステータスが場違いなほど貧弱なレナックやシレーネなど素での一軍起用が躊躇われるキャラがやはり点在している。
一応作品の性質上フィールド上での任意戦闘やEXダンジョンで少し粘れば多少使える程度には育成出来るし、三者共に活躍できる要素も無いではない。それがまた微妙とか言うな。

蒼炎の軌跡

聖魔の分岐クラスチェンジから派生して、一部のクラスにはクラスチェンジ時に追加する武器を選べるようになっている。
そのため、クラスチェンジすればその武器で差別化を図ったり、役割の強化が可能になった。
さらにスキルや奥義の復活もある。

そういった背景もあり、CCの無いサザは幾ら頑張っても論外。一人だけSFCのジュリアンなので、時代に取り残されている。
ルキノとユリシーズの初期値もどうしようもない上に、ユリシーズは上記の武器選択もまずい。
GBA版FE上がりの人からしたら『それなりに強くね?』と思うかもしれないが、今作のザコ敵のステータスは守備や攻速もそこそこ高く、火力や速さが低いとそれだけでサポート役としてもかなり厳しい。
成長率自体はかなり改善されており、ボーナスEXPを頑張って与えればノーマルならまだ実用可能。

暁の女神

ケース8(一時離脱→後期再登場)の悪影響がもろに出ている作品。
操作する勢力まで章ごとにコロコロ変わる第3部からは、 ほぼ全ての敵軍が上級職 になることでより顕著に表れ始める。
特に1部で登場したユニットは下級職が大半でかつ、再登場時は 時間制限付き で四方八方から敵が襲い掛かる'マップばかりなので、 安全を確保して育成できる環境が作れない
今作は経験値を稼げる闘技場やフリーマップもなく、頼みの綱だった ボスチクに関しては蒼炎よりも露骨に対策されている
また、王族ラグズの存在により平民ラグズの殆どが立場が無い。常に化身できる王族と違って、化身システムの変更で育てるのが非常に難しくなっている。コツをつかまないことには全くレベルを上げられない程。

新・暗黒竜と光の剣

待望のリメイクながら、 上級職に調整がまともに入っていない
ステータス上限が20→30に引き上げられたのに、加入時の能力が殆どFC版準拠のまま。貧弱なんてものではない。
また兵種変更によって 他のクラスの成長率の高いキャラを持ってきた方が強い という展開まで生まれてしまった。
中には後述するがステータスをそのままにレベルだけ引き上げられて使い物にならないという酷い調整も。
また、追加キャラクターの大半…というかフレイ以外は全員、自軍ユニットの数が規定数以下という条件でしか加入しないため、イラナイツ・ダセナイツを通り越して仲間にすること自体が一種の縛りプレイに近くなっている。
これに関して製作側は「失う美学を知って欲しい」という発言をしているが、美学で済まないくらいの人数を失わないと仲間にできないのは流石にどうかということで不評。
一応、追加キャラクターはFC版の救済キャラとしての側面をさらに押したものであり、成長率やステータスを高く設定されている。次回作で続投されたこともあって人気も高い。

新・紋章の謎

多くのユニットの初期ステータスや成長率の調整こそされたが、今度は単純に出撃枠が無い。総勢70人近くに対し最大でも12人しか出撃出来ないとか嫌がらせだろうか。
なので出すに出せず二軍落ちする「ダセナイツ」が続出。
また前作より敵が強いため、後半加入の面々はかなり厳しい。特に高難易度モードの中盤以降で加入するユニットの大半が諸々の事情でイラナイツ…否、ツカエナイツ化してしまう。
ゴードンやサムトーといった、純粋に実用に堪えないスペックな王道イラナイツもちらほら。

そして、上記の12人しか出せない環境に加えて「紋章2部」のリメイクなので終章で説得イベントがある都合、 更に4つ追加で枠を取られる。
このイベントの説得要員を育てない場合リメイクの仕様変更で難易度が上がった終章がますますきつくなるため、普通は彼らも育てるだろう。
当然主人公マルスは強制出撃なので1枠、使わない理由がほぼないマイユニットで1枠としたうえで
普通に全員生存、説得可能キャラは説得するようなスタイルで遊ぶ場合、総勢70人近くに対して実質的な出撃枠が 6人ほど という有様に。

とはいえこれらは前作の「失う美学」の反省でもあり(公式インタビューでも言及された)、追加キャラも含めてSFC版で容量のために消えたキャラを含めた全キャラを出演させた影響でもある。

覚醒

ユニットのレベルを上げやすい環境が整い、全体的にステータスがインフレしているのもあって、単純な数字の低さだけでイラナイツとなっているキャラはいない。
むしろ「強すぎるキャラが多い」という雰囲気であり、それ以外のメンバーもダブル・デュアルを駆使することでエースキャラをサポートする立ち回りができる。

DLCなどのやり込み要素まで見据えるなら 疾風迅雷 *2 か武器節約 *3''を習得できなければ話にならないという側面はあるものの、他のスキルが弱いわけではなく、役割分担の余地もある。

そんな中でイラナイツに挙げられやすいのは後半加入の初期上級職組。支援相手の少なさはダブル・デュアルの弱さに直結し、強い子世代が既にわんさかいるので即戦力としてのの価値も薄い。
それを見越して専用スキルなどの優遇措置が入っているユニットもいるが、例外もいる。

また、本作は子世代が親の資質を全て引き継ぐ性質上、親世代(特に男)は最終的に子世代の完全劣化になりやすい。とはいえ親子に支援がある関係上、子世代と並び立って活躍できる親世代も多い。優秀な素質を持つ親世代もある意味イラナイツとは言えなくなる。

if

個人スキルの追加により、全ユニットが独自の個性を獲得。さらに職種毎のバランスの見直しがされ、前作のような習得できなければ人権がないほどのスキルもなくなった。
同性支援や結婚相手によって追加される資質もあり、親世代が得られるメリットも増え、親世代は子世代の完全劣化という事態もなくなった。

ただ、全体的に成長率が下がったり、プルフの活用を意識したのか初期クラスとキャラ性能が噛み合わないユニットが増えたことで、弱くはないのだが扱いに悩むタイプの面子がそれなりにいる。
頼みの綱である個人スキルも、攻略面では格差が大きい。本作のジェイガン枠であり、初期値・成長率共に絶望的なギュンターが個人スキルの強さでイラナイツ判定を避けている一方、明らかにメリットを活かしづらい効果が割り当てられているユニットも。

本作にはルート別の傾向も存在する。
意外にも初心者向けである白夜王国に変なクセのあるキャラが多く、なにも考えずに育てていると後から加わる王族にたちまち立場を奪われる。
暗夜ルートはタネが分かれば強さを発揮できるタイプのキャラが揃っており、育成リソースを割く余裕があまりないとはいえ、イラナイツ寄りのキャラでも一芸は持っている。
インビジブルキングダムは、新紋章を彷彿とさせるダセナイツ続出の大所帯。その中で、他ルートから超強化を受けたキャラもいれば、使い勝手が目に見えて悪くなっているキャラもいる。

風花雪月

過去作の中でも育成の自由度が高く、またスカウト無しだと使える味方キャラの数が他作品より少なめ。ゆえに、イラナイツもダセナイツもほぼ出ないと言っていい。逆にいえば、1人ロストすることによる痛手がこれまでより遥かに大きいということでもある(特に第二部以降)。
一応ギルベルトは加入時点で強みを見いだすことが難しいが、育成環境自体に恵まれている作品なのできちんと育てれば使用に値する強さにはなる。

なお、研究が進んでいなかった頃はアタッカーとしては低い速さの成長率、覚える魔法の質、微妙に噛み合ってないとされた得意技能などの理由でアネットがイラナイツ筆頭だったのだが、ルナティックの追加、DLCによる追加クラスなどにくわえ、研究が進んだことで現在では独特の性能を持つユニットとして扱われている。

エンゲージ

本作の傾向として、中盤以降に加入するキャラが強め。どんどん新しい仲間と交代していくのが有効であり、それゆえに序盤のキャラは一部苦しい立場に追いやられている。

一方、今作では『紋章士』という存在があり、条件を満たすと彼らのスキルを継承出来るのだが、中盤にてそれまで仲間になった紋章士が一時的に全員離脱してしまう。
よってそれ以降に仲間になるキャラは、対応する紋章士を奪還するまでスキル継承ができない。この仕様を利用することで、中盤加入組に見劣りする序盤のキャラでも継承スキルによって立ち位置を確保できる。

というわけで本作のイラナイツは、継承スキルの1つや2つではカバーしきれないほど素の能力が足りない序盤組と、平均的な序盤組の水準に届いていない中盤組という2パターンに分かれている。

なお本作は高難易度DLCの「邪竜の章」が存在し、こちらでは各ユニットが能力固定された状態でプレイしなければならず、それゆえに使い勝手が大幅に改善されてイラナイツの烙印から逃れたキャラクターもいる。
だが、残念ながら逆もいる。


代表的なイラナイツ達


ジェイガン(暗黒竜と光の剣/紋章の謎(1部))

「マルス王子
 タリス城からシーダ様が
 来られました」

該当する特徴:1、3、5

頼りないマルスと若い騎士の中に輝く老騎士。所謂「ジェイガン枠」の開祖。
クラスはパラディンでFEにおける初期上級とはどういう役割なのかを表すキャラで他よりちょっとだけ初期値が高く、銀の槍を持っているため、ついつい頼りがちだが成長率は老兵のためか悲惨の一言。
幸運・守備は絶対に伸びないので雑魚の必殺があまりにも怖すぎる(ちなみに暗黒竜では必殺回避率はない)。
更に言えば武器レベルも一切上昇しないので、両作品とも星のオーブを持たせてレベルを上げるかマニュアルを読ませない限り、 グラディウスやメリクルソードでカバーする手も使えない。
FEシリーズ初心者にとっては頼もしい反面、経験値を育てるべきキャラから吸い上げてしまう大きなトラップにもなっている。
そのインパクトゆえ縛りプレイで活躍することも多く、ある意味イラナイツの語源を作ったと言っても過言ではない。

更に言えばFC・SFC版に限り、ほぼ劣化シーダという有様。

彼を出撃枠から外すようになった時が、プレイヤーのFEにおける補助輪が外れた時といえるだろう。
その存在からFEシリーズには「1章から自軍の上級職騎馬ユニットキャラ」が大半の作品で登場しており、「ジェイガン枠」と呼ばれる。
勘違いされがちだがジェイガン枠=イラナイツではない事に注意。上記してある通りジェイガン枠の役割は序盤のお助け枠である。
ジェイガンがイラナイツ扱いされやすい理由は縛りプレイなどによる共通認識と、「明らかにシーダの方が助っ人能力が高いこと」が挙げられる。
というより、上記の比較もジェイガンを序盤の盾や削り役として運用することを省いた結果であり、シーダと武器を入れ替えれば、上級者でも最序盤では十分使いこなせる。

流石にこれでは戦闘面でのお助け役になれないと判断されたのか、以降のジェイガン枠は初期値が高くなり、また環境の変化もあって、いざという時に強力な武器で若者達の窮地を救う頼もしいお助け役になった。
ジェイガン自身も新・暗黒竜のハードモードでは、武器レベルがランク制になった事と敵が一気に強くなった事、更に火力面もシーダが最初から銀の槍を持てなくなり初期メンバーが銀の槍が持てるようになるまでは時間がかかるため、一転して頼れるジジイとなっている。
但しノーマルでは序章でマルスのコスプレで敵を欺く囮役。

リフ(暗黒竜と光の剣/新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎)

「私は、僧侶リフ。
 戦いはできませんが
 治療の杖が使えます。」

該当する特徴:1、5、7

1章で仲間になるハゲ僧侶。序盤で仲間になる回復役ということもあり、そのまま使い続けた人も結構居ると思う
地味に男僧侶として仲間になるのは彼だけだったりする。

まず、暗黒竜での僧侶は殴られないと経験値が入らないマゾ仕様*4なのだが、育てることを前提としていないのか、成長率がとにかく酷い。
ただ、この頃は魔道書の攻撃力が固定で、司祭にCCすれば速さが一気に14に底上げされる。
基準値のままでもかなりの戦力になるため、単に成長率が低いだけならまだ使い道はあっただろう。

しかし、
  • 即戦力の上に成長するウェンデル先生が5章という早い段階で加入する
  • 同じく司祭のボアが加入するのが12章、僧侶がクラスチェンジ可能になるのが19章
  • 魔道士のマリクリンダも司祭にCC可能。しかもこの2人は高成長率+専用武器持ち
  • レナさんエリス様とは違い専用の杖が無い*5
  • 終章で高初期値+高成長率+魔防7のガトー様が加わる
これらが彼と後述のマリアのイラナイツ入りを決定的なものとした。


紋章では容量の都合でリフが「きずぐすり」を残して削除され、別次元でネタ的にかなり話題となり、公式からイラナイツされてしまっている*6
新・暗黒竜では無事に復活。クラスによっては無駄に僅かにある力・守備の成長率を活かせるかもしれないが……やっぱり趣味の範囲。
新・紋章でも登場。新・暗黒竜よりはマシだが、成長率の低さは相変わらず。
まあそれでも色々と愛されているキャラではある。

もっともこのキャラがイラナイツ扱いされているのは上記の削除案件と上記で述べられた暗黒竜の僧侶事情というインパクトから来ているものであり、実際のところ初心者は有効活用すべきキャラである。ジェイガンとは違い、経験値泥棒にもならないし。

サジ(暗黒竜と光の剣/紋章の謎(1部)/新・暗黒竜と光の剣) 
マジ(暗黒竜と光の剣/紋章の謎(1部))

「「オグマ隊長 すまねぇ…」」

該当する特徴:1、4、5

2章でオグマ隊長と共に仲間になる、タリスのいい男たち。クラスは二人とも戦士。
オグマは勿論だが、バーツは他の二人と異なった顔立ちに加え、CCこそしないが成長率がオグマに迫るなど何かと優遇されている。

しかし、他2人となるサジマジはあまり恵まれていない。
HPは両者ともによく伸びるものの、サジは速さの成長率が10%と深刻。かといってマジも力と技があまり伸びない。
しかも暗黒竜ではダロスと同じく、斧の命中率の悪さやCCなしという弱点がある。
ダロスに比べたら2人ともマシなのには違いないが、バーツに見劣りしやや使いにくい点は一緒。
ただハンマーや博打だが序盤から手に入るデビルアクスなどもあるので、使い続けていれば十分戦えたりする。

しかしリメイク作の紋章の謎では、マジに悲惨な現実が突き付けられる。
なんとHP成長率10%。ジェイガンなどのジジイやレナさんなどのか弱い女性と同値である。
さすがに数値ミス(本来100%?)説が濃厚だが、そのせいでマジは唯一の個性が埋没。火竜相手に怖くて運用できないという厳しい影響まで出てきてしまった。
サジもサジで速さ10%という深刻な個性は変わらず、マジと違って長所が伸びる分マシだがあまり使いやすくはない。
更にダロスの消滅、CCできる兵種が増えた中でいまだCCできず、バーツのように鬼のような強さを持っている訳でもないと逆風が強い。
とは言えハンマーは無くなったものの銀の斧が追加(ほぼ換金アイテム扱いだけど)、手槍が重さ20と大幅弱体化されたため手斧の優位性が向上していたりする。

新・暗黒竜では彼らもCCできるようになり、HP成長率も直ったマジがイラナイツから脱却。
なぜか魔力の成長率が高く、斧の武器レベルが初期値なので斧を捨ててダークマジならぬダークマージにされ、謎の活躍を見せる事も少なくない。
一方でサジは武器レベルがCと三人で最も高く、最初からハンマーを使えるが、成長率が相変わらずなのでだからなんだというレベル。
マジとバーツの躍進によりただでさえ開いている格差がより広がってしまった。
しかし、新・紋章ではついにサジマジバーツでトライアングルが組めるように。
トライアングルアタックで高難易度クリアに一役買ったり、サジマジの違いが明確になるなど、多くの面で補強された。

ダロス(暗黒竜と光の剣/新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎)

「心をいれかえて働きますから
 どうか仲間にしてください。」

該当する特徴:1、5

2章でマルスとの会話で加入する元海賊。でもクラスは結局海賊(むしろシリーズでは現役海賊の仲間海賊の方が少ない)。
そんな彼は大変成長率が悪く、サジマジよりも更に下回る始末。
速さ・運の成長率は驚愕の10%、挙句の果てに技は初期値たったの2で成長率0%。
飛行系以外に海を歩ける貴重な存在と言っても、斧の命中率が悪くてただでさえ攻撃が命中せず、CCもない。
ジェイガンの様な初期値の高さも無く、絶望的な将来性から序盤数章を捨て気味に使うしかない。

