2020年代初頭は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、大河ドラマの製作にも大きな影響を及ぼした。
一方で折からの働き方改革の流れやCG技術の発展もあり、話数削減や合成などの工夫によってその都度乗り切っている。
SNSによる情報発信もますます活発化しだし、実況などの相性の良さも相俟って大河ドラマの楽しみ方も新時代に突入していった。
また、人気声優の出演も定番化してきており、毎年何らかの形で声優が起用されている。
平安時代中期~後期を扱った『光る君へ』や江戸時代後期を舞台にした『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』のように、
これまでの大河では取り上げられなかった時代がテーマとして選ばれたり、
一方で、これまでの大河でも多く取り上げられた戦国時代や幕末を舞台とした作品においても、
豊臣秀長や小栗忠順など、これまでの作品ではサブキャラクター扱いが基本だった、言ってみればマイナーな人物が主役になることも増えた。
その他、『鎌倉殿の13人』『どうする家康』『光る君へ』の3作においては、
当初青い理想論を掲げていたり、ただ穏やかに過ごしたかっただけの純朴でまっすぐな主人公や主要人物が、
厳しい現実に打ちのめされたり、そうせざるを得ない状況に追い込まれて自らの手を汚す覚悟を決める展開が続いており、一種のトレンドのようなものになっている。
また『麒麟がくる』から『どうする家康』まで4作品連続で徳川家康が出演したことも特筆に値し、
『青天を衝け』から『光る君へ』の4作品は前述の通り(『光る君へ』以外に)「徳川家康」が演者は違えど登場していたことや、
バラバラな時代を取り扱ったこと、いずれの作品も時代の転換による権力構造の変化を描いていたことなどから、
4作品連続で視聴したものには平安貴族の栄光と没落、武家政権の勃興と集大成としての徳川幕府の誕生、
そしてその終焉から明治維新……と「大河」の言葉通り歴史の大きな流れを感じさせるものとなっている。
2020年の『麒麟がくる』に合わせて、明智光秀ら戦国武将がスマホを持っているという設定のもと、ほぼスマホだけでドラマが進む『光秀のスマホ』というミニドラマも放映された。
以降、その年の大河の関連人物を主人公としたシリーズとなっている。
2023年2月には日本でのテレビ放送70周年、大河ドラマ60周年を迎えることを記念して、
最初の大河ドラマ『花の生涯』製作の様子を描いたドラマ『大河ドラマが生まれた日』が放映された。キャストがなんだか4年前の大河で見た面子が多いような…
麒麟がくる
放映期間:2020年~2021年2月
原作:なし
主人公:
明智光秀(演:長谷川博己)
時代:戦国時代~安土桃山時代
脚本:池端俊策、前川洋一、岩本真耶、川本瑞貴
戦国時代の全国メジャークラスでは最後の大物がようやくの単独主役として抜擢。
脚本を手がけるのは『太平記』以来の池端俊策。…マジかよ!?
研究が進みつつも未だに謎が多い「本能寺の変」が如何に描かれるか注目され、
また、同局の『
チコちゃんに叱られる!』のレギュラーである
岡村隆史も出演しており、
主に同番組内で事あるごとに「大河俳優」と一層イジリ倒されるようになった。
しかし、2019年12月に濃姫役にキャスティングされていた沢尻エリカが薬物所持で逮捕されてしまう。
まさかの2年続けて出演者が薬物で捕まってしまうという不祥事を受けて、
序盤部分の大幅な撮り直しを余儀なくされ(代役は川口春奈)、放送開始は本来より2週間遅れの1月19日となった。
また、東京オリンピック・パラリンピック期間にあたる5週間は番組を休止することが決定し、全44話というやや短めな話数を予定していた。
…が、その後、更にコロナウィルス流行に伴うオリンピック延期や、撮影休止を受けて3か月近く放送が中断。
2020年10月、話数はそのままに2021年2月7日に最終回を放送することが判明。『炎立つ』に次ぐ越年大河ドラマとなる。
ただ、沢尻の逮捕に伴う女優変更や放送開始延期という不安要素も逆に本作への注目を高めるきっかけになり、第1話の視聴率は19.1%を記録した。
更に第1話では声優の
大塚明夫がゲスト出演したことで話題を呼んだ。
才はあるものの人が良く不器用な明智光秀が、家族から冷遇され「誰かに認められたい」と必死な織田信長と友誼を結ぶ一方、
幕府再興の志を掲げる足利義輝と出会った事で足利将軍家を守ろうと決意し、足利家を盛りたてんとする織田家に仕えるようになる。
しかしその思い故に光秀は義輝の死に伴う義栄と義昭の後継者争い、義昭と天皇――天皇に認められたい信長の対立に巻き込まれていく。
そしてやがて信長が自分を褒めない者、認めない者を排除し、遂には天皇にまで譲位を迫らんとするようになるにつれ、
光秀は今の信長を作り上げてしまった責任を取らねばならぬという決意を固めていく……。
