リッチ

リッチ Lich

 かつては上物だったローブがこの枯れ果てた屍の骨格にぼろぼろになってひっかかっている。目があったであろうところには青白い光が輝いている。

リッチ 脅威度12 Lich

経験点19,200
人間のリッチ、11レベル死霊術士
NE/中型サイズのアンデッド人型生物変性種
イニシアチブ +2;感覚 暗視60フィート、生命視覚*;〈知覚〉+24
オーラ [恐怖](半径60フィート、DC18)
防御
AC 23、接触14、立ちすくみ21(+5外皮、+2反発、+2【敏】、+4鎧)
hp 111(11d6+55、加えてフォールス・ライフ15ポイント)
頑健 +6、反応 +7、意志 +11
防御能力 エネルギー放出に対する抵抗+4;DR 15/殴打および魔法;完全耐性 [電気]、[冷気]、アンデッドの種別特性
攻撃
移動速度 30フィート
近接 接触=+5(1d8+5、加えて“麻痺の接触”)
特殊攻撃 死の接触*(9回/日)、不死者を超える力*(9回/日、DC18)、麻痺の接触(DC18)
準備済みの呪文(術者レベル11)
一般データ
【筋】10、【敏】14、【耐】―、【知】22、【判】14、【魅】16
基本攻撃 +5;CMB +5;CMD 25
特技 《呪文威力最大化》《呪文高速化》《呪文持続時間延長》《神速の反応》《神速の反応強化》《その他の魔法のアイテム作成》《追加hp》《鋼の意志》《防御的戦闘訓練》《巻物作成》
技能 〈威圧〉+17、〈隠密〉+24、〈言語学〉+20、〈呪文学〉+20、〈真意看破〉+24、〈製作:錬金術〉+20、〈知覚〉+24、〈知識:次元界〉+20、〈知識:神秘学〉+20;種族修正 +8〈隠密〉、+8〈真意看破〉、+8〈知覚〉
言語 アクロ語、エルフ語、オーク語、火界語、共通語、巨人語、ゴブリン語、地獄語、水界語、地下共通語、天上語、ドワーフ語、奈落語、ノーム語、竜語
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体
宝物 NPCの装備品(ブーツ・オヴ・レヴィテーションヘッドバンド・オヴ・ヴァスト・インテリジェンス+2[〈知覚〉]、リング・オヴ・プロテクション+2、スクロール・オヴ・テレポートスクロール・オヴ・ドミネイト・パースンポーション・オヴ・インヴィジビリティ
……死霊術士の系統能力(『クラス』の『ウィザード』を参照)

 リッチ(古英語で「死体」の意)以上に恐れられるクリーチャーなど稀だ。死霊術の技において頂点に立つリッチは、アンデッドになることによって死を欺くための手段として自分の命を捨て去ることを選んだ呪文の使い手である。これほどまでのパワーの高みに至った者の多くは何も失うことなく不滅性を達成するが、リッチになるという発想は大抵のクリーチャーにとって嫌悪すべきものである。リッチに変性する過程には、呪文の使い手自身の生命力を抽出し、特別に準備した経箱にそれを封じ込めることが含まれている。呪文の使い手は命を落とすが、捕らわれた命にはその者の死もまた閉じ込められており、経箱が無事である限り、リッチは時の流れを恐れることなく研究と作業を続けることができる。
 リッチに変性するための探索は長きに渡るものだ。呪文の使い手自身の魂を入れる魔法の経箱の作成は非常に重要な要素ではあるが、未来のリッチは自分の魂を容器の中へと転送する術とアンデッドへと変ずるための身体を用意する術の秘密も学ばなければならず、どちらも容易なことではない。この儀式をさらに複雑にするのが、まったく同じ肉体や魂は2つとない、という事実である。ある呪文の使い手にとって有効な儀式は、別の者に対しては単に殺してしまうか狂気に陥れるかすることになるかもしれない。個々の呪文の使い手の変性のための正確な方法はGMの判断に委ねられるが、金貨数十万枚ぶんの出費、幾度もの命に関わる冒険、幾月も幾年も幾十年もかかる多数のDCの高い技能判定を伴うべきだ。

リッチの経箱

 リッチへと変性するにあたって不可欠の過程は、キャラクターの魂を保管する経箱を作成することである。リッチを退治する確実な方法は、その経箱を破壊する以外にない。経箱を見つけ出して破壊しない限り、リッチは殺されても後で“黄泉がえる”ことができる(後述の『リッチの作成』を参照)。
 リッチは自分の経箱を自分で作らねばならず、それには《その他の魔法のアイテム作成》の特技が必要である。そのキャラクターは呪文を発動することができなければならず、術者レベルが11レベル以上でなければならない。経箱は作成に120,000gpを必要とし、そして作成した時点での作成者の術者レベルに等しい術者レベルを持つ。
 リッチの経箱の最も一般的な形態は、封印された金属製の箱の中に、魔法の文句が書かれた羊皮紙が数枚入っているというものである。この箱は超小型サイズで、40ヒット・ポイント、硬度20、破壊DC40を有する。
 もっと別の形態の経箱も存在し、例えば指輪やアミュレット(お守り)などといったアイテムのこともある。