紋章の謎では削除され、リフのようにネタにもならないまま冬の時代を過ごしたが、
新暗黒竜ではアーマーナイトにすれば軍トップレベルの守備成長率60%で戦える。
しかし、速さが伸びないのが痛すぎる。ハードモードでは全員生存プレイの悩みの種に……。
新紋章ではちょっとは速さも育つようになったが、守備以外の成長率は相変わらずボロボロ。HPの初期値は3番目に高いのだが。

マチス(暗黒竜と光の剣/紋章の謎/新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎)

「レナ…おまえは今どこにいるんだ。
 死ぬ前に、一度でいいからお前に会いたかったな…」

該当する特徴:2、5

マケドニア軍の兵士として戦う貴族のぼっちゃん。
妹に攻撃するバカ兄貴の元祖であり、性能的にも歴代の兄貴達の中で最低辺。
HPと力は平均レベルの成長率はあるが、それ以外の能力はザコ敵並みの成長率で壊滅的に伸びない。幸運に至っては初期値0。
だが、こんなのでも成長率的にはビラクの完全上位互換だったりする。その代わり初期Lv2なのにLv1加入のビラクより初期ステが劣っているやる気のなさ。
こんなのでも第2部に引き続き登場するが、初期値はアリティアの新米騎士らとどっこいどっこい。一応守備の初期値は高めなので、4章のザコ相手なら何とか戦える。
縛りプレイ以外で使う意味はほぼなく、外見・性格共にアレなため敢えて贔屓して育てる人もいる。
縛りプレイでは他のイラナイツに比べるとまだマトモそうな成長率の騎馬系なので、スターロード状態に見えもするのだが…。
更にリメイク版では本人の弱体化と同クラスの他のユニットの強化でネタっぷりに拍車が掛かった。

ウルフ、ザガロ(暗黒竜と光の剣/紋章の謎(1部)/新・紋章の謎) 
ロシェ(暗黒竜と光の剣/紋章の謎(2部)/新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎) 
ビラク(暗黒竜と光の剣/紋章の謎(1部)/新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎)

ロシェ「ウルフ、ザガロ、ビラク。ほんとに、これでいいのか…こんな戦いをしていいのだろうか。」
ウルフ「ロシェ!まだ言ってるのか。見ろ、アリティア軍は狭い山道で、隊列が伸びきっている。撃破できるチャンスは今しかないんだ。」
ビラク「そうだよロシェ、俺達はハーディン様のためなら死んでもいいって誓ったはず。我ら、草原の民を奴隷の身分から解放してくれたのはハーディン様なのだ。
    今アリティア軍を、叩かねばパレスは、守りきれない。ハーディン様が、奴らに倒されても、いいと言うのか。」
ザガロ「そうだ!マルス王子は、アカネイアを滅ぼして、世界を我が手にと考えているのだ。このまま、放っておけば世界は、ヤツの思いのままになってしまうのだぞ。」

該当する特徴:1、2、3、5、7(ビラク)

オレルアン騎士団の面々。通称オレルアンズ。
「草原の狼」と言われているハーディンとその部下4人、ソシアルナイトのロシェとビラク、ホースメンのウルフとザガロ。
シリーズ4作に出演しているメンバーだが、作品ごとにその待遇にはかなりムラがある。

ビラクの成長率は上級加入のミディアにすらことごとく劣っている。初期ステータスは言わずもがな。
勝っているのはレベルアップの回数と武器レベルの成長率。しかし、武器レベルはFC版なら14、SFC版なら12以上だと意味もないため、張り合うのも馬鹿らしい二ヵ所である。
ちなみに同時期に加入するレナのバカ兄貴・マチスと比較しても、初期値は互角で幸運は勝っているがあちらのほうがまだ将来性はある。
ロシェはFC版では成長率がまずく、速さ・守備・運10%とソシアル系最低値をマーク。力の成長率は高いがとりたてて彼を使う理由もなかった。

ウルフとザガロはFC版なら独立職、SFC版以降では上級職での参入だが、初期ステータスはジェイガンにも劣り、カシムやゴードンと張り合えるレベル。
ザガロのステータスは力技速さ守備全て6、ウルフのステータスもザガロに比べて速さ+1されただけで、速さの成長率も悪くないのだが、レベルアップ回数が少なく将来性の面で厳しいものがある。
FC版だと他になれるキャラがいないとはいえ、成長率も揃って低水準な点が残念。
特にザガロの速さの初期値・成長率の低さは弓兵としては致命的で、SFC版では初期値だと鉄の弓でも追撃が出せず、下手するとずっとそのままの危険性がある。
おまけに武器レベルも悲惨で、パルティアはおろか銀の弓を使うことすら難しい。
一方ウルフは、力もよく伸び、ついでに幸運の低さもFC版では魔法回避位にしか関わらなかったのでまだマシな方だった。

が、SFC版ではカシムがハンターからホースメンにCCできるのでその優位性は消失し、ウルフもめでたくイラナイツ確定してしまう。
しかもユニットとして使用可能な1部ではキャラ性が凄まじく薄く、2部に至ってはロシェ以外の3人は説得のできない敵に。
そして2部ビラクは1部とは断然違う高いステータスを有しており、なぜかロシェより強い。
一方、ウルフとザガロのステータスは力技速さ守備全て8という驚愕の弱さ。別にアーマー系のボスでもないのに壊れた武器にすら追撃出来ず、残念さが漂う。

なお、ロシェはSFC版第1部に限りカインやアベルを上回る成長率を誇り、総合期待値はなんとオグマと同一1位に大躍進を果たす。
第2部だと終盤で唯一加入する。彼を使ってハーディンに挑むのも乙なものだが、終盤も終盤に加入するのに初期値が高レベルの上級職とは思えないほど低く、レベルアップ回数が少ないのでかなり厳しい。
闘技場で盗賊を狩ったり、制圧地点付近の司祭やシューターをメリクルソードで狩れればフォローは出来るが…ストーリーの味付けというべき存在で、実用性の低さもやむなしか。

その後、新・暗黒竜ではウルフとザガロが何故かソーサラー以外の兵種なら封印のファに迫る成長率に。
一方でロシェはFC準拠のイラナイツに逆戻り。ビラクも相変わらずな上に武器レベルという一応の個性も消失。

新・紋章ではロシェからの説得リレーを経てついに使用可能となったが、成長率などは平均より少し高い程度に落ち着いた。
ロシェ以外3人はついにハーディンを尊敬している事以外のキャラ性を手に入れるなど、彼らにもようやく設定面では春が来た様である。
しかしパラメータは紋章よりはマシなもののやっぱり低い。
パラディン2人は今まで同様にミディアに惨敗。
ザガロに至ってはLv2差あるとはいえ全能力でウルフやミディア以下と極めて貧弱。
成長合計もウルフに劣っており、 ホースメンLv10のくせに速さが14しかない などハードはおろかノーマルですらキツい。

リカード(暗黒竜と光の剣/紋章の謎/新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎)

「どこまでも、お供します。
 お慕いしてますョ。ジュリアンのアニキ。」

該当する特徴:1、5、6

同業者であるジュリアンを兄貴分として慕う盗賊
マルスが宝箱を開けられる本作では盗賊が2人も必要となる事はほぼないし、扉についても扉の鍵を駆使することで攻略は可能。
しかも先に加入するジュリアンの方が全体的に成長率が高いため、ジュリアンが死にでもしない限りまず出番がない。
とは言え、盗賊は戦闘面であまり役立たない一方で替えの利かない職業であり、あまりリセットしないプレイヤーの場合は保険として居るだけで心強い。
万人が戦死者が出た時点でリセットというプレイをしている訳ではなく、自然体で戦死者が出てもプレイを続ける人も多いため、このプレイスタイルを縛りプレイだと言って片づけることはある種暴論である。
本作は盗賊の役割は全て鍵で代用できると言ってもアイテム管理が面倒だったり、余計にお金がかかったりするため、やはり無駄な存在だとは言い難い。

リメイク版での兵種変更は盗賊だと出来ないので、ジュリアンと違うクラスで運用する事もできない点は不遇。
唯一、アカネイア戦記ではジュリアンがいないので必然的にリカードを使う事になる。

ちなみに成長率自体は力・速さが伸びるので攻撃役としては悪くなさそうに見える…が、技や幸運の初期値が低く、無抵抗の回復役を狩る位しないとマトモに育てられない。

マリア(暗黒竜と光の剣/紋章の謎(1部)/新・暗黒竜と光の剣)

「あっ、あなたがマルス様ね。
 (へえー、ステキな人なんだ)
 助けてくれてありがとう。」

該当する特徴:1、5、7

マケドニア王国の第二王女でミシェイルミネルバの妹。
クラスはシスター。
重要人物の妹で10章という中盤でレベル3・下級職での加入、しかもかわいいという良成長株を思わせる要素盛りだくさんのキャラ。
しかしながらリフの項目を見てもらえばわかるように、初期値・成長率・期待値共に、武器レベル以外はだいぶ前に加入したレナやウェンデルの劣化という酷い有様。
しかも他の女性魔法職が持っている専用杖や専用魔法が無い。
暗黒竜ではただでさえ、僧侶の育成が大変だというのに育てるメリットが薄すぎるため、彼女の仕事は加入した章でのミネルバ引換券*7である。
武器レベルだけが成長する女版ビラクという状態であり、しかもビラクとは違い、武器レベルの関係上*8上がる意味すら無い。

紋章1部でも技10%・守備0%と相変わらずな上に、速さの期待値が減少。
2部に至ってメディウスの生贄にされたので育てようがないという酷い扱い。

新・暗黒竜ではレナと共に魔防の個人成長率トップという個性を得たが、同時に「兵種変更」システム導入の弊害をモロに受けている。
武器レベルも後発作品と同じくランク制になったため成長しやすいという特性すら無く、しかもレナが杖のレベルがCなのに対し、こっちはDという嫌がらせのような仕様に。
一応、オームの杖やオーラを使えるようになるが、オームの杖はシーダやミネルバも兵種変更をすれば使えるようになり、オーラは兵種変更やクラスチェンジをしなければ使えず、どちらも自力で武器レベルを上げなくてはいけない。

新紋章でも使用できるのは最終章のみという状況は変わらない。

アラン(紋章の謎(2部)/新・暗黒竜と光の剣)

「私は、アラン。かつては騎士団の隊長を つとめたこともあります。
 わけあって今は こんなところで 暮らしておりますが
 私でよければ お力になりましょう。」

村人「あれじゃ、いくら戦ってもたくましくはなれないと思うけど…」

該当する特徴:1、3(新暗黒のみ 8以外全部

暗黒竜や紋章の謎1部ではサムソンとの二者択一で仲間になるパラディン。
SFC版1部だと城内戦でサムソンに見劣りするし、騎馬枠は対抗馬が多いのがネックだが別にイラナイツではない。FC版なら格差を気にせず選べるレベル。

問題は2部で、1章からジェイガンに変わるお助けパラディンとして登場。
見た目は若いのだが、実は病気持ちであることが1章の民家で語られて判明する。
その結果、成長率合計が273%から63%に引き下がってしまった。一応、ジェイガンより20%は高いのだが……
彼の成長率合計を基準にした単位、1アランなんて言われることも……

それ以上に問題なのが周囲の環境。
2章では逃げる盗賊を高い移動力とステータスで追いかけるという一番活躍できる状況でスタートするのだが、攻撃範囲内に突っ込んでくるナイトキラー持ちの敵将ドラゴンナイトが居る。
そのため、後詰めユニットの配置を考えず突撃すると大ダメージを負わされ、最悪の場合は必殺の一撃を発動されて即死してしまう。
下馬すればナイトキラーで大ダメージを受けないのだが、そうすると防御が落ちるので、HPが満タンでないと必殺の一撃を出された時に死んでしまうという数値設定になっている…。
逆に言えば即死はしないので囮にすることは一応可能。それよりも他のキャラで即釣ってアランはボスを無視して駆け抜けておくと盗賊撃破が楽だったりはする。
しかしその後は2~4章で初期値も成長率も優秀な飛行ユニットのカチュアパオラ、更に初期値が幸運以外は良好で同職且つ、終章での出番もあるシリウスが加入する。
やはり早々に出番はなくなる……というかむしろ成長率悪いから使ったらいけないよと注意してくれるかのような親切設計。
通しでは使えないがジェイガンと同じくパラディンの基本ステータスの担保はあるため、9章などで人員が足りない時に、高い魔防を活かして敵が魔法中心且つ低威力の砂漠における削りや壁運用で使う事は出来る。
むしろ、仲間になった後の面構成が「屋内→屋内→屋外→屋外→屋内→屋外→屋内(最終面)」と真価を発揮しづらい場面が続いていたSFC版1部よりも活躍させやすいという声もあるほど。

新・暗黒竜に至ってはステータスそのままに初期レベルが1から10になってしまい、イラナイツの中でも悲惨な役どころになってしまった。
いくら兵種変更と吟味を行っても、レベルアップ回数が少なくては育っても凡庸になる。高難易度での運用はあきらめた方が早い。
ドーピングアイテムをすべて使い、更に厳しい吟味を重ねれば使えるようになるが、彼にそんなことするよりも、もっと育つ他のキャラに労力を回すべきなのは言うまでもない。
サムソン共々この有様の為、本人と言うよりも持っているアイテムとクラス変更人数の追加の方が本体。
一方、新・紋章では病人ゆえ成長率こそ悲惨であるが、上級職→上級職への兵種変更ができるので、ルナティックでは彼がいないと始まらない。

ちなみに暗黒竜・紋章ではイラナイツ気味のキャラは多かったが、新・紋章では使用に耐えうる、または出番が増えたキャラは多い(一方で使えていたキャラが使えなくなったりもしているが)。
しかし新・暗黒竜は色々とあまり考慮されておらず、多くの上級職キャラはシステム変更についていけておらず、オリジナルよりも不遇となっている。
……が、LVだけが無駄に引き上げられ、伸びしろが削られた挙句初期能力への調整が一切入っていないというトンデモ調整を施されたのはアランとサムソンだけである

クレーベ(外伝Echoes)

「この解放軍のリーダーは君だ。
 アルム、君の意見を聞かせてくれ。」

該当する特徴:(1)、5

第一章の山場で加入するソフィア解放軍のリーダー上述のセリフと共にすぐにアルムにリーダーの座を譲るがで、クラスはナイト(Echoesではソシアルナイト)。
この項に記述はするが、初期値は加入時期においてはそこそこ高いので即戦力になりうる。
このためイラナイツ呼ばわりされるほど出番が皆無というほどではない。
平野の多いアルム軍マップでは移動力が活きる事も多いし、総合的な成長率そのものはクレーベより低いキャラがかなりいる他、
初期ナイトなのでレベルアップ回数が多く、強くするのは比較的簡単な方ではある。槍装備も余ってる事だし。

だが……イラナイツについて擁護はできても、他キャラと比較して「弱い」点から逃れることはできない。
魔防の初期値が1とアルム軍最低(2のルカより低い)で、しっかり育成しないと早いうちから息切れしてくる。
おまけに恋人のマチルダがかなり強く、ほぼ上位互換となっているため、彼女の加入後は出番を食われがちになる。
最終盤になるとユニット数の多さから出撃数制限に引っかかるようになり、この辺りで出番が消滅するケースが多いと思われる。

Echoesでは力の成長率は2倍となり、戦技を合わせれば高いダメージを出せるが、それ以外の成長率は低いままなので基本は同じ。
稼ぎプレイしていない場合、ドゼーから竜の盾を入手するのに必要な戦力になるが、外伝未プレイのプレイヤーへの罠、強化に期待した既プレイヤーの失望*9セリカ側とはいえ追加された強力な同職の存在、色々と強調されたストーリーでの印象に追いついてこないスペックからネタキャラ化が一層と進行した。
ただ、大きな違いとしてDLCで星の宝珠の存在があるため、外伝よりも救済はしやすい。
吟味自体は誰でもできるとはいえ、下級職スタートゆえのCC回数の多さが武器になるからだ。
……まあ恋人のマチルダに宝珠を持たせると5ピン6ピンが珍しくないわ、魔防も伸びやすいわで別の意味で劣等感に苛まれるかもしれないが……。

バルボ(外伝Echoes)

