アザータは浄土界エリュシオン出身のセレスチャル種族であり、そこでは善と自由の追求こそが至上とされている。アザータはこれらの概念や、彼らの援助を必要としている偉大な詩人、騎士、そして良き種族を探して旅する冒険者たちの擁護者である。しばしばエルフや妖精に似たセレスチャルだと表現されるが、アザータはよく奇妙で非人間的な姿をとり、エレメンタルやエルドリッチの姿をとることもできる。ほとんどのものは、遠い昔に忘れ去られたセレスチャルの王国を起源とする騎士や宮廷の称号(公爵、王子、伯爵夫人など)を名乗っている。アザータたちはこの称号による影響力を互いに行使することはなく、代わりに個人の識別や僅かな自己満足のために利用している。彼らは悪に対する断固として執念深い対抗者であり、戦いにおいては恐れ知らずで賢明である。
アザータには最も有名な3つの種族があり、その全てが飛行できるが、これは驚くべきことではない。彼らは長い間1つの次元にとどまることはほとんど無く、物質的な快楽よりも行動と発見によるスリルを好むからだ。大部分のアザータの“集落”はランドマークの周りにできたテントの集合に過ぎず、ニュースや物語、そしておそらく質の良い決闘を共有するために集まり、数日後には荷造りして旅立つ。このような一時的な集落は色鮮やかで祭りのような空気があり、彼らのどの種族ともすぐに旧友であるかのように歓迎する。そうした集落がいつどこで作られるかを予測できる者は少数しかいないが、幾つかの集団か種族は定期的に伝統的な祭りや親睦会を開く。そのような集会は、例えば春分や秋分の月夜など神秘的な意味がある時期や、二人の予言者の結婚式などさらに予想できないような時期に行われ、常に手付かずだったり衝撃的な自然の驚異に満ちた場所で開催される。すべてのアザータはいつどこで次の集会が行われるかを知っており、招待されたり出席するとは思われていなかったりしたとしても、誰もが歓迎される。しかし、これらの集会は恒久的所有物や共同体を妨げることはなく、エリュシオンの高みにおいては終りなき聖歌と鐘の音が響いている。
禁欲的で閉じこもっている支配者たちは親類を気まぐれだと評するが、アザータはあまりに長く1つの場所に留まることを強いられると退屈を感じ、自然に改革を求める。この傾向により長期間人間を助けることは受け入れず、到着して仕事をしたら次の探索や冒険に移ることを好む。彼らは自由と喜びの源を広げようとしているが、多くの次元においてそうした美徳を実行することはできないことも理解している。暗闇なくして光があることはできず、闘いなくして勝利もないのだ。これを理解しているが故に、このセレスチャルたちは大多数の人間の紛争からは身を引いており、勇士として戦うよりも助言者として行動することを好み、善良な人間の勝利にはその財産を与える。しかし明らかに邪悪な軍隊が定命の者の世界に侵入する場合、アザータは直ちにそうした領域を守るために結集し、身を守る術を持たない人々を助ける。
アザータは一般的に連れ立って働くが、強力な個性と自由自立の感性により何が最善の手段かについては意見が合わないことも多い。これらの議論は両方が心の中に大きな善性を持つために悩ましく、長期に渡って禍根を残すこともある。ひとりのアザータが自分の方法の正当性を確信している場合、多次元の無慈悲な行為に対してたった1人でも戦うために、親類の援助を断念して一種の自発的な追放を受けることさえある。
ほとんどのアザータは浄土界エリュシオンの飼い慣らしえない美から生じ、定命の者たちの善良な魂を流し込まれてつくられ、育てられる。大部分の来訪者と同様に、人間のやり方のように互いで繁殖することはできないが、魅力的で善良な魂を持つ定命の者と密会することもある。しばしば同類とたわむれ、愛と喜びと親交を深めるが、1人の恋人に縛られることはめったになく、その種族も意に介さない。
