【容疑者xの献身】キャラメルボックス
初めてのキャラメルボックスは「雨と夢のあとに」だった。それがとても面白くて泣けて泣けて、この演劇集団に対する印象は、すごく良いところから始まった。あんまり覚えていないけど「まつさをな」「サボテンの花」と、あとなんか観に行った気がする。残念ながら「雨と夢~」を越えるものはなく、「サボテンの花」にいたっては、
宮部みゆきの原作が大好きだったので、解釈にちょっとむかついた。
今回の演目はベストセラーにもなり映画化もされた
東野圭吾原作「容疑者xの献身」で、タイムリーなせいか、平日にも関わらず大方席は埋まってた。実は私は原作を読んだ時、全然泣けなかったし感動もしなかった。他のガリレオ作品と同じ「あ~面白かった」で読み終わり、速攻内容を忘れた。元々東野圭吾に対する感想はそんなのが多かったので、別に気にしてなかったけど、あれよあれよいう間に売れるし映像化されるし、「泣いた」だの「人はこんな犠牲を払うことができるんだ」だの、感動大作扱いされるようになった。自分の感受性が少々心配になった私は「もしかしたらちゃんと味わったら泣けるのかも!」と期待度満点で劇場に挑んだ。
「容疑者~」は探偵ガリレオシリーズだが主人公はガリレオではなく、ガリレオ先生の大学時代の友人の数学教師のお話。教師の隣の部屋には母娘が住んでいて、その母親が働いている弁当屋で毎日弁当を買う教師。ある日その母娘の部屋へ別れた夫が訪ねてくるが、別れる別れないで言い争った挙句元夫を弾みで殺してしまう。どうしようかと途方に暮れる母娘の部屋に、教師が尋ねて来て…というお話。
見ながら「そうそうそんなお話だった」と思い出せたので、原作にはかなり忠実だったと思う。登場人物に関しても、受けた印象は確か変わらなかった。
その上で。それを踏まえて。
舞台を見ている間、「私は東野圭吾のお話では泣けへんのやろな~」なんてことを思っていた。好きだし面白いしこれからも読むつもりだけど、すごく泣いたり感動したり読み返したいと思うことは、ないような気がする。一時期買い漁って初期の本はほとんど読んだけど、発想がすごい!とか、そこが焦点か!とか、そういう描き方はずるい!うまい!とか、お話ではなく作者の眼に感心したことの方が多い。それがいいとか悪いではなく、ただ感動を求める場合私には東野圭吾は合わないだけだと思う。
舞台ではなく原作の話になってしまった。実際はちょっとほろっとしたし、舞台は無理なく受け入れられた。泣いている人も多かったし。私はキャラメルボックスではガリレオ役の岡田さんが好きなんだけど、今回は教師役の人が渋く光っていたと思う。ところどころ挟まれるギャグが内輪ネタっぽくて、疎外感を感じたのが難点かな。原作が好きな人は行っても損はないと思う。
(2010/02/08)
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最終更新:2010年02月08日 20:51