「ダッハさえ倒せば手下どもは逃げだすはずだ!
 いいか、ダッハを狙え!」

該当する特徴:6

ワープしてくる魔女や祈祷師が跋扈するセリカ軍マップで魔防0のアーマー
正直に言って魔女の多いマップでは出撃拒否させたいぐらいだが、外伝では強制出撃なのでいかんともしがたい。
あえて一旦死んでもらい復活の泉を活用して騎兵が多いアルム軍に転属して戦う対処法もあるが…。

ただ、マップによっては召喚された魔物がひっきりなしに飛んでくるのでやはり出番がないわけでもない。
特にガーゴイルやDゾンビが大挙してくる場合、その突撃を受け止めて味方で囲むという大役がある。
まあそういうマップに限って足場が悪くて進軍が遅れたりもするのだが。

ノーマ(外伝Echoes)

「いや、やはりお前が心配でのう。
 ここまで追いかけてきたのじゃが、うっかり迷ってしまったのじゃ。
 ははは……」

該当する特徴:1、3

セリカ軍の終盤に差し掛かった辺りで加入する司祭(任意)。
能力値は魔防のみ飛び抜けて一級品だが、それ以外は既に成長している既メンバーとは比べ物にならないほど弱い。
そして初期レベルが7と高い上に上級職で、しかも成長も悪いと老齢のテンプレをきっちり踏襲している。

魔法はエクスカリバーを備えているが、速さがないので火力役としてはまったくのダメダメ。
逆に速さが必要ないリカバーならば回復役として活躍が期待できる。
なお加入は水門開放後で、普通のプレイヤーなら探索するだろうが、存在そのものを忘れられてスルーされる事もしばしば。

アーダン(聖戦の系譜)

「…ああ、さびしい……
 俺はこんなに固くて強いのに、
 みんなで俺をバカにして…
 せめてアレクみたいに再攻撃できれば
 もう少しは働けるのになぁ…」

該当する特徴:1、6

シアルフィの重騎士で最初から加入しているソードアーマー。
本作は全員出撃であり、ユニットは多ければ多いほど得なので原理上イラナイツは存在しない……はずなのだが。
とにかくマップが広い聖戦において、移動力が低いアーマーという兵種は致命的に不利。進入地形に制限があるため自力では前線に進めないマップまである。*10
にもかかわらずスキルは貧弱、成長率もアーマーらしさ全振りでとりたてて評価できず、必然的に結婚させて父親にする戦力的理由も無に近い。
序章で有利な斧相手だからと前線に出すと、速さの低さが災いして間違いなく返り討ちに遭う*11
そんな訳で「動かすだけ無駄だから」と城の守りに置かれた挙げ句、結局普通は城まで攻められないようにするので、一人ぽつんと置いていかれる。
ついげきリングを手に入れる専用イベントがあるが、それをアーダンに持ち続けさせる必要は特にない。
顔グラも敵キャラ同然(良い表情はしている)などことごとく不遇だが、それ故にネタキャラとして確固たる地位を築いてもいる。

但し、育ててしまえば前述の通り全員出撃なので、ちゃんと追いつかせてやればある程度の戦力にはなる。
技が低くて命中率に不安はあるが、余りがちな斧や弓を使える特徴もあり削り役として貢献するだろう。
クラスチェンジ前でも、この時代は剣の重量が非常に軽いこともあり(ついげきリングを持たせたままならば)槍や斧相手にも追撃を出すことができる。
城の守りという名の放置をされた場合でさえ、負けてもロストしない闘技場での乱数調整要員という重要な役割があり、イラナイツの中では輝く一等星でもある。
特定の嫁とは専用会話イベントがあり(アイラとフュリー)、そういう「やりこみ要素」で恵まれているキャラではある。アイラはともかく、フュリーは子供への相性が悪いのでまず損だけど。

ハンニバル(聖戦の系譜)

「やはり戦わねばならぬのか…
 これもトラキアのため…
 しかたあるまい…」

該当する特徴:1、4、6

その特徴を一言で表すと子世代版アーダン
最初からジェネラルLV20で仲間になり、連続が付いているなど、基本スペックはアーダンより少しだけ高い。
……が、アーダンの時点で非常に厳しかった「ジェネラル」は子世代になるとますます厳しい状況に追いやられる。
10章では救出対象が居る都合進軍を急がないといけない上、敵の中にダークマージが大幅に増えるため、移動5で魔防も終わっているハンニバルをいちいち介護しながら進軍する余裕はない。
そもそも育てたエースですらダークマージや今作強兵種のフォーレストスナイパーの相手は油断できないものになるのに、LV20で加入するせいで伸びしろも少ない、そもそも初期値も上限も移動力も悲惨なジェネラルを使ってられないというのが現実。
活躍できるとしたらせいぜい、仲間にした9章の「三頭の竜」作戦への防衛と、終章のドズルのアクスナイト軍団側(エッダ)の遊撃くらい。
大体の場所で物魔混合の部隊が出現するため、速さと魔防共に致命的なハンニバルでは荷が重すぎる。
彼に追撃リングを渡すくらいならヨハンかヨハルヴァに渡した方がマシ。

彼の強さを象徴していた指揮官補正☆5が加入したら消えてしまうため、敵対時唯一の強みが消えてしまっているのも痛い。
せめてカリスマでもあったら……。

ケイン、アルバ(トラキア776)


該当する特徴:2、5、6

どちらも槍を専門とするランスナイト。アーチナイトのロベルトと共にレンスター遺臣の子供3人衆として登場する。
加入時期が9章なのに対してケインとアルバがレベル2、ロベルトがレベル1の低初期値で加入するため育てづらく、専用武器やスキルといった固有の長所もない。
あるのは上司からの支援効果くらいだが、疲労や出撃枠など色々な理由が重なってこれのフル活用も難しい。
しかし、その分成長率が極めて高く、育てればそれに見合うだけの活躍をしてくれる。

…というのは事実である。一応。
しかし、彼らを使う上で大きな障害となるのが『紋章』以来の下馬システム
屋内マップでは騎馬兵は強制的に下馬して戦うことになる上、剣以外の武器を使用できないというハンデを背負うことになる。
このため、せっかく槍の武器レベルを上げても屋内ではそれを活かせない。苦労して育てた所にこの仕打ちは非常に辛いものがある。
騎乗中は剣を使えないので剣レベル上げは難しい上に剣ばかり上げてもナイトの良さを活かし辛い…その上で初期槍レベルすら低い。
その前には同じくレベル1で初期値は低めだが剣と槍両方使えて、リーフからの支援効果も有り、将来も有望なカリオンがいるのであえて育てる意義を見出しにくい。
同職で比較しても初期メンバーであり固有の長所も多いフィンや、初期槍Aの即戦力且つ指揮レベルのあるグレイドが少し後に仲間になることもあり*12、下馬時に気を使う必要があるランスナイトを増やす動機を妨げる。

なお、魔法や弓の使い手は下馬状態でも使用できるため、ロベルトがケインやアルバと違いイラナイツ扱いされないのはこの点が大きい。
その上、ケインやアルバにはない特典として5%での確率での再行動や追撃必殺係数が3(ケイン達は1)等、何かと優遇されている。弓自体いらない節はあるが。
成長率は本当に高く、加入もそんなに遅くはないのだが、成長率にテコ入れできる聖戦士の書の存在なんかもあって成長率だけが全てではない環境に屈した感じのコンビ。

下馬問題が響くユニットとして他にアクスナイトのブライトン・ヒックスも居てイラナイツ気味ではあるが、
彼らはもっと早期に仲間入り且つ状況から大抵否応なく使うので即戦力になりつつ育成も捗るし、
ヒックスは高成長率、ブライトンは低成長率だがスキル「怒り」とマチュアからの支援があるので彼らよりはマシ。
更に致命的な欠点として、前述の通り育成こそ苦労するが魔力以外の全てが最上位級の強さになる本来なら決してイラナイツにならない人材のため、
通常プレイヤーのみならず逆張り・ネタ・高難易度志向などからの魅力も限りなく薄く、イラナイツ愛好家からの需要すらもろくにない。育てたところで実は使えるなんて話に発展はせず『珍しいね』ぐらいの感想しか出ない。

コノモール(トラキア776)

「これもアルスターのため
 許せ!」

該当する特徴:2、3

アルスターの騎士でミランダに忠誠を誓うパラディン。
11章外伝加入のフレッド、13章加入のグレイドを少し上回る程度の初期値の初期上級職キャラ。
何故か技の値が18といやに高い・ミランダからの支援20%・指揮3%・再行動確率5%・剣槍レベルA・体格13だとか、使えるじゃんって思わせる特徴もなくもない。

ならば初期上級のフレッドやグレイドと同等か、あるいはそれ以上ではないかと思う方も中には居るだろう。
しかし加入時期は19章(ここと外伝マップを含めて残り9マップ)と終盤…即戦力として使えるこの2キャラと違って厳しい初期値であり、
しかも下馬して戦うマップが多いので特徴が薄れる。それどころか、フレッドやグレイドなどにも言えることだが下馬するとここから更に能力が割と低下する。
攻撃方面の成長率は悪くなく更に聖戦士の書で必殺回避や成長率促進は可能なのだが、パラディンレベル13で成長機会が少ないため、どれだけ吟味しても防御面は厳しいまま・攻撃面も速さや下馬の関係で微妙。
最大の欠点として『突撃』スキル所持も逆風で、初期値が高くなく、尚且つ防御面にかなり難があるコノモールの場合は明らかにデメリットの方が大きくて邪魔。
前衛なのにソルジャーを一体相手にしただけで危うくなるというのは、(育てていないユニットは論外として)ジェイガン枠のダグダやねぎり役のシャナムを除くと彼くらいのもの。
またダグダは序盤のお助けキャラ(体格を活かしてオーシンやハルヴァンもかつげる・タフなので中々死なない)の意味合いが強いし初期値はそこそこでレベル6なので聖戦士の書と成長吟味で強くできなくもない。
一方コノモールは上限に近い技と移動力以外ダグダと殆ど変わらない初期値なのに無駄にレベルが13もあり、成長率では大幅に勝っているとはいえ相当吟味しないと強く成長させるのは難しい。
冗談抜きで思わぬ大ダメージを受けやすいので、彼を運用する場合はひ弱な魔法使い達以上に気を遣うことになる。前衛職なのに。
更に屋内戦では手槍やマスターランスが使えないため、弓使いのセルフィナと違って突撃のデメリットの抑制も厳しい。
ついでに聖戦士の書無しなら他の多くの者の魔力の期待値もこんなものだが、伸びしろのなさから安定して魔法にも弱く、当然魔法剣もロクに使いこなせない。

そして加入条件がコノモールと実質2択且つ同時期に仲間になる、魔法剣を使えば即戦力で杖も使えて下馬時もその特徴が消えないアマルダに対し Lv7も上回っているのに合計値が4しか変わらない。というか体格抜けば負けている。 ちなみに合計成長率も大差で負けている。
そんな訳でトラキアでは屈指のイラナイツ候補なのだが、指揮マニアなら使うことがあるかも(※ここ重要)…しかし指揮目的ならば余計にアマルダが加入可能な西ルートを選択しがちである。

ウォルト(封印の剣)

「あっ、あんまりです。ひどいですよ、ロイさま!!」

該当する特徴:2、5、7

ロイの乳母兄弟で、アーチャーLv1で1章から登場と育ちそうな風格はある。
実は総合成長率は高い部類なのだが、初期ステが低すぎる
育成過程で頼りないという不利を食う上に、成長の振れ幅によって部分的なヘタレを起こしやすい。
そしてアーチャーという兵種自体が弓使いとして冷遇対象であり、まず強兵種*13の上に成長率も高いスーとシンを差し置いて使う理由が少ない。
アーチが使えるというシステム的な利点が、本作においてはほぼ死に要素なのが痛恨である(次作の烈火では改善された)。
同じアーチャーの中ですら、力成長率50%のドロシーとの対決となり、上級職では素だと弱いがハードブースト対象のクレイン、封印では貴重な高初期ステ上級のイグレーヌと、性能が悪い上に対抗馬は強いと言う悲惨な境遇にある。
具体的に言うと下級Lv20でCCした期待値がイグレーヌさんの初期ステにことごとく負けている(ハードならクレインも)。ドロシーやスーも早期参戦するため初期メンバーの強みもない。比較対象になりうるのが終盤参戦お助けキャラの灰色の狼って……。
支援を組んで強化しようにも、歩調の合わない騎馬兵ばかり、もしくは支援候補が山ほど多いロイしかおらず、どうにも使い難い。
また他のアーチャー系に比べて魔防の期待値が低く、長弓を使わない限り魔法系ユニットと戦いにくい。

インパクトが強すぎるものの、ノーマルなら割と簡単にレベルアップが図れるので、余程ヘタれなければ戦力にはなるだろう。相対的にアレなだけで。
しかしハードでは1章の時点で深刻な火力不足によりほとんど役に立たない。序盤から屈指の難度を誇る封印ハードにおいてウォルトを戦力に加えるのはそれだけでちょっとした縛りプレイである。

ワード(封印の剣)

「おれだって 強くなってる
 どんな敵が来たってぶっつぶしてやるさ」

該当する特徴:2、4

ディークが率いる傭兵団の一員で、ロットとは同郷。本作のサジマジ、つまりクラスは戦士である。
相方のロットがバランス型なら、ワードは純粋なパワーファイター。
しかし、パワーに偏重し過ぎているせいで使いにくい。

その原因が速さ初期値5、成長率20%というトロさで、体格は高いものの命中しやすく追撃も受けやすい。
守備の成長率は30%と本作ではかなり高い方だが、魔防は5%とかなり悪い部類だし、初期値も守備3魔防0おまけにCCボーナスでも魔防のボーナスは+0。
槍相手でも怖いのに、斧の群れは当然として剣や魔法相手に出すと下手をすると即死する。
見かけによらず技の成長が相当高いのだが、封印の斧は命中率が壊滅的に低く手斧や鋼の斧は50、鉄の斧は65、ハンマーに至っては45であり、
力が高くても当てられず、躱せず、追撃されて一方的にボロボロという結果になりやすい。
なので勇者武器やCCしての弓装備などで反撃をもらわないように立ち回ることがワードを使う上で重要なポイントになる。
なんだかんだ数の多い槍使いへのトドメ役や力強い弓兵として使えばそこそこ役立つので、この記事に載っている中では活躍させやすい。

しかし、同じ斧職であるバーサーカーは本作だと常時必殺率+30%、高い山に登れば回避+40%というドデカい補正があり、
それに就ける技以外の成長率が互角かそれ以上のギースや、更に力強い上に素早いゴンザレスの存在を考えると明らかに見劣りする。
というか斧を振るならそもそも勇者やパラディン等いくらでも代わりがいる上に、弓を使うならば遊牧騎兵の方が圧倒的に強いのは言うまでもない。
CCアイテムの英雄の証がそのバーサーカーや勇者、はたまた今作最強のソードマスターと競合しているので彼が優先されることはまずない。
ワードも使えなくはないというだけで、ワードより攻めに長ける上に地雷もこなせる強キャラが多すぎるのである。

序盤ではソルジャー等槍を使う敵が多く3すくみで有利をとれ、特に鬼門となるハード7章では突破に貢献できるなど、序盤戦で使い切るつもりならばそこまで悪くはない。
但し、重いポールアクスなんか持ったりすると追撃で逆に瞬殺されかねないのが悩みの種(特にハード4章)。
10章西ルートでは姉メアリやロットの妹ミュウとの専用イベントが相方共々存在する。レアアイテムをもらえるので西に行くならぜひ育てておくべき。

ちなみに封印のウォーリアには速さにCC補正があるので次回作のドルカスより初期値が1低いにもかかわらず期待値はこちらの方が1高い。

ノア(封印の剣)

「ここは戦場だからな
 いちいち許しをもらっていては いざという時にすばやく働くことができないさ
 命令にそむくことはマズいが それ以外は「臨機応変」にいかないとね」

