潮見知佳

KEY JACK




 久々に読んだので。
 主な登場人物は主人公の秋(どんな鍵でも開けられる)、バーを経営している神林(元オカマ、ハッカー)、シスターのリン(透視能力あり、ダイヤ好き)の三人。一話一話完結します。連作短編みたいな感じ。
 「獣たちの夜」でも書きましたが、この人は見せ場が上手い。一巻を読んだ時は「当たりを見つけた!」とガッツポーズしました。ただ5巻かな、絵もストーリーも今イチになってて、「なんでこんなに面白くなくなったんだ…!」と嘆いたことがあります。この6巻はまぁまぁ面白かったです。でも絵は前のほうが好みでした。なんかあっさりしてきたというか。特にリン。
 リンがピンチに陥ったときに、阿吽の呼吸で救出した秋と神林がしびれるほどかっこいいです。なんだかんだ言って、リンを可愛がっているところとかが好き。友人、恋人どちらでもいいですが、「分かってる」感に魅かれる私としては、この三人が連携するところはかなりツボです。あとクールに見えて人情味厚いとか。
(2007/04/02)

獣たちの夜



 「KEY JACK」という漫画を読んで気に入ってしまったのがこの作家さん。「獣たちの夜」は最後まで読んだので、先にこっちの感想を。
 結論から言うと「どっかで読んだ話やなぁ」って感じでした。自分の中の獣に取り込まれそうな男、なぜかその獣を止められる女。男の理解者や、変な能力を持った尼さんや、男を殺そうとする集団や、いつしか恋に落ちていきそうな男と女、曰くありげなな過去。どのエピソードもどこかで見たことがある、そんな風に思いました。正直言うと「KEY JACK」の方が面白かった。
 ただストーリーはありきたりなんですけど、この人は見せ方がうまいと思うんですね。決めシーンが決まってるというか。コマ割りとかポーズとか、そういうのがとても印象的。漫画の描き方がうまい人なんじゃないかなぁと思います。絵も上手だと思いますし。
 「KEY JACK」で
 男Aが主人公にやたら絡んでくる
 →主人公軽く返り討ち
 →A諦めない。主人公「何なんだよ!お前に恨まれる覚えはないぞ!」
 →A「おまえを倒さないと家族が…!」
 →主人公「なに…!」
 →主人公の仲間が車で乗り付ける「そいつは人質を捕られて脅されているのよ」
 →A「俺はどうなってもいい。家族が…」
 →主人公「そういうことは早く言え」車に乗り込む
って感じの(かなり適当だけど)、もう書いてて背中が痒くなるようなベタなシーンがあるのですが、これがね、めっちゃ決まってたんです。実写化してー!って感じに思えてしまったのです。
 なのでこの人はきっと面白くなると思うのですよ。むしろ原作ありでやってほしいなぁ。「KEY JACK」を見つけた頃は他の本をなかなか見つけられなかったのですが、最近他の本も見かけるようになりました。次作に期待です。
(2006/12/17)


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最終更新:2007年07月19日 01:36
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