仁政を行う王の元に現れるという獣、麒麟は、はたしていつ現れるのか。
「誰かに褒められたい・認められたい」と必死な信長と光秀の友情に、信長の行動が過激になるにつれて亀裂が入っていき、
そのすれ違いが徐々に「本能寺の変」に向けて収束していく展開はSNSなどでも話題になっており、
令和大河一作目としては(さまざまなトラブルに見舞われたにしては)順調だといえるだろう。
特に序盤は斎藤道三や織田信長が次々に政敵を毒殺、暗殺していく展開が話題となり、
それがやはり終盤になって光秀の行動につながっていくあたりは長期番組である大河ならではの展開といえる。
愚直で誠実であろうと努めるが故に結果的に八方美人になり、周囲の人々の企みに翻弄され、信じた人々の変貌に戸惑い迷いながらも、
足利将軍や織田信長を支えんとする明智光秀を演じる長谷川博己。
自分を認めてくれた明智光秀が足利家、天皇、そして家康と友誼を深める事で苛立ち、
どうにか彼を喜ばせ、褒めてもらおう・認めてもらおうとするも、全てが空回りする織田信長を演じる染谷将太。
まだ主人公のキャラが立ちきっていない序盤を怪演で牽引し、緑茶のCMキャラクターをやっているのに2話目で茶に毒を盛って視聴者を震え上がらせた斎藤道三役の本木雅弘。
また、緊急登板で懸念されていた川口春奈も、道三の娘にして信長の正室という立場に苦しめられながらも強くあり続ける帰蝶→濃姫役として終盤まで熱演を見せた。
他にも、事なかれ主義に見えて一筋縄ではいかない朝倉義景役のユースケ・サンタマリアの怪演や、
人の良さそうなお調子者の一面と武士の世を憎む冷徹な面を持ち合わせる羽柴秀吉役の佐々木蔵之介、
当初は民草を想う僧侶として登場しながら、兄の跡を継いで15代将軍となったことをきっかけに、
信長の台頭によって回が進むごとに不穏さや冷酷さを顕にしてゆく足利義昭役の滝藤賢一、
織田家や今川家の間で翻弄されながらも、父の仇討ちの機をうかがいつつ、
光秀から200年続く平らかな国造りを託される麒麟を招く才覚を見せる徳川家康役の風間俊介二年も前から無茶振りされたぞ、どうする家康!、
そしてその徳川家の忍び・菊丸を演じる岡村隆史、ギリワンボンバーマン天下の大悪人という従来の人物像とは異なり、
若干胡散臭いが気のいいおじさんといった人物像で、周りに振り回されがちな苦労人の松永久秀役の吉田鋼太郎、
非常に雅な言動が目立つが、節々でしたたかな面も見せる帝の威厳を感じられる正親町天皇役の坂東玉三郎など脇を固める俳優陣にも注目。
その中でも川口はいち代役としての起用だったが、本作での演技が大きく評価され翌年の紅白歌合戦の紅組司会を担当。
以降はヒット作にも恵まれCM出演も急増し、国民的人気女優となった。
そのため、この大河で最大の下克上を果たしたのは戦国武将よりも川口春奈だったとする人も少なくない。
とキャラクター人気は『真田丸』同様非常に高いが、「合戦シーンが極端に少なく、主要な戦や人物の死ですらナレーションで済ませる」、
「話自体は面白いものの史実の光秀とは関係ない美濃編の尺が長く肝心の織田家臣時代の展開がかなり巻かれている」、
「オリジナルキャラクターの駒と望月東庵が、妙に出番が多い上に将軍や大名、帝と深く関わるなど、一応『一般市民』なのに活躍しすぎ」、
「光秀と信長の物語として描いているので本能寺の変をクライマックスに置いているが、それによって山崎の戦いは全カット」などという点は否の意見が多い。
とりあえず7年に渡り明智光秀の誘致活動をしたにも関わらず、丹波攻めがほぼ省略される形になった京都府亀岡市・福知山市は泣いていい。
ただしこれらのことはコロナウイルスの流行や沢尻エリカの逮捕などにより合戦シーンが撮りづらかったり、
脚本そのものが大きく変更される事態になったという側面はある。
あとは脚本の「自身が過去に描いた室町幕府の終焉を描きたい」という考えと、
プロデューサーの「斎藤道三と曲直瀬道三の二人が主人公という企画を考えていた」という考えが合わさり、
明智光秀がそちらに振り回された結果といったところか。
『新撰組!』の時のように続編や番外編を希望する声もある。
アニヲタWiki的には明智家の重鎮として
鬼武者こと明智左馬助がちょこちょこと活躍しているのが嬉しいところか。
彼が大河ドラマのクレジットにどーんと名前が出るだけで、PS2ユーザーにとっては感無量である。
青天を衝け
放映期間:2021年2月~12月
原作:なし
主人公:渋沢栄一(演:吉沢亮)
時代:幕末~昭和時代前期
脚本:大森美香
一作品を挟んで再びの近代を舞台とした大河ドラマ。脚本は『あさが来た』や実写映画版『
宇宙兄弟』を手掛けた大森美香。
2024年から新しい一万円札の顔となった「日本資本主義の父」渋沢栄一の生涯を描く。
友情のために戦う拳法使いのライダーや
真選組一の
腹黒ドS、
中華統一を目指す若き秦王に
無敵のマイキーでお馴染みの吉沢亮が、弱冠25歳で主演に大抜擢された。