該当する特徴:4、7

イリア傭兵騎士団の一員である青年で、物静かな性格。
クラスはソシアルナイトで、ユニットとしては技の伸びと剣の初期武器レベルCをウリにする技巧派。
同僚のトレックがのんびり屋な性格なためか彼よりも初期レベルが3高い…のだが実際のステータスは大差なく、守備に至っては負けている始末。
更に重要な力と速さの成長率が30%とそこらの初期上級職とタメを張るぐらい低い。
最終的な期待値は技を除いてハードパーシバルの初期値以下、その技もランスがノアと同等の成長率かつHP・力・速さ・魔防の成長率では上回る。
幸運と守備の成長率ではランスよりノアの方が勝っているが、ノア自身も壁として頼れるほどそれらの能力が伸びる訳ではないので攻守共に中途半端な印象が強い。
武器レベルにしても鉄武器の中でも命中率が高い主要武器である鉄の剣を普通に使うだけですぐに追い抜かれてしまうので実際はあまり利点にならない。
アレン、ランスに次ぐ騎馬兵が欲しいならノアよりもトレックを育てた方がよほど強くなる。
他のソシアルナイトの剣レベルが伸びていない序盤でも剣レベルCで加入するディークルトガーがいる上、騎馬兵に使わせたい場合も初期パラディンのゼロットに持たせた方がより頼れる。
しかし、本作はマップの広さやパラディンになれば3種の武器が使えるなどソシアル系自体が優遇されているのでイラナイツの中では使おうと思えば使っていける方である。
ぶっちゃけこの中でもパーシバルが強すぎるだけとも言えるが

セシリア(封印の剣)

「つ つよすぎる……」

該当する特徴:2、3、5

エトルリア三軍将の一人・魔道軍将であり、ロイの指導役を務めた方。
頼れる存在かと思いきや、マップに初登場する13章ではゼフィールに瞬殺される。
これはゼフィールの強さを印象付けるシーンでありながら、セシリアのネタシーンとしても扱われてしまっている。
挙句、後の覚醒では「戦い方を教えるのは得意なんだけど…実戦は甘くないわね…」なんてセリフまで与えられるほどである。

次マップの14章で加入するのだが、この章は地形全体が砂漠で騎馬は移動力を特に大きく奪われるため、凄くお荷物感を感じてしまう。しかも強制出撃。
初期ステータスもヴァルキュリアとしてはHPと魔力が高めだが、それ以外は悲惨の一言。初期上級職なので成長率も低い。
運が悪いと魔法職なのにスリープで眠らされ、ドラゴンマスターや傭兵にあっさりと殺されてしまいがち。
魔道軍将という肩書なのに次の章に出てくるモブの名無しヴァルキュリアにもステータスが劣っている。
そして序盤から登場する下級職強キャラのクラリーネの存在も大きい……が、これはゲームバランス的に当然なので仕方ないだろう。
他にも杖使いが既に3人も加入しており、場合によってはリリーナかルゥがCCしている可能性があり、普通にプレイしていれば杖使いが1~2人育っているはずの時期で、魔法系が全員死んでいるか、1人も杖使いを育てていない状況でない限り、セシリアはお呼びでないというのも否定できない。
また、この次の作品における先代魔道軍将の存在や漫画での活躍(?)もあって、ネタキャラとして一層脚光を浴びる事となった。

こうして使えないという印象が強められ、ステータス自体も低く「封印の弱キャラ筆頭」のような扱いをされているが、実際は使い道自体はそれなりにあるユニットではある。
まず今作で優遇される理魔法を使え、移動力も高いヴァルキュリアそのものが強クラス。そもそも味方ヴァルキュリアはセシリアと前述のクラリーネ以外いない。
武器レベルの高さから強力な魔法や杖を使え、メインアタッカーとしては厳しいが後方支援やトンボとりはできるし、回復役も無理なく務まる。魔防ユニットへの囮や壁なども可能。
そもそもクラリーネの魔力の伸びは悪く、一応HP・魔力・守備の成長期待値はクラリーネよりも高い。
それ以外の能力の差が大きいが回復役としては大差ない。初期が杖Cでリブローが使えないのが難点だが支援に専念すればすぐ使えるようになるだろう。
(クラリーネの本当の強さは前衛と支援を組んでの避けて削るアタッカー兼手が空いたらの回復要員である。)
魔法職のCCアイテム「導きの指輪」の入手が難しいことを考えると、「たまに飛んできた竜騎士を仕留める移動範囲が広い回復役」として考えれば彼女の居場所はそれなりにある。
鍛えたキャラに比べると見劣りするが即戦力には十分以上になり、その後も使い方を考えれば十分働いてくれるだろう。
杖職なので闘技場を使う場合はついでにレベルを上げられることも利点。

……ぶっちゃけ封印の上級職は当然成長した下級職勢には役割で見劣りし、即戦力としても微妙というキャラが多く、競合相手が少なく住み分けも可能なこの人はだいぶ恵まれている方。
はっきり言って性能面だけ見れば、イラナイツと言うには大分無理がある
が、13章の出オチ・14章の無茶さを感じる強制出撃といきなりインパクトのある扱いを二連続で見せられれば、プレイヤーからネタキャラ扱いされて過小評価されるのも仕方ない所だろう。

一方ヒーローズでは、原作での鬱憤を晴らすかのように稼働初期の環境ユニットとして活躍した。
流石に現在はインフレの波に飲まれており、2体いる超英雄も性能はイマイチだが、主役級キャラでもないのに一時期活躍したと言うだけでも十分恵まれている扱いだろう。

ソフィーヤ(封印の剣)

「くぉ……?」

該当する特徴:2、4、5、6

ナバタ砂漠に住む、竜の血を半分引く少女。
クラスはシャーマンであり、闇魔法を使える希少なクラス。
ベルン軍に捕らえられていたが、救出された直後のナバタ砂漠での戦いからロイに助力する。
しかし初期レベル1で、初期ステータスは極めて貧弱。
1章参戦のウォルトと合計値が2しか変わらないため、攻撃喰らったら即死は確実。
砂漠で移動力は落ちないが、常に敵の奇襲に気を使う必要があるかなりのお荷物に……。

シリーズの伝統としてこういうポジションは育つ……はずが、育ててもお世辞にも強いとは言えない…というかニイメばあちゃんのほうが強かったりする
成長率はHP・魔力・魔防に集中しており、特に魔法系下級職では低めの速さ30%が短所として目立つ。
ソフィーヤの使う闇魔法は重く、彼女は体格も低いため、基本魔導書の「ミィル」ですら持たせると素早さが下がってしまう。技も低いので攻撃が当たらず、高い魔力を活かしにくく、追撃をもらって即死しやすい。
魔力は上がるが技の成長率も悪いため、威力は高いが命中率の低い闇魔法の能力と噛み合っていない。

技は成長率も低いが初期値がなんと2なので、闇魔法の命中率の悪さと重なって、序盤は育てるのが死ぬほど大変。通常ユニットであれば、技速さが低くオイシイ経験値のはずの雑魚山賊にさえ、攻撃を躱されて反撃を食らって死ぬのがお約束。速さも低いので追撃も喰らいやすいので、攻撃されたらまず生き残れない、ノーマルモードでさえまともに育てることが困難である。
攻撃を躱されたら、次のターンで反撃を喰らわないように、救出が必要である。
彼女を育てることは他ユニットの行動も制限してしまい、負担でしかない。
また、魔導書なので攻撃を外しても消費してしまうためもったいない。

また、同兵種では先に加入して即戦力になる初期値を持つレイ、彼を見送っても終盤加入で高水準のお助け婆さんニイメがいるため、弱すぎるソフィーヤをわざわざ育てる意味は正直言って皆無であろう。
というか、育てたところでレイに期待値でだいたい負けている
魔防は大きく勝るが、カンストの関係で魔力は0.85、運が0.2高いだけ。
なので、頑張って育てたところで見返りは少ない。速さはもちろん、運も非常に低いので回避も低く、闘技場に出しても高い確率で相手から必殺をもらって死ぬ。
逆にレイは、闇魔法の命中の低さや、魔道士の防御の低さを補う技と速さが伸びやすいため、
育てるのも楽であり、どう頑張っても彼の完全下位互換になってしまう。
(ルゥとレイの双子は闘技場でもまず死なないのでサクッと育てられてしまう。)

しかしその美少女っぷりにより、イラナイツながら作品中かなりの人気キャラである。イラナイツにおいてネタ以外での人気がここまで飛び抜けている者はそういない。
威力は確保しやすいので止め専門としてレベル上げはまだしやすい部類なことと、封印の闇魔法は使い手が少ない(とはいっても烈火や聖魔よりかは多いが)ので、「あえて使う」こと自体はしやすいのは幸いか。
あと、彼女がいないと導きの指輪の入手個数が1個減るため、加入章ではなんとしてでも生存させておきたい。

なお闘技場前提の場合は、魔法職共通とは言えCCしてしまえばライブ振ってるだけでレベルカンストする上、
今作のリザイアは買える上に軽いので地雷プレイや無双自体は意外と簡単にできてしまう。
実用的にわざわざソフィーヤである理由がないだけで。

そんな彼女の受難はFEヒーローズにおいても続いていた。
属性である赤魔にライバルが多い、速さが星5レベマでも基準値が19など全キャラ中ワースト2位と逆風が強く、
スキル継承実装前は非常に使いにくいキャラの1人として数えられていた。
しかし、実装後は無属性に対して有利をとれる「ラウアレイヴン」を継承することで、赤魔最硬のヘンリーより耐久は劣るが攻撃や魔防で勝る……という路線を進めている。

継承実装後、環境トップクラス強キャラと名を馳せたセシリアさんともども、(課金さえ除けば)育成の自由度が非常に高い本作のゲーム性を現しているキャラの1人である。
(流石に現在はインフレの波に呑まれているが)

ユーノ(封印の剣)

「母親だからこそこの軍で戦っているのです
 あの娘を安全な戦争のない世界で育てるために」

該当する特徴:8以外全部

イリアルートを進んだ際に仲間になるファルコンナイト。封印におけるペガサス三姉妹の長姉。
FEでも珍しい子持ちの人妻おb…お姉さん。夫はエデッサ城主ゼロット。

仲間になるのが終盤で上級職レベル9なのに、11しかない力をはじめ低すぎる初期値にそれをカバーする気概も感じられない低成長率、
オマケに封印では不遇なファルコンナイトというクラス、身内ばかりの狭い支援関係と、歴代最弱のペガサスナイトだと言わざるを得ない。
上述の夫ゼロットですらアレなので一度は前線から身を引いている彼女の弱さは設定的に正しいと言えば正しいが……。最早ノーマルの下級職とでさえ満足に戦えるか怪しいレベルである。
妹のティト、シャニーを交えてトライアングルアタックをするのに必要という絶対代用不可能な使い道はあるが、
逆に言えばTA(+支援ブースター)しか彼女の使い道は無い。そして、ぶっちゃけそれ自体が趣味の範疇を出ない。
どうしても活躍させたければもはやドーピングしかなく、したところで残っているマップも多くない。或いはフルカン前提で姉妹と支援をガッチガチに固めてのファルコン三姉妹というロマン編成くらいか。
ちなみに通信闘技場だと競合相手のダヤンが最強パーティのメンバーに入るため、トライアルマップでトライアングルアタックを使えることにこだわらない限り育成やり込み派からしても評価は落ちる。
三姉妹の一人で子持ちといったキャラ立ちで独特の魅力を持つが、戦力としてのどうしようもなさはイラナイツでも屈指である。

ドルカス(烈火の剣)

オズイン「ふむ…君はいい身体をしているな。」

該当する特徴:1、4

リン編から登場する妻のために戦う戦士。リン編以外ではバアトルとともに出てくる。
本作のサジマジ、ワードロットであり、傾向としてはサジやワードに近い。つまり使いにくい。

初期値からして守備3魔防0と不安を感じさせるのだが、それだけではなく速さの成長率も20%と本作最低。
CCの際にも補正もないので、上級職Lv20で速さ期待値がたったの13.2と凄まじく遅い。CC補正が無いのでワード以下で、アーマーや初期上級組より遅い。
守備も低いが体力はあるので1回は耐えられるものの、大体次の攻撃には耐えられず、魔法相手は言うまでもない。
回復も傷薬では当然追いつかず、ライブ1回ぐらいでは間に合わなかったり…。

初期値は「……まあまあだ」でしばらく戦えるし、リン編だとキャラが少ないので貴重な戦力だが、エリウッド/ヘクトル編では引き継ぎ込みでも競合相手が多く劣化や見劣りが非常に目立つのが向かい風。
斧だけで見ても主人公にして強キャラのヘクトルが早々参戦、同じ戦士のバアトルはドルカスよりは成長が上振れしやすく加入イベントや20年後も登場までするなど背景でも恵まれている。
ウォーリアという点で見ても弓Bで加入するガイツがいるし、他にも高速高火力成長でCC後は手斧による地雷をこなせるヴぁっくん、貴重な狂戦士になれるダーツなどがいる。
振り子調整で斧系が強くなったにもかかわらず、ワードのダメなところをそのまま継いでいるのは厳しすぎた。

なお、人気投票では意外なほど票を集めていたりする。
妻持ちにもかかわらず何故かホモネタの格好の餌食にされてネタキャラとして確立してしまっていたり、海外版のCMでは毒殺されてしまっている関係だろうか。

ワレス(烈火の剣)

「ふんっ、ひさびさに武者震いがするわ!」

該当する特徴:(1)、(3)、5

元キアラン騎士の豪快なスキンヘッド。
リン編の終盤で加入し、チュートリアルのイベントでアーマーナイトからジェネラルに強制CCする実質的な初期上級職。
しかし初期レベルが12のため8レベル分伸び代を無駄にしている。

難易度ハードではCCが強制ではなくなるので、ボスチクを経ればしっかり成長させた上でジェネラルになれる。
しかし、加入させるには本作でも屈指の難易度を誇る難関マップ「四牙襲来」で敵に囲まれた状態の彼を助けださなければならないというかなりのリスクを払う上に、それだけの手間をかけて加入させたところでオズインやヘクトルにHPや速さ、守備の成長率で大きく劣るため、せっかく育てても出番が回ってこない。
ワレスにも幸運の初期値や魔防の成長率といった優位性は一応あるが、上記の二人もそれらの成長率は高い方なのでその点でも差別化は難しい。
しかも彼らはお互い支援を組めるのでますます強くなってしまう。
トドメにワレスが加入するルートでは上記の強ウォーリア・ガイツが仲間にならない。
リン編ハードを経たワレス自身は壁役が務まるだけの能力はあるので、縛りプレイなら活躍は可能。

イサドラ(烈火の剣)

「エリウッド様…どうか母上様のお心をお察し下さい。
 エルバート様が戻られない今、エレノア様にとってあなた様のご帰還だけが心の支えなのです。」

該当する特徴:1、2、3、4、5

フェレ家に仕える女性騎士で、中盤を過ぎた20章で加入する初期パラディン。
GBA3部作では分岐クラスチェンジするアメリアを除けばソシアル系唯一の女性。
しかし性能的にはすこぶる貧弱で初期値は速さがそれなりに高いぐらいで他は壊滅的、成長率も速さと幸運以外は低め。
女性らしい成長率…と言いたい所だが、剣士系ほど技の伸びもペガサス系のような魔防の成長もないため、回避特化型成長と言うべきか。
初期武器レベルは剣A槍B斧Dとそこそこだが、ソシアル系は下級職時代から剣と槍の使い分けができるので大した有難みがない。
そして女性なので救出値が男性の騎馬ユニットより低い、これまた女性らしく体格も6と低いのでまともに使えるのは鉄の剣、ドラゴンキラー、細身の槍くらい。初期装備のぎんの剣ですら2も攻速落ちしてしまう華奢さ。
特にこの体格の貧弱さはかなり痛く、回避率の伸びとパラディンの強みである3すくみへの対応力を殺してしまう。ソシアル系で手槍でも攻速落ちするのは彼女のみである(しかも5も落ちる)。
これでも本作で唯一斧を装備できる女性キャラだったりするが、正直怖くて使わせられない。
打たれ弱いので下手に前線に出したり考えなしに高レベルの武器を持たせるとあっという間にお陀仏となる。

ソシアル系を育てていなかったとしても、ジェイガンポジションであるマーカスが頑張れば終盤まで使える能力はあるのでそちらで事足りるとも言える。
さすがに成長率ではイサドラの方が上だが、マーカスの方がHP・力・技が高くイサドラが勝っている速さも上記の通り体格で劣るため優位点となりにくい。
強い、使える、弱くはないと言われる初期上級職が多い今作では屈指の弱さである。

次回作ではこの反省からか、同じくパラディンにした場合のアメリア(新人兵士→ソシアルナイトルート)の体格は9とかなり引き上げられている。

カアラ(烈火の剣)

