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内海隆一郎

狐の嫁入り―御仕出し立花屋


 江戸時代の庶民のお話でした。連作短編ではないけれど、細かく区切ってあって読みやすかったです。
 主人公は仕出屋の主人で料理人。料理人の部下(?)を抱え日々料理を作っているわけですが、ひょんなことから家族を火事で失った元吉という男の子を預かります。この子を一人前に育て上げようとしますが、この火事はただの火事ではなかったらしく、元吉の周りで不穏なことが起こります。またこの主人公自体も元々は大名家の料理人だったのですが、ある事件をきっかけに一介の仕出屋に落ち着きます。わけありの主人公と、わけありの小僧は近所の岡引も巻き込んで、妙な事件に関わりあうことになってしまいました。
 安心して読める系統なのですが、これは料理が扱われていて面白かったです。江戸時代は動物の肉をほとんど食べなくて(鳥や兎くらいかな?)、ジューシィな表現はないのですが、野菜料理の描写がなんせおいしそうでした。何を隠そう私は料理が絡むお話が大好き。料理漫画はストーリーが面白くなくても好きですし、なぜか読んでしまう。クッキングパパもミスター味っ子も将太の寿司も美味しんぼも読んでおります。安心して読めるので、家族揃って回し読みします。そういえば昔も、ノンタンシリーズの絵本もクッキーを作るやつが一番好きだったし、コマッタさんはお料理作るから好きだったし、鍵ばあさんもご飯作ってくれるやつが好きでした。自分が料理することには目覚めなかったのは何故だ。
 話を戻します。元武士の料理人や、志津さんという途中参加の女性が武道ができて薬に通じていたり、それなりに一芸のある人が出てきているところも、安心して読める理由かなと思います。全く力の無い一般庶民がしんどい思いをするお話は、読んでいる方もしんどいんで。ずるいと言えばずるいのですが、「実はこんな隠れた切り札が!」的な展開は嫌いじゃないのです。
(2009/02/13)

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最終更新:2009年06月07日 17:26
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