そのせいかは不明だが、真選組世界で上司役だった堤真一が恩人役となり、慶喜の身内や14代将軍等ライダー出演者も妙に目立つ役で登場していたり。
また一部歴史ファンの間では徳川斉昭役の竹中直人が、
現存する肖像画に激似という点ではこれ以上ない配役として話題になったりもした。
東京オリンピック・パラリンピックの1年延期による夏の大型休止で話数が減ったが、
『麒麟がくる』の放送期間変更による開始時のズレを修正するため越年はせず全41話で放送。
昨年に引き続きコロナ禍での撮影となったが、渋沢の出身地である武蔵国血洗島村(現・埼玉県深谷市)を再現するため、
なんと東京ドーム5個分の広さにもなるオープンセットを組み、藍や桑を栽培しているあたりNHKの本気具合が窺える。
そんな血洗島は序盤の栄一と家族、仲間たちの舞台となっていて、中央の政局とは全く関わりのない部分ではあったが、
ここで描かれた様々な出来事が後の展開や人物描写に繋がっている。
さらにコロナ禍での撮影制限も、CG合成をフル活用することで密集シーンや疑似海外ロケを描くなどの新しい試みが行われた。
また、攘夷を志す「攘夷志士」として上京しながらも、一転して一橋家に仕える幕臣となった渋沢栄一が主役ということで、
今作では攘夷志士だけでなく、徳川慶喜(演:草彅剛)の故郷である水戸藩や一橋にも焦点が当てられている。
その結果、坂本龍馬や桂小五郎といった幕末モノではまず間違いなく重要人物として登場する有名人が影も形もない一方、
幕末ドラマでは比較的マイナーな扱いとなる平岡円四郎や小栗忠順といった、一橋家や幕府側の重要人物がピックアップされたり、
普通の幕末ドラマでは省かれがちな天狗党騒乱やパリ万博などの出来事がピックアップされたのも特徴である。
特に、栄一を一橋家に取り立てた人物である平岡円四郎の存在感は大きく、
彼の死は慶喜と栄一に深く影響を及ぼすなど中盤のターニングポイントとなっている。
さらに、一見めちゃくちゃで「また創作か」と思えるような主人公・栄一の発言や行動が、
公式Twitterの「青天ナビ」にて「本当に渋沢栄一が言っていた/やっていた」ということが判明するという流れの連続には視聴者の度肝が抜かれてばかりである。
各勢力の人物の丁寧な描写、史実のエピソードをしっかり描く、下手な戦国大河より迫力があり、
痛みを感じさせる殺陣など作品的には比較的好評。本来大河ドラマとして当たり前のことのはずなんだけどなぁ……
さらに、放送開始後はナレーションとは別に北大路欣也演じる
初放送の前の週まで風間俊介だった徳川家康が、
本編には一切登場しないのに
「こんばんは、徳川家康です」と時代背景の説明役として登場する演出も話題となった。
この家康、本編に登場しないのをいいことに、当然のように横文字を使ったりタブレットを持つなどやりたい放題で、
製作側も後半からどうするか迷うなど割と出オチ気味だったらしいが、無事最終回まで登場し続けた。
また、『あさが来た』で五代友厚を演じたディーン・フジオカが本作でも同役で起用されたが、
本作では栄一が仕える幕府と敵対する薩摩藩側の人物として描かれたこともあってか同一人物ながら印象が大きく異なる。
『西郷どん』や『龍馬伝』で登場した時とは大きく異るダーティな魅力を秘めた西郷隆盛や岩崎弥太郎が描かれ、
幕末大河では影の薄い大隈重信や伊藤博文がレギュラーキャラとして登場するなど、明治時代を通して大正時代まで至る
「日本の夜明け」の後に幕末を生きた人々の行動に重きを置いた、幕末大河の中でもやや異色な作風が特徴で、
吉沢亮演じる渋沢栄一が時代に翻弄されつつも青臭さと真っ直ぐさを失わずに幕末から明治を駆け抜けた快作として評価されている。
さらに、史実において渋沢栄一は、当時としてはかなりの長寿と言える満91歳という大往生を遂げた人物で、
年代で言えば昭和6年(1931年)、つまり、江戸(幕末)→明治→大正→昭和の四つの時代を生きたということもあり、
それもあって、彼と同世代以上の人物は全員が作中で何かしらの要因で亡くなっている。
更には同時期後半の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の物語開始年が1925(大正14)年であり、
連続テレビ小説と大河ドラマの時代が重なる珍しい現象も発生している。
渋沢栄一は江戸時代の頃にはとっくに成人してバリバリ活動していたにも関わらず、
今作でOPテーマを指揮する尾高忠明が渋沢栄一・尾高惇忠のひ孫だったり、
最終回には現在もご存命である彼のひ孫が登場するなど、彼が現代に近い存在であることがよくわかる。
彼が創設し劇中にも登場した第一国立銀行の流れを汲むみずほ銀行のシステム障害の報道が、本放送の直後のニュースで流れるという珍事も起きた。
放映期間:2022年
原作:なし
主人公:
北条義時(演:小栗旬)
時代:平安時代末期~鎌倉時代前期
脚本:三谷幸喜
『真田丸』以来の3度目となる三谷作品。主人公は鎌倉幕府第二代執権・北条義時。あれやりたいって言ってた泰時じゃないの?