「兄者は強者のもとに現れる…
 お前の主人とやらの旅、よほど危険な道中のようだ。
 ならば、好都合というもの。」

該当する特徴:1、2、3、4、5

ヘクトル編でバアトルをウォーリアLV5まで育てていると終盤で仲間にできる女性ソードマスター。
前作『封印の剣』の支援会話で存在に触れられていたバアトルの嫁にしてカレルの妹である。
このあたりの会話を見ていたプレイヤーは初見でピンと来る存在で、バアトルと支援AにするとペアEDがある。

しかしその能力はかなり貧弱である。
前作でのソドマスの暴れっぷりの反動で今作は剣士系自体が不遇というのもあるが、それを差し引いても明らかに弱い。
ソドマスらしく技・速さは高めで幸運もそれなりだが、HP・力・守備は壊滅的で前作ほど回避無双が容易なバランスでもないのでその辺の雑魚敵と普通に戦わせるだけでいつ死ぬか分からず危なっかしい。
成長させていくと速さは順調に伸びていくが力がとにかく伸びないので火力を出すには強力な剣を持たせるしかないのだが、女性らしく体格が低いので攻速落ちせずに使える剣が少ない。
上記のイサドラよりは体格が1高く倭刀やキルソードなら攻速落ちしない上に得意の必殺を出しやすくなり威力も剣の中では高めだが、それでもやはり力が低いので期待したほどの火力が出ないことが多い。
同職の兄カレルもさほど強くなく二択で加入するハーケンに見劣りするのだが、それでもカアラよりは体格や力の初期値・成長率が優れているので妹よりはまだお助けソドマスとして使いやすい。
ハーケンを仲間にする場合、ソドマスを使うにはギィを育てるかカアラを起用するしかないが、前作に比べて必殺補正が半減した上に相性の悪い槍使いの強化、さらに天敵と呼べる特効武器ソードキラーが追加されたことを考慮するとそこまでして使うメリットが乏しい。
道中で入手した倭刀を活かしたい場合でもリンに使わせるという手もある。

そして加入がアトス、レナートに次いで遅いので育成や支援成立に手間をかけている猶予も少ない。
女性剣士ファンならリンを主力にすればいいのでよほど女性ソドマスにこだわりがあるかバアトルとのカップリングなど支援会話を見たい場合に贔屓して使ってやる程度の存在になりがち。
実用性で言えばバアトルはカナスやレイヴァン、カレルもガイツやダーツ、ルセアなどと組ませればいいのでわざわざカアラを優先する必要もない。
単純に強力なウォーリアが欲しい場合、バアトルをCCさせるより初期上級職のガイツを優先した方が使いやすい場合も多く、全員加入にこだわらないなら揃ってスルーされてしまうこともあり得る。
下記のレナートが裏設定を知るための存在であるように、カアラも前作プレイヤー向けのファンサービスとしての側面が強いのかもしれない。

レナート(烈火の剣)

「俺の望みは平穏だけだ。
 お前たちもそれを望んでいるのならば、手を貸してもいい。
 とはいっても、大したことはできんが……」

該当する特徴:2、3、4

エリウッド/ヘクトル編最終盤で加入する謎の司祭。元傭兵らしく、謎の過去を秘めている。
そんな特殊な来歴が祟ってか、HP43・速さ20・守備15・体格9・光A杖Aという恵まれたステータスを有していても、 上級Lv16で魔力12 という終わりっぷりが際立つ。
成長率は40%あるものの、今度はレベル上限がネックに……。
なので初期装備の「リザーブ」すら満足に扱えない。周りの魔法職が「ライブ」で高い回復量を出す中、レナートは「リライブ」、最悪「リカバー」でないと思うように回復できないだろう。
「プレイヤーにリザーブをくれるありがたい人」という意味でリザーブさんという不名誉なあだ名までついてしまっている。
よほど戦力に困窮していてお助け役が必要であっても、火力はなく、回復役としても使い勝手は悪い。上のセリフは謙遜ではないのである。

本作は下級魔法職も優等生が揃っているうえ、お助け役としても魔道軍将パントの前には霞む。
耐久力ではレナートが勝るが、遥かに早く加入するうえに初期魔力差6という値は大きい。杖レベルもレナートと同じ最高値のA。
仮にパントが倒れても、レナート加入の次の章(終章)には大賢者アトスが加入。その魔力は実に2倍差。
この1章の間でどうしても杖要員が欲しいなんて状況は、当然ながら考えにくすぎる。
ヘクトル編では32章外伝があるものの、そこも魔封じの者が出るので事実上活躍できるスポットはゼロ。
因縁のあるネルガルには「アーリアル」をぶちこめれば勝てるが、やるなら初期武器レベルがAなので32章外伝でせこせこ武器レベル上げをする必要がある。

突然現れた謎の人物ながら非常に重要な設定を背負っているため、支援会話でストーリーの裏設定を語ることこそが役割であり、戦力としての良し悪しはぶっちゃけどうでもいいと言える。
しかし、加入が遅すぎるせいで支援を発生させるのがかなり面倒なので自力で発生させたプレイヤーは多くないだろう。
傭兵(勇者?)のままで参戦していればもうちょっとなんとかなったかもしれない。

フォルデ(聖魔の光石)

「君も…俺の風を感じてみないか?」

該当する特徴:2、5、7

赤緑枠の赤担当であるルネス騎士。明るくお調子者な性格。
成長率は技・速さに秀で力の成長もそれなりに伸びるので一見悪くなさそうに見える。
しかし初期上級職のゼトには技と幸運以外の成長率で劣る…のは彼が強すぎる面もあるが、先に加入するフランツがあらゆる面でフォルデの上位互換に近いのが痛い。
レベル1にもかかわらず初期値はレベル6のフォルデと殆ど差がなく(力に至ってはフランツの方が上)、成長率も技・魔防に長けるフォルデより、速さ・幸運・守備で勝るフランツの方が安定し使いやすい。
支援で補強しようにも回避が上がらない炎属性の劣化版状態な風属性&相手も微妙に効果が噛み合わない(もっと理想的な相手がいる)…とあまり恵まれず一番目立っているのが必殺回避率の高さという地味さ。
なお相棒のカイルは総合的にはゼトに敵わないまでもグレートナイト向きの成長率で差別化しやすい&回避防御が上がる有用な氷属性&支援相手も上手く噛み合うエースが多い…とかなりの格差がある。
全員育成にこだわるか騎馬軍団編成でも目指さない限り、ゼト・フランツ・カイルがいてさらに戦力としてフォルデが必要となるケースは希だと思われる。

レナック(聖魔の光石)

「いいか、少年。商売人ってのはな、とことん、けちでなきゃやってけないの。
 特にうちの親父殿は、欲しいものは自分でなんとかしろって教育方針でね。
俺たち兄弟はみんな子供の頃から仕事をしてきたわけよ。」

該当する特徴:1、2、3、5

カルチノ生まれのラーチェルの雇われ盗賊。
クラスは本作で初登場したそして本作が最後の登場盗賊の上級クラスであるローグ。
上級加入にもかかわらず初期値があまりにも低く、下級上がりのコーマをローグにCCさせる場合、彼の出番は完全に失われる。
だがそれもそのはず。実は彼の能力初期値と成長率は幸運以外全部ラガルトのそれを流用しているのである(というか難易度次第では初期値すらラガルトに抜かれる)。
ラガルトは立派なエース候補なのだが、彼から8回分の育成機会とCC補正&「瞬殺」を剥奪して幸運の初期値・成長率を数段劣化させた結果がレナックである。
育ててもHPと速さくらいしか伸びないわ伸びしろも少ない…となると流石に戦力として期待は出来ない。
ただ、こんなユニットでもローグである以上鍵開けや宝箱の回収、索敵マップでのセルフたいまつ要員という役割はしっかり担える。コーマと二手に分ける運用もアリ。特に19章のロストン防衛戦では盗賊が2人いることで大きく安定するため、シリーズ内でイラナイツと呼ばれるユニットの中では明確に活躍できる場面がある。
戦闘以外でならしっかり貢献できるユニットなのだ。
開発側もこの弱さを自覚していたようで、後発の海外版では魔防が8も増加するのをはじめ合計値が20も高くなった。
劇的に強くなったとまでは言い難いが、ここまで強化されたキャラは彼ぐらいのものである。

シレーネ(聖魔の光石)

「どうかこの場を動かないで。
 あなたがたの命は 私が必ず守ります。」

該当する特徴:2、3、5

フレリア軍の第3部隊隊長を務めるファルコンナイトで、ヴァネッサの姉。
『封印』のユーノと同レベルの酷い初期値だが、あちらと違いレベル1で成長率はさほど悪くないので力を吟味すれば戦えなくもない。
…のだが、彼女が世話係を務める王女ターナが強すぎる上、序盤から加入しているヴァネッサもいるので普通にプレイしているとまず出番が回ってこない。
飛行系という括りではドラゴンナイトのクーガーも存在し、特にエイリーク編では相当強いのでターナと支援を組むなどして主力にできる。
伝家の宝刀トライアングルアタックを使うには必須だが、ステータス上限値の高さやスキル「貫通」を目当てにターナとヴァネッサをワイバーンナイトにしていると発動できなくなってしまう。


ルキノ(蒼炎の軌跡)

「エリンシア様の敵は…
 この私が斬り捨てます!」

該当する特徴2、3、4、5、6

24章で下のユリシーズと一緒に2T目に加入するソードマスター。
エリンシアの乳姉妹というおいしいポジションを貰っている上にLV12といきなり高レベルなうえに最初からスキル「能力勝負」を持っている。
上級職のLV12、エリンシアの縁者となればさぞかし強いのだろう、と思うだろうが、その肝心の能力がこちら。

能力値 / 上限値
LV12
HP36 / 60
15 / 22
魔力12 / 20
21 / 29
速さ23 / 30
幸運16 / 40
守備10 / 22
魔防8 / 25

剣士レベル10からCCしたのではないかと思うような目を疑う低い能力値ばかり。
唯一まともなのは結構高めの魔力と人並みの幸運くらい。
上級レベル3とかならともかく、こんなステータスで上級職LV12での参戦なのでもちろん育てる余地などほぼない。
経験値の入りも非常に悪く、そのくせ能力だけは明らかに弱いのである。

剣Aなので最初から「銀の剣」が使えるが、銀の剣でないとそもそも司祭以外にまともにダメージを与えることすら難しい程に弱い。
しかも、そんな状態にもかかわらず必死に吟味したりアイテム投げて育てたとしても彼女は本作では不遇職のソードマスターでしかも女性。
女ソードマスターの力上限はたった22。育て切ったところでジェネラルに傷1つ付けられるか怪しい。
よりによって蒼炎では必殺ボーナスもないため、「全員LV20にしたい」とかでもなければ育てる価値が一切存在しないキャラに。
奥義である流星も実質武器の回数をドブに捨ててるような代物というひどい有様。

スキルの「能力勝負」は支援、地形効果、スキルを無効にするという効果だが、この貧弱なステータスから更に自分が有利になる要素を投げ捨てたらどう考えても勝てない。
25章以降なら捨てられるため、どうしてもと言う人はすぐに捨てよう。
当然雑魚とまともに戦えば2回も被弾すれば即座にやられる。
結果として、ユリシーズ共々24章の防衛対象として足を引っ張り、ただでさえ高い難易度をもっと引き上げてくれる。

ユリシーズ(蒼炎の軌跡)

「我輩の忠誠と献身は、
 常にクリミア王家と共に在らん。」

該当する特徴2、3、4、5、6

上記のルキノと同時に参戦する賢者。
最初から持っているスキルは「武器破壊」「軽器装備」。
終盤に賢者LV13という高レベルで参戦するだけあり、強いと思うと実は……というパターン。
上記のルキノに並ぶレベルで悲惨な能力を持つ。

能力値 / 上限値
LV13
HP35 / 60
力12 / 15
魔力19 / 30
技21 / 28
速さ16 / 28
幸運15 / 40
守備12 / 20
魔防20 / 28

武器レベル
炎B雷C風A

力と守備力は叩き上げの賢者たちより明らかに高い。武器レベルもかなり高く、最初から遠距離魔法と「トルネード」を持てる。
重い遠距離魔法を使っても力が12もあるのでサンダーストーム以外では攻速落ちがなく、その点は強い。
……のだが、魔力と速さの終わりっぷりがその長所を全て台無しにする。
蒼炎の軌跡では敵の魔防がだいぶ上がった上に魔法の威力が悲惨なレベルで下げられており、本人の魔力が高くないとまともなダメージが出ないのに賢者LV13で魔力19という終わりっぷり。
これは20章でLV6で加入するカリル*14全く同じであり、LVだけ無駄に7も高いのに肝心の戦闘力がほぼ変わらないという終わりっぷりである。
というか他の能力も大体カリルとどっこいで、HP、力、技、守備、魔防は一応勝っているものの、正直力と守備以外はほとんど影響ないレベル。
幸運、速さに至っては7レベルも下のカリルの方が高いという有様。

速さ16しかないのでせっかく守備が魔法キャラの中では高いのにまるで無意味となり、ちょっと戦闘すれば追撃食らって大体死ぬ。
安心して戦えるのはこっちの攻撃もまともに効かない司祭か、遠距離魔法を持ったときくらい。
彼はナイフ装備なので賢者なのに杖も持てない。つまり回復係としての活躍すらできない。とことんダメ。
武器破壊はレアだが、出るかは運ゲー、しかも場合によってはドロップ品の耐久を破壊することもある産廃スキル筆頭。
上記のルキノ共々どうしようもないイラナイツである。
もし彼に出番があるとすればセネリオ、イレース、トパック、カリル(+キルロイ)が全員戦死して魔法キャラが全くいない時くらいだろう。

サザ(蒼炎の軌跡暁の女神)

「ミカヤは俺が守る」

該当する特徴:2、6

蒼炎ではアイクたちの乗る船に密航した少年盗賊。固有スキルは「大器晩成」
ある人を探して密航したとのことだが、暁でその相手が主人公ミカヤということが明らかになり、終始行動を共にする準主人公ポジ。
……という、大変おいしいポジションなのだが、ゲーム的な扱いは非常に悪い。

蒼炎では初期レベル10のフォルカが先に加入している中、中盤でレベル1加入。
しかも大器晩成は取得経験値が減る代わりに成長率大幅アップという、慣れたプレイヤーであれば「育てたくなる」ポジション。
だが、フォルカにはCCがあるのにサザにはなく、せっかくの高成長率も埋もれてしまう。よく伸びる速さがたったの20でカンストしてしまうのが痛い。
仮に育成するにしても、初期の貧弱さから育成に手間がかかり、ちょっと育てた程度では中々ダメージを出せない。
フォルカと違って無償の鍵開けができる(とはいってもフォルカも端金しか使わないが)し、埋もれた財宝探しに駆り出せるが、
育成していなくとも1発はなんとか耐えられるフォルカに対し、サザには常に不安が付きまとう。

続編の暁では主役格ということでなんとパッケージに大抜擢。
ユニットとしては初期上級職のジェイガンポジとして参戦。大器晩成はなくなったが成長率もそこそこで、強い。強いのである。
しかし、1部からニケやしっこくなど多数のお助けキャラが参戦するのでなんとなく立場が弱い。
別にミカヤのように超強力な専用武器がある訳でもないし、彼の初期装備で代名詞たるカルドは別に専用でもない上に市販品より弱い。
3部になると他のユニットも育ちだしてきたこともあり、ジェイガンらしく一線を引いてしまうこととなる。
強制CCがあるものの汎用兵種だし、十分に育たないままCCする可能性も高く、ヘザーさんやフォルカなどのライバルに比べると劣る。
フォルカ専用職の暗殺者に比べると限界値も悪く、肝心なところが低くてどうでもいいところが高いと限界まで育てても強くない。
ほか、奥義「瞬殺」が弱い、終章ではお荷物気味なのに強制参戦、蒼炎からの引継ぎをするとかえって弱くなる、シナリオでもイマイチ恵まれない……とことごとく不遇。
特に終章強制出撃が痛く、「サザのせいで好きなキャラを出撃できない!」と恨みを買うハメになってしまった。
もっとも4部終章は間接攻撃を受ける機会が多く、フォルカには加護付きのバゼラードとペシュカドの両方を持たせた方が効率よく戦えるのでザザがいること自体は軍全体にとってそこまでマイナスというわけではない……本人が戦力にならないだけで。

本作では海外版での追加要素が多く、
ミカヤ以外にも暁の団の初期メンバー(エディレオナルドノイス)にはそれぞれ神器級の性能の専用武器が追加されたが、サザにはナシ。どこまでも恵まれない。
一方、TCGのサイファでは一線級の活躍ができるカードとして登場した。開花するまで長かった……。

