以前読んだ「おこう紅絵暦」の続編みたいです。全然知らずに読み始めて、何か見覚えある名前やな~と思い出しました。なぜ覚えていたかと言うとブログをやっていたからです。やっと役に立った!多分ブログに書いてなかったら、すんなり出てこなかったと思います。
以前はおこうが主役でしたが、今回はおこうの旦那千波一之進のお手先のようなことをしている、絵師の春朗が主役です。千波やおこうや千波の父、おこうの朋輩もちょっとだけ出てきます。また、陰間上がりで何で生計を立てているか分からない「蘭陽」や、「がたさん」(本名が分からないので浮浪者みたいな意味の「がたろ」からきてる)という素性の知れないおっさんも追加されました。
いろんなところで他の作品と繋がりがあるようですが、これ一冊でももちろん面白いです。江戸時代の捕物帖好きな人はお勧めです。
「女地獄」「父子道」「がたろ」「夏芝居」「いのち毛」「虫の目」「姿かがみ」と短編ばかりで読みやすかったです。むしろ「おこう~」よりも面白く感じました。お手先の仕事だけではなく、本職の絵師に関わる仕事がお話に絡んできて、それも面白かったです。この作者は、写楽やら北斎やらを題材にしたお話も描いていて、今回のお話も絵やら筆やらの薀蓄は楽しく読めました。確か春朗は後世北斎と呼ばれるんだとか(うろ覚え)。
一番印象に残っているのは「いのち毛」です。がたさんのお話ですが、良いお話だったと思います。ふいっと春朗の生活の中に入ってきたがたさんは、「いのち毛」までのお話では割と地味で、でもすごく良い脇役だったのですがどっちも面白かったです。
あと「蘭陽」も謎が多い人でした。絶世の美少年をイメージしておりますが、多分問題ないでしょう。
ここから先はちょっとだけネタバレです。
がたさんは途中参加で、かつまた自分の家(筆屋)に帰っちゃうのがちょっと寂しかったです。あと春朗も叔父さん家(鏡師)を継ぐんですよね。この形式でお話が続かないのは残念ですが、マンネリにならなくて逆にいいのか。
「姿かがみ」はロマンチックな題材でしたが、いきなりご禁制のキリシタン絡みになって「おお!」と思いました。そら大事やわ。現代だと「鏡を磨く」ってあまりぴんと来ないんですが、昔の鏡ってどんなんだったんだろう。恋人に貰った鏡を磨かないで置いておいた女性については、もう少し語ってほしかったです。
(2009/02/13)
「だましゑ歌麿」という本の続編らしいです。生憎それを知らずにこっちを先に読んでしまいました。
主役は「おこう」という吟味方筆頭与力の妻であり、元柳橋芸者です。それにおこうの夫、南町奉行所の元同心の一之進、そして一之進の父左門、春朗という売れない絵師などなどが登場します。ここまで書いてなんのこっちゃわからない人はたくさんいるのではないかと思いました。吟味方筆頭与力なんて変換したの初めてです。ちゃんと一発ででるんですね。ベタベタの時代物、舞台は江戸時代です。ようは捕物帳ですな。少し短めの短編が12個入った短編集でした。
ストーリーとしては周りの人間が持ち込んだり、一之進が係っている事件の話を聞いたりして、それをおこうが「なんかちょっとそれひっかかるわぁ」(こんな喋り方はしませんが)とか言って調べたり調べてもらったりして事件を解決する話です。
一編が短くてあっさり読みやすい本でした。でも人情話って謳ってる割に感動したり胸温まる感じはしませんでしたね。なんだろう短すぎるのかな。おこうの性格が今ひとつ掴めないというか。うまく行き過ぎじゃーとか。でも読み易かったので、例えばご飯食べながら読んだり時間潰すにはもってこいです。多分何回か読み返すだろうと思います。よい意味で(私にとっては)、後に何も残らない本でした。時代物に慣れていない人で、読み易さでとっつきやすいのではないでしょうか。
今回はネタバレなしです。
(2006/03/25)
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最終更新:2009年02月14日 00:19