タイトルに算用数字が用いられるのはNHK大河ドラマでは初である。
脚本は三谷幸喜は今作の内容をサザエさんで例え、
「サザエ(北条政子)とカツオ(北条義時)がマスオ(源頼朝)の死後に波平(北条時政)を追い出す話」となかなかアレな説明をしている。
義時が権力闘争に生きた人であり、前述の『草燃える』で義時を演じた松平健が平清盛役ということもあって、本作で義時を演じる小栗旬の悪役演技が話題に上がるが…?
前作において「みんなが幸せなのが一番」というフレーズが出ていたが、こちらは「ほとんどの登場人物が不幸になる」と一部で囁かれている。
そしてその通り1話から幼い子供が暗殺されるなど、序盤から数々の登場人物が不幸な最期を迎える展開が続いている。
平安時代末期~鎌倉時代を舞台としているが、セリフ回しは現代的であるため、
源頼朝役の大泉洋は「時代劇とは思えないセリフを喋った」と事前番組で明かしている。
また大泉洋が身内絡みで胃を痛めそうなキャラやってる…
尤も、いざ蓋を開けてみると大泉演じる頼朝自身もしょっちゅう愚痴を零したり、
政子と結婚後も女性関係はだらしなかったり(通称:スケベ殿)で、主人公で義弟でもある義時の胃を痛めつけているが……。
演者の大泉がそれまで演じてきた役柄の印象を覆したとも評される、
鎌倉を守るためには時に冷酷非情に徹し、危険人物と看做せば命を奪う事すら厭わない頼朝や、
(近年の研究結果を交えた結果)
ファングジョーカー悪辣非道で好戦的な人物として描かれた菅田将暉演じる源義経など、
見ている側もハラハラな源氏一門との関わりの中、回を重ねるごとに義時の苦悩や闇堕ちが顕著になっていくのも見所の一つである。
序盤はやはりというかコメディチックな部分が多かったが徐々にハードな展開が増えだし途中から
ほぼ毎回名有りの人物が死んでいる。
その雰囲気ときたら
『鎌倉殿の13人』と書いて『13RIDERS』と読むと言われても納得するほどの殺伐っぷり。
戦わなければ生き残れない!
事実、物語後半は頼朝死後、将軍や執権に取り入って幕府の実権を握ろうとする御家人たちの勢力争いが主題となっており、
陰謀渦巻く幕府を舞台に、義時と政子が頼朝らから受け継いだ
智謀政を如何にして成就させるかという物語である。
蛮族の集まりながらもアットホームだった坂東武者たちが権力に溺れ闘争を続けて行く地獄と化していく……
本作では後白河法皇役に西田敏行が起用され
年表が増えてしまったが、西田はこれが最後の大河出演となった。
ちなみに、本作は平安~鎌倉時代が舞台なのだが、徳川家康が熱心な『吾妻鏡』の読者であったことで有名という点を利用してか、
最終話冒頭では、次作『どうする家康』の主人公である若き徳川家康(演:松本潤)が「承久の乱辺りの『吾妻鏡』を読んでいる」という形でサプライズ出演。
これにより、大河ドラマに4年連続で徳川家康が登場するという快挙?を達成した。
どうする家康
放映期間:2023年
原作:なし
主人公:
徳川家康(演:松本潤)
時代:戦国時代~江戸時代前期
脚本:古沢良太
脚本は『
リーガル・ハイ』『コンフィデンスマンJP』などの脚本を手掛けた古沢良太。
『葵徳川三代』以来23年ぶり、単独であれば『徳川家康』以来40年ぶりとなる徳川家康を主人公とする作品。
過去に大河ドラマに主演経験のある俳優が多く集まるなどの豪華キャストも特徴で、
特に藤岡弘、と岡田准一が演じる異様に強そうな織田信秀・信長親子が話題になった。
『天地人』では上杉謙信を演じた阿部寛が今度は武田信玄を演じる。
その容貌からローマ皇帝やら、ダレイオス〇世やら、達磨大師やら呼ばれるけど
オープニングのクレジット表示は2014年の『軍師官兵衛』以来9年ぶりに横書きが採用されている。
紀行は石川数正役の松重豊がナレーションを担当しており、松潤を始めとしたキャストらが由縁の地を訪れている。
そのまま腹が減ったと言ってどこかの飲食店に入りそうなナレーションをしている
後述の通り、歴代の戦国大河とは異なるアプローチがなされており、特に脚本・演出面においてかなり独特な作品となっている。
働き方改革や自然災害の頻発に伴う野外ロケが難しくなったなどの事情により、最新のCGやVFXを多用している。
特に役者の後ろに巨大なLEDパネルを設置して、そこにCGで作り込んだ背景を投影する「バーチャルプロダクション」は、
スタジオ撮影ながら外連味のある画づくりを可能とした。
ただ、そこに映される映像というのが
中国の宮殿めいた異様の清須城や、
ミッドガルみたいな本證寺など、
良くも悪くも
クソバカ吹っ切れており、毎週視聴者の度肝を抜いている。
甲斐なんてなんか信玄の容貌も合わさって完全に中国の秘境だし…
演者はローマ人なのに
ちなみに美術スタッフ曰く「
家康の心情に合わせて誇張表現している」との事。
完全に確信犯である