トパック、ムワリム、ビーゼ(暁の女神)

「なんだと!?  聞いたか、ムワリム? こいつちっとも成長してないぜ」
「ガ……体が…………いけない……坊ちゃ……離れて……」
「だから、ごめんなさい。こんなあたしでよければ仲良くしてやってください」

該当する特徴:5、8

ラグズ解放軍の方々。ステータス自体は高水準で使いやすい。
トパックは炎の賢者(ファイアセイジ)、ムワリムは虎のラグズ、ビーゼはカラスのラグズとなっている。

3人とも成長率は高水準であり、特にビーゼは全キャラクターでもトップ3に入るほどの高い成長率を誇り、ガンガン育ってくれる。
しかし、出撃タイミングはどうしようもない。1部終章の次に登場するのは4部4章。そしてその次に出撃できるのは4部終章、つまりラストである。
終章を1つとして数えると、出撃できるマップはたったの5つ。3部後半で加入するタニスやシグルーンと同程度。
1部では無双出来る程に強い方々だが、再登場する頃にはいくらでも彼らの代わりが存在する上に、4部4章では最初から敵に取り囲まれているため、集中砲火に晒され育成するのも難しい。
そんな彼らよりもっと登場が遅いユニットもいるが、そんなユニットは既に最上級職で非常に強い。
だが、所詮は平民のラグズ2人は育ちきってなお上限で勝るラグズ王族の方々の下位互換も同然。キャラ愛がないと様々な点で厳しい。

トパックにもサナキと言うライバルが存在する。
彼の優秀な成長率が霞む初期値と成長率、同じ炎魔法の使い手、力が貧弱でレベルアップも少ないが無理に育てる必要もなし、そしてのじゃロリ(重要)。
更にストーリーにも深く絡んでくる上、終章では強制出撃の一人。相手があまりにも悪すぎた…。
トパックのスキル「俊足」は使い勝手がいいために1部で剥がされて使い回しされているため、スキルの方が本体と言っても過言ではない。
一応、俊足を剥がさずに残しておき4部終章直前に経験値を注ぎ込めば、魔法職の中でもトップクラスに強力なユニットになる。
ノーコスト俊足を「連続」「見切り」等の強力スキルと併用でき、力が高いのでサナキには重すぎるレクスフレイムを苦も無く使いこなせる。
しかし、4部終章まで俊足を剥がさないというのはほぼ全編に渡って移動力-2のデメリットを負うに等しく、最終盤なら他に強力な戦力も揃っているのでやはり趣味の領域。

成長率は優秀なのに、育成の難しさが使いにくさを冗長させており、終章に出撃させるなら1部からこつこつと経験値や武器レベルを稼がせて、4部4章でもレベル上げ
終章前に拠点育成にドーピングをしっかりと行わないと使い物にならない。
本作の独自のストーリー構成や、前作であらかた問題が片付いたために話に絡ませにくいという事情に振り回されてしまった結果だといえる。

リィレ(暁の女神)

「よ、よ、よくもっ!
 “ニンゲン”の分際で!
 ぜったい許さないんだから!」

該当する特徴:2、5、6

第3部で仲間になる獣牙族(猫)のラグズ。レテの妹でライの部下。わがままで不真面目な子どもっぽい性格。実は前作の段階で存在が示唆されていたキャラである。
馴染みがあるライよりも初期値で劣るラグズということで初見で放置したプレイヤーが多そうだが、実際不遇と言われる平民ラグズの中でもワーストを争うほどの存在。
成長率は同族のレテ・ライよりもHPでかなり劣る代わりにそれ以外は殆ど上回っており特に技・速さ・幸運がかなり伸びるので一見すると大器晩成型のエース候補のように思える。
が、初期値が大差なく育成の機会に恵まれないレテはともかく、ライは初期レベル・初期値が高いのでラグズの中では即戦力として使いやすくアイクとの絆支援という強みもある。
なのでそのままライを使ってれば用が足りてしまう上、アイクの部隊は戦力の層が厚いのでわざわざ初期値の低いラグズを根気強く育てる理由が乏しく、高難易度では周囲の敵味方とのステータス差によりさらに育成が厳しくなる。
そもそも終盤になれば強力なラグズ王たちを使用できるので最後まで平民ラグズを使い続ける意味があまりなく*15、晩成型のリィレよりも第2部の時点では使えなくもないレテ、王出現までの繋ぎとしてはトップクラスに活躍するライの方が遥かに戦略的価値がある。
ライバル(?)である虎のラグズ・キサは使いにくいとはいえ個人スキル「迅雷」を持つが、リィレには個人スキルすらない。
そのため平民ラグズ縛りに挑戦する、ガトリーのように彼女に魅了された、レテとの姉妹愛に萌えた等個人的な事情がなければ起用する意味はほぼない。

ゴート(暁の女神)

「はっ、早急に」

該当する特徴:4、6

蒼炎だとただの名前のあるだけの竜鱗族の一人だが、暁では加入する。……使えるのは、終章Area4からだけど。
終章ではクルトナーガ、イナ、ナーシルら他にも三人の竜鱗族が仲間になるが、その中では圧倒的に使いにくい。

初めに断っておくが、彼は普通のマップで味方になればむしろ強キャラと言える程のユニットで、
非常に高いHP・力・守備を持ち、特に守備初期値は作中2位、HP上限・力初期値・守備上限はトップタイで力上限50は王族全員押しのけ単独トップ。
ブレスの性能も凄まじく、SSランクになると竜王子や獅子王、ウルヴァンを抑え
味方最強の威力23を誇り、更に間接攻撃も可能で回数も無限。
その圧倒的な攻撃力は加護含めると78にも及び 黒竜王すら上回り
物理の殴り合いにおいては作中最強クラスの脳筋実力者である。
フルカンストの彼がどれぐらい強いかというとお互い見切りあり・回復系なしであれば相手の追撃を物ともせず フルカンストのしっこくをタイマンで殴り倒す ぐらい。


その彼が使われない理由はただ一つ。彼が参戦して以降、攻撃してくる敵は全員魔法ユニットだからである。


なんと彼が登場して以降で彼が物理攻撃を食らう機会はラスボスの全体攻撃以外に存在せず、その高い守備は死にステ同然。
逆に魔防は極端に低く、非化身時に至っては一桁で完全に終わっている。
ついでに速さもたったの14で、上限ですら20である。
…こんなのが敵陣に突っ込んだらどうなるかは言うまでもないだろうが、更に悪いことに彼が登場して以降の敵の移動範囲はフィールド全体であり、もはや 出しただけで死の危険が迫る

他の竜鱗族は、Area1から出撃できるしレベル上げポイントもあるクルトナーガ、更に白竜との混血なので赤竜にもかかわらず魔防の高いイナと比較的安全であり、
白竜のナーシルに至っては治癒のスキルをつければほぼ死ぬ要素はゼロ。
イナに比べると火力で勝るがスキルの充実度と実質的な耐久力で大きく劣っていると、「〇の波動」系による支援役としても大差がついている。
いかんせん登場した場所があまりにも悪すぎた……

しかも彼の場合、ストーリーで重要な存在のクルトナーガ、蒼炎から引き続ぎ登場するため愛着が生まれる余地のあるイナやナーシルと異なり、
暁の最後の最後だけで仲間になる上、他のキャラとの絡みもほとんどなく、ほとんどモブ同然という扱いを受けているなどストーリー上での扱いも悲惨。
英雄総選挙ではデギンハンザーより順位が上だったりするなど、まったく人気がない訳ではないのだが……。

チェイニー(新・暗黒竜と光の剣)

「おれたちには 誰にでも変身できるって 力があってね。」

該当する特徴:6

正体不明の変なヤツで、唯一のコマンド。
味方のユニットに変身して戦うと言うクセのある能力を持っている。
今作ではHPが変身したユニットと同じになったり、変身して攻撃しても経験値が入るなど待遇が良くなったが、代わりに素の状態では戦えなくなった。
そんな彼がどうして使えないのかと言うと、本作では変身した時にフリーズしてしまうバグが存在し、元から少ない使用者を更に減らしてしまった。
しかし、変身能力は使いどころを見極めれば強力であり、バグさえなければ……と言った所。

ちなみに新・紋章ではバグが修正され、闘技場での金稼ぎ役を担当できるユニットになっている。

ゴードン(新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎)

「ング…」

該当する特徴:1、4、5、6、7

アリティアの弓兵で物語の初期メンバーとも言われる人物。クラスはアーチャー。
FC・SFC版では最初は頼りないがスナイパーになると一転して最強の弓兵として活躍していた。
しかしDS版では一転してイラナイツ扱いされることになる。その最大の理由は 「兵種変更システム」 にある。
そもそもゴードン自体は大して強くなく、むしろ弱い方だったが、スナイパーというクラス自体が非常に強い上、ゴードン(紋章の謎ではライアン含む)以外にまともなアーチャー・スナイパーがいなかったことが大きい。
なにより当時の能力上限値はHP52、他全て20だったため、成長率が低いゴードンでもCCボーナスとスナイパーというクラスの馬力のおかげで最強の弓兵として降臨できていた。
しかし環境が変わったDS版では上限値の変更により、ゴードンの能力と期待値の低さが浮き彫りになってしまった。
これだけならまだ頑張れたのだが、 兵種変更システムが彼をイラナイツ化させるトドメになった。
ある程度自由に兵種変更ができる事、スナイパーの武器レベル自体が高い事、SFC版と違って騎馬系も場内で活動できる事が重なり「別の奴に弓兵を任せればいいんじゃね?」という事態に発展し、結果ゴードンはいらない子になった。
さらに新・暗黒竜のノーマルモードの序章でマルスの影武者以外に死亡者が出ていると同職被りのノルンが加入するため、人によっては捕虜扱いのまま殺されるか、仲間にした後に敵の群れに送り込むという扱いを受けることすらある。

極めつけは致命的な速さの低さにある。SFC版ではそれなりに速さが成長したが、DS版では 一気に鈍足になるという大幅弱体化が施された。
その鈍足さは新・紋章の謎の期待値でただ一人、一番速さの期待値が高くなる剣士→ソードマスター一本育成でカンストしない程で、下級職でカンストできないのはゴードンだけ。
ここまで鈍足だと戦闘面で不安要素がありすぎて使われなくなるのも当然である。
それでも新・紋章の謎では2~3章でドラゴンナイトの群れが敵にいる上、他の者が兵種変更した鉄の弓では不安があるため、弓兵の数合わせとしては使えるのでまだ救いがあるか。

サムソン(新・暗黒竜と光の剣)

「私はサムソン。かつては、剣闘士として名声を得たこともある。
 わけあって、今は こんなところで暮らしているが 私でよければ力になろう。」

該当する特徴: 8以外全部

「アリティアの戦い」の村訪問にて、アランとサムソンの二択で仲間になる勇者。
その存在自体は変わらなかったが、リメイクで彼は恐るべき弱体化を遂げた。
能力値据え置きで、LV『だけ』が上級職LV10に引き上げられたのだ
要するに、元々の貧弱なステータスのまま無音成長を9回繰り返したようなもの
貧弱な初期値+伸びしろ0+高レベルなので経験値も入らない(レベルも上がりにくい)という三重苦。
出来上がったのはお助けユニットにすらならないジェイガン以下の何か。
もはや「イラナイツ」という次元すら突破したアイテムのオマケである。
個数限定のドーピングアイテムを全部注ぎ込めばある程度はマシな能力を得られるが、あまりに初期値と伸びしろがゴミすぎて無駄遣い以外の何でもない。
そんなことするくらいならオグマかシーザ、もしくは兵種変更したウルフやザガロにそのドーピングアイテムを突っ込んだ方が10000倍マシ。

バヌトゥ(新・暗黒竜と光の剣/新・紋章の謎)

「わしは、火竜族のはしくれじゃ。
 じゃが、ペラティで大事な石をなくしてしまい戦うことができぬ。
 わしも、ともに行くから一緒にチキを探してくだされ。」

該当する特徴:2、4、5、6

序盤に加入する火竜族の老人。
初期状態では変身に必要な竜石を持っておらず戦えないが、石を取り戻すことで高い戦闘能力を発揮する。
ジジイらしく成長率は壊滅的で神竜たるチキと違って火竜石でしか変身できないものの、変身時の守備補正値が高く壁役として頼れる。
他の壁役候補が守備の成長率が低いドーガ、斧を補充するタイミングの少ないサジ、さらに両者ともクラスチェンジ不可ということもあってチキが加入するまでの繋ぎとしては十分な戦力となる。
FC版では竜石は無限に使え、SFC版では使用→数ターン変身という形式だが、計画的に使っていれば使い切ることはそうない。更にSFC版では火竜・飛竜の防御無視攻撃に対する盾(竜のみ守備が有効)やアイオテのたてを持たせて氷竜への盾&特攻で無双など、ピンポイント起用するに足る性能を持っていた。

…というのはオリジナル版の話で、『新』版では使い勝手がかなり悪くなっている。『新・紋章』だと難易度ノーマルでさえ運用が困難とも。
まず竜石を道具して使うことで変身するのではなく、戦闘の度に「反撃できない時でも」普通の武器として使う方式になったので壁としての耐久性・使用回数が大幅に低下。
さらに守備の補正値もダウンし、竜族のブレスも防御無視ではなく高攻撃力に戻ったので専用の盾役としての仕事もなくなる。
さらに高難易度では敵のステータスインフレが著しく、壁どころか即死しかねないので完全な足手まといになってしまう。
なお見てわかる通りマムクート自体が激しく弱体化しているので、バヌトゥほどとは言わないまでもチキや新キャラのナギも扱いが結構難しかったりする。

サムトー(新・紋章の謎)

「かわいそうだが死んでもらうぜ。くらえ! 必殺の剣!!」
           ↓
「あーあ、ウソなんてつくんじゃなかったぜ…」

該当する特徴: 3、8以外全部

ナバールのパチモノと言うべき剣士。SFC版では傭兵だったがDS版ではナバールと同じ剣士になった。

そんな彼がDS版でなぜイラナイツ扱いされるのか、その理由は 「環境の変化で化けの皮が剥がれた」事に尽きる。
初登場のSFC版でもキャラ単体の性能はハッキリ言って 弱かった が、当時の環境(乗り物系ユニットの制約と能力上限・傭兵勇者と剣が最強だったetc)のおかげでサムトーは乗り物系クラスのキャラを差し置いて採用できるくらいの価値があった。
しかし環境の変化で剣と勇者パワーに頼れなくなった結果、 下級職最弱と断言できるイラナイツ化した。
サムトー単体の特徴としては「全体的な成長率が低い」「レベル5にしては初期値が低い」「それでいて6章で加入」という弱点を持ち合わせていたが、当時は劣化ナバールながら、勇者と剣パワーでそれほど気にはならなかった。
しかしDS版は環境の変化で「総合成長率が同着一人いながら下級職最低」「レベル5の低初期値が深刻に」「7章から敵が本格的に強くなるので育成も困難」とダメな所ばかり目立つ。
極めつけはサムトーはなんと よく育つ初期上級職キャラに期待値で負ける という致命的な点もある。
具体的にはHP以外の期待値は15章で上級レベル1で加入するアベル以下である。
要するに期待値が見直されつつある時代に クソ弱いくせに将来性も皆無 という、下級職にあるまじき体たらくぶりなのだ。
しかも剣士のままだと間接攻撃ができないので育てづらい。アーチャーとかにすれば間接攻撃ができるが、力が伸びづらいので、力が伸びないと結局採用できない。

これらの事から救いようがない下級職で、愛や縛りプレイ、仲間が死に過ぎてもいない限り、使われることはないだろう。スタッフはサムトーが嫌いだというのか。

ロンクー(覚醒)

「女は苦手だ……」

該当する特徴:1、5、6

フェリア王国の剣士
過去のとあるトラウマのために女性が苦手。
ナバール枠だが、HPと力が伸び悩み、本作の剣士は回避率や必殺率がそこまで高いわけでもないため使いづらい。
同じ剣使いのクロムやガイアに出番を奪われがちで、更に期待値でも中盤に仲間になる上級職サイリに劣る。
また、これといって目ぼしいスキルがないため父親候補としても挙がりづらい。
彼が習得できる奥義「流星」「滅殺」は発動率が低く、基本的に「太陽」「月光」「復讐」の方が使いやすいというのも痛い。
強いて言えば技・速さの上限値が親世代トップなのでタグエルの長所を更に伸ばしたりブレディやロランの弱点を補えるか。