アザータは天上語、地獄語、竜語を話す。しかし、真言能力のおかげでほぼどんなクリーチャーとでも会話できる。真言および他のアザータ共通の特徴に関する完全な詳細については
クリーチャーの副種別:アザータを参照すること。
このエルフのような落ち着き払った弓兵は落雷色の白銀の髪をなびかせ、その目には鮮やかな色合いが渦巻いている。
ブララニ 脅威度6 Bralani
防御
AC
20、接触14、立ちすくみ16(+4【敏】、+6外皮)
hp
66(7d10+28)
頑健
+9、
反応
+9、
意志
+6
DR
10/冷たい鉄または悪;
完全耐性
[電気]、石化;
抵抗
[冷気]10、[火]10;
SR
17
攻撃
一般データ
生態
出現環境
気候問わず/地形問わず(エリュシオン)
編成
単体、2体、戦隊(3~6)
宝物
×2(+1シミター、+1コンポジット・ロングボウ[+5【筋】])
特殊能力
竜巻の突風(超常)
竜巻形態をとっている時、ブララニは一陣の風を吹き付けて攻撃し、20フィートの直線状の範囲に3d6ポイントのダメージ(反応・DC17・半減)を与えることができる。このセーヴDCは【耐久力】修正値に基づいて算出されている。
疾風形態(超常)
ブララニは1標準アクションとして、人型生物形態から疾風形態へ、またはその逆へと変身することができる。人型生物形態では飛行したり“竜巻の突風”を使用することはできない。疾風形態ではあたかも
ウィンド・ウォーク呪文の効果を受けているかのように動ける。ブララニはどちらの形態でも叩きつけ攻撃を行なったり擬似呪文能力を使用したりすることができる。ブララニは別の形態をとることにするまで、一方の形態を維持し続ける。形態の変化を解呪することはできず、またブララニは殺されても特定の形態へ戻ることはない(どちらの形態もブララニの真の姿である)。
トゥルー・シーイング呪文は両方の形態を同時にあばくことができる。
ブララニはアザータの中で最も荒々しく野性的な者たちで、刹那的に生き、戦闘で自分の技を試す機会を常に窺っている。エルフめいた姿に加え、ブララニは砂塵や雪や砂粒まじりの竜巻の姿をとることができる。定命のものの領域において、ブララニはしばしば
ジン
と間違われる。ブララニは荒れ模様の天候を喜ぶが、それはそうした出来事の破壊力ゆえではなく、その強烈さとエネルギーのためであり、多くの逸話でブララニは猛烈な嵐のただ中に身を浮かべながら笑う精霊として描かれている。
食べる必要はないものの、ブララニは食事を楽しむ。ほとんどの者はエルフ流の食べ物や人間流の火の通った料理、スパイスの効いたワインを好む。エレメンタルおよびフェイと類似点があるため、ブララニは時に定命のものやエレメンタルやフェイの間で仲介役を務めることもあるが、ブララニは中立の立場でブララニ流の折衝を行なうための面白味のあるパーティーを開くことのできる、一時的な休戦協定を取りまとめるのを好む。調停者の役割を担う場合、あるいはそういった機会が与えられたらどんな場合だろうと、ブララニは親善試合や親善競技を勧めて早々と論争を終わらせ、肉体と精神の両面で定命のものの技量を試す創造的な挑戦やややこしいコンテストを楽しむ。
このクリーチャーは、腰から上は翼のある魅力的なエルフの女性の体で、腰から下は蛇の体である。
リレンド 脅威度7 Lillend
防御
AC
20、接触12、立ちすくみ17(+3【敏】、+8外皮、-1サイズ)
hp
73(7d10+35)
頑健
+7、
反応
+10、
意志
+10
完全耐性
[電気]、石化、毒;
抵抗
[冷気]10、[火]10
攻撃
一般データ
生態
出現環境
気候問わず/地形問わず(エリュシオン)
編成
単体、2体、聖歌隊▼(3~6)
宝物
標準(+1ロングソード、高品質のハープ)
特殊能力
バードの呪芸
リレンドは7レベルのバードの“バードの呪芸”能力を有する。これにより、リレンドはこの能力に属する呪芸の内、打ち消しの調べ、恍惚の呪芸、勇気鼓舞の呪芸、自信鼓舞の呪芸、示唆の詞を使うことができる。
