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きっつい映画でした。血や暴力描写、あと気持ち悪い映像が苦手の人はあまり見ない方がいいと思います。実際、15禁です。ただ悪い映画ではないです。戦いとかそういうのに血湧き肉踊る方なら、ごっついツボにはまるのではないかと。
ギリシャのスパルタという国は生れ落ちた瞬間から常に戦いに晒され続ける、戦士の国。障害のある弱い赤ん坊は谷底に投げ捨てれられ、幼い頃から戦いを仕込み、七歳で母親から引き離され、暴力と共に育てられます。王とてそれは例外ではなく、成人の儀式として冬山にパンツ一丁と槍一本で「狼と戦って来い」と放り出されます。国全体でライオンの子育てのようなことをやっておる訳です。
さて、王様レオニダスがおっさんになった頃、でっかいペルシャの国から「属国になれや」という使者が来ます。誇り高きスパルタは使者の無礼な発言に憤り、結果的に宣戦布告となりました。ところがある事情より「戦争はできない」事態となってしまいます。戦争をしなければ国は滅びる、さりとて戦争をするには法を犯さなければならない。王と言えども独裁者ではないので、苦悩したレオニダスは選りすぐった、跡継ぎのいる300名の精鋭を引きつれ沿岸部へ敵を迎え撃ちに行きます。
ここで冒頭のスパルタの育て方が活きてきます。彼等は戦場で死ぬことを最も名誉なことだとして育ってきた為、士気にいささかの迷いも出ません。私は子供と暴力が出てきたので少々嫌悪感を抱きましたが、このお話はそこから出発しないと成立しなくなるのでしょう。逃げるより、最初にきっちり説明してしまうのは重要だと思いました。彼等には悲壮感が無い。恐れも無い。絶望と同意義に捉えられそうな300人対1万人の戦いに、臆することが無い。彼等はこの時点で、ほぼ死の決意を固めているはずなのですが、湿っぽい特攻精神のようなものが無いのです。ここは私は良く分からなかったのですが、彼等は「勝てる」と思っていたのか「負けても戦場で死ねるから良い」のか?ただ「国を守るため俺が捨石となる!」的なヒロイズムはなかったと思います。私はそれがあると泣きポイントなのですが、センサーには引っかかりませんでした。むしろそれが無いのがこんなに爽やかだとは思わなかった。これはこれでかなりいける。
ヒロイズムを感じていたとすれば「王」たる重圧と責任を受け止めていたレオニダス王、そして愛する夫を後方支援すべく奔走する王妃ゴルゴでしょうか。かといって兵士達が何も考えていなかった訳ではありません。あるとすればレオニダスと戦いへの忠誠、戦士としての確固たる誇りかな。なんか考えれば考える程爽やかに思えてきたぞ。
この映画は性質上、ムキムキの肉体美と髭と血と泥と死体と男臭さ
その他、あまり美しくないもので構成されています。歴史考証そっちのけで、ビキニパンツよりはちょっと余裕があるかな?程度のパンツとマントのみ。首がひょーんとか、腕がすぱーんとか、剣がぐっさーとか、もう好きな人にはたまりませんが、嫌いな人にもたまらない作りとなっています。腹筋が好きな人は超お勧めです。ただ、何故か戦いのシーンが美しいのです。スローモーションを上手く使って緩急ある映像になっているからか、ある2人の戦士が迫り来る敵と戦うシーンは踊りを見ているようでとても綺麗でした。300対1万でも「もしかして何とかなるかも」という戦いを展開します。それほど強いし、あり得ないとも思えないのです。
元々原作漫画(ノベルティ小説?)があるらしく、パンフレットにその漫画も載っていましたが、驚くほど忠実に作られているようです。原作からしてビキニパンツだったので、これはもうしょうがないですね。なんでも甲冑で戦うなんて美しくないらしいです。こういうこだわりの上での考証無視は好きです。
パンフレットを信じるならば原作の熱狂的なファンにも支持されているとのこと。それにしても「原作に忠実である」という一点は、身悶えするほど羨ましいです。映像で見てみたいけど、満足な結果に終わらないなら作らんとってくれって話一杯あるもんなぁ…。
ディリオスという兵士がいて、こいつ男前やなぁと思ってたら、ロードオブザリングのファラミア役のディヴィッド・ウェンハムでした。私の男前センサーを喜ぶべきか、好きな俳優なんやったら気づけよ!と突っ込もうか脳内議会でも意見の分かれるところであります。
そういえばこの映画を見ようと思ったきっかけは、「
オペラ座の怪人」のファントム役のジェラルド・バトラーがかっこよかったからなのに、髭もっさもさの筋肉ムキムキマンに変わっていました。あの足長パンツのスマートファントムはどこにいったのだ。今回のはあれはあれでよいけど。それにしても全く別人に見えるなぁ。
(2007/07/10)
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最終更新:2008年06月05日 23:43