また、あらすじや史実の説明をしつつ『神の君』たる家康の活躍を褒め称える寺島しのぶ氏のナレーションも、
「後世の人物が誇張した」という演出か、時折同じ出来事・人物を説明しているように思えない内容(主に家康関係)になっていたりも。
登場人物も非常に癖が強いキャラ付けが成されており、1話目ラストからして、
元康(家康)を「俺の白兎…」と呼びながら槍に括り付けた今川義元の首を投げ飛ばす織田信長などインパクト抜群。
本編で丸々1話かけて忍者の活躍を描いたのに、紀行で「忍者のイメージは講談等で作られたフィクション」と突然梯子を外しにかかるなど、
その面の皮の厚さ史実とフィクションの違いをわかった上で歪にしているバランス感覚は中々独特である。
一方で自分より立場や勢力が上の諸将に加えて、家臣団や身内などにも詰められてしまい、
「どうする」というより「どうしようもない」状況に追い込まれる若き家康の葛藤はシビアだったりと、
クソバカ部分とシリアス部分の振れ幅の大きさでぶん殴ってくる。
史実描写に関しては比較的近年の研究を反映しており、回が進むにつれ、
家康のメンタル沈みっぷりと共にクソバカ描写は減っていく。カメラワークによって「ツインテール秀秋」という事故が起きたこともあったが
他にも有名だが史実ではなかったとされる「三方ヶ原の負け戦で食い逃げしてう○んこを漏らした家康」を、
「家康を嫌う町民が三方ヶ原の敗北をネタにある事ない事吹聴した話」として演出したり、
金ヶ崎の戦いの逸話である小豆の話を「お市の方が派遣した侍女」のエピソードとして描くなど秀逸な点もあった。
よく言えばキャラが立っていると言えるが、悪く言えば記号的なキャラ付けであり、合う合わないが激しい。
ほとんどの徳川家家臣が、あまり動いていない家康を時にイジりつつも頑なに支持していたり、
登場人物の私生活やオリジナルキャラクターの活躍に時間を割く一方で、
金ヶ崎の退き口や姉川の戦いなど歴史上重要なイベントを一瞬で終わらせる等、描写のアンバランスさが指摘されていた。
また、敵対した政敵の描き方に対しても、『麒麟がくる』にて長谷川博己氏が演じた高潔なイメージが未だ強い中で、
それとは真逆の、ルイス・フロイス評の如き「狡猾で信長のご機嫌取りを欠かさず、他者から嫌われる人物」として描かれた、家臣や家康に辛辣な明智光秀や、
同様に、『麒麟』では民想いの理想主義者として描かれた義昭とは程遠い、飲んだくれの傲慢なバカ殿そのものに描かれた足利義昭、
関ヶ原の戦いの責任を三成に押し付けようとして淀殿に平手打ちを喰らった毛利輝元など、露骨に悪人・卑怯者として描いている点も賛否両論である。
一方で家康と共に天体観察で夢を語る石田三成、気弱さや優柔不断さを全く見せず冷徹な判断を下せる人物として描かれた小早川秀秋など、
既知のイメージを覆すような、新たなアプローチで描かれた人物も随所に見られる。
徳川陣営以外が一様に悪く描かれているわけではないが、やはり合う合わないが激しく分かれる点になっている。
また、鎌倉殿最終話での松潤家康出演のお返しなのか、こちらの最終話では小栗旬が天海僧正としてサプライズ出演を果たして神君家康の物語の総括の役を担った。
その際に翌年の大河ドラマの題材である『源氏物語』が映り、さらに前年の大河の種本である『吾妻鏡』を指して、
老け顔の義時天海が「頼朝公も実際はどんなやつかわかりゃしねぇ」と言及するなど、前後年の繋がりを特に意識した演出となっていた。
良くも悪くも話題性には事欠かなかったが、結果としては平均視聴率11.2%とその時点での歴代ワースト2位に終わった。
しかし配信サービスのNHKプラスの平均視聴UB数は後の「光る君へ」に抜かれるまで歴代最高視聴数を記録した。
「近年の大河離れの中で健闘した」と見るか、「有名武将・有名アイドルを主役に据えた割には伸びなかった」と見るか、やはり評価が分かれるところ。
ちなみに同年1月には脚本に本作の古沢良太、監督に『龍馬伝』で演出を務めた大友啓史という大河ドラマコンビで、
主演は松本の先輩である木村拓哉と綾瀬はるかによる、織田信長と濃姫を題材にした歴史映画『LEGEND&BUTTERFLY』も公開されている。
『どうする家康』ほどではないが、こちらも毀誉褒貶の激しい作品となっている。
一方、放送期間中に発覚した故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、NHKは旧ジャニーズ所属タレントの番組出演を一時的に見合わせる方針を発表。
そのため、SMILE-UP.所属タレントの大河ドラマ出演は本作で一旦途絶えることに。
光る君へ
放映期間:2024年
原作:なし
主人公:紫式部(まひろ)(演:吉高由里子)
時代:平安時代中期~後期
脚本:大石静
脚本は『功名が辻』以来の登板となる大石静。