呪文
リレンドは7レベルのバードとして呪文を発動する。リレンドは心術呪文と治癒呪文を好む。
アザータ内において、リレンドは語り部にして記録者であり、伝承や、叙事詩や歌の形で記録された物語を収集している。リレンドは通常は平和的だが、希少な芸術品や才ある芸術家が脅かされていると思い込んだ場合、速やかに行動に移る。リレンドの下半身の体長は約20フィート(6m)あり、典型的なリレンドの体重は3,800ポンド(約1.7t)に達する。
リレンドには定命のもののような栄養分は必要ないのだが、リレンドは音楽や芸術や芸能の喜びを食するのだと言われている。リレンドはまた、損なわれていない自然の土地にも愛情を寄せ、定命のものの領域にあって故郷の次元界の美しさをしのばせる土地を探し求める。あまたの種族の伝承から、こうしたミューズ(詩神)とりわけ1つの才に長けた神童の育成や、作られている最中の何やら幻想的な芸術作品に既得権を持つ者の言い伝えが生まれた。すべてのリレンドには愛する芸術形式、芸術作品、芸術家があり、しばしば物質界を訪れてはそれらの素晴らしさを楽しみ、それらが損なわれぬ事を確かめているため、そういった伝説は時として真実であることが証明されている。そうした美を守るためとあらば、リレンドは苛烈なる敵であることを立証してみせ、近くにいる仲間の力を奮い起こし、あるいはその打撃、とりわけ危険極まりないとぐろをもって俗物を叩き潰す。
この優雅に鎧をまとう歩哨は油断なく立ち、その目は神々しい光を放ち、高貴なる刃には力が満ち溢れパチパチと音を立てている。
ガエル 脅威度13 Ghaele
防御
AC
28、接触16、立ちすくみ26(+4反発、+1【敏】、+1回避、+12外皮)
hp
136(13d10+65)
頑健
+17、
反応
+11、
意志
+16
DR
10/冷たい鉄および悪;
完全耐性
[電気]、石化;
抵抗
[冷気]10、[火]10;
SR
25
攻撃
一般データ
生態
出現環境
気候問わず/地形問わず(エリュシオン)
編成
単体、2体、戦隊(3~6)
宝物
×3(
+2ホーリィ・グレートソード)
特殊能力
凝視(超常)
人型生物形態時、ガエルの
凝視攻撃は5HD以下の悪属性のクリーチャーを抹殺する(距離60フィート、意志・DC18・無効、セーヴに成功すると2d10ラウンドの間、
怯え状態になる)。悪属性でないクリーチャー、および悪属性のクリーチャーのうちHDが5を超えるものは、DC18の意志セーヴに成功しなければ、2d10ラウンドの間、
怯え状態になる。ガエルの
凝視に対するセーヴに成功したクリーチャーは、24時間の間、その個体のガエルの
凝視に対する
完全耐性を有する。これは[精神作用]の[恐怖]効果である。このセーヴDCは【魅力】修正値に基づいて算出されている。
光形態(超常)
ガエルは1標準アクションとして、固体の体から光でできた体、またはその逆へと変身することができる。固体の体では飛行したり“光の光線”を使用することはできない。光形態では飛行することができ、非実体の特殊能力を得る。この形態では光の光線攻撃を行なったり擬似呪文能力を使うことはできるが、物理的に攻撃したり呪文を発動したりすることはできない。それ以外の点では、この能力はブララニの疾風形態と同様に機能する。
光の光線(変則)
ガエルの光の光線の射程は300フィートである。この攻撃はいかなるタイプのダメージ減少も克服する。
呪文
ガエルは13レベルのクレリックとして信仰呪文を発動する。ガエルは領域などのクレリック能力を得ることはない。
ガエルはアザータの中で最も騎士らしく、フィーンドやドラゴンやアンデッドを等しく力強く狩って回る。ほとんどの者は理想化された人間あるいはエルフに似た姿をしており、よく笑う――同じくらいすぐ、よこしまと見て取った者に対して攻撃を加えもする。