モルスーン

モルスーン( Molthune)


モルスーン は、アヴィスタン中央部のエンカーサン湖 Lake Encarthan 西岸に位置する勃興しつつある新興国である。

歴史

かつてモルスーンはシェリアックス帝国の一部だった。エイローデンの死後、帝国は動揺し、各地に離反の動きが出る。
4632 AR、モルスーンがその中で最初に独立を宣言する。この動きにガルトアンドーランも追随することになる。
4655 AR、従属的地位に置かれていた北部の民が独立を宣言、ニアマサスが分離する。
しかし領土の半分近くを失ったとはいえ、モルスーンは木材、鉱物、農作物の資源に恵まれ、規律正しい国民を抱え、強大化しつつある国である。

政治

モルスーンは寡頭制軍国主義の国であり、9人の the General Lord によって運営される。帝国司政官 Imperial Governor はその中から他の者の支持によってその地位に就き、その任期は終身または退任するまでである。現在の司政官であるマークウィン・テルダス Markwin Teldas は知的で教養のある野心的な人間であり、ほとんど愛されていないが万人に尊敬されている。彼は戦略に経済学的な手法を加味しており、その施策は効果が鈍く、時には直感に反しているように思えることもあるが、多くの場合モルスーンの力と富を増している。

住民

圧倒的多数の住民は人間で、多くがシェリアックス人の子孫である。
しかし軍は規律に従えるなら人間以外の種族も受け入れており、ホブゴブリン、ケンタウロス、gollix serpent(ナーガの一種)、ライカンスロープなどの部隊がある。

モルスーンの住民は3階層に分かれている。
最上位に位置するのが都市に居住する帝国市民であり、政治参加、外国と取引する権利を持ち、移動の自由を有する。
次に大多数を占める労働者が農村部におり、帝国の未来を築く一翼を担っているという誇りを持って労働に励んでいる。
近年、司政官 Markwin Teldas は5年間の軍役を経れば、労働者階級の者に市民権を与えると宣言した。
奴隷制も禁止されてはいないが、法による規制を受け、奴隷は比較的よい待遇を受けられ、ほとんどの国とは違い、注意深い奴隷がよく法を理解すれば、いつか市民権を得られる可能性がある。
司政官は人口増加策を取っており、多産の家族は奨励金を得、軍役や労役と引き換えに土地を約束することで移民を募集している。
モルスーンの増大する経済力と軍事力は、いずれニアマサスを取り戻し、シェリアックスやドルーマの脅威を防ぐだろうと思われている。

地理

カノレイト Canorate:Nosam River と Hungry Maw River の合流点にある印象的な建築物と公的機関によって知られるモルスーンの首都。富裕な市民が住む Sweet Orchard 地区には、労働上または旅行のための許可がない限り下層民は立ち入りできない。中央にある帝城 the Imperial Castle では、司政官が内海地域の模型のある部屋で何年にもわたる戦略を練り、四半期に1度 General Lord たちが会合して行動計画を練る。
ブラガンザ Braganza:アーバダーの神殿でもあるアーバダー大銀行頭取 Prince-Archbanker of Abadar の Cole Ravnagask が支配する都市。彼はエンカーサン湖周辺地域は全て彼の宗教的影響下にあり、この街をこの地域のアーバダー崇拝者の首都であると考えている。
セッティン Cettigne:かつては独立都市国家だったが、数年前の飢饉と疫病で大打撃を受け、モルスーンの傘下に入った。現在でも 伝統的な衛士隊である the Free City Citizen Militia が巡回しているが、General Lord の彼らをニアマサスとの戦争に送り込もうと言う試みを無視し続けているため、何らかの暴力的な解決がなされるかもしれない。
エランマス Eranmas:モルスーン最大の造船施設がある都市。ドルーマのデトマーと並び、エンカーサン湖最大の水軍拠点があることで知られる。その水軍力は現在ニアマサスのタムランの封鎖に使われており、今のところそれ以外の国には向けられていない。
ラムゲート砦 Fort Ramgate:毎週のように眼に見えて拡張を続けるニアマサスとの国境にある砦。司令官はケーリド人の General Hakar。ニアマサス人の襲撃を頻繁に受けており、常に補修を行っている。
コーホルム Korholm:Nosam River の河口にあるモルスーンの玄関口である都市。その西1/3を占める造兵区 the Arsenal District ではモルスーン最良の兵士と士官たちが訓練を行っている。

バッカー森林 Backar Forest:モルスーン最大の森林。スプライト、サテュロス、トゥイッグジャック、グリッグなど多くの命令に従わないクリーチャーが住み、帝国軍も立ち入ることができない。
シュライク森林 Shrikewood:カノネイト北東にある森林。人目を避けやすい渓谷や辺鄙な場所が多く、犯罪者、反政府主義者、脱走兵、兵役忌避者などが隠れ住んでいる。物資が乏しい上、Hungry Maw River 沿いには多くのマイトとコボルドの部族、数は少ないが大きな蟲、オーガ、ウォーグ、時にはグリフィンなどの脅威が多い。
トリムスギット塔 Trilmsgitt Towers:ウィザードの三兄弟がお互いに数マイル離れた塔に住み、テレポートで行き来しながら研究成果を見せ合って暮らしていた。最近彼らの消息が全く聞こえてこず、入り口にある奇妙なすみれ色の防護のため入ることもできない。地元の支配者は何が起こったか知りたがっており、もしも三兄弟が死亡していたならその地所を接収するつもりでいる。
アンブラル盆地 Umbral Basin:モルスーンとニダルとの間にある危険な荒野。影のような巨人や口を縫い合わせた無言の殺人者の一団、現実を歪曲する黒い霧の嵐などが現れる。モルスーンの商人たちは少なくとも500人の傭兵や冒険者を引き連れた、1マイルにも及ぶ荷馬車の列を組んでこの地を旅する。

参考文献

[1] Erik Mona et al. (2008). Campaign Setting, p. 103. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-112-1
[2] James Jacobs et al. (2011). The Inner Sea World Guide, p. 122. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-169-2
カテゴリー:内海地域
最終更新:2018年01月04日 02:27
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