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宮部みゆき

我らが隣人の犯罪


 表題作の「我らが隣人の犯罪」と「サボテンの花」「祝・殺人」「この子誰の子」「気分は自殺志願」(順番めちゃくちゃですが)の計5作の短編集です。友人に貸すタイミングで久しぶりに読みました。読み終わって「あぁやっぱり宮部みゆき好きやな~」と思いました。本自体も薄くすごく読みやすいので、あまり本を読まない人にもお勧めしやすいです。
 どれも面白いですし、短編なのであまり語るとネタバレになっちゃうので、内容をくどくど言うのはやめておきます。甲乙付けがたいのですが順位を付けるとすれば「サボテンの花」「この子誰の子」「祝・殺人」「我らが隣人の犯罪」「気分は自殺志願」の順かな。上位2作はほろっときます。「サボテンの花」はそんなうまいこといくかな?って疑問は残るんですけど、それすらどうでもいい位にいいお話です。教頭先生素敵だ。
 宮部みゆきはやはり少年少女が出てくるお話が好きだなぁと思います。「今夜は眠れない」「夢にも思わない」も大好きです。なんだか懐かしいんですよね、私もこんなこと考えていたなぁって。時代物も好きです。「あかんべえ」はほんと読み応えありますし、「初ものがたり」は料理が題材に出てきて短編でこれまた読みやすい。「孤宿の人」もよかったし。短編だと「返事はいらない」もいいです。長編も短編も同じぐらい好きで、どっちもすごく面白い。でも超能力物と社会派チックなのは少し苦手です。最近そっちが多い気がしてちょっと寂しい。
(2007/05/03)

レベル7


 久しぶりに読み返したので。大好きな作家さんです。最近の本は苦手なんですけど、昔のは大好きでした。
 この本は昔読んだ時は「なんて面白いんだ!」と思ったんですが、何度も読んでると復習してる気分になりますね。続きが気になる、よくできた小説だと思います。
 二つの場所から話は進みます。一つは記憶を失った男女が主役です。マンションの一室で目覚めた二人は身元を保証する物が一つもない異常な状態の中、警察に行く事もできず記憶を取り戻そうと行動を始めます。もう一つは娘が一人いる未亡人が主役です。仕事を通じて知り合った十代の少女が家出し、居場所を探して走り回ります。物語が進むに連れ、その二つの話の中に共通の名前が出てきます。その二つの間にはどんな関係があるのか、また記憶喪失の男女の正体は、家出少女はどこにいるのか、を解きほぐしていくお話です。

 地面の上で踊っていると思っていたら、それは誰かの掌の上で、でもその掌の持ち主も別の人の掌の上に座っていました。って話でした。上手いなぁと思いますし、面白かったなぁと思いますけど、でも久しぶりに読むとそれだけでした、感想は。
登場人物はどれもそれなりに魅力的なんですけど、でもそれだけなんですよね。
 読んだコンディションによってこんなに感想変わるんだぁと思いました。あまりお勧めだと思えないような感想ですが、面白さを楽しむには充分だと思います。
 解説の「その人の名を天藤真という」という一文が、昔からずっと心にありました。解説では宮部みゆきの描く話は、天藤真に似ていると語っておられましたが、私はこの文章を読んで、遠い異国で同郷の人に会えた錯覚を覚えました。こんなところでこの人の名を聞くなんて、とても嬉しかったのです。
 天藤真の作品を全て読んだ訳ではありませんが、とても好きでした。私の好みは一貫されていたのだなぁとなんだか嬉しかったり。天藤真は既に亡くなられており、新しいお話を読む事はもうできません。勝手に後継者と言われたら、それは宮部みゆきも嫌な思いをするかもしれませんが、似た匂いを感じられる小説をこれからも読み続けられるのは嬉しいものです。
(2006/09/21)

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最終更新:2007年05月04日 02:43
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