リッチの作成

 “リッチ”は、リッチとなるために必要な経箱を作成できる人型生物ならどんなクリーチャー(以下これを“基本クリーチャー”と呼ぶ)にも付加できる後天性テンプレートである。リッチは以下に示す点を除けば、基本クリーチャーのすべてのデータと特殊能力を保持する。
 脅威度:基本クリーチャー+2。
 属性:いずれかの悪。
 種別:クリーチャー種別はアンデッドへと変化する。基本攻撃ボーナス、セーヴ、技能ランクを再計算しないこと。
 感覚:リッチは距離60フィートの暗視能力を得る。
 アーマー・クラス:リッチは+5の外皮ボーナスか、基本クリーチャーの本来の外皮ボーナスか、どちらか高い方を使用する。
 ヒット・ダイス:クリーチャーの種族ヒット・ダイスをすべてd8に変更する。クラス・レベルによるヒット・ダイスはすべて変化しない。アンデッドであるリッチはボーナス・ヒット・ポイントを求める際に【魅力】修正値を使用する。
 防御的能力:リッチは、アンデッドの特徴によって得るものに加えて、“エネルギー放出に対する抵抗+4”、“ダメージ減少15/殴打および魔法”、“[電気]および[冷気]に対する完全耐性”を得る。リッチは以下に挙げる防御的能力も得る。
 黄泉がえり(超常)/Rejuvenation リッチが破壊された場合、リッチの経箱(概して住むと決めた場所からかけ離れた安全な場所に、リッチによって隠される)は直ちにアンデッドの呪文の使い手の身体をすぐそばに作り直し始める。この過程には1d10日かかる。この期間が経過する前にこの体が破壊された場合、リッチの経箱はこの過程を改めて開始するだけのことである。この期間が経過した後、通常は先ごろ自分を破壊した者たちへの強烈な復讐意欲を抱いて、リッチは完全に回復した状態で目覚める。とはいえ、あらゆる装備は前の身体のところに残ったままである。
 近接攻撃:リッチは1ラウンドに1回、肉体武器として使用できる接触攻撃を有する。武器を使用せずに戦うリッチは、接触攻撃(これは、持っていれば1回の攻撃か1回の叩きつけ攻撃と置き換わる、主要肉体武器として扱う)に加えて(持っていれば)肉体武器を使用する。武器で武装したリッチは、通常通りに武器を使い、さらに二次的肉体武器として接触攻撃を使用することができる。
 ダメージ:リッチの接触攻撃は、負のエネルギーを用いて生きているクリーチャーに1d8ポイントのダメージを与え、リッチが有する2HDごとにさらに1ポイントのダメージを与える。負のエネルギーであるこのダメージはアンデッド・クリーチャーを回復させるために使用することができる。リッチは1全ラウンド・アクションでこのエネルギーを自分に吹き込み、あたかも自分自身に対して接触攻撃を行なったかのようにダメージを回復することができる。
 特殊攻撃:リッチは以下に挙げる2つの特殊攻撃を得る。特記ない限り、セーヴDCは(10+リッチのHDの1/2+リッチの【魅力】修正値)である。
 [恐怖]のオーラ(超常)/Fear Aura 半径60フィート以内にいる5HD未満のクリーチャーでリッチを見たものは、意志セーヴを行なわなければならず、失敗すると恐れ状態になってしまう。5HD以上のクリーチャーは、意志セーヴを行なわなければならず、失敗するとリッチのヒット・ダイス数に等しいラウンドの間、怯え状態になってしまう。セーヴに成功したクリーチャーは、同じリッチのオーラからは24時間の間、作用を受けない。
 麻痺の接触(超常)/Paralyzing Touch リッチの接触攻撃が命中した生きているクリーチャーは頑健セーヴを行なわなければならず、失敗すると永続的な麻痺状態になる。リムーヴ・パラリシスあるいは呪いを除去できる呪文であれば犠牲者を自由にすることができる。この効果は解呪できない。リッチにより麻痺させられたものはみな死んでいるように見えるが、DC20の〈知覚〉判定か、DC15の〈治療〉判定に成功すると犠牲者がまだ生きていることがわかる。
 能力値:【知力】+2、【判断力】+2、【魅力】+2。リッチはアンデッドなので【耐久力】の数値を持たない。
 技能:リッチは〈隠密〉〈真意看破〉〈知覚〉の各判定に+8の種族ボーナスを得る。リッチは常に〈威圧〉〈隠密〉〈呪文学〉〈真意看破〉〈知覚〉〈知識:宗教〉〈知識:神秘学〉〈登攀〉〈飛行〉〈変装〉の各技能をクラス技能として扱う。それ以外は基本クリーチャーと同様。