一応、サブ資質であるドラゴンナイト系などを経由すれば力不足などはある程度解消されるがそれはそれで剣を究めたい彼にとって剣を捨てるほうが強くなるという悲しい現実を突きつけることになる。

ベルベット(覚醒)

「…先に忍び込んでおいて正解だったようね。
 人間の争いに興味はないけど、一族の義理を果たすわ。」

該当する特徴:4、5、6

本作唯一の獣ユニット「タグエル」のキャラ。
……しかし、このタグエルと言うクラスとベルベットのクラス資質が色々大問題。

まずタグエルは「種族:獣」なのでキャラそのものに特効が付与されてしまう。
つまり、他のクラスになってもビーストキラーで特効を受けてしまう。
ベルベットは「タグエル」「盗賊」「ドラゴンナイト」の資質を持つが、盗賊やドラゴンナイトになっても常に獣特攻が付いて回るのだ。
余計な特効のリスクが常に付きまとうため、この時点で既に他のキャラより不利。
盗賊として運用するにしてもドラゴンナイトとして運用するにしても獣特攻を受けない他のキャラでやった方が良いのである。

この時点で既に他のキャラの劣化としての運用を余儀なくされ、仕方ないので固有クラスのタグエルで頑張ろうとすると、ここでタグエルの仕様が牙をむく。
錬成できない「石」の上に射程1固定であるため、間接攻撃の前では無力。
覚醒は基本的に手槍や手斧などを装備し、同じターンに一斉に動いて圧倒的な物量で迫ってくる敵を吸えるだけ吸い込んで処理する地雷ゲーなので、射程1固定の時点でかなり厳しい。
どころか、カウンター持ちの敵相手には絶対に致命傷を受けるor勝てない。クラスがタグエルのベルベットのまま使った場合、ベルベットよりHPの高いモブウォーリアーと対峙しようものなら弓や手斧で一方的に倒されるかカウンターで自害させられるかという二択になる。

しかも本人のクラス資質が残念。
ペガサスナイトやトルバドールといった女性専用クラスの資質がなく、習得できるスキルの質は大抵の男性陣と同等以下。
電撃戦主体の覚醒においては非常に強力な「ラッキー7」「ホットスタート」のコンボや「剣殺し」「槍殺し」を覚えられるところは良いのだが、肝心の奥義がよりによって発動率最悪の「滅殺」しかない。
これではいくら避けてもまともに敵を倒せない。ジェネラルと対峙したら大体滅殺のお祈りにかけるしかなく、泥仕合不可避。
少なくとも「戦力」として彼女を活躍させるのは修羅の道である。
子世代の一人シャンブレーを登場させるには彼女の結婚が必須だが、本人の残念なクラス資質がシャンブレーのスペックも殺してしまっている。
子世代男性の中で唯一女性専用スキルを一切継承できず、前衛としてはおろか後衛としてもイマイチなのでタグエル親子は放置しても戦力への影響は少ないのが実情。


バジーリオ、フラヴィア(覚醒)

「運命なんざ、死人の言い訳だ」
「ああ。あの野郎を今度こそぶちのめすよ!」

該当する特徴:2、3、6

バジーリオはフェリア連合王国における西の王で、フラヴィアは東の王かつ現在の統一王。
ぺレジア王国、ヴァルム王国との戦争においてイーリス王国と同盟を組み立ち向かう仲間となる。
エメリナの処刑を食い止める、ヴァルハルト相手に激戦を繰り広げる、ファウダーを出し抜くなどサブキャラの中でもシナリオ中での活躍が多い。
バジーリオはウォーリアー、フラウディアは勇者として加入する。

しかしユニットとしては別勢力を率いている関係上、加入するのは終章まで残り少ない23章というのが大きな問題。
同じ初期上級職のサイリやアンナ、マムクートのチキはもっと加入が早く即戦力として使っていけなくもないのに対し、この2人は主力が育ち切り子世代も揃っているであろう終盤でわざわざ起用するメリットがほぼない。
ステータス的にも、フラヴィアはまだしもバジーリオは速さの低さが響き、そのまま実戦投入するには辛い。
わざわざ育てるにしても男性のバジーリオはもとよりフラヴィアはこれまたペガサスナイトをはじめとする女性専用職の資質がないため、クラスチェンジさせても疾風迅雷等の強力な女性専用スキルを使えない。
また初期上級職だがレベルが10なのであと5レベル上げてスキルを習得してからでないと気兼ねなく転職できないというのも地味にストレスである。
そしてこの2人はお互い支援は組めるが信頼関係はともかく異性としては別なのか進行度がA止まりでSまで行かないため、結婚相手はマイユニットに限定されている。ちなみにバジーリオと結婚してもマークがハゲたりはせず黒髪になる
バジーリオに関しては盗賊の資質がアーマーナイトに変わり上限値が強化されたヴェイクという感じで、もし汎用親世代であればひっぱりだこだったと思われるだけに惜しい所。
一応、二人とも武器節約や月光を取得可能のため、錬成したトマホークや勇者シリーズを使わせるくらいはできたりはするのだが…

終章直前で今更…と言うのはギャンレルをはじめとする配信キャラも同じだが、彼らはこの2人よりは初期値や上限値が優秀だったりレアスキルを持つこと、元敵キャラ等を味方として使える目新しさ等の特徴もある。




リンカ(if)

「私はお前を……白夜王国に引き渡す」

該当する特徴:1、2、4、5

炎の部族の族長の娘。クラスは鬼人。
金棒を振るう職種で力と守備に優れている、いわゆる従来で言う戦士とアーマーナイトを足して2で割ったような職業。
初期の職業が鬼人およびそのCC先なのはリンカしかおらず、他のユニットとは役割が被らず活躍できる。

……のはずがリンカの力の個人成長率はわずか25%。鬼人の成長率と合わせればもう少し伸びるが多くのプレイヤーの期待を裏切ったのは言うまでもない。
ちなみに技の成長率は50%と非常に高く、支援会話では「力のリンカ、技のカゲロウ」と言われていたのに完全に関係性が逆である(カゲロウは逆に技が低いが力が異様に伸びる)。
では逆に守備面はどうなのかだが、守備の成長率は45%とかなり高い。しかし肝心のHPの成長率が20%とここで完全に台無しである(個人スキルの影響でHPが上がれば実質的に火力も上がる)
おまけに初期の武器レベルがEのため、透魔編のハードでは勇ましく助太刀に来てくれたのにもかかわらず、得意相手の槍術士にわずか数ダメージか入らず返り討ちに遭う悲しい姿を見ることになってしまう。
このエリアの敵を倒すとリンカに使わせろと言わんばかりに鉄の金棒が手に入るのだが、当然装備できない。金棒ゲット→リンカに渡す→武器レベルEのため装備できない、という経験は誰しもが通り得る道であろう。もはや嫌がらせに近い。
更に個人スキル「炎の血」はダメージを受けている状態だと相手に与えるダメージが増えるというものだが、高い守備のせいで下手な物理攻撃では0ダメージに持ち込みやすいため発生自体しない場合が多く、魔法攻撃だと低いHPと魔防のせいで逆に返り討ちに会いやすいと扱いが難しい。

白夜編では貴重な斧(金棒)使いだからそれでも使い道がある……と思いきや、同じ緑属性の弓を使う弓聖が異様に強いためタクミセツナ、モズメで十分。
鬼人をどうしても使いたいならツクヨミをパラレルプルフしたほうがはるかに使いやすい。
中盤にはドラゴンマスタークリムゾンが加入するので弓兵相手を除けばそっちのほうが強い。
更に捕獲可能なボスの面々を見てもナハト・バンバ・ウィリアム・ホルモンと斧(金棒)使いには事欠かない。
とどめとして、槍兵だが力も速さも伸びスキルで実質ほぼ攻撃力+3、おまけに守りの薙刀を持つことでアーマーとしての役割も果たせる歩兵のオボロが加入する。
白夜では武器相性を反転させる武器が楽に手に入るため、相手がバーサーカーでも問題がない。

透魔編ではシャーロッテとバディを組ませることでアクスファイターになれるので、ヘタレ易いHPと攻撃カをカバーできる。ぶっちゃけ「鬼神の一撃」を持たせたシャーロッテの方が遥かに強くなるが。

ちなみにルート共通で加入する場面においても出番が少ない。
4章では「チュートリアルとして村を訪れる場面」でリンカを行かせると、後はプレイヤーやリョウマの後を付いてくるだけで攻撃に参加できなくなる。防陣を組ませる場合も、スズカゼと組ませれば速さの関係で2回攻撃して敵を即死させられる見込みがあるので、やはり採用の余地は薄い。例外として難易度ルナティックの場合はスズカゼと組んでも2回攻撃出来る速さを得られないので、その場合はリンカと防陣を組ませ、スズカゼに後方支援をさせられる。当然リンカを攻撃側に回すのは非推奨。
5章においては全員が赤武器属性持ちのため、やはり前線には出せない。ルナティックだと魔法攻撃持ちが増えて更に危険な状態になるので、スズカゼと防陣を組ませて後方援護するくらいしか使い道がない。
こんな状態のまま一時離脱する都合で武器レベルが上げられないので、透魔編では武器レベルEのまま加入せざるを得なくなってしまう。

このように独自性はあったが最初の時点で非常に使いづらく、他のユニットでいいよねという扱いとなってしまった。せめて最初の武器レベルがDだったら…。
なんとか育てて修羅にCCすれば白夜では貴重な魔法が使える上、最初に覚える魔防封じのスキルとも噛み合うためそれなりに強くなるが。
が、修羅の場合は技のステータス限界が低いのが難点で、結局ツクヨミの劣化になりやすい。
もう一つの鍛冶も同じくイラナイツになりやすいがより鬼人に向いているヒナタがいるので……
総じて、本人の性質と鬼人の性質が見合っていないため、ヘタレ易いタイプのキャラである。
ちなみにサブ素質は忍。技が高いので相性自体はいいが、苦手分野である力、HPが更に伸びづらくなるというジレンマがある。

本人の性能とは別に他のキャラではほとんど渡せない鬼人の素質のために、結婚やバディの相手としてはかなりの人気がある。特に必殺確率の上がる鬼神の一撃がかなり便利。
但し、バディに関してはオボロとカゲロウは弓使いの素質を持つキャラと組めてしまうし、更にこの2人は元々持っている素質が弓使いと相性がいいので、やや選ばれづらい。
暗夜でも加入すればまだ使い道はあったかもしれないが、共通ルートで相方を務めたスズカゼと違い、彼女は11章での戦いを最後にその後一切出番がない。
同じ章でボスと務めたヒノカと再戦する24章で彼女は鬼人素質のモブと防陣を組んでいるが、なぜ彼女ではなくモブキャラが採用されたのだろうか。



ツバキ(if)

「完璧に勝つよー?」

該当する特徴:4、5

白夜王女サクラの臣下の一人。
完璧主義に拘る青年で、あらゆる出来事を卒なくこなす万能の才能を持っている。
というのはあくまで表向きの話であり、実際のところは才能に優れた訳ではないが、そんな彼が周囲からも完璧と呼ばれる状態に至ったのは本人の類稀なる努力の成果によるもので、言うなれば努力の天才ともいうべき存在である。
クラスは天馬武者、ほかのシリーズでいうペガサスナイトであり実質シリーズ初の男ペガサスナイトということで話題になった。

そんな設定上は優秀な彼であるが、性能の方はという高い方はHPの55%、技の50%、守備の45%で、固有スキルの『完璧主義』がHPが満タンの時に命中、回避+15になる効果を持っており、安定した命中率と守備を誇っている。一方で低い方は幸運の25%、魔力と速さの20%に、魔防の5%と、総合してみるとアーマーナイト向きのスペックをしている。
これで素質がアーマーナイトならば良かったのだが……

彼の初期クラスは幸運と速さと魔防が上がる天馬武者であるため、ハッキリ言って自身の長所を食い潰してしまっており、ビックリするほど歪な成長率を誇る。
天馬武者を目指した経緯は支援会話で分かるが、それとは別に短所を補おうとする完璧主義な彼の性格が表れているとも言えなくはない。しかし、どちらかというと完璧に拘り過ぎている彼の短所が全面に表れているとも言え、そのまま育てることは性能的にも精神的にも決して良くはない。
力が30%と微妙なので、命中が安定しても大したダメージソースにならないこともしばしば。
『完璧主義』もHPが満タンの時にしか発動しないので、高いHPが無駄になり勝ち。それどころかレベルが上がってHPが1ポイント上がるとその時点でHPが満タンではなくなる仕様があり、HPの伸びが良いツバキでは頻繁にスキルが不発になりがちになる難点まで抱えている。

もう1つの資質は侍だが、これに関してはリョウマの壁が厚い。ただ、上級職に関して言えばリョウマは剣聖向きなのに対し、ツバキは兵法者向けという点で差別化は可能。
『清流の一撃』で持ち前の回避率を上げられるうえ、力を6ポイント下げる『力封じ』が決まれば攻撃が当たっても無傷でいられる見込みが出て来る。火力を高めたければ『死線』を取るのも手。敵味方双方のダメージが10ポイント増えるというハイリスクなスキルだが、回避に特化しており、当たっても多少耐えられるツバキなら、持っていても危険性は薄い。
三すくみの武器全てを使えるという点は彼の性格にも合っているので、育てるのは大変だが、どうしても使いたい場合はこちらを選択するのが良いと思われる。
幸いにしてアサマとバディが組めるので、自動回復できる『回復』も取りやすい。
とはいえここまでしないと活躍の場面が見込めないという点では、やはり一軍入りは厳しいものと言えよう。
なお、ツバキは支援Sの相手はよく考えて選ばないと、娘のマトイが名前負けするほど非常に残念な性能になってしまう。

ちなみに個人スキルそのものはHP条件が整ってさえいればむしろ強い部類の性能をしており、
次作「風花雪月」で似たスキルを持ったキャラは優秀な速さ成長率も持ち合わせかなり使えるキャラとなった。
ツバキ本人はどこまでも成長率の歪さに邪魔されていた感じである。

ヒナタ(if)

「おうよ!」

該当する特徴:1、5、7

白夜王子タクミの臣下の一人。
その風貌に違わず侍職として登場。
しかし成長率は作中の中でも低い方でよく2ピンしかしないという印象からピンピンオウヨと呼ばれることも。
ライバルには同じく侍のカザハナがおり、カザハナも守備とHPが低いと使いづらいためいいライバルになっている…のだが
そもそも剣を使えるのはロード職のカムイ、白夜では非常に貴重なソシアルナイトのサイラスがいるため彼らに一軍の座を奪われがち。

そういう事情を乗り越えて使い続けても白夜最強ユニットのビルバインことリョウマ兄さんが剣聖として中盤に加入。
初期能力・成長率・専用武器などとあらゆる面で勝ち目が見当たらないためここまで愛で耐えてもここで二軍落ちになってしまうことが多い(ヒナタを侍→剣聖1本で育てた場合、ステータスは守備こそリョウマに大差をつけて勝るがそれ以外がリョウマに劣る。個人スキルや専用装備の差を考えれば…もはや何も言うまい)。
カザハナの方は力と速さがかなり伸びるので使えなくもないがヒナタの方は目立つ特徴がないためより厳しい…。
このように「上位互換が多数存在する」ことにより、近作でも珍しく苦しさが浮き彫りになったキャラ。
透魔編ではリョウマ加入のタイミングが少し遅く、サイラスも加入がかなり遅いため剣職の貴重さが上がり中盤までの出番は増えるかもしれない。
中盤以降はリョウマだけでなくマークスまで加入するためより出番は絶望的になるが。
一応、上記二人にはない利点として素質に鬼人があるため、リンカより壁役に向きやすく成長するという物がある。というより明らかに鬼人向きの成長率だったりする。

ヒーローズでは初期実装で強力なAスキル『獅子奮迅』を引っ提げているが、本人の性能とは全然合っておらず、
スキル継承の実装によってスキル継承の素材役としては大活躍することになった。
逆に本人にもちゃんと適正なスキルを継承させれば、初期実装の水準ではあるが特徴を出したユニットとしてそこそこ強い。

ニュクス(if)

