この奇怪な存在には目が6つと、長い触手が6本ある。触手のうち4本の終端には輝く球体が、2本には手のようなものが付いている。
ヴェイルド・マスター/Veiled Master CR14
防御
アーマー・クラス 30、接触15、立ちすくみ24(+11外皮、-1サイズ、+6【敏】、+4鎧)
ヒット・ポイント 200(16d8+128)
頑健 +13、
反応 +13、
意志 +14
完全耐性 [雷撃]、[精神作用]効果;
抵抗 [氷雪]20;
呪文抵抗 25
攻撃
移動速度 10フィート、水泳80フィート
近接 噛みつき=+17(2d6+6、加えて“
記憶消化”および“
粘液”)、爪(×2)=+17(1d6+6、加えて“
粘液”)、触手(×4)=+12接触(2d6[雷撃]、加えて“
思考槍”)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート(爪および触手は20フィート)
特殊攻撃 遅延指示
擬似呪文能力 (術者レベル20;精神集中+26)
修得ソーサラー呪文 (術者レベル12;精神集中+18)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/水
編成 単体、または一団 (1、およびアボレス2~8)
宝物 ×3
特殊能力
記憶消化(超常)/Consume Memory ヴェイルド・マスターがクリーチャーに噛みつき攻撃を命中させたなら、そのクリーチャーの記憶の幾ばくかを消化する。噛まれたクリーチャーはDC24の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると負のレベル1を得る。ヴェイルド・マスターはこの形でクリーチャーに負のレベルを1与えるたびに、HPを5ポイント回復する。また、ヴェイルド・マスターは目標のクリーチャーの記憶をいくらか学び取る(効果はGMによって決定する)。これは[精神作用]効果である。ヴェイルド・マスターはフリー・アクションでこの効果を抑止できる。セーヴDCは【魅力】に基づく。
思考槍(超常)/Thoughtlance ヴェイルド・マスターの触手の内4本の端には、輝く光の玉が付いている。これらの球体は接触攻撃に成功すれば2d6ポイントの[雷撃]ダメージを与え、同時に精神エネルギーの波でクリーチャーの精神を炸裂させる。これらの触手の一つで接触されたクリーチャーは、[雷撃]ダメージを受けたかどうかにかかわらず、DC24の意志セーヴを行わねばならず、失敗すると1ラウンドの間
よろめき状態となる。追加の接触は、この効果の持続時間を1ラウンド延長させる。この方法で
よろめき状態となっている間、クリーチャーは呪文発動する際、非常に激しい動きをしているかのように、精神集中判定(DC=20+呪文レベル)を行わねばならない。セーヴDCは【魅力】に基づく。
呪文 ヴェイルド・マスターは、12レベル・ソーサラーとして呪文を発動する。
即行変身(超常)/Swift Transformation ヴェイルド・マスターは変身能力を即行アクションで使用できる。
遅延指示(擬呪)/Delayed Suggestion ヴェイルド・マスターが
ドミネイト・パースンもしくは
ドミネイト・モンスターをクリーチャー1体に使用して成功したなら、目標は遅延した指示を埋め込まれる。この指示は
ドミネイト呪文の効果が終了すると起動する。一般に、この指示(
サジェスチョン擬似呪文能力として作用し、術者レベル20、意志・無効、DC19である)はかつて
ドミネイト呪文の対象となったクリーチャーに、ヴェイルド・マスターを発見させ、新たな支配の試みの目標となるようにするものだ。しかし時々、ヴェイルド・マスターは他の指示(クリーチャーが最初に見た人物を攻撃する指示など)を植え付ける。
粘液(変則)/Slime ヴェイルド・マスターの噛みつきもしくは爪攻撃が命中したクリーチャーはDC26の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると1d4ラウンドの間、皮膚と肉体が透明でねばねばした膜に変化してしまう。このクリーチャーの新しい肉体は柔らかく、この状態が持続する限り、【耐久力】は4減少する。このクリーチャーの肉体が湿っていない場合、急速に乾燥して10分毎に1d12ポイントのダメージを受ける。