平安時代を舞台に、書かれてから1000年以上経った今なおファンが多い『源氏物語』の作者・「紫式部」を主人公とする作品。
時代背景もあり、『源氏物語』を書いたこと以外は何をしていたのかがあまり知られておらず、生没年や本名すら不明であるが、
ネームバリューだけで言えば日本史でもトップクラスに知名度のある紫式部と、
柄本佑が演じる、紫式部と関わりがあり、同時代の権力の頂点に立った藤原道長も重要人物として扱われており、二人の人生をどう描くかが注目されていた。
が、脚本の大石が平安時代について、
「『華麗なる一族』と『ゴッドファーザー』を足して3倍にしたくらいの面白い話がある」と発言した通り、
初回からまひろの母・ちやはが些細なことで道長の兄・道兼に惨殺された上、下手人が下手人なので病死したことにされたのを皮切りに、
自分の存在を目障りに思った者たちから毒を盛られ譲位に追い込まれる円融天皇や、その後の出世争いで互いに追い落とそうとする貴族達、
新たに即位した花山天皇を疎んじる勢力に呪われその後本当に急死してしまう女御・忯子に、
愛した女御の死で落ち込んでいるところにつけ込まれ、彼女の成仏のためと言い包められて出家させられる花山天皇、
当初は政治に意欲的で理想的な君主として描かれていたものの定子を寵愛するあまり政治をおろそかにし始める一条天皇と彼に取り入ろうとする藤原伊周、
それら宮中で渦巻く数々の陰謀に報酬さえ支払われるならば手を貸し、あまつさえその政争を楽しんでいる様子すらある
安倍晴明……と、
前々作、『鎌倉殿の13人』の中盤以降を彷彿とさせる陰惨な権力闘争が描かれ、
平安時代の貴族というイメージは出来るが詳しくは知らない人間が多いことを活かしたスリリングな展開で大きな話題となっている。
ちなみに、『鎌倉殿の13人』における『吾妻鏡』よろしく、これらの出来事は(肉付けこそされているが)概ね史実で実際に起こったことである。
特に、多くの陰謀の裏で糸を引いている道長の父・兼家は、演者である段田安則氏の風貌もあって人前ではいかにも善人っぽい振る舞いをしつつ、
自らの家・家系を繁栄させるためならば、それが天皇であれ、邪魔者と判断した者は容赦なく(政治的に)排除し、
そのための陰謀の過程で、実の息子たちであっても「汚れ役」を担わせる者とそうでない者を区別するなど、冷徹な策謀家として暗躍する一方で、
ちやはを殺害した件で道兼に詰め寄り、開き直られてカッとなった道長が兄を殴りつけるのを見て、
仮にも兄に手を上げた道長を咎めるどころか、温厚な道長の心の中にある情熱を見て機嫌を良くするなど、
見ている視聴者にも恐怖と底知れなさを感じさせる、今作の象徴ともいえるキャラクターとなった。
また大石が本作のテーマを、セックス&バイオレンスとしている通り、
花山天皇と忯子の緊縛プレイや主人公まひろが道長との床入り早漏を示唆された一条天皇など、
直接的な描写はないが日曜日のゴールデンタイムとは思えないようなシーンが描かれているのも特徴。
正妻と妾の立場の違いや正妻になっても何よりも子供を産むことが優先されるといった、現代との価値観の違いも多く描かれている。
まひろの生涯を源氏物語に絡めていく脚本や少女漫画を彷彿とさせる展開は前述の政治劇と合わせて大きく話題となり、
特に武士が台頭を始める
2年前や12年前の地獄新しい時代の到来を予感させるラストシーンはSNSなどで反響を呼んだ。
キャスティングには、紫式部と同時代を生きた才媛であり、『枕草子』の作者・清少納言役にファーストサマーウイカ、
和泉式部役に
実写版セーラーマーキュリーこと泉里香、
「筋が通らない」とすれば権力者にも従わなかった当時の優秀な政治家・学者として知られる
発表されたシーンの写真を皆がクリエイターズファイルの新作と勘違いした藤原実資役にロバート秋山、
藤原道長の実母として伝わる時姫役に
セーラームーンこと三石琴乃、絵師役に
三遊亭小遊三、第5回に侍従宰相役として一瞬映ったザブングル加藤、
第21回からほぼ毎話登場するオウム役としてキャスティングされ、一言喋る
種﨑敦美や山村響
等、異業種からの選出が多いことも特徴の一つ。
なお、クランクイン直後に藤原隆家役で出演予定だった永山絢斗が大麻所持の容疑で逮捕されてしまい降板となったが、
代役を務めた竜星涼がさがな者と呼ばれ破天荒な人生を送った藤原隆家を好演。
特に終盤、最前線で刀伊の入寇を防衛する姿のハマりっぷりから
ブレイブ院と呼ばれるほどになった。
やはり平安時代という馴染みの薄い舞台や、登場人物が藤原だらけでわかりにくいといった点、
そして、能登半島地震の影響で
初回がよりにもよってあのGACKT様が「映す価値無し」になった伝説の回の真裏になり、完全に出端をくじかれたことなどが響いたか、
視聴率は10.7%と前年を下回る結果となったが「NHKプラス」での配信視聴者数は過去最高、