「私は永遠の子供……」

該当する特徴:1、2、4、6

暗夜王国のダークマージ
見た目は子供だが、正体は呪いで身体が一切成長しないロリババア
問題は、子供の下級魔法職だから伸びる…と思った多数のプレイヤーたちの期待を裏切る初期下級では合計値ワーストの成長率
しかもダークマージの成長率補正も悪いという追い打ちまでかかっている。
魔力と速さに特化しているので火力こそあるものの、本人・兵種の技成長率が両方悪く、性能を一言で表すと『当たらない大砲』といった表現がわかりやすい。
それでも序盤は人数がかなり少なくステの差も少ないため出番はあるが、カミラレオンが登場したら大抵お払い箱になってしまう。そのうえエリーゼが上級職まで辿り着くと、魔法アタッカーとして活躍出来てしまう。
本作では魔法職がそれほど強くなく、暗夜自体が高難易度でニュクスを育成する余裕がないという点も彼女への向かい風である。

ではいくらでも育成できる「インビジブルキングダム」では改善されたかというと、むしろ加入時期が大幅に遅れ、しかもステータスは据え置きともはや使わせる気が全くないとしか言いようがない。
同マップで加入するアシュラはレベルが大幅に上がって頼れる上級職となっているので、理不尽さすら感じさせる。
白夜で仲間になったとしたら、魔法職のライバルにあまり強いキャラがおらず、また難易度が低いのもあり高速高火力アタッカーとして役に立てたと思うと残念である。

しかしDLCでダークファルコン・魔女を解禁すれば状況は一変。職種による使いづらさが消えるため一転して頼れる魔法職になる。
特にダークファルコンの「疾風迅雷」とは非常に相性が良く、低耐久の弱点をある程度補えることができる。
また村人のモズメとバディを組み、兵種変更して命中率+40%になる弓聖のスキル『凶鳥の一撃』を取得すると、『当たらない大砲』が『当たる大砲』となり、一気に本作TOPクラスの魔法アタッカーに躍り出ることができる。
もし彼女を使いたいのであれば割り切ってDLCを解禁したり、モズメとの支援上げを最優先するほうが良い。
ただし、2023年3月をもって3DSのニンテンドーeショップが終了したため、今後始める場合は…お察し下さい。
また、母親としては魔法職としてほしいブーストがしっかりかかりやすくなり、特にレオン≒フォレオはエリーゼと結婚ないし、母親に出来ないので最適解となりやすい。

ドラジェ、ファンク(if)

「このドラジェ様は体型の割に手強いわよ」
「俺らの仕事の話を聞いた以上、生かしとくわけにはいかないな」

該当する特徴:1、3、5

ドラジェはミドリコ、ファンクはグレイが加入する外伝の敵将でどちらも盗賊(クラスはアドベンチャラー)。
本作は一部の敵将を捕獲することで仲間にでき、高い能力や豊富なスキルで下手な親世代より活躍する人材も多い。
しかし、この2人は成長率がギュンターに次いで低い上、基本的な兵種スキル以外は持たないという残念な能力。
またドラジェは太った体型のためかCCが一切できないという制約もある。

ギルベルト(風花雪月)

「殿下ッ! ……それに、先生も?
 なぜ……いや、話は後です!」

該当する特徴:3、4、6

第1部(白雲の章)の中盤に一度友軍のセイロス教団所属騎士として参戦し、蒼獅子の学級を選択した場合の第2部(蒼月の章)のみ自軍として登場する老齢のフォートレス
彼自身は別段成長率が悪いという訳ではなく、HP・力・技・守備が伸びやすく速さはあまり伸びない、魔法系と幸運はサッパリというわかりやすい重装タイプである。重装適性があって技も伸びやすいキャラというのは実は今作では貴重。
また、シナリオ進行上このルートの物理壁最有力であるドゥドゥーが参戦できない(または失っている)タイミングであり、立ち位置的にはお助けユニットという立場に近い。……はずだったのだが。

問題なのはお助けユニットの需要が高くなるはずの高難易度になればなるほどアテにならなくなる点とオープニングマップの仕様が多大なる悪影響を及ぼしているということ。
まず出撃前に準備が一切できず、更にマップ途中から新規加入するユニットのため、それ以前からあらかじめ装備を整えるということもできない。
その結果が初期装備からして命中難の「鋼の斧」。いくら技が比較的ある方とは言っても元が低すぎて回避値で相殺する前の命中が100にすら届かない
しかも敵は半分近くが回避に優れる剣装備の敵兵であり、過去作でいう明確な三すくみがないのを抜きにしてもとにかく相性が悪い。
そもそも彼は最初から「剣殺し(槍を装備中に剣の敵に対して命中回避+20)」という有効なスキルを習得しているのに加入時点では槍を持ってないどころかスキルを装備すらしていない。せめてスキルだけでも装備しててくれればもうちょっと仕事できるのに……
次に速さ。なんと初期値2という衝撃的な低さである。当然追撃されない敵などほぼ存在せず、下手をすると敵のフォートレスやアーマーナイトからも追撃される惨状。一応ウォーリアーやパラディンの資格を取ればだいぶ改善されるが、それでも鈍足な相手以外からは追撃がデフォである。
更に幸運が低いことによる必殺回避の低さが追い討ちをかける。最初のマップからして敵の必殺を相殺できないケースがそこそこあるため耐久性も全幅の信頼を置ける訳ではない。

それでも今作のバランスではハード以下なら即戦力の壁として十分通用するし、成長もそれなりにするので厳しいとはいえ使いようはある範疇なのだが、状況が更に逼迫するルナティックのオープニングマップではもはや戦力にならない
まずただでさえ対処困難だった剣持ちは「斧殺し+(剣を装備中に斧の敵に対して命中回避+30)」or「すり抜け」のどちらかをほぼ必ず持っている。素の回避上昇もあって当てられない・避けない・足止めもままならない。それでなくとも連携攻撃補正などがなければ最終的な命中値は50あればいい方である。
そしてこちらのステータスが据え置きなのに対し敵の攻撃性能が難易度相応に上がっているため、尚更壁として機能しない。酷いケースだと壁役なのに無傷から2回ないし4回全ての攻撃が必殺なら即死というFEではありがちなことが現実的に起き得る組み合わせすらある。
「隣接して登場するアッシュに銀の盾を持たせて渡しておき森の中でじっとしている」というのが一番無難かもしれない。

以上から経験値を得るどころか生き残ることすらかなり気を使わなければならず、そもそもオープニングマップさえ突破すれば一部を除いて他学級からスカウトしたキャラも解禁されるため、尚更出番がないという残念なことになってしまう。出番がなくてもめっちゃ喋るし敵将も煽ったりするけど。何より物理壁としては先に触れたドゥドゥーがあまりに優秀すぎた……(その彼も第1部のうちに外伝を忘れずこなしていれば少し遅れて復帰できる)。
他の重装適性持ちキャラと違ってグレートナイトをとても目指しやすいという独自性も持っていたりはするのだが、そもそもグレートナイト自体が今作はイマイチという点まで逆風である。
また、彼が強制出撃に含まれる外伝も1件存在するが、実はマップギミックの都合上全く育ててなくてもクリアできるためやっぱり育てなきゃならない理由があまりない(強制出撃のもう片方は育ってないと大変だが)。

ヴァンドレ(エンゲージ)

「古の時代より代替わりを続けながら、
 貴方様がお目覚めになる時をお待ちしていたのです。」

該当する特徴:1、2、3、4、6

聖地リトスで神竜を守る「竜の守り人」の役職に就く壮年の男性。今作のジェイガン枠。
初期兵種は上級職のパラディンであり、主に斧を使用する。

(一部を除いた)ジェイガン枠のお約束として成長率が低いのは仕方ないのだが、彼の場合は初期値も低いのが大問題。
過去のお助けユニットより低いどころか、それどころか他の序盤ユニットに毛が生えたようなレベル。最序盤に加入する騎兵職のアルフレッドが数回レベルアップすればHP以外のステータスはほぼ追い抜かれてしまう。
武器も従来のジェイガンのような銀武器ではなく、まさかの鉄の斧。
成長率もそれなりに伸びるHP以外はジェイガン枠らしく文句なしに最低レベルで、おまけに初期上級職のため序盤は経験値も入りにくくなっていてレベルアップもままならない。
頼みの個人スキルも自分とリュールの必殺率しか上げないため弱く、DS以降のシリーズどころか歴代でも最弱のジェイガン枠と評されることも。*16そのうえ自身の必殺率をあげてしまうため、リュールの傍では自身が倒してしまう確率が跳ね上がり、序盤の削り役にすらなれなくなってしまう。
使用キャラのステータスが固定される高難度の有料DLC「邪竜の章」においてもステータスが他のキャラより低く、愛で何とかすることも不可能。そのため、他にも後述でエンゲージのキャラがイラナイツとして紹介されているが、「邪竜の章」での救済がある分ヴァンドレに比べたら全然マシといえる。
ただ、仲間数が少ない最序盤に限っては彼を使用せざるを得ず、序盤の斧使いがヴァンドレと歩兵職のブシュロンのみであるため槍兵をブレイクさせて他の仲間にとどめを刺させる削り・ブレイク役や、上級騎兵職の高い機動力を生かした民家訪問・宝箱回収のお使い役というジェイガン枠らしい役割は存在している。

また、彼が弱いのは彼は今までのジェイガン枠のキャラのような軍人ではなく、「竜の守り人」が軍人というより神官(文官)あるいは執事みたいなポジションであることが大きい*17
つまり、本来は最初から戦争に参加する立場のキャラではないため仕方ないとも言える。
……のだが、料理が苦手なのか拠点内で彼が料理当番になった場合、結構な頻度で失敗料理を出され、次回出撃時にステータスが低下してしまう。
戦闘では弱く、他の部分でも足を引っ張ってしまい得るという点で、文句無しのエンゲージ最弱ユニットである。

クラン(エンゲージ)

「感激すぎて卒倒しそうです!
 むしろもう卒倒しています!」

該当する特徴:1、4、5

主人公リュールに仕える「竜の守り人」の少年。
本作における赤と緑緑枠であり、初期魔道士枠。

だが魔道士職でありながら、魔力の個人成長率がたった10%という低成長力であり、そのまま魔法職を続けると低能力で苦しむ羽目になる。
個人成長率は力が35%と前衛職としては標準的、守備もそれなりに伸びるので物理育成向きではあるが、そうなると全キャラ最下位のHP成長率と少年故の低体格が足を引っ張るという別の問題が発生してしまう。
更に序盤で出撃枠が少ない時期に物理魔法の両方が扱え、技と速さ以外全ての成長率が同値か上回るセリーヌというほぼ上位互換が加入するのも厳しい。
別系等の職にCCできる「チェンジプルフ」が最初に入手できるのは第8章であるが、その頃にはCCにより強力な魔法アタッカーになるアンナさんがいるのも、アイテム面で向かい風。一応、自前で剣の素質を持っているため、紋章士なしで物理職に転職できるのは追い風か。

彼を起用するのであれば個人スキルを活かしたい。効果はリュールと隣接させることでお互いの命中を+10させるもので、やれることが少ない序盤からグリフォンナイトを始めとする高回避が登場する終盤まで有効に活用できる。
また、支援の上乗せも可能なのでルナティック終盤の高回避勢でもなければ、まず外れることがないくらいの命中になる。
隣接が条件であるためリュールの個人スキルも自動的に発動し、不足気味の火力を補えるのもいい。

また趣味がピクルス作りであることが功を奏してか、ボネほどでないにせよ料理が得意であり、独自枠でB以下がないという特徴もある。
結果Aの場合、男性全員かリュールに追加補正が入るため、男リュールにしていればどの独自枠だとしても大きくステータスを上げられる。
どこまでもリュール大好きな彼らしい効果である。

ボネ(エンゲージ)

「主君の好みを完全に把握し…
 喜んでもらう料理を作る義務がある。」

該当する特徴:2、3、4

商業国家ソルム王国の騎士兼料理人
ソルム王国第一王子・フォガードの臣下。

後半加入の初期上級職キャラの一人であるが、初期上級職キャラがかなり強い本作では例外的にステータスが低めで加入するという謎の処遇を受けている。
成長率自体はそれなりだが、職は違えど前章で加入するカゲツや同じ章で加入するパンドロよりも全体的に見劣りする数値であり、また、パッと見での体格の良さ・前衛キャラというポジションに反して体格の個人成長率は同時加入する僧侶職のパンドロよりも低い10%。
その初期値冷遇に加えて個人スキルも食べたお弁当を幸運%で再入手するというネタスキルのため、総じて戦闘には起用されがたいユニット。

一方で本職の料理人であるため、拠点では料理当番として役に立ってくれる。

最後に

確かにイラナイツはステータスが微妙だったり、見劣りしたり、仕様にも恵まれてなかったりと残念性能が揃う。

だが、FEはキャラクター1人1人に物語が存在するゲームであり、その物語を切り開くのはほかならぬプレイヤーである。
1人旅したり、フルドーピングラスボスを打ち倒したり、いろんなキャラと恋愛させることもできる。
無理にそういったことをせずに、たまになんとなく使ってやるのも悪くないかもしれない。
縛りプレイとしての楽しみもあるので、ある程度慣れてきたら腕前を試すために起用してみるのも面白いだろう。
真の意味でのイラナイツなど、このシリーズには誰一人として存在しないのだから……。
成長にランダム性が関わり、上限値と初期値の差が激しい場合は誰しもがイラナイツになりうるし

ちなみに現在はVCやNintendo Switch Online加入者限定で過去作を遊ぶことが可能。
いつでも可能な中断セーブの他、後者は自由に巻き戻しや乱数調整もできるので、その気になれば闘技場で連勝&秘密の店でドーピングアイテムを大量購入して超強化といった芸当も可能。
かつてイラナイツと呼ばれた最強のメンバーを揃えて世界を救うというのも面白いかもしれない。
もうイラナイツとはイワセナイツ





追記・修正は3周目あたりからベンチに定着してるユニットを使ってからお願いします。


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最終更新:2025年04月22日 15:22

*1 「聖戦は歩兵自体がイラナイツ」というプレイヤーまでいるが、これは流石にスピードクリアなどの特殊なプレイスタイルの場合に限る

*2 敵を撃破すると再行動できる。ステータスのインフレに伴って撃破は容易く、行動回数を増やせる超強力スキル。地雷戦術に必要なポジション取りにも有効

*3 幸運%で武器耐久が減らない。直間両用の神器や魔法は入手難易度が高く、敵の猛攻で簡単に壊れないことが本作では重要

*4 但し、経験値がガンガン入るので慣れればすぐにレベルアップする

*5 この頃はレナさんの成長率も酷かったが、彼女は武器の使用回数を回復できる「ハマーンの杖」を使えるという一点だけでイラナイツ入りを免れている。成長率は非常に高いが加入が遅すぎるエリス様も、死者を蘇生できる「オームの杖」を使用できるという意味では使う意義がある。

*6 これは僧侶というクラス自体を削除したためである

*7 ただし、説得するのはマルス。

*8 初期値の8で暗黒竜に存在する杖をすべて使える

*9 オリジナルと同じで良いよという意見も多い

*10 4章「風に舞う」で山越えをする必要があるのだが、アーマー系は山に入れないため進軍不可。このころは「救出」「かつぐ」がないので誰かに運んでもらうこともできない。いちおう「ワープ」「レスキュー」で移動させることもできるが、「ワープ」は仕様上シレジア城制圧後(4章の最終盤)でしか使えず、「レスキュー」は特定のカップリング成立時しか入手できないという有様。そもそも山越えさせたところで役に立つかというと……

*11 冷遇時代と言われる斧だが、重さは酷いものの攻撃力も高いため、序章の段階では守備の高いアーダンやレックスでも受け切れない

*12 ケイン達より優先するかは人それぞれだが指揮レベルは替えが効かない要素。やや低成長率だがステ上限が低くて聖戦士の書もあるゲームなので主に幸運を補強しながらレベル上げれば大抵は最後まで使える

*13 遊牧民・遊牧騎兵は騎馬ユニットなのに騎馬特攻の判定外。烈火では判定対象となった

*14 彼女も賢者。貴重な遠距離魔法「メティオ」を持参するため本人が要らなくても基本的に誰もが仲間にするであろうキャラ

*15 王であるカイネギスと同時加入かつほぼ同等の能力を持つジフカは完全に別格の存在だが、それ以外は回避率だけなら最終的にネサラをも超えてトップになれるウルキ、アイクとの絆支援があるライが比較的マシな立場という程度である。

*16 「if」のギュンターも能力と成長率は非常に低かったものの、強力なスキルを持つためその一芸だけで使用に値した。

*17 特技もレース編みやジャム作りといった軍人ではなく執事的なものになっている