マツモトトモ

美女が野獣




 「漫画読みたい!」発作が起こり、買ってきた。この人の本は初めてだったけど、面白かったので満足。
 5巻完結で学園物。ある高校の女子寮に入ったエイミのお話です。このエイミは天然というか、ぽけーっとしていてついつい構いたくなる小動物キャラ。見た目が怖いので皆に遠巻きにされている男子寮の鰐淵(通称わにちん)にも、平気で話しかける。軽い感じなので、気合入れなくても読めたし、エイミに惚れるシモーヌも可愛いし、総じて満足!
 エイミは、のだめ(のだめカンタービレ)や、理子(成田美名子のNATURAL)とかぶる。こういうキャラは女子受けもするし、読んでいて安心。私もこんな性格に産まれたかった!と思うけど、こんな風に思う時点でアウトやな。
 恋愛ドロドロでもないし、むしろその辺はぼかしてるのか、さらっと完結。脇役も味があって、スピンオフ作品があれば見たいなぁ。5巻で終わっちゃうなんて人気なかったのかしらん。面白いと思うんやけど。終わりもなんだか唐突だったし。
 「周りから一目置かれる男性が、ある女性にだけ心を許す」というシチュエーションはありがちだけど、よっぽど説得力がないと私は冷める。「全然特徴のない平凡な私なのに、何故か逆ハーレム状態なの★」なお話は、読んでいて口から魂的な何かが出そうになる。特徴ってのが「ちょっと優しい」位じゃ、ひねこびた私は飲み込めない。無理やりでもいい、現実味はそんなになくても構わない、納得できるならそれでいい。キャラへの作者の投影や、読者へのサービス(こんなの好きでしょ?みたいなの)があからさまに見え隠れすると、気持ちが萎える。だけどリアリティを突き詰められると、そんなのは現実にあるから見たくない。そんなわがままな私ですが、この本はちゃんと楽しめた。
 少女漫画だけど、男性でも面白く読めると思う。男子的には「そんなわけあるか~い」と思うことはあるかもしれんけど。私は自分の恋心に四苦八苦するシモーヌと、こんな男子高校生がおったらお目にかかりたい!むしろ拝みたい!と思えるわにちんが好きです。あと飄々とした女子陣が好き。
(2009/10/13)

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最終更新:2009年10月14日 01:30
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