「SNS流行語大賞2024」ではテレビ・映画部門の2位にランクインするなど、「ネット時代の流行り方」という傾向が顕著になっているといえる。
べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~
放映期間:2025年
原作:なし
主人公:蔦屋重三郎(演:
横浜流星)
時代:江戸時代後期
脚本:森下佳子
脚本は『
おんな城主直虎』以来となる森下佳子、主演は
トッキュウ4号こと横浜流星。
横浜といえば極真空手で黒帯を持ち、中学3年のときには世界大会で優勝したことでも有名だが、戦乱が起きていない時代での主演となった。
ただし歯に衣着せぬ発言をしてはボコボコにされるという展開も多く、第一話から階段の2階から叩き落とされるというアクションシーン(?)を見せてくれる。
18世紀半ばに吉原の貧民から、江戸きっての版元(出版社)にまで成り上がった“江戸のメディア王”蔦屋重三郎の生涯が描かれる。
喜多川歌麿の名作を世に出し、東洲斎写楽といった有名浮世絵師をプロデュースしたということもあり、2年連続の文化人を題材にした大河となっている。
また、太平の世としての江戸時代を舞台にした大河は『元禄繚乱』以来となる。
タイトルの『べらぼう』は「たわけ者」「馬鹿者」から「桁外れ」をも意味する言葉にも転じた江戸っ子スラング。
そのため、主人公である蔦重をはじめとした江戸っ子たちの口癖でもあり、劇中でよく飛び交う言葉になっている。
ちなみに副題部分は「つたじゅうえいがのゆめばなし」と読み、こちらは作中でも登場する黄表紙『金々先生栄花夢』に由来すると思われる。
蔦重もまた出版の楽しさに目覚めて「夢のようだぁ」と語るものの、金々先生ではその夢のような生活は粟餅が蒸し上がるまでの儚い夢と描かれたがどうなるか……
また、国際放送での英語タイトルは『UNBOUND』となっており、そちらは「解放された」「とらわれない」といったことを意味する。
また「未製本」という意味もあり、出版業を営み始めて飛躍させる蔦重のこれからを示唆するダブルミーニングにもなっている。
ナレーションは綾瀬はるかが担当しているが、かつて吉原遊郭内に存在していた九郎助稲荷の化身という扱いである。
あまりにも鈍感な重三郎に「バーカ!」と悪態をつくなど、感情表現豊かなナレーションで物語を盛り上げているだけでなく、
尻尾のついた花魁風の姿に扮して本編にも現界しており、そのままスマホを取り出して吉原の位置関係等を解説するというフリーダムな姿を見せた。
タブレットを自在に使いこなす4年前の徳川家康よりはまだ自然
一方でOPでは鳥山石燕の『
画図百鬼夜行絵巻』や恋川春町の『妖怪仕内評判記』に描かれた
妖怪達が群れをなす場面があり、
また妖怪絵の大家である片岡鶴太郎演じる石燕も
妖怪が見えるという設定だったりと妖怪クラスタがニヤリとできる描写も。
また、浮世絵師の一人礒田湖龍斎には
芸人の鉄拳が起用されたが、
メイクやダブルモヒカン等のトレードマークを封印した
当然素顔での出演のため
「誰だかわからない」と専らの評判。
鉄拳自身は絵描きとして『日曜美術館』で筆で練習した絵を披露していたりと気合十分だが。
八代将軍吉宗と幕末の間に位置するこの時代は、これまで大河では取り上げてこなかった時代ではあるものの、時代劇においては主役級の人物のオンパレード。
『
鬼平犯科帳』で名高い、若かりし日の「鬼平」こと長谷川平蔵が吉原で放蕩していたり、
稀代のマルチクリエイター平賀源内がそこら辺をほっつき歩いていたりするのも新鮮な一面だろう。
また、サイドストーリーとして江戸時代の文化と何かと衝突しがちな幕閣の政治パートも展開されている。
そちらでも大御所渡辺謙が演じる田沼意次、『鎌倉殿』以上に真っ黒と演じる生田斗真本人が豪語する一橋治済など見所満載である。
また本作に徳川家斉が登場したことにより、大河ドラマで
徳川15代将軍全員が描かれたこととなった。
江戸を代表する大版元の一代記とあって、喜多川歌麿や鳥山石燕といったこれまでの大河ドラマではクローズアップされることがなかった浮世絵師ら芸術家も多数登場するが、
前半生のパートでは、彼が育った吉原を舞台にした蔦重の経営改革の様子が描かれる。
浮世絵にも艶やかに描かれる華やかなりし吉原文化も見所の一つだが、そこはかつてスイーツ大河改めハバネロ大河とまで称された『おんな城主直虎』の森下佳子脚本。
吉原や女郎を描くため、大河ドラマでは初となるインティマシーコーディネーターを導入しており、
第1話から豪快な暴力描写や(バックショットとはいえ)打ち捨てられた全裸の女郎が登場し、
「苦界」とも称される吉原のダークサイドの生々しい描写もあり、人を選ぶドラマになろう事が予測されている。