リムーヴ・ディジーズや同種の効果は、効果を受けたクリーチャーを元の状態に戻すことができるが、呪文に対する完全耐性はこの攻撃から守ってはくれない。セーヴDCは【耐久力】に基づく。
粘液雲(変則)/Mucus Cloud 水中にいる間、ヴェイルド・マスターは半径30フィートの範囲に透明な粘液の雲を噴出する。範囲内にいる全てのクリーチャーは、毎ラウンドDCは26の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると24時間の間、空気中で呼吸する能力を失う(変わりに、水中で呼吸する能力を得る)。この粘液雲との接触を繰り返し、再度セーヴに失敗した場合、この効果はさらに24時間延長される。セーヴDCは【耐久力】に基づく。
ルーン体得(変則)/Runemastery ヴェイルド・マスターは魔法の文字を生み出す呪文、例えば
エクスプルーシヴ・ルーンズ、
シークレット・ページ、
シンボルと名前につく呪文などの発動に特に長けている。このような呪文を発動する際、ヴェイルド・マスターは物質要素や焦点具を必要とせず、これらの呪文のセーヴDCは1増加する。ヴェイルド・マスターの
シンボル呪文は解除が難しく、このような
シンボルの
〈装置無力化〉のDCは2増加する。
アボレスは世界の住人の中で最も古いものの一つであり、人類が地球上に住むようになる春改善の時代から、あるいはほとんどの神々がこの小さな水と石の球体に目を向けるようになる前から、この世界の海の最深部に存在していたと遡れるクリーチャーだ。その昔、この世界のことを知っているのは古き力と奇妙な存在だけだった。神々でさえもアボレス種には見下され、無視されていた。彼らは今日知られているような神々ではなかったが、アボレスは彼らに時間さえ与えられれば、神々が成し遂げることを実現できると知っていた。そして、アボレスは常に時間を持っていた。
古代の時代、アボレスが操り人形のように人類を操っていた頃、彼らの中にはペットの間を歩くために変装し、人類として見えるように魔法で自らを隠したものもいた。これらがヴェイルド・マスターだ――この異界の種に人間の階層社会を押し付けようとするのは愚かな試みではあるが、ヴェイルド・マスターはアボレス種の中でも高貴な存在であると考えられていた。しかし実際には、アボレス種はヴェイルド・マスターに最大限の敬意を持って扱い、その決定を尊重しているが、種族の支配者とみなされてはいない。海底の最も深い溝からヴェイルド・マスターを支配しているのは、更に危険な存在である。
アボレスは間違いなく支配と幻術に長けているが、ヴェイルド・マスターはほんとうの意味で秘術の達人だ。ヴェイルド・マスターは古代人類の文化の欺瞞と操作を生み出した。その隠れた才能とわずかな甘言は、その時代の栄光へと人類が最初に昇り詰める多くの助力となり、最初の帝国の多くで、ヴェイルド・マスターは指導者の耳にささやきながら民衆の間を歩いてきた。人々はヴェイルド・マスターが強力な
ウィザードであることを知っており、この奇妙な陰謀家が人間以上の存在であるという噂も流れていたが、それが真実だと疑うものは長きに渡りほとんどいなかった。ヴェイルド・マスターは好奇心旺盛な者たちに力をふるい、そのような疑惑を払拭してきた。ヴェイルド・マスターが人類の傲慢さ、つまり自分たちは守護者よりも偉大だと信じていると初めて知ったとき、この陰謀家は人類を罰した。最初の罰は些細なものだったが、ヴェイルド・マスターが驚き鬱憤が溜まることに、人類の決意を強めるだけに終わった。最終的には破壊が答えであるように思われるようになり、人類の文化が廃墟と化していく中、地上の今の荒廃は忘れ去られることのない授業になるだろうことに満足したヴェイルド・マスターは海の底へと退却していった。
今日でもヴェイルド・マスターたちは生き続けている。彼らは再び人型生物種族の中を歩き、観察し、待っている。新たな教訓を教えるときが近づいているのだ。
平均的なヴェイルド・マスターは全長14フィートで、重量は1,500ポンド。
最終更新:2025年04月19日 01:52