また、前半は吉原から大版元へとなり上がっていく蔦重の過程を描いた(概ねは)明るい作風だったが、
第25回において天明の大噴火が発生し、飢饉が起こると物語にも影が落ち始め、
治済に失脚へと追い詰められる田沼意次やその一環として殺害される息子・意知、飢饉によって苦しみ喘ぐ民衆の姿、
そして松平定信の「寛政の改革」による出版統制とそれによって自害を選ぶ戯作者・恋川春町といった容赦のない描写が続く。
もはや毎年恒例となりつつある声優の出演は以下のように最大規模に及んでいる。
- 吉原の忘八者の一人扇屋宇右衛門に大河常連の山路和弘
- 女性狂歌師の智恵内子に水樹奈々
- 蔦屋の手代として働くことになる『南総里見八犬伝』の作者・曲亭馬琴(滝沢瑣吉)に津田健次郎
- 耕書堂の女中のたかに島本須美
- 地本問屋衆に風間俊介、中井和哉、松田洋治、関智一、高木渉
めっちゃいい声で沙汰を下す町奉行役に井上和彦
- 天明の打ちこわしで奔走する北町奉行曲淵景漸に平田広明
また、上記声優陣のうち山路和弘、関智一、水樹奈々は『べらぼう』で取り上げられた黄表紙の内容を紹介する番組、
『べらぼうな笑い 〜黄表紙・江戸の奇想天外物語!』で作品内のキャラクターを演じている。
前述の鉄拳以外でも以下のようにメインやモブを問わず芸人の出演も多い。
- 上方の本屋・柏原屋役として吉本新喜劇の川畑泰史
- 松前藩の家老で絵師の松前廣年に
肖像画がそっくりなひょうろく
- 狂歌四天王の一人・宿屋飯盛に又吉直樹
- 『富嶽三十六景』等で知られる浮世絵師の代表格葛飾北斎(勝川春朗)に画家としても活動しているくっきー!
- 彫り師の四五六に肥後克広
- 蔦重の義兄次郎兵衛の妻に
ワタシってサバサバしてそうな丸山礼
- エレキテルの図面を盗んで平賀源内を苦しめた弥七に片桐仁
- 鷹狩で勢子を務めた百姓の吾作に芋洗坂係長
- 正月の餅ををつく人、こねる人にクールポコ。
- 表坊主にナダル
水ダウ関係者多いな
- 服部半蔵(正礼)役に
オファーを受けたカネオくんの番組内で弄られまくった有吉弘行
ほか、落語家、作家、ミュージシャン、レイヤー、プロレスラー等と昨年以上に異業種の出演が多く、文化人大河に相応しい賑やかさを醸し出している。
作品外でも蔦重絡みの浮世絵展が各地で開催されるなどアート界隈でも話題になり、
特に東京国立美術館で開催された特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」は大河との連動企画として番組で使われたセットの再現なども展示された。
また、この特別展を契機に長年行方不明となっていた喜多川歌麿の「ポッピンを吹く娘」の初期版が発見され、
同展でも急遽公開が決まるなど、大河の影響力も改めて示すこととなった。
豊臣兄弟!
放映期間:2026年予定
原作:なし
主人公:豊臣秀長(演:仲野太賀)
時代:戦国時代~安土桃山時代
脚本:八津弘幸
脚本はドラマ『
半沢直樹』や『家政夫のミタゾノ』などの脚本を手掛けた八津弘幸氏
天下人・豊臣秀吉の弟にして、内外の政務および軍事面で活躍して秀吉の天下統一に貢献した豊臣秀長が主人公。
演じるのは大河ドラマにおいても『風林火山』以降、度々バイプレイヤーとして出演していた仲野太賀。
これぞ本当の「太賀ドラマ」ってナ!
他のキャストには、兄の秀吉と寧々の夫婦に『
シン・仮面ライダー』の池松壮亮&浜辺美波ペア、
『
信長協奏曲』以来の
織田信長役となる小栗旬らが並ぶ。
なお、ヒロインの直役には永野芽郁が抜擢されていたがクランクイン直前に起きたスキャンダルが理由で辞退し、新たに白石聖が起用された。
逆賊の幕臣
放映期間:2027年予定
原作:なし
主人公:
小栗忠順(演:松坂桃李)
時代:幕末
脚本:安達奈緒子
脚本は『おかえりモネ』『
きのう何食べた?』の安達奈緒子、主演はアニヲタ的には
シンケンレッドの松坂桃李。
『青天を衝け』以来6年ぶりとなる幕末大河で、両作品とも佐幕派視点、経済面で活躍した人物の大河となる。
司馬遼太郎に勝海舟と並ぶ「明治の父」と呼ばれ、大隈重信に明治政府の政策のほとんどは彼の模倣に過ぎないと称されるも、
幕臣だったがために、大政奉還後に追われる身分となり、捕縛・処刑された幕臣・小栗上野介忠順を描く。
幕末を幕臣側から描いた作品は既に『勝海舟』や『青天を衝け』があるが、
明治を迎えることなく“逆賊”として死んだ人物としてはそれこそ井伊直弼を主人公に据えた1作目の『花の生涯』以来となる。
ちなみにアニヲタ的には『花さか天使テンテンくん』の作者小栗かずまたの高祖父(かずまた先生の曾祖母が小栗の死後に生まれた彼の娘)にあたり、
大河決定時には先生の公式Xにもコメントが掲載された。
ちょうど小栗忠順生誕200年となる2027年に、忘れられた歴史の敗者の人生が掘り起こされる。
徳川家康が「こんばんは」することはない……多分。